FSR 4.1とPSSR・QSSRの違い|標準PS5にもAI超解像、RX 7000は公式対応・RX 6000は2027年【2026年10月版】
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同じ共同開発から生まれ、RX 7000は公式対応、RX 6000は2027年初めの予定
2026年3月19日にAdrenalin Edition 26.3.1で登場したFSR 4.1は、紅の砂漠・デス・ストランディング2の発売日に重なる形で静かに配信されました。その裏側には、AMDとソニーが2023年から進める「Project Amethyst」があり、PS5 ProのPSSRと同一のニューラルネットワークを採用しています。
その後の半年で対応は広がりました。RX 7000シリーズは2026年6月22日のAdrenalin 26.6.2でINT8版が公式対応し、10月2日には同じ共同開発から、標準PS5向けの軽量版「QSSR」が発表されました。PCで使えるのはRadeonのFSR 4.1で、QSSRはPS5専用です。
手元のGPUで使い分けは決まります。RX 9000は26.3.1以降、RX 7000は26.6.2以降で使えて、RX 6000は2027年初めの公式対応までFSR 3.1が基本です。DLSS 4.5との画質差は縮まったものの、首位は変わっていません。
目次
要点FSR 4.1とQSSRで押さえること
- FSR 4.1はAMDとソニーの共同開発「Project Amethyst」の成果です。PS5 Pro向けの新PSSRと同一のニューラルネットワークを採用し、テクスチャのディテール保持・動き中のスミアリング低減・透明オブジェクトのアーティファクト改善が主な変更点です。
- RX 9000系に続き、RX 7000系も公式対応しています。RX 9000系は26.3.1(2026年3月19日)から、RX 7000系は26.6.2(2026年6月22日)からINT8版で使えます。RX 9000系での処理コストはFSR 4と変わらず、画質は明確に向上しています。
- DLSS 4.5とのギャップは縮まりましたが、逆転には至っていません。比較テストではFSR 4.1がFSR 4を上回り、総合首位はDLSS 4.5です。RX 6000系(RDNA 2)の対応は2027年初めの予定です。
- 2026年10月、標準PS5向けの軽量版「QSSR」が登場しました。PSSRを主にFP16で動くよう作り直したもので、『Marvel’s Wolverine』では864pから1440pへの変換が従来のアップスケーラーより1.5〜1.8ms重くなります。PS5専用で、PCのゲームでは使えません。
01Project Amethyst|AMDとSonyの共同開発
FSR 4.1を理解する上で外せないのが「Project Amethyst」です。AMDとSonyが2023年から進めているこの共同開発プロジェクトは、両社のMLアップスケーリング技術を統合することを目的としています。約9か月で動作アルゴリズムを完成させ、PC向けにはFSR 4.1、PlayStation向けには次世代PSSRとして結実しました。2026年10月には、標準PS5で動く軽量版のQSSRもこのプロジェクトから生まれています。
Sonyは「次のFSRアップデートはPSSRの技術を含む」と公式に確認しています。つまり「RX 9070 XTとPS5 Proは同じAIで映像を高解像度化している」ということになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時期 | 2023年(AMDとソニーの共同) |
| 目的 | AMD FSRとソニーPSSRのニューラルネット技術の統合 |
| 開発期間 | 動作アルゴリズム完成まで約9か月 |
| PC向けの成果 | FSR 4.1(Adrenalin 26.3.1に同梱) |
| PS向けの成果 | 新世代PSSR(PS5 Pro向けアップデート) |
| 標準PS5向け | QSSR(2026年10月、主にFP16で動く軽量版) |
| 共通点 | 同一のニューラルネットワーク・モデルを共有 |
この連携の意味はAMDのエコシステム戦略という観点でも興味深いです。PS5はAMD GPU採用の最大規模プラットフォームのひとつ。AMDがSonyと共同でMLアップスケーリングを開発することで、PC・コンソール双方に同等の技術を展開できる体制を作りつつあります。
02標準PS5にQSSR|PSSRの軽量版とPCのFSR・DLSSの違い
