GPU別 推奨電源容量 完全早見表【2026年5月版】RTX 5090・5080・5070 Ti・RX 9070 XT — 容量計算式と落とし穴
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電源容量を決めるとき、いまだに「TGPの2倍を買えばOK」という古い目安が残っています。ところが RTX 50 シリーズと RX 9000 シリーズの登場で、状況は根本から変わりました。RTX 5090 の TGP は 575W ですが、海外検証チームの実測では 1ms 以下の瞬間ピークで 901W を観測しています。RX 9070 XT に至っては 1029W のスパイクが報告されました。TGPの2倍では届きません。
本記事では、NVIDIA RTX 50 シリーズ 7機種・AMD RX 9000 / 7900 シリーズ 4機種・Intel Arc B シリーズ 2機種の合計 13モデルについて、公式 TGP・実測ピーク・公式推奨 PSU・実勢推奨 W 数の4軸で整理します。さらに CPU 別の構成シミュレーションを5シナリオ、ATX 3.0 と 3.1 の transient response 仕様の違い、80+ 効率と 50% 負荷ルール、容量別おすすめ電源 6選、そして見落としがちな落とし穴 9 項目までまとめました。
先に結論を書いておきます。RTX 5090 は 1200〜1300W、RTX 5080 は 1000W、RTX 5070 Ti は 850W、RTX 5060 Ti は 650W、RX 9070 XT は 850W が現実的な推奨ラインです。さらに「ATX 3.1 + 12V-2×6 搭載」を満たす電源を選んでください。電源は 5〜10 年使うパーツなので、いま 1段上を買っておくと次世代 GPU まで使い切れます。本記事を読み終えたとき、自分の構成に必要な W 数と買うべきモデルが明確になっているはずです。
目次
結論早見表|GPU別 推奨容量を一発判定
まず買い物前に確認したい人向けに、主要 4 機種の推奨容量だけを抽出しました。CPU は Ryzen 9 9950X3D2 / Core Ultra 9 285K クラスの上位構成を想定しています。下のクラス(Ryzen 7 9800X3D / Core Ultra 7 265K)なら 50〜100W ほど下振れしますが、安全側に振った数字です。
GPU 13機種 完全スペック表|TGP・実測ピーク・推奨容量
NVIDIA・AMD・Intel の主要 13 機種について、公称 TGP・実測ピーク・公式推奨 PSU・実勢推奨 W 数を一覧化しました。実測ピークは複数の海外検証ソースでの数値を参照し、上位構成(Ryzen 9 / Core Ultra 9 + 4K 高負荷ベンチ)での値を採用しています。表中の「実勢推奨」は、その電源を買えば transient spike も含めて吸収できる現実的な下限です。
表で重要なのは「実勢推奨」の列です。公式推奨は CPU が標準クラス(Ryzen 7 / Core Ultra 7 程度)の前提で書かれていますが、実際は CPU 上位 + OC + 周辺 RGB で簡単に超えていきます。表の数字を 下回る容量を選ぶと transient で落ちる可能性があると考えてください。
transient spike 実測値の真実|TGPだけでは足りない
TGP(Total Graphics Power)はメーカーが公表する「持続的に使う電力」の上限値で、平均消費電力に近い数字です。しかし GPU は描画フレームごとに激しく電力波形が変動します。1 ミリ秒以下の極短時間にだけ発生するピーク電流が、TGP の 1.5〜2 倍に達することがあるのです。これが transient spike(過渡電流スパイク)と呼ばれる現象で、ATX 3.0 規格が新設された最大の理由でもあります。
RTX 5090: TGP 575W → 瞬間ピーク 901W(1ms未満)。複数の海外検証ソースが PCIe スロット + 12V-2×6 の合計値を高速ロガーで観測した結果、TGP の 1.57 倍のピークが定常的に発生していると報告されました。これは ATX 2.x 電源の transient 仕様(150〜180% / 1ms)を超える数値で、保護回路が作動して PC が落ちる事例が確認されています。
