ACEMAGIC「F9A」発表|Ryzen AI Max+ PRO 495・192GB搭載、GMKtec EVO-X5 Proと何が違う?
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Ryzen AI Max+ PRO 495・最大192GBの小型AIワークステーション

出典:ACEMAGIC公式ブログ「F9A」発表記事、ACEMAGIC公式製品ページ、PR Newswire公式プレスリリース、GMKtec公式ブログ「EVO-X5 Pro」発表記事(いずれも2026年9月9日取得)。
ACEMAGICは2026年9月3日、ドイツ・ベルリンで開幕したIFA 2026(会期9月4日〜8日、ホール6.2ブース128)にあわせて、小型AIワークステーション「F9A」を発表しました。上位モデルにはAMD Ryzen AI Max+ PRO 495を搭載し、最大192GBのLPDDR5X-8533統合メモリ、Radeon 8065S、PCIe 4.0 x4接続のOCuLinkを備えます。本体サイズは158.5×158.5×81.5mm、容積は約2Lです。
同じくIFA 2026で発表されたGMKtec「EVO-X5 Pro」も、Ryzen AI Max+ PRO 495・Radeon 8065S・最大192GB LPDDR5X-8533という共通の構成を持っており、「巨大なローカルLLMを動かせる小型デスクトップ」という同じ市場を狙っています。一方でOCuLinkの有無やストレージ容量、企業向け管理機能など、両社の設計思想には違いも見られます。
この記事では、ACEMAGIC公式・PR Newswire・GMKtec公式の一次情報にもとづき、F9Aの仕様とEVO-X5 Proとの違い、そして両モデルとも現時点では価格・発売時期が未公表であるという現状を整理します。
目次
要点先に結論だけ押さえる
基本情報F9A(Ryzen AI Max+ PRO 495モデル)の仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen AI Max+ PRO 495(Zen 5・16コア32スレッド) |
| CPUクロック | ベース3.1GHz・最大ブースト5.2GHz |
| キャッシュ | L2 16MB・L3 64MB |
| GPU | Radeon 8065S(RDNA 3.5・40基・最大3,000MHz) |
| NPU | XDNA 2・最大55TOPS(プラットフォーム全体で最大131TOPS) |
| メモリ | 最大192GB LPDDR5X-8533(256bit) |
| GPU割当上限 | 最大160GB |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 NVMe×2(最大8TB)、RAID 0/RAID 1対応 |
| 拡張 | OCuLink(PCIe 4.0 x4)、USB4×2(40Gbps) |
| ネットワーク | 2.5GbE×2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 |
| 映像出力 | HDMI 2.1、DisplayPort 2.1、USB4 |
| サイズ・容積 | 158.5×158.5×81.5mm・約2L |
| 冷却 | 銅製ヒートパイプ5本+銅ベース+タービンファン |
| 価格・発売時期 | 未公表(2026年9月9日時点) |
※ACEMAGIC公式ブログ・製品ページの記載にもとづきます(本記事公開時点)。F9AにはRyzen AI Max+ 395・最大128GB構成(最大ブースト5.1GHz、Radeon 8060S)も用意されており、5.1GHz表記はこちらの下位モデルを指しています。上位のPRO 495モデルはAMD公式仕様どおり最大5.2GHzです。
プロセッサRyzen AI Max+ PRO 495とは
Ryzen AI Max+ PRO 495は、2026年5月にリーク情報として最初に確認され、その後正式発表されたAMDのAPUです。CPU・GPU・NPUを1パッケージにまとめ、LPDDR5Xメモリを3者で共有する統合メモリ構成が特徴で、cTDPは45〜120Wの範囲で設定できます。前世代にあたるRyzen AI Max+ 395(Radeon 8060S・最大128GB・メモリ帯域256GB/s)と比べると、GPU最大クロックが2,900MHzから3,000MHzへ、メモリはLPDDR5X-8533対応でメモリ帯域が273GB/sへ、それぞれ小幅に引き上げられています。チップ単体の詳しい仕様はRyzen AI Max+ PRO 495のリーク解説記事で整理しています。
メモリ最大192GBのうち160GBをGPUへ割り当てられる
F9A最大の特徴が192GBというメモリ容量です。Ryzen AI Max+ PRO 495ではCPUとRadeon 8065SがLPDDR5Xメモリを共有し、AMDは最大192GBのユニファイドメモリのうち最大160GBをグラフィックスメモリとして利用できるとしています。市販の単体GPUで最も大きなVRAMを積むモデルでも32GB程度であることを踏まえると、桁違いの容量です。
ACEMAGICはPR Newswire上のプレスリリースで、F9A(PRO 495モデル)を使い、パラメータ数284億の大規模言語モデル「DeepSeek V4 Flash」をローカル環境で実行できたと発表しています。ただし、この発表では具体的な推論速度などの実測値は示されておらず、モデル・量子化方式・コンテキスト長・ソフトウェア環境によって性能が変わる点にも留意が必要です。「動作した」ことと「実用的な速度で動く」ことは分けて考えるべきでしょう。
