DLSS 4.5 Super Resolution 解説|2代目トランスフォーマーで「計算量5倍」|RTX世代別の恩恵と正しい設定【2026年3月版】

(更新: 2026.5.23)
DLSS 4.5 Super Resolution 解説|2代目トランスフォーマーで「計算量5倍」|RTX世代別の恩恵と正しい設定【2026年3月版】

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DLSS 4.5 SR 解説出典:NVIDIA公式(2026.01.14 リリース)
DLSS 4.5 Super Resolution
2代目トランスフォーマーで何が変わったか

1月14日に静かにリリースされた2代目トランスフォーマーモデル(Preset M/L)。初代比で計算量5倍・線形色空間処理・FP8推論という3つの変化がHDRハイライトのつぶれとゴーストを解消します。ただしRTX 20/30系ではfpsが最大24%低下するため、世代別に異なる「正しい設定」を把握しておく必要があります

3行でわかるポイント
  • 2代目トランスフォーマー(Preset M/L)は2026年1月14日リリース済み。NVIDIA Appの設定1つで切り替えられる
  • 「計算量5倍」「線形色空間」「FP8推論」の3点が柱——HDRハイライトのつぶれ・ゴースト低減に直結する変化
  • RTX 20/30系はfpsが最大24%低下。FP8非対応のためNVIDIA自身がPreset K(初代トランスフォーマー)を推奨
目次

DLSSはどう進化してきたか|CNN→トランスフォーマーの流れ

DLSS 1〜3世代が採用していた「CNN(畳み込みニューラルネット)」は、局所的なピクセル近傍を解析して超解像を行う手法です。手動ヒューリスティックでゴーストを抑制しながら6年間にわたって改良が続けられましたが、2024年頃にはCNNアーキテクチャとしての限界が明確になっていました。

2025年1月のDLSS 4(Preset K)で、NVIDIAはトランスフォーマー構造へ転換します。フレーム全体をまたぐセルフアテンションにより「どのピクセルが重要か」を自律的に判断でき、手動ヒューリスティックに依存しないゴースト抑制を初めて実現しました。そして2026年1月14日、その進化版として登場した2代目トランスフォーマー(Preset M/L)が、さらに3点の根本的な変化を加えています。

DLSS 1〜3(2018〜2024年)
CNN
局所的な畳み込みで超解像。手動ヒューリスティックで時間的安定性を補正。6年の改良後に限界に到達
DLSS 4(2025年1月)
1代目トランスフォーマー — Preset K
フレーム全体のセルフアテンションで長距離依存を捉える。CNNの約4倍の計算量。圧縮(ガンマ)色空間で動作
DLSS 4.5(2026年1月14日)
2代目トランスフォーマー — Preset M/L
Preset K比で計算量5倍。線形色空間でライティングを物理的に正確に処理。RTX 40/50ではFP8/FP4推論でオーバーヘッドを最小化

2代目で何が変わったか|3つの技術的な柱

01
計算量5倍(Preset K比)
「5倍」とは1フレームを生成するための浮動小数点演算の量が、初代トランスフォーマー(Preset K)比で5倍になったことを指します。「推論速度が5倍遅くなる」わけではなく、RTX 40/50ではFP8/FP4加速がその大部分を吸収します。増えた計算量はモデルの表現力——細部の再現精度・時間的安定性——に充てられており、特にPerformanceモードでの品質向上が顕著です
02
線形色空間(Linear Space)処理
これまでのDLSSはガンマ圧縮(対数的な色空間)でフレームを処理していました。圧縮によって時間的安定性は得やすい反面、HDRハイライトや鏡面反射の正確な光量情報が失われていました。2代目では物理的な光の強度に比例した「線形色空間」のまま処理するため、ネオン看板・光沢面・パストレーシング光源の輝度が正確に再現されます
03
FP8 / FP4推論精度
RTX 40(Ada)のTensorコアはFP8推論をサポートし、FP16比で約2倍のスループットを発揮して5倍の計算量増を大きく相殺します。RTX 50(Blackwell)はさらにFP4も活用可能で、オーバーヘッドを極小に抑えられます。一方RTX 20/30はFP16止まりで5倍の計算負荷がそのままfpsに影響し、NVIDIAがPreset Kを推奨している理由がここにあります

RTX世代別の対応状況と実測パフォーマンス影響

Preset M/Lは技術的にはRTX 20以降の全世代で動作しますが、体験は世代によって大きく異なります。

GPU世代Tensorコア世代FP8対応Preset M/Lの影響推奨設定
RTX 50(Blackwell)第5世代FP4 + FP8オーバーヘッド極小
最大のメリット
Preset M/L 推奨
RTX 40(Ada)第4世代FP8Quality: -6.1%
DLAA: -13.5%
Preset M/L 推奨
RTX 30(Ampere)第3世代なし(FP16)Quality: -19〜24%
DLAA: -24%
Preset K 推奨
RTX 20(Turing)第2世代なし(FP16)RTX 30と同等の
fps低下
Preset K 推奨

以下はRTX 40系でのPreset K vs Preset Mのfps差実測値(海外PCハードウェア系メディア計測・黒神話:悟空 2560×1440)。DLAAで-13.5%・Qualityで-6.1%と、より高解像度で処理するモードほど影響が大きくなっています。NVIDIAの「推奨(Recommended)」設定がPerformance以下のモードにのみPreset Mを自動適用するのはこのためです。

