AMD Ryzen AI Max+ PRO 495【Gorgon Halo】スペック完全解説|192GB統一メモリ・Radeon 8065S・Strix Halo比+4%の実態とROG Flow Z13後継の可能性【2026年5月】
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192GB統一メモリ・Radeon 8065S・Strix Halo比+4%の実態
出典:PassMark / cpubenchmark.net(リーク掲載元のCPUベンチマークデータベース)。リーク情報に基づき執筆後、2026年5月20日のAMD正式発表で内容が確定しました(システム出荷はQ3予定)。
AMDがRTX Spark発売前にGorgon HaloのAIベンチを公表しました。数値は大型LLMの生成速度(GLM 5.3 Flashで最大20トークン/秒、Qwen 3.8 Flash Nextで最大42トークン/秒)と、画像・動画・音楽の生成でIntel Core Ultra X9 388Hと比べた相対値(大半が1.1〜2.1倍)で、ゲームのfpsは出ていません。ゲーム目的なら、この発表を待つ理由も慌てて買う理由もありません(第14章)。
搭載ミニPCの発売が始まりました。ACEMAGIC「F9A」が米国で192GB+2TB構成6,499ドル、GMKtec「EVO-X5 Pro」が日本で1,039,840円から販売中です。価格と仕様は第13章「搭載ミニPCの発売状況」にまとめました。
正式発表+Ryzen AI Halo 小型開発PC 登場! Ryzen AI Max+ PRO 495 正式発表に加え、NVIDIA DGX Spark 対抗の小型AI開発PC「Ryzen AI Halo」($3,999〜・2026年6月予約開始)も発表。Windows / Linux 両対応・ROCm 採用で 2000億パラメータ級LLMをローカル実行可能。詳細は第12章「Ryzen AI Halo 正式発表」を参照。
2026年5月3日前後、PassMark の CPU データベースに「AMD Ryzen AI Max+ PRO 495 with Radeon 8065S」というエントリが現れたことから、AMD 次期モバイル AI APU「Gorgon Halo」の全貌が一気にリークされました。Strix Halo(Ryzen AI Max+ 395)の正常進化版で、Zen 5 と RDNA 3.5 アーキテクチャは据え置きながら、CPU/iGPU クロックとメモリ容量で着実な強化を図ったマイナーリフレッシュです。
ここではリークされた一次情報を整理しつつ、「+10% 高速化」報道の実態・192GB ユニファイドメモリで現実的に動かせる生成AIモデル・ROG Flow Z13 後継機など搭載予想製品・Apple M4 Max / Snapdragon X2 Elite Extreme / Intel Panther Lake との性能位置付けまで、PCゲーマー視点で踏み込みます。
既存の Ryzen 7 9800X3D レビュー・Nova Lake bLLC 解説 ではデスクトップ Zen 5 や次世代 Intel を扱ってきましたが、ノートPC向け Zen 5 ハイエンドである Strix Halo / Gorgon Halo の整理は薄かったため、ここで AMD AI APU ロードマップの全体像を補強します。なおリーク内容は、2026年5月20日のAMD正式発表でほぼそのまま確定しました(160GBをGPUに割当可能・システム出荷はQ3)。
リーク元PassMarkに突如登場——Gorgon Halo リークの発信源
今回のリークの最初の発信源は PassMark / cpubenchmark.net のCPUデータベース(CPU ID 7284)です。「AMD Ryzen AI Max+ PRO 495 with Radeon 8065S」というエントリが2026年5月初旬に登場し、海外テックメディアが5月3日前後にスクリーンショット付きで初報、その後複数の海外メディアが5月4日に一斉追従しました。
AMD公式発表は出ていません。CES 2026(2026年1月)では Ryzen AI Max+ 392 / 388(既存 Strix Halo の派生 SKU)が AI 開発者向けに発表された一方、Gorgon Halo / 495 系 SKU は触れられず、現時点では PassMark リークと OPN 流出が一次情報の中核です。サンプル数1台のため、最終仕様と一部数値が変わる可能性は残ります。
