FSR DiamondはRX 9000で動かない——現行RadeonユーザーがDLSS 4 MFGに対抗できるか3つの結論【2026年3月】

(更新: 2026.6.12)
FSR DiamondはRX 9000で動かない——現行RadeonユーザーがDLSS 4 MFGに対抗できるか3つの結論【2026年3月】

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AMD / GPU技術 / RX 9000ユーザー要必読
出典:Xbox Wire(2026.03.11)/ 複数の海外テックメディアの報道
FSR DiamondはRX 9000で動かない
RX 9070 XT / 9070ユーザーが取れる3つの結論

GDC 2026でAMDが次世代アップスケーリング「FSR Diamond」を発表。DLSS 4 MFGに対抗するマルチフレーム生成をAMDもようやく投入しますが、衝撃的なのは「現行RX 9000(RDNA 4)では動かない」ことです。買って間もないRX 9070 XT / 9070ユーザーが今後取るべき3つの選択肢を整理します

2026年3月11日のGDCで、AMDは次世代アップスケーリング技術スイート「FSR Diamond」を発表しました。MLアップスケーリング・マルチフレーム生成・Ray Regeneration・ニューラルテクスチャ圧縮を束ねた次世代基盤で、AMDが長らく後れを取っていたマルチフレーム生成(MFG)にようやく対応します。

しかし、買ったばかりのRX 9070 XT・RX 9070ユーザーには衝撃的な事実があります。FSR Diamondは現行のRDNA 4(RX 9000シリーズ)では動かず、RDNA 5世代のGPU・専用NPU・Project Helix系のSoCが前提となる見込みです。PC向けの提供は2027年以降の見通し。「DLSS 4 MFGに追いつく」という期待で買い替えた層は、もう一度RDNA 5への乗り換えを迫られます。

この記事では、FSR Diamondの中身(4機能)と現行FSR Redstoneとの違いを整理したうえで、RX 9000ユーザーが取れる3つの結論——「RDNA 5まで待つ」「FSR Redstoneで戦う」「DLSS 4 MFG対応のRTX 50系へ乗り換える」——を、コスト・タイミング・現実的な性能差で評価します。

3行でわかる発表内容
  • FSR DiamondはMLアップスケーリング・マルチフレーム生成・Ray Regeneration・ニューラルテクスチャ圧縮の4機能を束ねた次世代ニューラルレンダリングスイート
  • AMDとして初のマルチフレーム生成(複数フレーム同時生成)を搭載。次世代Xbox「Project Helix」との深いハードウェア統合が前提
  • 動作にはRDNA 5世代のGPUが必要な見込みで、現行のRX 9000シリーズ(RDNA 4)には対応しない可能性が高い。PC向け提供開始は2027年以降
目次

「FSR Diamond」=「FSR Next」——名称の混乱を整理

GDC 2026でのMicrosoft/Xboxの発表セッションでは「FSR Next」という表現が使われていましたが、その後AMD SVPのJack Huynhがソーシャルメディアで「FSR Diamond」という正式名称を明かしました。両者は同一の技術を指しています。メディアによって呼び名が混在していますが、この記事では公式ブランド名の「FSR Diamond」で統一します。

FSR DiamondはAMDとMicrosoftによる「Project Helix」と呼ばれる複数年にわたる共同開発プロジェクトの成果物です。Huynh氏は「次世代の性能とグラフィックスを共に推進するための深い共同エンジニアリングパートナーシップ」とコメントしています。単なるソフトウェアのアップデートではなく、ハードウェアと一体設計された次世代レンダリング基盤というのがポイントです。

4つの構成技術

FSR Diamondは単体機能の名称ではなく、以下4つのMLベース技術をまとめたスイートです。

01
次世代MLアップスケーリング
低解像度で描画した映像をAIで高解像度に引き上げる機能。現行のFSR Redstone(FSR 4)からさらに進化したモデルで、ディテールの再現精度を向上させるとされている
02
MLマルチフレーム生成(AMD初)
実際に描画した1フレームから複数のフレームをAIで生成する機能。AMDとして初搭載。NVIDIAはRTX 50シリーズ向けにDLSS 4.5で最大6倍MFGを先行実装しており、AMD版の倍率は現時点で未公表
03
次世代Ray Regeneration
レイトレーシング・パストレーシング時のノイズをMLで除去・補完するデノイザー。現行のFSR Redstoneに含まれるRay Regenerationをさらに高精度化したバージョン
04
ニューラルテクスチャ圧縮
NPU(ニューラルプロセッシングユニット)を活用したテクスチャ圧縮技術。VRAMの使用効率を高めながら視覚品質を維持する。Project HelixのカスタムSoCに搭載される専用NPUが処理を担う

FSR世代を整理——Redstone・Diamondの違い

「FSR 4の次はFSR 5では?」と思った方も多いはずです。AMDはFSR 4以降、バージョン番号ではなくコードネーム方式に移行しています。現行世代と次世代の立ち位置を整理しておきます。