DLAA
-13.5%
フル解像度処理のため最も負荷が高い
Quality
-6.1%
画質向上を最も実感しやすいモード
Balanced
-4.8%
品質・負荷バランスの良い選択肢
Performance
-2.4%
推奨設定で自動選択(Preset M)
Ultra Perf
-0.9%
推奨設定で自動選択(Preset L)

線形色空間で何が変わるか|具体的な改善シーン

「線形空間」と言われても直感的にわかりにくい部分があります。実際にどのような映像が改善されるか、具体的なシーンで整理します。

01
HDRハイライト・炎・爆発
ネオン看板・炎・魔法エフェクトなど輝度が極端に高い部分は、圧縮色空間ではピクセルの輝度が切り捨てられてノッペリした印象になっていました。線形処理で本来の光量が正確に再現されます
02
コックピット・計器類
Microsoft Flight Simulator 2024コミュニティで長年報告されていた「コックピット内のスメアリング・計器ゴースト」が解消。明暗差が激しい屋内→屋外視野の境界部分が特に改善されます
03
鏡面反射・グレア
カーゲームのボディ反射、RPGの魔法エフェクトなど高輝度の鏡面ハイライトが、物理的に正確な輝度スケールで処理されるようになります。黒神話:悟空の光沢素材での改善が報告されています
04
明暗差が激しいシーン全般
神殿内部(暗部)と外光(明部)が同フレームに共存するシーンでは、圧縮で失われていた暗部のグラデーション情報も保持されます。コントラストが豊かになり奥行き感が増します

FSR 4・XeSS 3との画質比較

海外PCハードウェア系メディア(2026年3月)が6タイトルで実施したブラインドテストでは、DLSS 4.5が48.2%の票を獲得し、ネイティブレンダリング(24%)・FSR 4を上回り全6タイトルでトップを獲得しました。

DLSS 4.5(Preset M/L)
48.2%
ブラインドテスト1位
  • 全RTXシリーズ対応(20/30はPreset K推奨)
  • 最もシャープでゴーストが少ない
  • Ray Reconstructionと同時使用不可
  • Dynamic MFGはRTX 50専用(3/31〜)
FSR 4
RDNA 4(RX 9000)専用
  • RDNA 4で「DLSSに迫る品質」と評価
  • 他GPUはFSR 3にフォールバック
  • 全体的にやや柔らかい印象
  • INT8版がRDNA 2/3でも非公式対応
XeSS 3.0
Intel Arc全世代対応
  • Arc A/B全世代でMFG(3〜4倍)対応
  • Arc専用XMX使用時はDLSSに近い品質
  • Arc以外のGPUでは品質が低下
  • オープンソース化を約束も未履行

設定方法|プリセットを切り替える4ステップ

NVIDIA Appの「推奨(Recommended)」を選ぶと、PerformanceモードとUltra PerformanceモードだけPreset M/Lが自動選択されます。QualityやDLAAでも新モデルを使いたい場合は手動設定が必要です。

1
ドライバを591.74以降に更新NVIDIA App → ドライバ → アップデートを確認。591.74(2026年1月14日リリース)以降が対象。Dynamic MFG(3/31〜)には595.79 WHQLが別途必要
2
NVIDIA App → グラフィックス設定を開く特定ゲームを選択するか「グローバル設定」でDLSSオーバーライドセクションを展開する
3
「DLSSオーバーライド — モデルプリセット」を設定「推奨」はPerformance→M、Ultra Performance→L、それ以外→Kを自動選択。QualityやDLAAでもPreset Mを使いたい場合は「M」を手動指定する
4
オーバーレイで動作確認(任意)Alt+Z → 統計ビュー → 「SR Model OVR」インジケーターでプリセットが正しく反映されているか確認できる
Ray Reconstructionをお使いの方へ:Ray Reconstruction(RR)とPreset M/Lは同時使用できません。RRを有効にしている場合、Preset Mを設定していても自動的にPreset K(初代トランスフォーマー)へフォールバックします。パストレーシング重視であれば、現時点ではPreset Kが現実的な選択です。

RTX世代別の推奨設定まとめ

DLSS 4.5 SRの2代目トランスフォーマーは「計算量を大幅に増やした分、FP8/FP4で帳尻を合わせる」設計です。RTX 40/50ユーザーには積極的なPreset M移行を勧められますが、RTX 20/30ユーザーには現時点では慎重な判断が必要です。

RTX 50シリーズ
今すぐPreset Mへ
FP4/FP8でオーバーヘッドを極小化。全モードでPreset Mを推奨。Dynamic MFGとの組み合わせで最大の恩恵
RTX 40シリーズ
Preset Mへ切り替え
FP8で計算負荷を相殺。Quality以上でも-6%程度で許容範囲。RTX 4080以上なら全モード推奨
RTX 30シリーズ
Preset Kのまま
FP8非対応でfps最大24%低下の報告あり。1代目トランスフォーマー(Preset K)でも画質は十分高く、現時点ではKが得策
RTX 20シリーズ
Preset Kのまま
RTX 30と同様にFP16制約あり。Preset Kでも2代目CNN比で品質は大幅に向上済みのため、現在のまま使い続けることを推奨

参考|DLSS 4.5 Preset M/Lをフル活用できるおすすめGPU 2選

記事の世代別マトリクスで「Preset M/L推奨」になるのはRTX 40/50系(FP8/FP4対応)です。RTX 20/30系から乗り換えるとPreset M/Lのfps負荷を相殺しつつ画質向上の恩恵を最大限受けられます。NVIDIAの最新最強アップスケーリングを快適に楽しむための2枚を紹介します。

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