スペックRyzen AI Max+ PRO 495 確定リークスペック詳細
各媒体のリーク情報を統合した、現時点の確定リーク内容を整理します。コア構成・最大ブースト・iGPU・メモリは PassMark とOPN 流出で裏取り済みで、信頼度が高い項目です。
| 項目 | Ryzen AI Max+ PRO 495(リーク確定値) |
|---|---|
| アーキテクチャ | Zen 5(リフレッシュ)+ RDNA 3.5(変更なし) |
| コア / スレッド | 16C / 32T |
| 最大ブーストクロック | 5.2GHz(395比 +100MHz) |
| L3 キャッシュ | 64MB(Strix Halo 395 と同等想定)+ 32MB Infinity Cache |
| iGPU | Radeon 8065S(40CU・最大3.0GHz) |
| メモリ規格 / 容量 | LPDDR5X-8533 / 最大192GB(24GB×8・SK hynix) |
| メモリバス | 256-bit クアッドチャネル相当(理論帯域 約273GB/s) |
| NPU | XDNA 2・50 TOPS(395 と同等想定) |
| TDP / cTDP範囲 | 55W ベース、cTDP 45〜120W(395 と同等想定) |
| パッケージ | FP11 BGA(37.5×45mm・LGA1700同等サイズ) |
| プロセス | TSMC 4nm(CCD・I/Oダイ) |
| PassMark CPU Mark | 57,525(395 比 +4.1%) |
| PassMark Single-Thread | 4,293(395 比 +3.1%) |
注目点は 192GB という最大メモリ容量です。SK hynix が2026年に量産化した 24GB LPDDR5X DRAM を8チャネル束ねた構成で、Strix Halo(128GB上限)から +50% の拡張です。これは AI 推論用途を強く意識した仕様と言えます。
前世代差分Strix Halo(395)との差分——マイナーリフレッシュの実態
Gorgon Halo(495)と前世代 Strix Halo(395)の主要スペック差を一覧化します。アーキテクチャ・プロセス・パッケージは据え置きで、CPU/iGPUクロックとメモリ容量・速度のみ強化されたピンバンプ版に近い改定です。
| 項目 | Strix Halo(Ryzen AI Max+ 395) | Gorgon Halo(Ryzen AI Max+ PRO 495) | 差分 |
|---|---|---|---|
| CPU 最大ブースト | 5.1GHz | 5.2GHz | +100MHz(+2.0%) |
| iGPU 最大クロック | 2.9GHz | 3.0GHz | +100MHz(+3.4%) |
| iGPU 名称 | Radeon 8060S | Radeon 8065S(実質 8060S OC版) | リブランド |
| 最大メモリ容量 | 128GB | 192GB | +64GB(+50%) |
| メモリ規格 | LPDDR5X-8000 | LPDDR5X-8533 | +6.7% |
| メモリ帯域(理論) | 256GB/s | 273GB/s 想定 | +6.7% |
| アーキテクチャ | Zen 5 / RDNA 3.5 | Zen 5 / RDNA 3.5 | 変更なし |
| プロセス | TSMC 4nm | TSMC 4nm | 変更なし |
| パッケージ | FP11 BGA | FP11 BGA | 同(互換性維持) |
Radeon 8065S はリブランド説が濃厚です。複数の海外メディアは「495 は Radeon 8065S」と報じていますが、別の海外メディアは独自情報として「495 の iGPU は 8060S を 3.0GHz に高クロック化したもの」と記載。複数ソースが「8060S を OC した版」と説明しており、AMD が新型番として「8065S」を付与した可能性が高いと見られます。
ラインアップGorgon Halo フルラインアップ(485〜495)
海外メディアが独自にリークした Ryzen AI MAX 400 系統のフルラインアップを整理します。コア数とiGPU グレードの組み合わせで5SKU構成という、Strix Halo と同パターンの展開が見込まれます。
| 型番 | コア / スレッド | 最大ブースト | iGPU | iGPUクロック |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen AI MAX 485 | 8C / 16T | 5.0GHz | Radeon 8050S | 2.8GHz |
