Ryzen AI Max+搭載ミニPCおすすめ比較【2026年9月版】|統合GPUの大容量メモリでゲームはどこまで動くか
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統合GPUの大容量メモリでゲームはどこまで動くか【2026年9月版】
出典:GMKtec公式「EVO-X2」製品ページ・GEEKOM公式「A9 Mega」製品ページ・Notebookcheck「GMKtec EVO-X2」実機レビュー・Tom’s Hardware、ドスパラ公式「GALLERIA XGR7M-R56T16G-GD」製品ページにもとづきます。本記事の情報は2026年9月3日時点のものです。
「グラボなしでここまでゲームが動くのか」という驚きと引き換えに、Ryzen AI Max+搭載ミニPCは、ブランドも構成も増え続けているジャンルです。同じチップを積んでいても、メモリ容量・拡張性・冷却設計で性格がはっきり分かれます。統合GPUの性能についても、メーカー公式の主張と第三者検証の数値がかみ合わない場面があり、話半分に聞いておくべき部分があります。
この記事は、Ryzen AI Max+ 395を搭載するミニPCだけに絞った購入比較ガイドです。統合GPUの技術的な仕組みそのものは内蔵GPUとAIの関係を整理した別記事で、メモリ割り当ての設定手順はVariable Graphics Memoryの設定ガイドでそれぞれ詳しく扱っているため、ここでは重複を避け、実際にミニPCという筐体でどこまでの性能が出るか、そして今日買えるモデルはどれかに絞ります。
GMKtec「EVO-X2」「EVO-X3」・MINISFORUM「MS-S1 Max」・GEEKOM「A9 Mega」の4機種を対象に、構成・拡張性・冷却設計の違いを整理しました。加えて、Ryzen AI Max+ 395搭載機の実機ベンチマーク値と、AMD公式の性能主張が独立検証と食い違う点も踏まえ、「結局どれくらい動くのか」「どれを選べばいいのか」に答える内容にしています。
性能感統合GPU Radeon 8060Sはどこまで戦えるか|主張と実測の両方を見る
Ryzen AI Max+ 395が積む統合GPU「Radeon 8060S」は、RDNA 3.5世代のコンピュートユニットを40基備え、最大クロックは約2,900MHzです。AMD自身は自社スライドで、17タイトルを1080p・高画質設定で計測した結果として「RTX 4070 Laptop GPUを最大68.1%上回る」(ボーダーランズ3での数値)とうたっています。ただしこの比較で使われたRTX 4070 LaptopはASUS ROG Flow Z13という薄型ノートPC搭載機で、電力設定が公称最大115Wのところ65Wに制限された状態でした。RTX 4070 Laptopが本来の電力上限で動作するノートPCと比べた場合、同じ結果になるとは限らない点は差し引いて見る必要があります。
実際には、グランド・セフト・オートV(GTA V)のようにRTX 4070 Laptopのほうが最大37%上回るタイトルもあります。AMD公式の主張がそのまま全タイトルに当てはまるわけではなく、ゲームごとの最適化状況によって順位が入れ替わる、というのが実情に近い評価です。
AMD公式が示す「最大68.1%」は、あくまで条件が揃ったときの最大値です。逆にNVIDIA側が上回るタイトルも存在するため、「Radeon 8060SはRTX 4070 Laptop級」という言い方は、平均的にはおおむね近いという意味であり、すべてのゲームで上回るという意味ではありません。
GMKtec「EVO-X2」(Ryzen AI Max+ 395・メモリ64GB構成)の実機計測では、3DMarkのスコアはFire Strikeが26,889、Time Spyが11,094、Steel Nomadが2,196でした。同じ検証では18タイトルのゲーム実測も行われています。タイトル別のフレームレートは次のセクションでまとめて扱います。
