DLSS 4.5 レイリコンストラクション 完全解説 / 2026年6月6日
DLSS 4.5 レイリコンストラクションとは
全RTX対応 ・ 対応27ゲーム ・ フレーム生成やMFGとの違いを整理
Computex 2026 で発表された DLSS 4.5 Ray Reconstruction(レイリコンストラクション)は、2026年8月にNVIDIAアプリ経由で配信される、レイトレース画質を底上げする新技術です。最大の特徴は RTX 20 / 30 / 40 / 50 のすべてのGeForce RTXで使えること。買い替えなしで恩恵を受けられる仕組みと、フレーム生成・MFGとの違いを、混同しないように整理して解説します。
2026年8月 配信予定全RTX対応第2世代transformer
出典:NVIDIA GeForce 公式。仕様・配信時期・対応ゲームは本記事公開時点(2026年6月6日)の発表内容にもとづくもので、8月の正式配信に向けて変わる可能性があります。
レイトレーシングやパストレーシングをオンにすると画質は上がりますが、その裏では「ノイズだらけの映像をきれいに整える」という重い処理が走っています。この後処理を担うのが Ray Reconstruction(レイリコンストラクション)です。
2026年8月に配信される DLSS 4.5 Ray Reconstruction は、この仕組みを第2世代のtransformerモデルに刷新し、レイトレ映像の安定感とライティングの正確さを一段引き上げます。そして注目すべきは、これが RTX 50シリーズ専用ではなく、RTX 20シリーズまでさかのぼって全RTXで使える点です。
本記事では (1) Ray Reconstruction の仕組み、(2) DLSS 4.5版で何が新しくなったか、(3) 全RTXで使える意味、(4) フレーム生成やMFGとの違い、(5) 対応27ゲーム、(6) 使い方、(7) おすすめGPU、(8) FAQ の順に解説します。アップスケーリング全体の基礎は DLSS / FSR / XeSS 完全ガイド も合わせてご覧ください。
01 / 早見表DLSS 4.5 レイリコンストラクション 基本情報
まず全体像を整理します。フレームを「増やす」技術ではなく、レイトレ映像を「整える」技術である点がポイントです。
2026年8月 予定
配信時期NVIDIAアプリ経由
ドライバとNVIDIアプリの更新で利用可能になります。ゲーム本体の対応を待たずに適用できる見込みです
全RTX対応
対応ハードウェアRTX 20 / 30 / 40 / 50
RTX 20RTX 30RTX 40RTX 50
役割
何をする技術かレイトレのデノイズ+復元
レイトレ/パストレ映像のノイズを除去し、手調整デノイザーを置き換えるAIネットワークです
対応27本
ローンチ対応ゲームRTXゲーム累計1000本超
サイバーパンク2077・バイオハザード レクイエム・プラグマタなど27タイトルが配信時に対応します
※Ray Reconstruction は DLSS 4.5 の構成要素のひとつです。RTX 50専用の Multi Frame Generation とは別機能で、こちらは全RTXで使えます。両者の違いは後半の比較表で整理します。
02 / 仕組みそもそもレイリコンストラクションとは何か
レイトレーシングやパストレーシングは、光線を画面の一部のピクセルにしか飛ばしません。残りはノイズだらけのスカスカな状態で、これをそのまま表示すると映像はザラザラになります。そこで「ノイズを除去してきれいな絵に復元する」工程が必要になります。
手調整デノイザーを置き換える従来のレイトレゲームは、開発者が手作業で調整したデノイザー(ノイズ除去フィルター)を使っていました。Ray Reconstruction は、これをNVIDIAのスーパーコンピューターで訓練したAIネットワークに置き換えます。
未サンプル部分のピクセルをAIが生成光線が当たっていないノイズの多い部分について、より高品質なピクセルをAIが推定して埋めます。これによりライティングや反射が安定し、ちらつきの少ない映像になります。
デノイズとアップスケーリングを1つに統合ノイズ除去(デノイズ)と解像度アップ(Super Resolution)を別々ではなく単一のAIモデルで処理します。エンジンの時間的・空間的なデータをまとめて解析し、よりシャープで安定した高解像度の絵を作ります。
「フレームを増やす技術」ではないRay Reconstruction は新しいフレームを挿入するフレーム生成とはまったくの別物です。あくまでレイトレ映像の「質」を整える技術で、フレームレートを水増しするものではありません。ここを混同しないことが重要です。
つまり Ray Reconstruction は、レイトレ・パストレを使うゲームでこそ効果を発揮します。レイトレをオフで遊ぶゲームには関係がない、という点も押さえておくと選び方を間違えません。
03 / 進化点DLSS 4.5版で新しくなった「第2世代transformer」
Ray Reconstruction 自体は以前から存在していました。今回の DLSS 4.5 版での進化は、その中身のAIモデルが新世代に切り替わったことです。流れを整理すると次のようになります。