| Ryzen AI MAX 488 | 8C / 16T | 5.0GHz | Radeon 8060S | 2.9GHz |
| Ryzen AI MAX 490 | 12C / 24T | 5.0GHz | Radeon 8050S | 2.8GHz |
| Ryzen AI MAX 492 | 12C / 24T | 5.0GHz | Radeon 8060S | 2.9GHz |
| Ryzen AI Max+ PRO 495 | 16C / 32T | 5.2GHz | Radeon 8065S | 3.0GHz |
495 のみ最大ブーストが 5.2GHz と他SKU より +200MHz 高く、iGPU も Radeon 8065S(実質OC版)と差別化されている点が特徴です。下位 SKU は Strix Halo の 8C/12C 版と CU 構成・クロックが完全に踏襲されており、価格帯ごとの上下幅は前世代と同程度に設定されると見られます。
検証「+10%高速化」は本当か——PassMark実値で検証
一部の海外メディアの見出しでは「495 は Strix Halo 比 +10% 高速化」とも報じられていますが、PassMark 公開データの実値で照合すると 実態は +4% 前後の微増です。「+10%」はベンチマーク総合の最大値で、平均的な改善幅とは乖離があります。
- CPU Mark(マルチスレッド)|495: 57,525 / 395: 55,163 → +4.1%
- Single-Thread Rating|495: 4,293 / 395: 4,161 → +3.1%
- iGPU クロック上昇率|+3.4%(2.9→3.0GHz)
- 「+10%」見出しの根拠|複数ベンチマークの最大改善値(特定テストでの瞬間最大)であり、平均的な体感差ではない
- メモリ容量強化(+50%)の恩恵|CPU/iGPU 性能ではなく、AI 推論時のモデル収納可能サイズで効く
つまり Gorgon Halo は「ピンバンプ版・マイナーリフレッシュ」と素直に位置付けるのが妥当で、Strix Halo を既に持っている読者が買い替える性能差は薄いと考えるべきです。一方、これから ROG Flow Z13 後継機などを買う読者にとっては 192GB メモリへの拡張可能性が選定理由になり得ます。
ロードマップStrix → Gorgon → Medusa——AMD AI APUコードネーム整理
「Strix Halo Refresh」「Gorgon Halo」「Ryzen AI MAX 400 系」など複数の呼称が混在していますが、すべて同一製品の別称です。AMDロードマップ上の位置付けと、真の世代交代となる次世代「Medusa Halo」の輪郭をまとめます。
Gorgon Halo は Strix Halo と Medusa Halo の中継ぎで、パッケージ FP11 互換性維持・電気的特性据え置きのため、ノートPCメーカーは既存設計をほぼそのまま流用してリフレッシュモデルを投入できる点が利点です。一方、真の世代交代は次の Medusa Halo まで待つ必要があり、Zen 6 + LPDDR6 + 2nm プロセスのフル刷新となります。
競合比較Apple M4 Max・Snapdragon X2 Elite・Panther Lake との位置付け
Gorgon Halo の真価は、ライバル製品との比較で初めて浮かび上がります。CPU マルチコア性能・iGPU 性能・NPU TOPS・メモリ容量の4軸で立ち位置を整理します。
Apple M4 Max(16コア構成)との比較
| 指標 | Apple M4 Max(16C) vs Ryzen AI Max+ PRO 495 |
|---|---|
| Geekbench 6 Single | M4 Max 4,031〜4,060 / 495 PassMark Single 4,293(同等以上想定) |
| Geekbench 6 Multi | M4 Max 26,201〜26,675 / 495 約20,000想定(395系から逆算) |
| 最大ユニファイドメモリ | M4 Max 128GB / 495 192GB(+50%) |
| iGPU 性能 | M4 Max 40コアGPU 28TFLOPS級 / 495 Radeon 8065S 約20TFLOPS級 |
| OS / ゲーム互換性 | M4 Max macOS 縛り・Windows ゲーム不可 / 495 Windows ネイティブ |
