ASUS ROG Thor 1600W EVO発売|TUF 1200Pとの価格差10万円、RTX 5090に1600Wは必要か
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TUF 1200Pとの価格差10万円、RTX 5090に1600Wは必要か
出典:ASUS JAPAN プレスリリース(PR TIMES) / Hardware Busters / ASUS公式「ROG Thor 1600T3 GAMING EVO」製品ページ / NVIDIA公式「GeForce RTX 5090」製品ページ / NVIDIA公式「GeForce RTX 5080」製品ページにもとづきます。
RTX 5090のような最上位クラスのGPUを積む構成を選ぶとき、電源ユニットは「結局どこまでの容量を買えば安心なのか」で悩みやすいパーツです。容量に余裕を持たせようとハイエンド帯へ手を伸ばすと価格は一気に跳ね上がり、同じメーカーの下位モデルとの差額だけで別のパーツが買えてしまうこともあります。
ASUS JAPANは2026年9月11日、フラグシップ電源「ROG-THOR-1600T3-GAMING-EVO」(1600W・80 PLUS Titanium・税込146,980円)と、TUF Gaming P系列の「TUF-GAMING-1200P」(1200W・税込41,980円)「TUF-GAMING-1000P」(1000W・税込36,980円)を発売しました。ROG Thor EVOとTUF-GAMING-1200Pの価格差は105,000円で、これは単純な容量400Wの差というより、GPU-First Intelligent Voltage StabilizerやROG Equalizer標準付属といった機能面の積み増しが大半を占めます。
本記事では、この価格差の中身を仕様面から整理したうえで、NVIDIA公式が示すRTX 5090・5080それぞれのTGPと推奨システム電源、そしてASUS自身がROG Thor EVOの製品ページで示す推奨PSU容量を突き合わせ、1600Wクラスが本当に必要になるケースを絞り込みます。あわせて、海外メディアHardware Bustersが指摘する「1,600Wは240V入力時の数値で、日本のような100V環境では最大1,300Wに制限される」という論点を、国内メディアの記載やASUS JAPANのプレスリリース本文の記載状況とあわせて検証します。
目次
要点まず何が発表されたか
ASUS JAPANは2026年9月11日、電源ユニット3機種を発売しました。フラグシップの「ROG-THOR-1600T3-GAMING-EVO」は1600W・80 PLUS Titanium認証で市場想定売価は税込146,980円です。TUF Gaming P系列は「TUF-GAMING-1200P」(1200W・税込41,980円)と「TUF-GAMING-1000P」(1000W・税込36,980円)の2モデルで、いずれも80 PLUS PlatinumとCybenetics Platinum認証を取得しています。ROG Thor EVOはGaN MOSFET・GPU-First Intelligent Voltage Stabilizer・ROG Equalizer標準付属・着脱式マグネットOLEDディスプレイを備え10年保証、TUF Gaming P系列はATX 3.1・PCIe 5.1・GaN MOSFETに対応し8年保証です。
仕様ROG Thor EVOだけの特徴
ROG-THOR-1600T3-GAMING-EVOの特徴は、電力変換部品そのものから、GPU側の電圧を直接見る新機能、そして体裁面の付加価値まで幅広く及びます。6つのポイントに分けて見ていきます。
同じROG Equalizerケーブルをめぐっては、著名検証者のder8auer氏が発売直後からピン間最大4Aの電流偏りを指摘しており、2026年6月には実際に溶融したとみられる写真がフォーラムに投稿されています。単一報告で原因はまだ特定されていませんが、詳しくはASUSの「溶融防止」ケーブルROG Equalizerに初の溶融報告で整理しています。メーカー公称の温度低減効果と、実運用での耐久性は別の問題として捉えておいたほうが安全です。
系列TUF Gaming P系列の仕様
