XeSS 3.0 SDK解説|Arc全世代で4xマルチフレーム生成が使える【DLSS・FSRとの対応世代格差と実測データ】
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DLSS・FSRとの対応世代の差と、PCGHの実測データ
NVIDIAのマルチフレーム生成はRTX 50系、AMDのフレーム生成は新しい世代のRadeon中心という状況のなかで、IntelのXeSS 3.0は「手持ちのArcなら世代を問わず4倍まで使える」という設計を選びました。2022年発売の初代Arc A770でも使えます。
結論は、Arc A770・B580の実測でMFGなしに対して+183〜228%のfps向上、XeLLと併用したArc A770のサイバーパンク2077ではレイテンシが79msから56msへ下がる、というものです。ただしMFGが使えるのはIntelのGPUだけで、GeForceやRadeonで使えるXeSSのフレーム生成は2x止まりです。
判断の分かれ目は、ゲームがXeSS 2.x以降に対応しているかと、ネイティブで60fps前後を維持できるかの2点です。この2つを満たすArcユーザーなら、設定を切り替えるだけで試せます。
出典:Intel XeSS SDK 公式GitHubリリースページ / XeSS-FG Developer Guide / Notebookcheck(PC Games Hardwareの計測を紹介)
目次
変更点XeSS 3.0は何が変わったのか|2.xとの違い
XeSS(Xe Super Sampling)はIntelのアップスケーリング技術です。1.xはニューラルネットワークによる超解像が中心で、2.0でフレーム生成(2x FG)が加わり、3.0で最大4xのマルチフレーム生成へ進みました。SDK 3.0.0のリリースノートが挙げる変更は、3x・4x MFGの追加、全対応GPUでのUI滑らかさを高めたフレーム生成モデル、ゲームエンジンとGPUメモリを共有する外部メモリヒープの3点です。
| 機能 | XeSS 2.x | XeSS 3.0 |
|---|---|---|
| 超解像(SR) | あり | あり |
| フレーム生成 | 2x FG | 2x / 3x / 4x MFG(3x・4xはIntel GPUのみ) |
| 低遅延技術(XeLL) | あり | あり |
| UI平滑化 | 基本対応 | モデル改善 |
| 外部メモリヒープ | なし | 新規追加 |
SDK 3.0.0への更新は、libxess.dll・libxell.dll・libxess_fg.dllの差し替えと、ゲーム設定画面を「ON/OFF」から「生成フレーム数の選択」に変えるだけで済むとIntelは案内しています。XeSS 2.x対応ゲームは、開発元がアップデートを配信すればMFGに対応できます。
対応世代Arc全世代で4x MFGに対応|NVIDIA・AMDとの差
XeSS 3.0 MFGの特徴は、2022年発売のArc Alchemist(A770・A750など)を含むIntel GPUすべてが4x MFGに対応することです。IntelのXeSS-FG開発者ガイドは、対応GPUとしてArc Graphics(Alchemist・Battlemage)と、Core Ultra(Meteor Lake・Lunar Lake・Arrow Lake・Panther Lake)の内蔵GPUを挙げています。ドライバーはv32.0.101.7029以降が条件です。
| メーカー | 複数フレーム生成(MFG) | 2xフレーム生成 |
|---|---|---|
| Intel XeSS 3.0 | Arc Alchemist・Battlemage、Core Ultra内蔵Arcで最大4x | Intel GPUに加え、SM 6.4対応のGeForce・Radeonでも利用可 |
| NVIDIA DLSS | RTX 50系のみ。DLSS 4.5のDynamic MFGで最大6x | RTX 40系以降 |
| AMD FSR | 現行のFSRにはなし。MFGを含むFSR Diamondは2027年・RDNA 5向けと報じられている | RDNA 4はFSR Redstoneの機械学習版、それ以外は従来のFSR 3系 |
※FSR DiamondはGDC 2026でのAMDの発表と各メディアの報道に基づきます。対応GPUや時期はAMDの正式な発表を待つ必要があります。
XeSSの超解像はShader Model 6.4(DP4a)対応のGPUなら動き、XeSSのフレーム生成も非Intel GPUで使えます。ただし開発者ガイドには「非Intel GPUで生成できるフレームは最大1枚」と明記されており、3x・4xはIntel GPU専用です。非Intel GPUでXeLLを使えるのも、XeSSフレーム生成と組み合わせる場合に限られます。
実測4x MFGで何fps出るのか
PC Games Hardwareは、Arc A770とArc B580を7タイトルで計測しました(1440p・XeSS Quality)。MFGなしを基準にしたfpsの伸びは次のとおりです。
| タイトル | Arc A770(4x MFG) | Arc B580(4x MFG) |
|---|---|---|
| Battlefield 6 | +183% | +205% |
| Assassin’s Creed Shadows | +219%(2x FGは+81%) | +228%(2x FGは+83%) |
※数値はPC Games Hardwareの計測で、7タイトル全体の平均ではなく上の2タイトルの値です。
生成フレームは補間で作った中間フレームで、表示fpsだけが増えます。入力に反応するのは実際に描画したフレームだけなので、操作感が4倍軽くなるわけではありません。
遅延XeLL併用でフレーム生成なしより低遅延になる