CPU マルチコアでは M4 Max が優位ですが、メモリ容量(+50%)と Windows ゲーム互換性で 495 が勝ります。AI 推論用途では「より大きなモデルを載せられる」ことが直接の優位点となるため、ローカル LLM 派には 495 が魅力的です。
Snapdragon X2 Elite Extreme(X2E-96-100)との比較
| 指標 | Snapdragon X2 Elite Extreme(18C) vs Ryzen AI Max+ PRO 495 |
|---|---|
| Geekbench 6 Single | X2 4,072 / 495 PassMark換算で同等 |
| Geekbench 6 Multi | X2 23,611 / 495 約20,000想定 |
| NPU TOPS | X2 80 TOPS / 495 50 TOPS |
| メモリ容量 | X2 48GB(192-bit on-package) / 495 192GB(256-bit) |
| iGPU | X2 Adreno X2-90(16CU) / 495 Radeon 8065S(40CU・+150%) |
| x86互換性 | X2 ARM・エミュ動作 / 495 ネイティブx86 |
Snapdragon X2 は NPU TOPS で勝りますが、iGPU 性能(CU数で2.5倍)・メモリ容量(4倍)・x86ネイティブで 495 が圧倒します。ARM の x86エミュレーション制約を回避したいPCゲーマー・開発者には 495 が現実解です。
Intel Panther Lake(CES 2026 発表)との比較
Intel Panther Lake は最大16コア(4P+8E+4LP-E)・Intel 18A プロセス・iGPU は Arc B390(Xe3、12コア=1,536 ALU)。iGPU の物量で 495 の Radeon 8065S(40CU=2,560 ALU)に大きく劣るため、ノート向け iGPU で重いゲームを動かす用途では Gorgon Halo が優位です。一方、Intel側は dGPU(Arc B580 Mobile など)と組み合わせる構成で対応する見込みで、薄型ノートでは住み分けが進みそうです。
iGPU性能Radeon 8065S は dGPU 不要レベルか
Strix Halo(Radeon 8060S)は実測で デスクトップ RTX 4060 / RX 7600 / Arc B580 同等の性能を出しており、Framework Desktop の検証で 95W TDP 維持時に RTX 4060 ノートを上回るスコアが確認されています。Gorgon Halo(8065S)はクロック +3.4% で RTX 5060 Mobile に届くかどうかのラインに位置すると見られます。
Strix Halo 実測ベース(Radeon 8060S・95W TDP)
- Cyberpunk 2077|1080p Medium 45〜55fps、1440p High + FSR Balanced 73fps
- Cyberpunk 2077|1600p Ultra + FSR Quality 74fps、FSR Frame Gen ON で 120fps 超
- 3DMark Time Spy|9,006(GPU 10,106 / CPU 5,571)
- 3DMark Steel Nomad|994(9.94fps)
- 495(Gorgon Halo)想定|上記から +3% の微増
Strix Halo は「dGPU なしで 1440p フルHD超え + 中程度設定」を成立させていますが、レイトレーシング・ハイエンド級のフレームレートはまだ dGPU 必須です。Radeon は DLSS 非対応で FSR4 / FSR3 Frame Gen 頼みのため、ゲーマー視点で「重量級タイトルを最高設定で走らせる用途には不足」、しかし「中設定で快適に動かしたい・dGPU 廃熱を避けたい」なら成立する性能水準です。
AI用途192GB ユニファイドメモリで動く生成AIモデル
Gorgon Halo の最大の強みは 192GB ユニファイドメモリです。これにより、ローカルPC で大型LLM を完全メモリ常駐で動かせる用途が現実化します。AMD公式が「Ryzen AI Max+ クラスタで Trillion Parameter LLM を動かす方法」というテクニカル記事を出しており、推論用デバイスとして公式推している領域です。