TUF-GAMING-1200PとTUF-GAMING-1000Pは、ROG Thor EVOのようなソフトウェア寄りの付加価値こそ持たないものの、ATX 3.1・PCIe 5.1・GaN MOSFET・ミリタリーグレードの日本製コンデンサー・高熱伝導性の銅ピンを使ったPCIeコネクタといった基本設計を共有し、80 PLUS PlatinumとCybenetics Platinum認証を取得しています。本体サイズは150×150×86mmで共通、重量はTUF-GAMING-1200Pが約1.58kg、TUF-GAMING-1000Pが約1.51kgとほぼ同じです。保証期間は8年間で、両モデルの仕様上の違いは実質的に定格出力だけといえます。
型番が似ているASUSの電源に、2026年7月に発売された「TUF Gaming Gold EVO」シリーズ(TUF-GAMING-1000G-EVO/TUF-GAMING-1200G-EVO、80 PLUS Gold)があります。末尾が「G-EVO」か「P」かで世代と認証グレードが異なる別モデルなので、型番を混同しないよう注意してください。認証グレードで見ると、今回のP(Platinum)系列はG-EVO系列の実質的な後継・上位ラインという位置づけです。詳しくはASUS TUF Gaming Gold EVOシリーズ発売で解説しています。ATX 3.1そのものの規格解説はATX 3.1 電源 完全ガイドにまとめています。
比較3モデルの仕様を並べて見る
価格差105,000円の中身を確認するため、3モデルの主要スペックを並べます。

- 80 PLUS認証Titanium
- 想定売価(税込)146,980円
- サイズ190×150×86mm
- 重量約2.5kg
- 保証10年
- 80 PLUS認証Platinum(Cybenetics Platinumも取得)
- 想定売価(税込)41,980円
- サイズ150×150×86mm
- 重量約1.58kg
- 保証8年
- 80 PLUS認証Platinum(Cybenetics Platinumも取得)
- 想定売価(税込)36,980円
- サイズ150×150×86mm
- 重量約1.51kg
- 保証8年
容量だけを見ればROG Thor EVOとTUF-GAMING-1200Pの差は400Wですが、価格差105,000円の大半は、GPU-First Intelligent Voltage StabilizerやROG Equalizer標準付属、着脱式OLEDディスプレイ、10年保証といった機能面の積み増しにあります。1Wあたりの単価で見ると、TUF Gaming P系列のほうが明確にコストパフォーマンスに優れます。
電力RTX 5090に1600Wは必要か
NVIDIA公式が示すGeForce RTX 5090の仕様では、TGP(Total Graphics Power)は575W、推奨システム電源は1000Wです。RTX 5080はTGP360W・推奨850Wとされています。一方、ASUS自身がROG Thor EVOの製品ページで示す推奨PSU容量は、RTX 5090に1200W以上、RTX 5080に1000W以上と、NVIDIA公式の数値よりやや余裕を持たせた基準です。当サイトのGPU別 推奨電源容量 完全早見表でも、瞬間的な電流スパイクを踏まえた実務的な推奨容量をRTX 5090で1200W前後としており、ASUSの基準とおおむね一致します。
この2つの基準を重ねると、RTX 5090を1枚搭載する一般的なゲーミングPCであれば、TUF-GAMING-1200Pで十分な余裕があります。RTX 5080以下の構成なら、TUF-GAMING-1000Pでも足りる計算です。1600Wクラスが生きてくるのは、複数GPU構成や電力制限を大きく解除した常用OC、AIやレンダリング用途で消費電力がさらに上振れするケースに限られます。
同じ「RTX 5090に1600Wクラスは必要か」という問いは、be quiet!が2026年8月に発表した「DARK POWER PRO 14 IO」シリーズでも検証しており、そちらもNVIDIA公式の推奨1000Wを踏まえると1300Wクラスで十分という結論でした。ブランドが変わっても、NVIDIA公式の推奨値を大幅に超える1600Wクラスの容量が必要になる場面は限定的、という結論は共通しています。詳しくはbe quiet!「DARK POWER PRO 14 IO」発表記事で解説しています。
電圧日本の100V環境で1600Wは本当に使えるか