従来はCNNベース、そして第1世代transformerへ初期の Ray Reconstruction は CNN(畳み込みニューラルネット)で動いていましたが、データ量の増加でゴーストや時間的な不安定さが目立つようになりました。DLSS 4(2025年)でレイトレ向けに業界初のtransformerモデルが導入され、画質が大きく改善しました。
DLSS 4.5で第2世代transformerに刷新今回の DLSS 4.5 版が第2世代のtransformerモデルです。より大きなデータセットで訓練され、シーン全体に対する空間認識が深まりました。時間的な蓄積もより細かく制御できるようになっています。
計算能力35%増・パラメータ20%増、それでいて速度は同等NVIDIAによれば、新モデルは計算能力が35%増し、処理パラメータが20%増えながら、従来モデルと同等のパフォーマンスを維持するとされています。重くなるのではなく「同じ速度で画質が上がる」のが狙いです。
具体的な画質面では、ライティングの正確さ・映像の時間的な安定性・動いているときのクリアさが向上すると案内されています。パストレーシングのような重い表現ほど、この恩恵は大きくなります。
04 / 最大の利点RTX 30 ・ 40でも使える、買い替え不要という強み
このアップデートで多くのPCゲーマーにとって一番うれしいのが、対応ハードウェアの広さです。Ray Reconstruction は RTX 20 / 30 / 40 / 50 のすべてのGeForce RTXで利用できます。フレーム生成系の機能が世代を限定しがちな中で、これは大きな違いです。
たとえば RTX 3060 や RTX 4070 を使っている人も、グラフィックボードを買い替えることなく、ドライバとNVIDIアプリの更新だけでレイトレ映像の画質改善を受けられます。すでに手元にあるRTXの価値を底上げしてくれる、息の長いアップデートだと言えます。
SuperResolutionの第2世代とは性質が違う点に注意同じ第2世代transformerでも、Super Resolution(アップスケーリング)の新モデルは、FP8に非対応のRTX 20 / 30で性能負荷が重くなると説明されています。一方 Ray Reconstruction は追加のハードウェア要件なしで全RTXをサポートし続けると案内されており、旧世代でも導入しやすいのが利点です。旧世代での正確な処理コストは正式配信後に確認するのが安全です。
05 / 違い整理レイリコンストラクション ・ アップスケーリング ・ フレーム生成 ・ MFGの違い
DLSSは複数の機能の総称で、名前が似ているため混同されがちです。「どれが何をして、どの世代のRTXで使えるのか」を一覧で整理します。Ray Reconstruction が全RTX対応、フレーム生成系がRTX 40/50に限られる点が重要です。
Super Resolutionアップスケーリング
低い解像度で描いた映像をAIで高解像度に引き伸ばし、フレームレートを稼ぎます
全RTX 20 / 30 / 40 / 50
Ray Reconstructionレイトレのデノイズ+復元
レイトレ/パストレ映像のノイズを除去し、手調整デノイザーを置き換えて画質を整えます。本記事の主役です
全RTX 20 / 30 / 40 / 50
Frame Generationフレーム生成(1枚)
描画済みの2フレームの間に、AIが生成したフレームを1枚挟んでなめらかにします
RTX 40 / 50
Multi Frame GenerationMFG(最大4X)
1枚の描画フレームに対し、最大3枚のAIフレームを生成して挿入します
RTX 50専用
Dynamic MFG / 6X可変フレーム生成(最大6X)
目標フレームレートに合わせて生成倍率を自動調整し、最大6倍まで生成します
RTX 50専用
このように、フレームを「増やす」MFG系はRTX 50専用ですが、映像の「質」を上げる Ray Reconstruction と Super Resolution は全RTXで使えます。レイトレを重視するなら、まずこの2つを正しく使うのが基本です。各機能の設定手順は DLSS 4.5 設定完全ガイド、Super Resolution の新モデルは DLSS 4.5 Super Resolution 解説 で詳しく扱っています。
06 / 対応ゲーム配信時に対応する27タイトル
2026年8月の配信時点で、Ray Reconstruction は27タイトルに対応するとされています。サイバーパンク2077やDOOM ザ・ダークエイジといったレイトレ/パストレの代表作に加え、バイオハザード レクイエムやプラグマタなど今後の注目作も含まれます。
青いタイルは当サイトに関連記事がある作品です。気になるタイトルがあれば、推奨スペックやGPU別の実測も合わせてチェックしてみてください。
さらに、クリエイター向けでは Blender Cycles が2026年秋の Blender 5.3 で Ray Reconstruction をデノイザーとして統合する予定です。ビューポートのプレビューをリアルタイムに近い品質で確認できるようになり、3D制作の作業効率も上がります。
07 / 使い方NVIDIアプリでの有効化と配信時期
配信は2026年8月の予定です。利用方法はシンプルで、グラフィックボードを買い替える必要はありません。