日本時間2026年10月2日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、標準モデルのPS5で動くAIアップスケーリング「クイックスペクトルスーパーレゾリューション(QSSR)」を発表しました。Project Amethystから生まれたPSSRの進化形という位置づけで、同じ日に配信されたパッチで『Marvel’s Wolverine』と『Ghost of Yōtei』のグラフィック設定に選択肢として加わっています。今後はPlayStation向けのすべての開発者に提供されます。

PSSRとの違いは、推論に使う演算です。PS5 Proは機械学習用に300 TOPSの専用ハードウェアを持ち、PSSRはINT8(8ビット整数)命令で動きます。標準PS5はこの命令に対応していないため、QSSRは主にFP16(16ビット浮動小数点)で計算し、ニューラルネットワークの構造も軽くしています。SIEのDaniel Craig氏(グラフィックス研究開発部門プリンシパルエンジニア)は、標準PS5で品質と処理量のどこに着地させるかが難しい選択だったとしたうえで、開発者が負担できる処理量で一般的なTAAより良い画質を出せる位置を選んだと説明しています。
PS5とPCのAIアップスケーリングを、動く機器と演算で並べると次のとおりです。
| 技術(動く機器) | 推論の演算 | 補足 |
|---|---|---|
| PSSR(PS5 Pro) | INT8(機械学習専用300 TOPS) | 4K出力が基本。4Kへの変換は約2ms |
| QSSR(PS5 標準モデル) | 主にFP16 | 1440p出力が本命。4K出力では処理時間の増加が約4.4ms |
| FSR 4.1(Radeon RX 9000) | FP8 | PSSRと同じProject Amethystの技術 |
| FSR 4.1 INT8版(Radeon RX 7000) | INT8 | 2026年6月22日から公式。FP8版をINT8向けに作り直したモデル |
| DLSS 4.5(GeForce RTX 20以降) | 専用のTensorコア | NVIDIA独自。RadeonやPS5では動かない |
処理の重さは、『Marvel’s Wolverine』と『Ghost of Yōtei』の実測で次のとおりです。比べる相手は、それぞれのゲームが元から使っているアップスケーラーです。
| 計測した条件 | QSSRの結果 |
|---|---|
| 『Marvel’s Wolverine』パフォーマンスモード 上限解除・VRR、864p→1440p | 従来より1.5〜1.8ms長く、8〜10fps低い |
| 『Marvel’s Wolverine』フィデリティモード 上限解除、2160p出力 | 処理時間の増加は約4.4ms。fpsの差は同じく8〜10fps |
| 『Marvel’s Wolverine』60Hzのパフォーマンスモード 動的解像度あり | 内部解像度が下がる分でfpsはほぼ同じ。画質は大きく向上 |
| 『Ghost of Yōtei』パフォーマンスモード 上限解除・VRR | 既存のFSR 3とほぼ同じfps(入出力の解像度がそろっているかは未確認) |
画質は、時間方向の安定性、髪の毛や細い線のようなサブピクセルの再現、揺れる草木に出るゴーストのいずれも改善しています。一方、もともと画質の良い『Ghost of Yōtei』では改善幅が小さく、効果はそのゲームが元々どのアップスケーラーを使っていたかで変わります。
動的解像度が増えた処理時間を吸収するため、fpsはほぼ変わらず画質が上がります。120Hz・VRRの上限解除で滑らかさを最優先する場合だけ、8〜10fpsの差と画質を天秤にかけてください。
『Ghost of Yōtei』を含むモード別の選び方、処理時間を60fpsの持ち時間に置き換えた数字、QSSRが来てもPS5 Proを選ぶ理由はQSSRとは|通常PS5のAI超解像とPSSRとの違いで確認できます。
PCゲーマーに直接の影響はありません。QSSRはPS5のゲームに組み込むライブラリで、ソニーの発表にもSIEの技術者の説明にも、PCのFSRへ取り込む話は出ていません。PCで同じ系統のAIアップスケーリングを使う手段は、これまでどおりRadeonのFSR 4.1です。
ひとつ材料になるのは、標準PS5のGPUがRDNA 2ベースだという点です。PCで同じ世代にあたるRX 6000シリーズ向けのFSR 4.1は、AMDが2027年初めの提供を予告しており、6月にはRDNA 3世代の内蔵GPU向けに軽量な機械学習モデルを開発中だとも明かしました。同じRDNA 2世代のPS5で、機械学習のアップスケーリングが1.5〜1.8msの上乗せに収まったことは、RX 6000でも実用的な重さに収められる見込みを示す材料です。ただしこれは推測で、RX 6000向けがどの程度の重さと画質になるかは、2027年の提供を待つ必要があります。