ここまでの比較では見えてこない論点が、日本の100V環境で1600Wをフルに使えるかどうかです。海外の検証メディアHardware Bustersは、ROG Thor EVOの1600Wという定格について「1,600Wは240V入力時の数値で、同じ製品を100V環境で使うと1,300W止まりの電源になる」と指摘しています。同メディアの試算では、100V環境で1,600Wをそのまま使おうとすると入力電流は約17Aに達し、日本の一般的な回路のブレーカー容量(15A)を超えてしまいます。1,300Wまで抑えれば入力電流は約14Aとなり、ブレーカーの許容範囲に収まる計算です。
一方で、ASUS JAPANが配信したプレスリリース本文そのものには、この具体的なワット数の記載が見当たりませんでした。国内でどこまで正式にアナウンスされている数値なのかは、購入前に販売店やASUS JAPANへ確認しておくと安心です。
100V環境で実質1,300W相当だとすれば、TUF-GAMING-1200Pとの容量差はわずか100Wまで縮まります。ROG Thor EVOを選ぶ理由は、単純な電源容量の大きさよりも、GPU-First Intelligent Voltage StabilizerやROG Equalizer標準付属、着脱式OLEDディスプレイ、10年保証といった機能面にほぼ集約されると考えたほうが実態に近いといえます。
結論どちらを選ぶべきか
- 複数GPUやAI・レンダリング用途で消費電力がさらに上振れする構成の人
- 電力制限を大きく解除した常用OCでRTX 5090を運用する人
- GPU-First IVSやROG Equalizer標準付属、着脱式OLED、10年保証まで含めて予算をかけたい人
- 240V環境(海外での使用や特殊な電源工事)でフル1600Wを活かせる人
- RTX 5090を1枚搭載する一般的なゲーミングPCの人(NVIDIA公式推奨は1000W、ASUS公式推奨は1200W以上)
- RTX 5080以下のGPUを使う人(ASUS公式推奨は1000W以上)
- 日本の100V環境での実運用容量(実質1,300W前後)を踏まえてコストを抑えたい人
- ROG独自機能より、価格と容量あたりのコストパフォーマンスを優先したい人
おすすめ3モデルをチェックする
TUF-GAMING-1200P/1000Pは2026年9月12日時点でAmazon.co.jp・楽天市場に正確な型番の出品が見当たらず、ASUS JAPANの発売情報どおりの価格・在庫が確認できたパソコンショップ アークのリンクを掲載します。ROG Thor 1600W EVOは楽天市場(パソコンパーツのアプライド)で同額かつ購入可能な状態を確認できたため、そちらのリンクを掲載します。価格は変動するため、購入前にリンク先で最新の情報を確認してください。
FAQよくある質問
まとめROG Thor EVOとTUF Gaming P系列、どちらを選ぶか
ASUS JAPANは2026年9月11日、ROG-THOR-1600T3-GAMING-EVO(1600W)とTUF Gaming P系列のTUF-GAMING-1200P(1200W)/TUF-GAMING-1000P(1000W)をあわせて発売しました。価格差105,000円の中身は容量そのものではなく、GPU-First Intelligent Voltage StabilizerやROG Equalizer標準付属、着脱式OLEDディスプレイ、10年保証といった機能面に集中しています。
NVIDIA公式のRTX 5090推奨システム電源は1000W、ASUS自身の推奨も1200W以上であることを踏まえると、一般的なRTX 5090構成にはTUF-GAMING-1200Pが最も現実的な選択です。RTX 5080以下ならTUF-GAMING-1000Pでも十分な余裕があります。
ROG Thor EVOの1600Wという数字も、海外メディアの指摘通り日本の100V環境では実質1,300W相当に制限される可能性があり、その場合TUF-GAMING-1200Pとの容量差はわずか100Wまで縮まります。ROG Thor EVOに14万円超を払う価値があるのは、容量そのものよりもGPU-First Intelligent Voltage StabilizerやROG Equalizer標準付属、着脱式OLEDディスプレイ、10年保証というASUS独自の機能に対してです。純粋にRTX 5090用の電源を探しているなら、TUF-GAMING-1200Pから検討することをおすすめします。