ドライバとNVIDIアプリを最新にする配信開始後、最新のGeForceドライバとNVIDIアプリに更新します。ここに新しい Ray Reconstruction モデルが含まれます。
ゲーム内設定、またはNVIDIアプリのオーバーライドで適用ネイティブ対応ゲームはゲーム内のDLSS設定から、未対応ゲームでもNVIDIアプリの「DLSS Override」機能で新モデルへ差し替えられる見込みです。ゲーム本体のアップデートを待たずに適用できる点が便利です。
レイトレ/パストレをオンにして効果を確認Ray Reconstruction はレイトレ系の表現で効きます。レイトレやパストレをオンにした状態で、ライティングの安定感やちらつきの少なさを見比べてみてください。
※NVIDIアプリ内の正確なトグル位置や操作手順は、2026年8月の正式配信時に確定します。本記事は配信後に最新の手順へ更新する予定です。
08 / 参考レイトレ ・ パストレを最高画質で楽しむGPU
Ray Reconstruction はお手持ちのRTXでも使えますが、これからレイトレ・パストレを快適に楽しむために新調するなら、解像度と予算に応じて4枚のグラフィックボードを紹介します。いずれもRTX 50シリーズで、Ray Reconstruction に加えてRTX 50専用のマルチフレーム生成まで使えるのが強みです。
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09 / FAQよくある質問
RTX 3060やRTX 4070でもレイリコンストラクションは使えますか
使えます。DLSS 4.5 Ray Reconstruction は RTX 20 / 30 / 40 / 50 のすべてのGeForce RTXに対応します。グラフィックボードを買い替えなくても、ドライバとNVIDIアプリの更新でレイトレ映像の画質が向上します。
いつ配信されますか
2026年8月にNVIDIアプリ経由で配信される予定です。具体的な日付は未発表で、今後の続報を待つ形になります。
フレーム生成やMFGと何が違うのですか
Ray Reconstruction はレイトレ映像のノイズを除去して画質を整える技術で、フレームを増やすものではありません。一方フレーム生成やMFGはAIフレームを挿入してフレームレートを水増しする技術です。MFGはRTX 50専用ですが、Ray Reconstruction は全RTXで使えます。
レイトレをオフで遊ぶゲームでも効果はありますか
基本的にありません。Ray Reconstruction はレイトレーシングやパストレーシングをオンにしたときのノイズ除去を担う技術です。レイトレを使わないゲームでは、アップスケーリングのSuper Resolutionやフレーム生成のほうが体感に効きます。
DLSS 4とDLSS 4.5は何が違うのですか
DLSS 4(2025年)はマルチフレーム生成を初めて搭載し、レイトレ向けにtransformerモデルを導入した版です。DLSS 4.5はそれを発展させ、Super Resolutionと今回のRay Reconstructionに第2世代transformerを適用し、RTX 50向けにDynamic MFGを追加した版です。Ray Reconstruction はこのDLSS 4.5系譜の機能です。
DLSS 5は登場しないのですか
2026年6月時点でDLSS 5は発表されていません。Computex 2026で公開されたのはDLSS 4.5の強化(Ray Reconstructionの第2世代transformer化など)で、当面はDLSS 4.5を軸にした改良が続く見込みです。
10 / 結論まとめ|手持ちのRTXの価値を底上げする一手
DLSS 4.5 Ray Reconstruction は、派手にフレームレートを増やすタイプの機能ではありませんが、レイトレ・パストレの映像品質を地道に、しかし確実に引き上げるアップデートです。全RTX対応で買い替え不要という点で、多くのゲーマーにとって実利のある進化だと言えます。
恩恵が大きい人
- レイトレ ・ パストレ対応ゲームをよく遊ぶ人
- RTX 30 ・ 40を使い続けたい人(買い替え不要)
- サイバーパンクやDOOMなど対応作で画質を上げたい人
- Blenderなどクリエイティブ用途でレイトレを使う人
急がなくてよい人
- レイトレをオフで遊ぶことが多い人
- フレームレートの底上げ重視の人 → フレーム生成が有効
- 正式配信を待ってから試したい人
- 競技系の軽いタイトル中心の人
総評
DLSS 4.5 Ray Reconstruction は、レイトレ映像のノイズ除去を第2世代transformerで刷新し、全RTXで使えるのが最大の魅力です。RTX 50専用のマルチフレーム生成と違い、RTX 20までさかのぼって恩恵が届きます。
計算能力が増えても速度は同等とされるため、「重くなるのを我慢して画質を取る」必要がないのも実用的です。配信は2026年8月予定なので、まずは手持ちのRTXのまま、対応ゲームで効果を試すところから始めるのがおすすめです。
DLSSの各機能の使い分けや設定の詳細は、DLSS / FSR / XeSS 完全ガイド と DLSS 4.5 設定完全ガイド を参考に、自分の環境に合わせて調整してみてください。
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