RX 9000はAdrenalin 26.3.1以降でFSR 4.1、RX 7000は26.6.2以降でFSR 4.1(INT8版)、RX 6000は2027年初めまではFSR 3.1、GeForce RTXはDLSS 4.5が第一候補です。品質モードの選び方はGPU世代ごとにDLSS 4.5・FSR Upscaling・XeSS 3の違いと最適設定の表で確認できます。
03FSR 4.0からFSR 4.1|具体的に何が変わったか
FSR 4.1のパフォーマンス(fps)への影響はありません。FSR 4とFSR 4.1の間で、フレームレートに測定できる差はなく、今回は純粋な画質アップデートです。
| 観点 | 改善された点・注意点 |
|---|---|
| 改善:テクスチャのディテール保持 | 動き中のスミアリング(にじみ)が顕著に低減。草・葉などのオーバーラップ表現が安定し、細部が流れにくくなりました |
| 改善:透明オブジェクト | Cyberpunk 2077・Ratchet & Clankで確認済み。透明素材・ガラス越しの表現が良くなりました |
| 改善:Ultra Performanceモード | 最も解像度を下げるUPモードで改善幅が大きく、低スペック環境での恩恵が大きい |
| 改善:カメラモーション | 速いカメラ操作時のブレが軽減。Assassin’s Creed Shadowsの水面ハイライトのフリッカーも改善 |
| 注意:シマリング・グレイン | 細かいディテールの再構成時に新たなノイズが出る場面があり、全面的な向上ではありません |
| 注意:ゴースト | スミアリング低減の副作用として、ゴーストが相対的に目立つ場合があります |
| 注意:効果の幅 | Horizon Zero Dawn Remasteredでは差がほぼ見られず、ゲームによって効果は異なります |
04対応GPU|RX 9000とRX 7000で演算が違う理由
FSR 4.1は登場時はRDNA 4(Radeon RX 9000シリーズ)専用でしたが、2026年6月22日のAdrenalin Edition 26.6.2でRX 7000シリーズにも公式対応しました。RX 6000シリーズは2027年初めの予定です。世代ごとに扱いが分かれる理由は、ハードウェアの命令セットにあります。
| GPU世代(代表モデル) | FSR 4.1(公式) | 備考 |
|---|---|---|
| RDNA 4(RX 9070 XT / RX 9070) | 完全対応 | Adrenalin 26.3.1から正式サポート |
| RDNA 3(RX 7900 XTX / RX 7800 XT) | 公式対応(INT8版) | Adrenalin 26.6.2(2026年6月22日)から。対応ゲーム300本以上 |
| RDNA 2 RX 6800 XT / RX 6700 XT | 2027年初め予定 | それまではFSR 3.1、またはOptiScaler経由のFSR 4(INT8版・非公式) |
| NVIDIA / Intel(RTX・Arc等) | 非対応 | FSR 3.1まで(全GPU対応)は引き続き利用可 |
FSR 4はFP8(8ビット浮動小数点)対応のWMMA命令を前提に作られており、この命令はRDNA 4から搭載されています。FP8を持たないRX 7000向けには、AMDがINT8(8ビット整数)で動くモデルを別に用意しました。古い命令で代替する分、処理の効率は落ちます。
05実測データ|FSR 4・FSR 4.1・DLSS 4.5の比較テスト
複数タイトルを1440pのQualityモードで比べると、FSR 4.1はFSR 4より鮮明になったものの、首位は依然としてDLSS 4.5です。画質の優劣はレビューの評価を整理したもので、fpsの計測値ではありません。
| タイトル | FSR 4.0から4.1への変化 | DLSS 4.5との比較 |
|---|---|---|
| Cyberpunk 2077 | 明確に向上 | DLSS 4.5が首位 |
| Assassin’s Creed Shadows | 水面のフリッカーが改善 | DLSS 4.5が首位 |
| Horizon Zero Dawn Remastered | 差は軽微 | DLSS 4.5が首位 |
全タイトル共通で、FSR 4とFSR 4.1のfpsに差はありません(処理コストの変化なし)。