FSR 3.x 系
全GPU対応
アナリティカル(非AI)アルゴリズムによるアップスケーリング。Radeon・GeForce・Intel Arc問わず動作する汎用版。新機能追加は終了している
FSR Redstone
現行・RDNA 4最適化
MLベースのアップスケーリング・フレーム生成・Ray Regenerationを統合。RX 9000シリーズで最大性能を発揮。旧GPUはアナリティカル版にフォールバック。2025年12月より提供中
FSR Diamond
次世代・RDNA 5専用(予定)
マルチフレーム生成(AMD初)を追加した次世代スイート。RDNA 5世代のNPUとGPUアーキテクチャを前提に設計。PC向けは2027年以降、まずProject Helix(次世代Xbox)に先行搭載

DLSS 4.5と何が違うか——現実的な比較

NVIDIAは同じGDC 2026の直前(3月31日提供予定)にDLSS 4.5のDynamic MFGを発表しており、フレーム生成の分野ではAMDより先行しています。現時点での両者の比較を整理します。

DLSS 4.5FSR Diamond
MLアップスケーリング第2世代Transformerモデル
RTX全世代対応、提供中
次世代MLアップスケーラ
詳細未公開、2027年以降
マルチフレーム生成最大6倍MFG
RTX 50専用、3/31提供開始
複数フレーム生成
倍率未公表
Dynamic調整目標fps自動維持
Dynamic MFGで対応
不明
Ray Regeneration搭載(RTX全世代)次世代版搭載
動作GPUSR: RTX全世代
MFG: RTX 50専用
RDNA 5専用(予定)
現在の対応ゲーム数400以上未定
今すぐ使えるかSR: 今すぐ / MFG: 3/31〜2027年以降

※ オレンジ網掛けセルは「2026年5月時点でDLSS 4.5側が機能・提供時期・対応規模で明確に先行している項目」。Ray RegenerationとML SRはFSR側も搭載予定で機能差は限定的なため網掛けなし。

正直に言えば、現時点ではDLSS 4.5が機能・対応ゲーム数・提供時期のすべてにおいて先行しています。FSR Diamondに関しては具体的なfps数値もデモも公開されておらず、実際の画質や性能はまだ評価できません。

ただし、今回の発表で注目すべきは「AMDがついてきた」という事実です。マルチフレーム生成はDLSS 3以降のNVIDIAの独自優位性でしたが、FSR Diamondではそれに正面から対抗する構成が明かされました。

現行のRX 9000シリーズ(RDNA 4)は対象外の見込み:FSR DiamondはRDNA 5世代のNPUとアーキテクチャを前提とした設計です。複数の海外テックメディアが「RDNA 5専用」と報じており、RX 9070 XT・RX 9070などの現行Radeon GPUには対応しない可能性が高いです。AMDからの公式確認はまだ出ていませんが、購入判断の際は注意が必要です。なお同時期に発表されたNVIDIA陣営の動向はDLSS 5「ニューラルレンダリング」記事も合わせて確認してください。

次世代Xbox「Project Helix」との関係

FSR Diamondが先に動くのはPCではなく、次世代Xboxです。コードネーム「Project Helix」と呼ばれる次世代Xboxは、RDNA 5 + Zen 6のカスタムSoC(コードネーム「Magnus」)を搭載し、専用NPUがFSR Diamondの処理を担います。製造プロセスはTSMC 3nm、開発者向けアルファ機器の出荷は2027年から予定されています。Magnusは過去のXbox Series X用「Scarlett」やSteam Deck用「Aerith」と同じく、ゲーム機向けに最適化されたAMDセミカスタムSoCの系譜にあるチップです。

予想
Project Helix(次世代Xbox) 予想仕様まとめ
SoC
AMD Magnus(カスタム)
GPU
RDNA 5
CPU
Zen 6
NPU
専用ユニット
FSR Diamond処理用
プロセス
TSMC 3nm
OSベース
Windows 11
(Xboxモードと連携)
開発機出荷
2027年
本体発売
2028年末以降

※リーク・公式コメントベースの予想スペック。最終仕様は2027年以降のMicrosoft公式発表で確定する見込みです。

MicrosoftがGDC 2026で強調した「Build for PC」というメッセージは、PCとXboxを共通の開発基盤でつなぐ方針を示しています。FSR DiamondはまずProject Helixに搭載され、その後RDNA 5世代のRadeon GPUを通じてPC環境にも広がっていくシナリオです。開発者がProject Helix向けにFSR Diamondを実装すれば、それが将来のPC版にも流用しやすい構造になっています。

いつ、誰が使えるようになるか

2025年12月〜
FSR Redstone(FSR 4)提供開始
RX 9000シリーズ向けMLアップスケーリング。現在対応ゲームに順次展開中
2026年3月11日
FSR Diamond 発表(GDC 2026)
名称・機能構成・Project Helixとの統合が明らかに。デモ・ベンチマークはまだなし
2027年〜
Project Helix 開発者向けアルファ機器
FSR Diamond搭載のProject Helix開発キット出荷開始予定
2027年以降(未確定)
PC向けRDNA 5 GPU + FSR Diamond
RDNA 5世代のRadeon GPU発売と同時に、PC向けFSR Diamondが利用可能になる見込み