RX 9070 XT: TGP 304W → 瞬間ピーク 1029W。AMD 製品としては異例のスパイク幅で、これが報告された当初は「ドライバ不具合では」と疑われましたが、再現性が確認され、ピーク継続時間が 100μs 未満であることも判明しています。ATX 3.0 / 3.1 の 200% 仕様を満たす電源であれば吸収可能な範囲ですが、旧 ATX 2.x 電源では確実にトリップします。
なぜ GPU でこれほど大きなスパイクが発生するのか、メカニズムは大きく 3 つあります。1 つ目はフレーム単位での演算ロード変化です。重い 1 フレームを描画する瞬間と次の軽いフレームの間で電力が乱高下します。2 つ目は GDDR メモリのリフレッシュ動作で、メモリチップがアクセスバーストを起こす瞬間に短時間ピークが乗ります。3 つ目は PCIe Gen 5 のレーン切り替え時に発生する瞬間電流で、これは Gen 4 までより大幅に増えました。
つまり「TGP の数字 × 2 = 必要 W 数」という古い計算式は、TGP で見えない部分を完全に無視した目安です。RTX 5090 で言えば 575 × 2 = 1150W ですが、ATX 規格上の余裕を見ると 1200〜1300W が現実的な下限になります。RX 9070 XT も同じ理由で、TGP 304W × 2 = 608W では不足し、850W まで上げる必要があります。
PSU 容量計算式|基本式・transient対応・OC時マージン
必要 W 数を計算する式は、用途と前提でいくつか段階があります。ここでは「とりあえず買えばOK」の基本式から、transient を見越した強化式、OC 運用時の上乗せ式までを 4 段階で示します。電卓を片手に自分の構成に当てはめてみてください。
CPU TDP + GPU TGP + 周辺 100W
周辺 100W は DDR5 メモリ 4 枚(24W)・NVMe SSD 2 枚(16W)・簡易水冷ポンプ(10W)・ARGB ファン 6 基(30W)・マザーボード VRM(20W)の概算合計です。
合計W × 1.5 = 必要容量
最も古典的な目安。50% 負荷ルールに基づいて余裕を 1.5 倍取ります。Ryzen 7 9800X3D(120W)+ RTX 5070 Ti(300W)= 520W → 必要 780W → 850W 採用。
CPU + GPU × 2.0 + 周辺
GPU TGP を 2 倍して transient spike を含めます。RTX 5090 575W × 2 = 1150W、Ryzen 9 9950X3D2 200W、周辺 100W → 1450W が瞬間ピーク。1300W 電源で吸収可。
上記 × 1.2 (OC 余裕)
CPU PBO + GPU Power Limit 解放を行う場合、さらに 20% 上乗せが安全圏。RTX 5090 OC 構成は 1500W クラスに届くケースもあり、1600W 電源を選ぶ意味が出てきます。
計算した数値を電源容量にそのまま使うわけではなく、80+ 認証で最大効率になる 50% 負荷ポイントに近づくよう、実消費の倍程度を目安に容量を選ぶのが定石です。例えば RTX 5070 Ti + Ryzen 7 9800X3D の標準構成だと実消費はゲーム中で 450〜500W 程度、ピークでも 700〜750W ですから、850W 電源が 50% 負荷ポイントに最も近く合理的になります。
ATX 3.0 vs 3.1 vs PCIe 5.1|200%・150% 瞬間電流の意味
ATX 3.0 と 3.1 は規格名が似ていますが、transient response の数値・hold-up time・コネクタ形状で違いがあります。「3.1 を買えば全部解決」とも限らない部分があるので、ここで両規格の差を整理します。
- 公開時期2022年2月(Intel 主導)
- transient200% / 100μs(GPU バス)
- hold-up17ms(最低保証)
- コネクタ12VHPWR (16ピン)
- 最大供給600W (12VHPWR 単本)
- 採用GPURTX 40・初期 RTX 50 一部
- 公開時期2024年(Intel 改訂版)
- transient200% / 100μs(基本同じ)
- hold-up12ms(要件緩和)
- コネクタ12V-2×6 (改良 16ピン)
- 最大供給600W (12V-2×6 単本)
- 採用GPURTX 50・RX 9000 全機種