フルHDであれば、重量級タイトルでも高設定で60fpsを大きく超えており、単体GPUなしでも十分に遊べる水準にあることが分かります。一方で解像度を上げるほど負荷は急に重くなるため、WQHD以上を常用したい場合は期待値を下げておいたほうが安全です。統合GPU向けにVRAM側の割り当てを増やしたい場合は、AMD Software: Adrenalin EditionのVariable Graphics Memory設定で、128GBメモリ構成なら最大96GBをGPU側へ回せます。
実測実際に何がどれくらい動くか|18タイトルのフレームレート
ここからは具体的なタイトル名で見ていきます。GMKtec「EVO-X2」の実機計測には18タイトルぶんのデータがあり、境目になるのは発売年です。2023年までのタイトルはフルHD・高設定で100fps前後が出る一方、2024年以降の重量級は50〜70fps台に落ち着きます。
| タイトル | 設定(フルHD) | 平均fps |
|---|---|---|
| F1 24 | 高 | 193.1 |
| ウィッチャー3(2023年版) | 高 | 141.2 |
| Anno 1800 | 高 | 107.5 |
| バルダーズ・ゲート3 | 高 | 100.6 |
| サイバーパンク2077 | 高・FSRオフ | 99.7 |
| Space Marine 2 | 高 | 67.5 |
| インディ・ジョーンズ/大いなる円 | 高 | 65.8 |
| モンスターハンターワイルズ | 中・アップスケーリングなし | 62.0 |
| アバター フロンティア・オブ・パンドラ | 高 | 59.0 |
| アサシン クリード シャドウズ | 高 | 57.0 |
| 黒神話:悟空 | 高 | 53.0 |
| Star Wars Outlaws | 高 | 44.2 |
フルHDで遊ぶ前提なら、ほとんどのタイトルが高設定で60fps以上に収まります。60fpsを割り込んだのは『Star Wars Outlaws』・『アサシン クリード シャドウズ』・『黒神話:悟空』・『アバター フロンティア・オブ・パンドラ』の4本で、いずれもアップスケーリングを使わない状態での数値です。ここは設定を1段下げるか、後述のFSRを入れれば届く範囲になります。
解像度を上げると急に苦しくなる
問題は解像度です。フルHDから上げたときの落ち方が、単体GPU搭載機よりも急になります。
| タイトル(最高設定) | WQHD | 4K |
|---|---|---|
| ウィッチャー3(2023年版) | 76.6 | 37.7 |
| バルダーズ・ゲート3 | 68.4 | 32.6 |
| サイバーパンク2077 | 54.5 | 22.2 |
| モンスターハンターワイルズ RT高 | 34.0 | 18.6 |
| Star Wars Outlaws | 26.2 | 14.7 |
| 黒神話:悟空 | 22.0 | 12.0 |
WQHDの最高設定で60fpsを超えたのは、2023年以前のタイトルだけでした。4Kはどのタイトルも20fps前後で、最高設定のままでは実用になりません。冒頭で触れたメモリ帯域幅の制約が、解像度を上げるほど効いてくる格好です。4K高リフレッシュレートを狙うなら、素直に単体GPU搭載機を選ぶべきという結論は動きません。
同じ実機計測には、アップスケーリング(FSR Quality)を入れた数値もあります。『Space Marine 2』のWQHD最高設定は26.2fpsから60.5fpsへ、『F1 24』のWQHD最高設定は38.7fpsから62.7fpsへ、『インディ・ジョーンズ/大いなる円』のWQHDは42.0fpsから54.7fpsへ伸びています。『バルダーズ・ゲート3』は4K最高設定でも32.6fpsから53.9fpsまで上がりました。統合GPUで高解像度を狙うなら、FSRの使用は前提に近い扱いになります。
RTX 4070 Laptop搭載機との直接比較
同じ実機計測では、RTX 4070 Laptop GPUを積んだミニPC「Minisforum AtomMan G7 Ti」(Core i9-14900HX)と同一条件で並べたデータも取られています。冒頭で触れたAMD公式の主張が実際どうだったのかが、ここで分かります。
| タイトル・設定(フルHD) | Radeon 8060S | RTX 4070 Laptop |