06同時更新|Ray Regeneration 1.1も進化
Adrenalin 26.3.1ではFSR 4.1と同時にRay Regeneration 1.1も更新されています。
レイトレーシングのリフレクション・グローバルイルミネーション(GI)をMLで再構成し、RTオン時のノイズとちらつきを低減する技術です。FSR 4.1と組み合わせることでレイトレーシングゲームでの恩恵が大きくなります。DXR対応タイトルでRT有効時に試す価値があります。
07DLSS 4.5・XeSS 3.0との現在地
3社のアップスケーリング技術の対応状況を、2026年3月時点の比較で並べると次のとおりです。
| 技術 | GPU対象と特徴 | 次の展開・注意点 |
|---|---|---|
| NVIDIA DLSS 4.5(総合首位) | RTX全世代で超解像、MFGはRTX 50系専用。第2世代トランスフォーマーモデルで、ブラインドテストの支持が最多 | Dynamic MFG(6倍)が3/31にβ解禁 |
| AMD FSR 4.1(前回から改善) | RX 9000系・RX 7000系で対応、FSR 3.1は全GPU対応。Project Amethyst産でPSSRと同一NN、fps負荷なしで画質改善 | FSR Diamond(MFG対応)がRDNA 5向けに開発中 |
| Intel XeSS 3.0(全世代MFG対応が強み) | 超解像は全GPU対応、4x MFGはArc全世代。Arc AlchemistからMFG対応で、XeLL込みでレイテンシも改善 | オープンソース化の約束は未履行のまま |
この比較のあと、FSR 4.1は2026年6月22日にRX 7000シリーズへも公式対応しました(INT8版)。RX 6000シリーズは2027年初めの予定です。
08OptiScalerとFSR 4.1|RX 7000の公式対応で何が変わったか
OptiScalerは、AMDのソースコード流出で見つかったFSR 4のINT8版を、RX 6000・7000で動かすための非公式ツールです。2026年3月の時点では、開発者がGitHubで「FSR 4.1のINT8対応はAMDが公式に実装しない限り行わない」とコメントしていました。
その公式実装が、2026年6月22日にRX 7000向けとして出ました。AMDはRX 7000対応の告知とあわせて、公式版のほうがコミュニティで出回っているFSR 4.0.2cより高いfpsを出すとする比較映像を公開しています。RX 7000では、対応ゲーム300本以上ならAdrenalinの更新だけで公式版が使えます。それ以外のゲームに差し込む場合と、公式版がまだないRX 6000では、引き続きOptiScalerが選択肢になります(非公式のため動作は保証されません)。
RX 6000系は、2027年初めの公式対応まではFSR 3.1(全GPU対応)か、OptiScaler経由のFSR 4(INT8版・非公式)が現実的な選択肢です。
09参考|FSR 4.1をFP8で動かせるRX 9000シリーズ2選
FSR 4.1を本来のFP8で動かせるのはRX 9000シリーズです。RX 7000でも使えるようになりましたが、INT8版は古い命令で代替する分効率が落ちるため、これから買うならRX 9000が素直な選択です。上位と入門の2モデルを挙げます。
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
RX 9000は26.3.1以降、RX 7000は26.6.2以降のAdrenalinでFSR 4.1が使えます。RX 6000は2027年初めの公式対応までFSR 3.1が基本で、非公式のOptiScalerは動作の保証がありません。
QSSRはPS5専用で、PCのゲームには影響しません。画質の首位は今もDLSS 4.5ですが、RadeonではFSR 4.1に切り替えるだけで無償で画質が上がります。
出典:QSSRの仕様と対応タイトルはPlayStation.Blog日本語版の発表、FP16での実装・処理時間の計測・Daniel Craig氏の説明はDigital Foundryの検証記事、PSSRとProject Amethystの関係はPlayStation.Blog(2026年2月27日)、PS5のGPU世代はPlayStation.Blog日本語版(2020年3月19日)、RX 7000・RX 6000の対応時期はAMDのAdrenalin Edition 26.6.2リリースノートとJack Huynh氏のX投稿(2026年5月14日・6月22日)によります(2026年10月3日確認)。