注目すべきは、ATX 3.1 の hold-up time が 17ms から 12ms に短縮されている点です。これは「短ければ短いほどよい」というわけではなく、瞬断保護の余裕が減ったことを意味します。実用上はラインインタラクティブ式の UPS と組み合わせれば全く問題ありませんが、停電耐性を重視するなら ATX 3.0 で 17ms 以上を実装している電源のほうが優位な場面もあります。
もう 1 つ重要なのは、ATX 3.1 を名乗っていても 12V-2×6 コネクタを搭載していない製品が存在することです。これは 8 ピン PCIe 接続だけで RTX 50 シリーズに変換ケーブルで給電する構成になり、コネクタ焼損リスクが残ります。必ず 12V-2×6 ケーブルが付属するモデルを選んでください。
NVIDIA RTX 50シリーズ別 推奨容量|5090から5050まで
NVIDIA RTX 50 シリーズ 7 機種について、構成例と推奨容量を機種別に整理しました。各カードの右上に S/A/B/C のランクを示しています。S = transient spike が極大、A = 上位レンジ、B = 主流、C = エントリーで、必要電源容量の傾向を表します。
4K 165Hz・パストレーシング運用の頂点。CPU を Ryzen 9 9950X3D / 9950X3D2 など上位に組み合わせると、1500W 電源でも余裕がほしくなる構成です。
4K 144Hz クラス。Core Ultra 9 285K や Ryzen 9 9950X3D 構成では 1000W 電源を選んでおくと将来の OC 運用にも余裕が残ります。
WQHD 165Hz / 4K 60Hz の主力レンジ。ATX 3.1 + 12V-2×6 搭載の 850W であれば transient も含めて余裕で吸収できます。
WQHD 144Hz の新主流。Ryzen 7 9800X3D + DDR5 32GB の標準構成なら 750W ATX 3.1 でちょうど 50% 負荷ポイントに乗ります。
フル HD 高画質・WQHD 中画質の鉄板。8 ピン PCIe 接続のモデルもあり、ATX 3.0 でも問題なく運用できます。
エントリー最上段。Ryzen 5 9600X / Core Ultra 5 245K と組み合わせれば 600W ATX 3.0 で全く問題ありません。
フル HD 専用エントリー。8 ピン PCIe × 1 で動作するため、550W ATX 3.0 でも余裕があり、消費電力も非常に少ない構成です。
AMD RX 9000・7900シリーズ別 推奨容量
AMD 側は RX 9000 シリーズの transient spike が大きい点に注意が必要です。特に RX 9070 XT は TGP 304W に対して瞬間 1029W という極大スパイクが報告されており、容量だけでなく ATX 3.1 準拠を必ず満たす電源を選ぶ必要があります。
スパイクが極大。ATX 3.1 / 200% transient 仕様の 850W 以上を強く推奨。旧 ATX 2.x 電源では保護回路が頻繁に作動する報告あり。
RX 9070 XT より落ち着いた電力プロファイル。Ryzen 7 9700X 構成なら 800W で余裕、9800X3D 構成でも 850W で吸収可能。
VRAM 16GB の現実解。WQHD 中画質まで快適に動かすなら 600W ATX 3.0 で十分対応できる電力プロファイルです。
VRAM 24GB の旧世代上位。8 ピン PCIe × 2〜3 構成で transient は穏やかですが、平均消費が大きいので 900W 以上を推奨。
Intel Arc Bシリーズ・エントリー枠の容量
Intel Arc B シリーズは消費電力が非常に控えめで、エントリー価格帯の中ではコストパフォーマンスが目立ちます。電源選びで悩む必要はほぼなく、600W ATX 3.0 で十分です。むしろこのクラスは電源の効率(80+ 認証ランク)にこだわって長期電気代を抑える方が合理的になります。
VRAM 12GB エントリーの台風の目。XeSS 対応で軽い負荷ゲームに強い。8 ピン PCIe × 1 で動作し、650W で全く問題なし。
フル HD 入門枠。Ryzen 5 9600X や Core Ultra 5 245K と組み合わせれば実消費 250W 前後で、600W 電源は 50% 負荷で動作。