192GB あれば、4bit量子化済みの Llama 3.1 405B(180GB)まで余裕で常駐実行できます。これは Apple M4 Max(128GB上限)や RTX 5090 単体(32GB VRAM)では不可能な領域で、Gorgon Halo の最大の差別化点です。一般ゲームでは 32GB あれば十分なので、192GB は完全にプロ用途であり、ローカル AI 開発者・研究者向けのニッチ需要に応える構成と言えます。
192GB構成は実勢価格が高額になる見込みです。Strix Halo 搭載 Mini PC(GMKtec EVO-X 系・AOOSTAR 140W TDP版)が現行 1,800〜2,800 USD、Gorgon Halo の 192GB 版は 3,500〜4,500 USD レンジに上がる予想。一般PCゲーマーには過剰なメモリ容量で、ローカルLLM運用を本気で行う研究者・開発者の方が経済合理的です。
搭載予定ROG Flow Z13 後継・Framework Desktop 後継・Mini PC勢の動向
Gorgon Halo の搭載予定製品はリーク段階ですが、Strix Halo(395)系の搭載実績から類推できます。ROG Flow Z13・Framework Desktop・各社 Mini PC の3カテゴリでリフレッシュが見込まれます。
リーク段階だった Ryzen AI Max 400 “Gorgon Halo” 系が AMD から 正式発表されました。PassMarkのリーク情報は大きな修正なく確定し、リークの確度の高さが裏付けられました。
正式発表で確定した主要仕様
- 最大16コア(Zen 5 アーキテクチャ)
- 最大192GB ユニファイドメモリ対応(生成AI 推論の本命構成)
- Zen 5 CPU + RDNA 3.5 iGPU + XDNA 2 NPUの3軸構成
- ローカルLLM推論を強く意識した APU 設計
ゲーミングPC文脈での意味
従来「内蔵GPUゲーミング = 妥協」だった構図が、本シリーズで 「dGPUなし小型PCで実用ゲーミング」が現実視野に。特に以下4つの用途で注目度が高くなっています。
- 小型ミニPC(ASUS ROG NUC / Minisforum / GMKtec 後継機)
- AI PC(ローカルLLM推論・Stable Diffusion 実行)
- クリエイター兼ゲーミング(動画編集 + ゲームの両用)
- ハイエンドハンドヘルド後継(ROG Ally X / Legion Go S 後継候補)
搭載機(ROG Flow Z13 後継 / Framework Desktop 後継 / 各社ミニPC)の発表は Computex 2026(6/2〜5)が最有力タイミングと見られています。詳細スペック・性能予測・競合比較(Apple M4 Max・Snapdragon X2 Elite・Panther Lake)は各セクションをご参照ください。
参考参考|Gorgon Halo 待ちの間に検討したいAMD系PC
Gorgon Halo の発売は2026年Q4 が濃厚で、現時点では PassMark リーク段階。半年以上の待機期間中に AMD 環境で AI 推論やゲーミングを進めたい方向けに、保存リストから現実的な選択肢を2つ提案します。Ryzen 7 9800X3D は dGPU 構成のメインストリーム最強、ROG Ally X は携帯型 Ryzen Z1 Extreme の現状最有力モデルです。


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AMD Ryzen AI Max+ PRO 495【Gorgon Halo】は Strix Halo の正常進化版であり、CPU/iGPU クロック +100MHz・最大メモリ +50%(192GB)の堅実なリフレッシュです。海外メディアの「+10%高速化」見出しは最大値で、実態は PassMark で +4% 前後の微増。Strix Halo を既にお持ちなら買い替えの動機は薄く、これから ROG Flow Z13 後継・Framework Desktop 後継などを買う読者向けの製品といえます。最大の価値は 192GB ユニファイドメモリで、Llama 3.1 405B(4bit量子化)まで動くローカル LLM 運用環境としてはApple M4 Max・Snapdragon X2 Elite Extreme を上回る現実解。一方、真の世代交代は次の Medusa Halo(Zen 6・LPDDR6・2027〜2028)まで持ち越しのため、PCゲーマーが今買うべきハードウェアは依然 Ryzen 7 9800X3D + dGPU 構成、または ROG Ally X が現実解と判断します。