フレーム生成のよくある不満はレイテンシの増加です。XeSS 3.0はIntelの低遅延技術XeLL(Xe Low Latency)と組み合わせる前提で、PC Games Hardwareの計測では、Arc A770のサイバーパンク2077で次の結果でした。
| 設定 | レイテンシ |
|---|---|
| FGなし(基準) | 79ms |
| XeLLのみ | 37ms |
| 4x MFG+XeLL | 56ms(基準より約29%低い) |
XeLL単体で79msから37msへ下がるため、MFGを足しても基準を下回ります。一方、XeLLなしの4x MFGは基準よりレイテンシが増えます。XeSS-FGはXeLLの組み込みを前提に作られており、Intelもフレーム生成以外の遅延対策ソフトは動作が保証されないとしています。MFGを使うときはXeLLも必ず有効にしてください。
公開状況オープンソース化の約束は3.0でも果たされていない
Intelは2022年のArc発表時、XeSSをオープンなものとして説明していました。しかし1.0以降の配布は一貫してバイナリ中心で、3.0もGitHubで公開されているのはSDK(DLL・ヘッダー・サンプル・開発者向け資料)で、XeSS本体のソースコードではありません。
| 技術 | 公開形態 | 実務上の影響 |
|---|---|---|
| AMD FSR | GPUOpenでソースコードを公開 | 改変・再配布が可能で、コミュニティ製の派生ビルドも作れる |
| NVIDIA DLSS | ソースコード非公開 | NVIDIAのSDKとして提供 |
| Intel XeSS | SDKのみ公開(バイナリ) | XeSS本体の改変はできない。公約との食い違いはコミュニティから指摘が続いている |
対応ゲーム対応ゲームと有効化の手順
XeSS 2.x対応のタイトルは、開発元がXeSS SDK 3.0へ更新すればMFGが使えるようになります。2026年3月末にIntelがXeSS Unityプラグインのサポートを終了したため、今後のXeSS対応はUnreal Engine向けが中心になります。
| 主な対応タイトル(抜粋) | 備考 |
|---|---|
| Assassin’s Creed Shadows/Battlefield 6/サイバーパンク 2077 | PC Games Hardwareのfps・レイテンシ計測で使われたタイトル |
| Black Myth: Wukong/Clair Obscur: Expedition 33/Diablo IV/Hogwarts Legacy/Marvel Rivals/S.T.A.L.K.E.R. 2 ほか | XeSS対応タイトル。MFG対応状況はゲームごとに異なるため、設定画面で確認が必要 |
4x MFGを有効にする手順
- Intelグラフィックスドライバーを最新版にする。XeSS-FGにはv32.0.101.7029以降が必要です
- ゲームの設定でXeSSのフレーム生成を選び、生成枚数(2x・3x・4x)を指定する。MFGの選択肢が出るのは、開発元がSDK 3.0へ更新したゲームです
- XeLLを同時に有効にする。レイテンシを抑えるために必須です
- ネイティブで60fps以上を安定して出せる設定にしておく。XeSS-FGは排他的フルスクリーンでは動作しないため、ウィンドウまたはボーダーレスで使います
ネイティブ30fpsだと、120fps表示のうち約4分の3が補間フレームです。動きの破綻や入力の遅れが出やすくなるため、MFGはネイティブfpsに余裕がある状態で使うのが基本です。
その後公開後のSDK更新|3.0.1と3.0.2
3.0.0の公開後、SDKは2回更新されています。3.0.1(2026年4月17日)はXeSS-FGの安定性改善で、D3D12の特定のリソースフラグ使用時のクラッシュと、ResizeBuffers呼び出し後にフレームレート上限が誤って下がる問題が修正されました。3.0.2(2026年7月24日)はXeLLを1.3.2.10に更新し、非Intel GPUで起きるメモリリークとNVIDIA Streamlineとの互換性(クラッシュ)を直しています。いずれもゲーム側がSDKを取り込んで初めて反映されるもので、ユーザーが手元で入れ替える性質のものではありません。
- A770でも4x MFGが使え、買い替えなしでfpsを伸ばせる
- XeLLと併用すればレイテンシはFGなしより低い
- 高リフレッシュレートモニターほど恩恵が大きい
- XeSSの超解像と2xフレーム生成は使える
- 3x・4x MFGは使えない
- XeLLもXeSSフレーム生成と組み合わせる場合のみ
おすすめ4x MFGを試せるArc B580
XeSS 3.0の4x MFGを使えるのはIntel Arcだけです。新しいBattlemage世代のArc B580は、PC Games Hardwareの計測でもA770を上回る伸びでした。メーカーモデルの違いは冷却と静音性なので、設置するケースの余裕で選べます。
FAQよくある質問
まとめまとめ|Arc全世代で4x MFGを使えるのがXeSS 3.0の強み
XeSS 3.0は、Arc AlchemistからBattlemage、Core Ultra内蔵Arcまで、世代を問わず4x MFGに対応しました。実測は+183〜228%で、XeLLと併用すればレイテンシも抑えられます。一方でMFGはIntel GPU専用で、ゲーム側のSDK更新が前提です。
XeSS 3.0のMFGは、Arc全世代で+183〜228%のfps向上を得られる一方、使えるのはIntel GPUだけで、ゲーム側のSDK 3.0対応とXeLLの併用が条件です。
手持ちのArcでXeSS 2.x以降対応のゲームを遊んでいるなら、ネイティブ60fps以上の設定でMFGとXeLLを同時に有効にしてみてください。