Ryzen 8000G の Radeon 780M / 760M や Arrow Lake 内蔵 GPU での構成。ディスクリート GPU 不要なら 500W ATX 3.0 で完結。
CPU別 構成W数試算|5シナリオで完全シミュレーション
CPU と GPU の組み合わせで実消費は大きく変わります。ここでは現実的な 5 つの構成例について「合計 W」「transient込み」「推奨 PSU」の 3 指標を一覧化しました。自分の構成に最も近いものを参考にしてください。
CPU TDP 200W + GPU TGP 575W + 周辺 145W で平均 920W。瞬間ピークは GPU だけで 901W に達するため、合算で 1400W を超える瞬間があります。1300W ATX 3.1 / 200% 仕様で吸収するのが現実解で、OC 運用なら 1600W も視野。
CPU TDP 120W + GPU TGP 300W + 周辺 100W = 520W。50% 負荷で 850W が最高効率帯に乗ります。750W でも問題ないですが、将来 GPU を 5080 に乗せ換える可能性があるなら 850W を推奨。
CPU PL1 159W (PL2 250W 想定) + GPU TGP 360W + 周辺 100W。Core Ultra 9 は短時間の PL2 ブーストで 250W に達するため、合計の瞬間値は 1000W に届きます。1000W ATX 3.1 で 50% 負荷点に最適。
CPU TDP 65W + GPU TGP 180W + 周辺 100W = 345W。RTX 5060 Ti は 8 ピン PCIe × 1 接続なので 12V-2×6 不要。650W ATX 3.0 でも全く問題ない構成です。
Arrow Lake Refresh の主力構成。CPU 110W + GPU 250W + 周辺 100W で実消費 460W。750W ATX 3.1 で 50% 負荷の最高効率を取りつつ、将来 5070 Ti へ載せ替えても余裕あり。
80+ 効率と容量のスイートスポット|50%負荷ルール
電源容量を決めるとき「TGP の 2 倍」だけで考えると、効率の観点で損をします。80+ 認証電源は 50% 負荷で最高効率になるよう設計されており、ピーク時の負荷率を 60〜70% に収めるのが理想です。下の 4 階層を見比べて、自分の用途に合うランクを選んでください。
エントリー BTO 標準。短期コスパは最高ですが、長期電気代では Gold に逆転されることが多く、エントリー GPU 構成以外では推奨しにくい階層。
最も合理的な階層。電気代の差額で 3〜4 年で元が取れ、コンデンサ品質も底上げされて寿命が長い。RTX 50 / RX 9000 構成の標準解はこれ。
RTX 5090 / 5080 など長時間高負荷の運用なら、Gold との差額(数千円)を 1 年で回収可能。日本製コンデンサ採用率も高く、長期運用向け。
最上位。10% 以上の負荷でも 90% を切らず、24 時間運用のサーバ・ワークステーション向け。一般ゲーマーは Platinum で十分。
具体例で計算してみます。Ryzen 7 9800X3D + RTX 5070 Ti 構成(実消費 500W)の場合、500W 電源だと 100% 負荷で 88% 効率、損失 68W。1000W 電源だと 50% 負荷で 90% 効率、損失 56W。1日 8 時間ゲームを 1 年運用すると、その差は 年 350円程度ですが、コンデンサが受ける熱ストレスは 1000W のほうが大幅に少なく、寿命差は 2〜3 年に達します。
容量別 推奨PSU モデル|600W〜1300W
容量別に、ATX 3.1 / 12V-2×6 搭載で実績のあるモデルを 6 つ厳選しました。価格は 2026 年 5 月時点の参考値です。同容量帯の中で評価が高く、入手性の良い製品をピックアップしています。
フルモジュラー・10 年保証。エントリー〜ミドルレンジで最も無難な選択肢で、12V-2×6 ケーブル付属。
参考価格 ¥14,000 前後。フルモジュラー・10 年保証。RTX 5070 + Ryzen 7 9800X3D 構成で 50% 負荷の最高効率帯に乗るバランス型。
参考価格 ¥18,000 前後。記事推奨の中心容量。RX 9070 XT のスパイク 1029W も吸収でき、5070 Ti なら将来 5080 への載せ替え余裕あり。