比較GMKtec「EVO-X5 Pro」との違い
同じくIFA 2026で発表されたGMKtec「EVO-X5 Pro」は、Ryzen AI Max+ PRO 495・Radeon 8065S・最大192GB LPDDR5X-8533(最大160GBをGPUへ割当可)という、F9Aと共通の基本構成を持ちます。GMKtec公式ブログの情報と比較すると、両社の設計思想の違いが見えてきます。
| 項目 | ACEMAGIC F9A | GMKtec EVO-X5 Pro |
|---|---|---|
| CPU/GPU/メモリ | 共通(Ryzen AI Max+ PRO 495・Radeon 8065S・最大192GB) | 共通 |
| 外部GPU拡張 | OCuLink(PCIe 4.0 x4)を明記 | 前面USB4×2・背面USB4 V2×2経由のeGPUドック対応 |
| ストレージ | M.2 NVMe×2(最大8TB)、RAID 0/1 | 最大24TB |
| 企業向け管理 | 明記なし(PRO CPUのためAMD PRO Technologies自体には対応) | AMD DASH・RJ45 DASHアダプター・dTPM 2.0・OS非依存のOOB管理 |
| 連続運用 | 明記なし | 24時間365日の連続運用を検証済みと公式に明記 |
| 冷却 | 銅製ヒートパイプ5本+タービンファン | ベイパーチャンバー+3ファン、3段階の動作モード |
| ネットワーク | 2.5GbE×2、Wi-Fi 7 | 詳細仕様は資料により記述が食い違う部分が残る |
CPU・GPU・メモリという性能の根幹部分はほぼ同一のため、演算性能そのものに大きな差は生まれにくいと考えられます。違いが出るのは主に用途に応じた設計で、外付けGPUをPCIe直結に近い形で使いたいならOCuLinkを明記するF9A、企業導入や長時間の連続運用、リモート管理まで重視するならDASH・OOB管理を備えるEVO-X5 Proという住み分けが見えてきます。なお、GMKtec公式も認めているとおりEVO-X5 Pro側は正式なスペック表がまだ全面的には公開されておらず、資料によって記述が食い違う部分が残っている点には注意してください。詳しくはEVO-X5 Proの仕様を整理した既存記事でも扱っています。
注意点GPU性能は前世代からの大幅な向上ではない
ACEMAGICは製品ページでRadeon 8065Sを「RTX 5060-Class Performance」と表現していますが、これはメーカー側の製品訴求であり、独立した実機ベンチマークにもとづく数値ではありません。Radeon 8065SはRDNA 3.5世代の40コンピュートユニットで、前世代のRadeon 8060S(同じく40基・最大2,900MHz)と比べると最大クロックが3,000MHzへ100MHz引き上げられただけです。メモリ帯域もLPDDR5X-8533対応で256GB/sから273GB/sへ6.7%増えるにとどまり、単体GPUに匹敵する性能向上と考えるのは早計です。Ryzen AI Max+ 395世代の統合GPUが実際のゲームでどこまで動くかは、当サイトのRyzen AI Max+搭載ミニPC比較記事で実機ベンチマークをもとに整理しています。
価格F9A・EVO-X5 Proとも価格・発売時期は未公表
2026年9月9日時点で、F9A・EVO-X5 Proとも国内外を問わず正式な販売価格・発売時期は公表されていません。ACEMAGIC日本公式サイトでも「価格・発売情報は近日公開予定」と案内されています。同じAMD Ryzen AI Max+ PRO 495を搭載する以上、演算性能そのものでは大きな差がつきにくいと考えられるため、実際に購入を検討する段階になれば、価格差とOCuLink・DASH・ストレージ容量といった仕様面の違いを見比べることが判断材料になりそうです。
Q&Aよくある質問
総括まとめ|同じチップを積む2機種、違いは拡張性と管理機能
ACEMAGIC「F9A」は、2026年9月3日にIFA 2026へあわせて発表された小型AIワークステーションです。上位モデルはAMD Ryzen AI Max+ PRO 495・最大192GBのLPDDR5X-8533・Radeon 8065Sを158.5×158.5×81.5mm・約2Lの筐体に収め、最大160GBをGPU側のメモリとして割り当てられます。PR Newswireの発表では、パラメータ数284億の「DeepSeek V4 Flash」をローカルで実行できたともされています。
同じくIFA 2026で発表されたGMKtec「EVO-X5 Pro」とはCPU・GPU・メモリの基本構成が共通です。違いが出るのは、PCIe 4.0 x4のOCuLinkを明記するF9Aと、AMD DASH・OOB管理・24時間365日の連続運用検証を訴求するEVO-X5 Proという設計思想の差です。Radeon 8065Sは前世代のRadeon 8060Sからクロックが100MHz、メモリ帯域が6.7%向上した程度にとどまり、「RTX 5060級」という表現はメーカー側の訴求である点にも注意が必要です。2026年9月9日時点では両モデルとも価格・発売時期が未公表のため、購入の最終判断はこれらが出そろってからになります。