正式発表Ryzen AI Halo 小型AI開発PC|NVIDIA DGX Spark 対抗の本命
2026年5月29日、AMD は Ryzen AI Max+ PRO 495 を正式発表するとともに、小型AI開発PC「Ryzen AI Halo」を同時投入しました。本機は NVIDIA DGX Spark への直接対抗製品で、Windows / Linux 両対応・ROCm 採用・x86 環境を強みにしてローカルAI開発市場に切り込みます。
Ryzen AI Halo は明確に 「ゲーミングPCではなく AI 開発PC」として設計されていますが、内蔵 Radeon 8060S は RDNA 3.5 でゲーミング性能も十分高い(dGPU RTX 4060 級)。ローカルAI 開発をしつつ、空き時間でゲームも遊べる「兼用機」としての可能性は十分。「AI PC市場の成長によって、ゲーミングPC選びの軸が VRAM容量・ユニファイドメモリ・NPU TOPS にシフトしていく」という業界変化の先駆けです。NVIDIA Project G-AssistのようなローカルAIアシスタント時代に向けた基盤製品といえます。
Ryzen AI Halo の GPU アーキテクチャは 最新の RDNA 4 ではなく RDNA 3.5 据え置き。前世代 Ryzen AI Max+ 395 からの進化は、純粋なGPU性能の大幅向上というより メモリ容量拡大とローカルAI適性の強化と見るのが自然。また、ROCm エコシステムは CUDA より対応アプリ・LLM実行環境が限定的な現状もあり、購入判断は「大規模モデルが動く」だけでなく「快適に使えるか」の実機レビュー待ちが安全です。Computex 2026(6/2-5)後の続報で更新予定。
発売状況搭載ミニPCの発売状況|ACEMAGIC F9Aは米国6,499ドル
Ryzen AI Max+ PRO 495を積むミニPCは、IFA 2026での発表を経て2026年9月下旬から実際に買える段階に入りました。第10章で「GMKtec EVO-Xが最速登場候補」と書いた予想どおり、GMKtecのEVO-X5 Proが9月28日に発売され、ACEMAGICのF9Aも米国の公式ストアで販売が始まっています。
F9Aは、192GBのLPDDR5X-8533と2TB SSDを積んだ1構成だけで、米国公式ストアの価格は定価6,999ドルのところ6,499ドルです。メモリのうち160GBをグラフィックスメモリに割り当てられ、AI処理性能は131 TOPSとされています。主な仕様は次のとおりです。
- 筐体は金属製で158.5×158.5×81.5mm、容積は約2L
- 前面にUSB4、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2、SDカードリーダー、3.5mmオーディオ端子
- 背面にUSB4、DisplayPort 2.1、HDMI 2.1、2.5ギガビットLAN×2、USB 3.2 Gen 2、USB 2.0
- 外付けGPUをつなげるOCuLinkを背面に搭載
一方、日本で今すぐ買えるのはEVO-X5 Proで、公式ストアの価格は192GB+2TBが1,039,840円、192GB+4TBが1,071,840円です。米国での販売価格はF9Aが6,499ドル、EVO-X5 Proが6,399ドルと100ドル差にとどまり、両機とも同じAPUを積むため性能差も小さいと考えられます。選び分けの軸はOCuLinkの有無や拡張性、日本で買えるかどうかです。F9Aの詳しい仕様とEVO-X5 Proとの違いはACEMAGIC F9Aの解説、日本価格の内訳はEVO-X5 Proの発売記事で整理しています。
どちらも100万円前後の価格で、192GBをローカルLLMに使う前提の業務向け機材です。ゲーム用途だけならRadeon 8065Sの内蔵GPU性能は前世代の8060Sから大きく変わらないため、この価格を払う理由にはなりません。
出典:TechPowerUp、ACEMAGIC F9A製品ページ、GMKtec日本公式ストア
最新RTX Spark発売前のAMD公表ベンチ|最大42トークン/秒とIntel比の読み方
AMDは報道向けの事前説明で、Ryzen AI Max+ PRO 495のAIベンチを公表しました。NVIDIAのRTX Sparkは10月にノートPCから発売される予定で、10月7日(米国時間)のMicrosoftのイベントで搭載機が出そろうとみられています。その直前に、192GBという容量の強みを先に示した形です。ゲーム用途で気になる結論から言うと、今回の数値はすべてAIの処理速度で、ゲームのfpsは含まれていません。ゲーム目的なら、この発表を待つ理由も、慌てて買う理由もありません。