日本製コンデンサ採用・12 年保証。ファン低速制御で静音性が高く、RTX 5080 + Core Ultra 9 285K 構成の主力候補。
12V-2×6 600W ケーブル付属・10 年保証。RTX 5090 構成で transient 901W も含めて吸収可能。コスパ重視の 1200W 候補。
ATX 3.1 / 200% transient 仕様・10 年保証・日本製コンデンサ。RTX 5090 OC + 9950X3D2 などの最上位構成でも余裕がある選択。
参考|現行モデルの定番電源 2選
記事で取り上げた中から、入手性と評価のバランスで筆者が定番として勧める ATX 3.1 / 12V-2×6 電源を 2 つ紹介します。RTX 5070 Ti / RX 9070 XT クラスの 850W と、RTX 5080 / 5070 Ti OC を見越した 1000W の組み合わせです。
落とし穴9項目|過剰容量・transient未対応・OC暴走
電源選びで失敗する典型的なパターンを 9 つにまとめました。当てはまる項目があれば即時対処を検討してください。特に上から 4 つは RTX 50 / RX 9000 ユーザーで頻発しています。
2022 年以前の 850W 電源を RTX 5090 / RX 9070 XT で使用。transient response が 150% 程度しかなく、保護回路が頻繁に作動。
対処: ATX 3.1 準拠の同容量に更新。延命運用は電源・GPU の両方を傷める。
旧 12VHPWR ケーブルを 12V-2×6 ソケットに挿す。物理的には嵌るがピン形状がわずかに違い、接触抵抗が偏ってコネクタ焼損のリスク。
対処: 電源付属の 12V-2×6 ケーブルだけを使う。社外ケーブルは要確認。
RTX 5070 Ti 構成に 2000W 電源を選択。実消費 500W で 25% 負荷となり、効率が 80% 台前半に落ちて電気代と発熱が増える。
対処: 50% 負荷ポイントに合わせる。実消費の 1.6〜2 倍が上限。
8 ピン PCIe × 4 を 12V-2×6 へ変換するケーブルを使用。ピン 1 本あたり電流が偏りやすく、長期で焼損事例あり。
対処: 電源直結の 12V-2×6 ケーブルが付属するモデルを最初から選ぶ。
RTX 5090 OC + 9950X3D2 構成に 1000W 電源。OC 時の合算 1500W に届かず、ベンチマーク最終局面で再起動。
対処: OC を恒常的に使うなら標準推奨 +20% 容量を確保。1300W 以上を選ぶ。
価格優先で 80+ Standard 認証電源を購入。コンデンサ品質が低く、3〜4 年で出力電圧の変動幅が大きくなりブルースクリーン頻発。
対処: Gold 以上を最低ラインに。価格差 5,000 円程度で 5 年寿命差になる。
CPU 用 8 ピン EPS を 1 本だけ接続して 9950X3D 運用。PL2 で 200W を超える瞬間にレール電流上限を超え、シャットダウン。
対処: CPU EPS は 8 ピン × 2 接続が基本。マザーが 4+4 構成なら両方挿す。
小型ケースに合わせて 750W SFX 電源を採用したが、ファン径 92mm 以下のため発熱が大きく、長時間ベンチで保護動作。
対処: Mini-ITX で RTX 5080 以上を狙うなら SFX-L か ATX 電源対応のケースに変更。
中古 5,000 円の Bronze 電源を 5 年以上使用。コンデンサ容量が新品の 60% を切っており、新世代 GPU のスパイクに対応できない。
対処: 電源は 5〜7 年で買い替え推奨。中古品は耐久性の保証がない。
将来GPU(RTX 5090 Ti / RTX 6090)を見越した余裕論
電源は GPU や CPU よりも長寿命のパーツです。10 年保証の Gold モデルを買えば、その間に GPU は 2〜3 世代乗り換えることが普通です。だから「今の構成で必要な W 数」より 1 段上を選ぶのが、電源選びの王道です。
具体例で考えてみましょう。今 RTX 5070 Ti で 850W を選ぶか、それとも 1000W を選ぶかで悩むケースは多いはずです。価格差は 5,000 円ほど。3 年後に RTX 6080 クラスへ乗り換えると仮定し、その時の TGP が 400W だったとします。850W は容量ギリギリで透過しにくい一方、1000W ならそのまま流用可能です。同じ理屈で RTX 5080 構成なら 1200W を選んでおけば、次世代 5090 Ti クラスまで対応できます。