現在RX 9000シリーズを持っているユーザーがFSR Diamondを使うには、RDNA 5世代のGPUへの買い替えが必要になる見通しです。逆に今からグラボ購入を検討している方にとっては、RDNA 5登場まで待つか、現行世代を選ぶかという判断に影響するかもしれません。

RX 9000ユーザーが取れる3つの結論

RX 9070 XT・RX 9070 を買って間もない方が、今後 DLSS 4 MFG 対応の RTX 50 系と渡り合うために取れる選択肢を3つの軸で整理します。

01
RDNA 5(FSR Diamond対応Radeon)まで待つ
PC向け FSR Diamond 提供は2027年以降の見通し。現行 RX 9000 を 1〜1.5 年使い倒し、RDNA 5 世代で乗り換えるシナリオ。長期保有派に向く。デメリットは「DLSS 4 MFG が普及した 2026 年内は ML フレーム生成の恩恵を受けられない」こと。
03
DLSS 4 MFG 対応の RTX 50 系へ買い替え
240Hz / 360Hz モニターで MFG 4X モードを本気で使いたい人向け。RX 9070 XT 中古売却が約7〜9万円、RTX 5070 新品が13万円前後・RTX 5070 Ti が17万円前後なので追い金 4〜10万円が現実的な目安。RTX 50 価格は2026年5月時点でも高止まりしており、費用対効果が悪化しやすい。最高 fps 環境を諦めたくない人だけ。

多くのユーザーには ②「FSR Redstone で戦う」が最もコストパフォーマンスが高い判断になります。MLアップスケーリングは現行 FSR Redstone で十分な品質に達しており、フレーム生成も対応ゲームでは滑らかに動きます。240Hz以上の高リフレッシュレート環境でマルチフレーム生成(複数枚同時生成)がどうしても必要な場合のみ ③ を検討するのが合理的です。

結論②向け|FSR Redstoneが「いま」効くゲーム5本

結論②「FSR Redstoneで戦う」の説得力を裏付けるため、現時点でFSR Redstone(FSR 4)が利用できる代表的なタイトルを5つピックアップします。いずれもRX 9070 XT・RX 9070でMLアップスケーリングと(対応している場合は)フレーム生成が動作するゲームです。

紅の砂漠
2026年3月19日発売。FSR 4 Quality対応で、RX 9070 XTが1440p Cinematicで55fps→65〜70fpsに改善する実測例あり
サイバーパンク 2077
FSR 4対応パッチ配信済み。Ray Regenerationと組み合わせるとパストレーシング有効時の画質劣化が軽減される
モンスターハンターワイルズ
2025年発売の重量級タイトル。FSR 4で1440p高設定が60fps圏内に到達。VRAM 16GBのRX 9070 XTと相性◎
黒神話:悟空
FSR 4 + Ray Regenerationの組み合わせが特に効くタイトル。4Kで設定を詰めれば60fps到達も視野
FF14(黄金のレガシー)
FSR対応MMORPG。RX 9070 XTなら4K最高設定でも余裕。FSR 4以前の世代でも動作するため移行コスト低

これらのタイトルでは「マルチフレーム生成(MFG)が使えない」というFSR Redstoneの弱点が、画質と入力遅延のバランスで吸収できる範囲に収まっています。MFGの恩恵が大きい240Hz/360Hzのeスポーツ系タイトル(VALORANT・Apex Legends等)はそもそもCPU律速なため、MLフレーム生成の必要性は低いケースが多いのも結論②を後押しする材料です。

結論別のおすすめGPU 2機種

上記3つの結論のうち多くの読者に該当する②「FSR Redstoneで戦う」と、③「DLSS 4 MFG対応のRTX 50系へ乗換」のそれぞれに対する現実的な実機を1つずつ紹介します。RX 9000ユーザーで「もう1段上のRadeonが欲しい」場合と、Radeon → GeForce乗換組の本命が中心です。

SAPPHIRE PULSE Radeon RX 9070 XT 16GB
FSR Redstoneを最大活用
SAPPHIRE PULSE Radeon RX 9070 XT 16GB
RDNA 4VRAM 16GBFSR Redstone対応Ray Regen対応
結論②(FSR Redstoneで戦う)の主役。現行Radeonの最高峰でMLアップスケーリング・フレーム生成・Ray Regenerationのすべてが使える16GB VRAM搭載モデル。FSR Diamond登場までの1〜1.5年を快適に乗り切れます。サファイアPULSEは静音性・冷却性・価格のバランスが取れた定番モデル。
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結論③(DLSS 4 MFGへ乗換)の現実解。RX 9070 XT中古売却 + 追い金4〜6万円で乗り換え可能なRTX 50ミドルレンジ。Dynamic MFG・6Xモードに対応し240Hz / 360Hzモニターを活かしきれます。GAMING TRIOは大型3連ファンで静音性も担保。
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