AMDが出した数値は、LLMの生成速度と、生成AIアプリでIntelと比べた相対値の2種類です。LLMの数値は次の2つです。
- GLM 5.3 Flash(総パラメータ320B、1トークンあたり有効18B):最大20トークン/秒。量子化はUnslothのUD-IQ4_XS
- Qwen 3.8 Flash Next(マルチモーダルのMoE、有効5B):最大42トークン/秒。Unslothの動的4bit量子化とマルチトークン予測(MTP)を併用
どちらも「最大」の値です。文脈長が伸びるほど生成速度は落ちるため、GLM 5.3 Flashの20トークン/秒は、長い文脈では実用域を割り込むおそれがあります。LLMの2つの数値には比較相手が付いておらず、他社機との優劣はこれだけでは決まりません。参考値として、GPT-OSS 120B(4bit)の実測ではDGX Sparkが最大64トークン/秒、Ryzen AI Max+ 395が56トークン/秒でした。ただしモデルが違うため、AMDの20や42と並べて速い遅いは言えません。
もう1つは、ComfyUIで画像・動画・音楽・3Dモデルの生成を18項目回し、Intel Core Ultra X9 388H搭載機と処理量を比べた相対値です。AMDのスライドでは、Yuveを除く17項目が1.1〜3.1倍で、うち8項目は1.4倍以下でした。Yuveだけが32.2倍と飛び抜けています。ただし条件はそろっていません。AMD側は192GBの最上位構成、Intel側は64GBの機種で(Panther Lakeは最大128GBに対応)、搭載機のクラスも違います。RTX Spark搭載機はGeekbenchのリーク以外に性能の結果が出ておらず、AMDは比較相手にIntelを選んでいます。
RTX Sparkとの対比で確かな違いは、メモリ容量です。RTX Spark(N1X)の上位構成は最大128GB、Gorgon Haloは最大192GBで、大きなモデルを丸ごと載せられる余地はAMDにあります。一方、Ryzen AI Halo(395搭載)のレビューで測られた範囲では、DGX Sparkは3モデルすべてで最初のトークンが出るまでの時間と生成速度の両方でAMDを上回っていました。N1XはDGX SparkのGB10とほぼ同じ構成とされるため、495が速度で逆転する材料は今のところありません。容量が増えても、速くなるわけではないということです。
495は395のリフレッシュで、コア数とアーキテクチャは同じ、ブーストクロックが100MHz上がった程度です。ゲームや一般アプリの性能も、前世代から大きくは変わらない見込みです。AMDのスライドには「Impressive Gaming(ディスクリート級のGPUとFSR)」という一文がありますが、fpsの数値は今回の発表資料にありません(2026年10月6日時点)。
ゲーム用途での判断
ゲームが主目的なら、495搭載機は選ばないのが妥当です。理由は価格です。搭載機の最上位構成は約7,000ドル、日本のGMKtec EVO-X5 Proは100万円超で、ゲーム用途で払う金額ではありません。内蔵GPUのRadeon 8065Sは8060Sからの上積みが小さく、192GBはゲームでは使い道がありません。
RTX Sparkは、CPUがArmアーキテクチャ(上位構成は20コアのGrace CPU)のため、x86向けのゲームを遊べるかは発売後の検証を待つ必要があります。AMDもスライドで「ネイティブx86、エミュレーション層なし」と書き、ここを違いとして押し出しています。ゲーム性能の実測が出るまでは、どちらも「ゲーム機としての評価は未確定」です。ローカルLLMが目的で、100GBを超えるモデルを動かしたいなら495(192GB)、速度と対応ソフトの広さを優先するならRTX Spark、という分かれ方になります。RTX Sparkの実機レビューと価格が出てから決めて遅くありません。
AMDは今回、AI PCの累計出荷が数千万台、そのうち「エージェント型PC」が50万台超(搭載機の設計は50以上)だとも説明しました。50万台は、主にRyzen AI Max(Strix HaloとGorgon Halo)の搭載機の数とみられます。数千万台のAI PC全体と比べると、まだ小さな市場です。
出典:Tom’s Hardware(AMDのGorgon Haloベンチ)、Tom’s Hardware(RTX Spark N1Xの発売時期と構成)