注意点として、長期保証付きの電源を選ぶことが前提です。10 年保証の製品なら 2026 年購入で 2036 年まで保証が効き、その間に故障した場合は新品交換になります。安い電源を買って 5 年で寿命が来るより、長期保証付きを選んで 10 年使い倒すほうがトータルコストは下がります。
よくある質問
標準クロック・ゲーム用途なら一応動作します。実消費は 700W 程度なので 850W で 82% 負荷と高めですが、PC が落ちるほどではありません。ただし transient 901W が 850W 容量を超える瞬間があり、長期運用で電源側にダメージが蓄積します。OC を一切しない・PSU を 5 年で買い替える前提でも、推奨は 1200W 以上です。
Gold 90% / Platinum 92% の効率差です。1000W 電源を 50% 負荷で 1日 8 時間 365 日運用すると、年間 約 350 円〜500 円の差になります。価格差 3,000〜5,000 円なので 7〜10 年で元が取れる計算で、長期運用なら Platinum の優位性が出ます。短期使用なら Gold で十分です。
容量に余裕があれば動作はします。ATX 3.0 でも transient 200% 仕様は満たしているので、RTX 5070 Ti / RX 9070 XT 程度までは実用上問題ありません。ただし RTX 5090 / RX 9070 XT で transient 1029W のような極大スパイクは ATX 3.1 規格の 12V-2×6 ケーブルでないと吸収しきれない場面があります。コネクタ周りの安全性を考えると ATX 3.1 への更新が無難です。
標準推奨に対して +20% が安全圏です。RTX 5080 標準 1000W 推奨なら OC 運用は 1200W、RTX 5090 標準 1200W なら OC 運用は 1500W が目安。CPU 側も Ryzen 9 9950X3D の PBO 最大化や Core Ultra 9 285K の Power Limit 解放で 50W 程度上振れするので、CPU + GPU の OC を両方やるなら +25〜30% を見ておくと事故が起きにくいです。
容量と価格が同じなら ATX 電源の方が安全です。ファン径が 120〜140mm と大きいため発熱を分散しやすく、コンデンサも 105℃ 品質を採用しやすい構造です。SFX は 92mm ファンが基本で発熱集中しやすく、長時間高負荷では寿命が短くなる傾向があります。Mini-ITX で 1000W 以上が必要なら SFX-L か、ATX 電源対応の Mini-ITX ケース(NR200P など)を選んでください。
80+ Gold 以上で 10 年保証付きなら 10 年が上限です。ただしコンデンサは 5 年で容量低下が始まるため、新世代 GPU 導入のタイミングで 5〜7 年経過していれば更新を強く推奨します。具体的には「電源を入れた瞬間にカチッと大きな音が出る」「再起動時にブザーが鳴る」「ゲーム中に瞬断する」などの症状が出てきたら、寿命が来ている合図です。
まとめ|GPU別 推奨容量と電源選びの結論
本記事の結論は 「RTX 5090 = 1200〜1300W、5080 = 1000W、5070 Ti / RX 9070 XT = 850W、5060 Ti / Arc B580 = 650W」です。さらに ATX 3.1 + 12V-2×6 搭載を必ず確認してください。GPU 公称 TGP の 2 倍では transient spike を吸収できず、RX 9070 XT の 1029W スパイクや RTX 5090 の 901W スパイクで保護回路が作動するリスクがあります。
容量計算は (CPU + GPU + 周辺) × 1.5 が古典的目安、GPU TGP × 2.0 + CPU + 周辺 が transient 対応式、OC 運用なら +20% が安全圏です。50% 負荷で最高効率になる 80+ 認証電源の特性を考えると、実消費の 2 倍がスイートスポットになります。
電源は 10 年使うパーツです。今 5,000 円の差額をケチって Gold 以下を選ぶより、Platinum / 12V-2×6 標準搭載・10 年保証付きを選ぶ方が、トータルコストでは確実に得をします。次世代 GPU まで使い切る投資として 1 段上の容量を選んでください。