|---|---|---|
| F1 24・低 | 265 | 269 |
| F1 24・高 | 193.1 | 192.6 |
| GTA V・高 | 168.6 | 181.1 |
| サイバーパンク2077・低 FSRオフ | 148.1 | 144.7 |
| バルダーズ・ゲート3・高 | 100.6 | 105.2 |
| サイバーパンク2077・高 FSRオフ | 99.7 | 96.7 |
差はいずれも数パーセントの範囲で、タイトルによって勝ったり負けたりするという結果です。サイバーパンク2077では統合GPU側がわずかに上回り、GTA Vとバルダーズ・ゲート3では単体GPU側が上回りました。「RTX 4070 Laptop級」という表現は、フルHDに限れば誇張ではないと言えます。ただしこれはフルHDでの話で、解像度を上げたときの落ち方までは同じではありません。
弱点メモリ帯域幅は256GB/s|「容量が多い=速い」ではない
Ryzen AI Max+ 395のメモリはLPDDR5X-8000・256bit幅で、帯域幅は256GB/sです。128GBという容量だけを見ると単体GPUを大きく上回りますが、帯域幅で見るとGDDR7を積む単体GPUには及びません。たとえばGeForce RTX 5060 Ti 16GBはGDDR7・128bit幅で448GB/sの帯域幅を持ち、容量では劣るものの転送速度ではRyzen AI Max+ 395の1.75倍です。後継のRyzen AI Max+ PRO 495ではLPDDR5X-8533に対応して帯域幅が273GB/sへ上がりますが、増加率は6.7%にとどまり、単体GPUとの差が埋まるわけではありません。PRO 495側の仕様はEVO-X5 Proの記事で整理しています。
大容量の共有メモリは、大きなテクスチャやAIモデルを「読み込める」という点では強みですが、読み込んだデータを高速に処理できるかどうかは帯域幅次第です。高解像度・高フレームレートを狙う用途では、容量よりも帯域幅の差が体感に直結しやすい点に注意してください。共有メモリと単体GPUのメモリ構成の違いは内蔵GPUとAI PCの関係を整理した記事でも詳しく扱っています。
比較対象モデル比較|主要4機種の構成と拡張性の違い
Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPCは、聞き慣れない中国ブランドの製品も含めて次々と登場していますが、この記事では国内で名前を見かけることが多い4機種、GMKtec「EVO-X2」「EVO-X3」・MINISFORUM「MS-S1 Max」・GEEKOM「A9 Mega」に絞って比較します。CPU・GPUの構成はいずれも共通で、違いが出るのはメモリ容量・ストレージ・拡張性・冷却設計です。
EVO-X2
- CPU / GPURyzen AI Max+ 395・Radeon 8060S(40CU)
- メモリ64GB または 128GB(オンボード・増設不可)
- ストレージ2TB標準・M.2×2で最大16TB拡張
- サイズ193×185.8×77mm
- TDP安定120W(ピーク140W)
- 特徴4機種で最小の筐体・M.2×2で最大16TB
EVO-X3
- CPU / GPURyzen AI Max+ 395・Radeon 8060S(40CU)
- メモリ128GB LPDDR5X-8000(オンボード・増設不可)
- ストレージ2TB/4TB・M.2×2で最大16TB拡張
- サイズ353×186×41mm・約2.3kg
- TDP静音54W/標準85W/ピーク140W
- 特徴背面にOCuLinkを標準搭載・映像出力は2系統のみ
MS-S1 Max
- CPU / GPURyzen AI Max+ 395・Radeon 8060S(40CU)
- メモリ64GB または 128GB LPDDR5X-8000
- ストレージ2TB標準・M.2×2(PCIe4.0 x4+x1)で最大8TB
- サイズ222.1×206.3×77.1mm・2.8kg
- 拡張性デュアル10GbE・USB4 V2・内部PCIe x16スロット
- 特徴3機種で唯一、単体GPUを後付けできる
A9 Mega
- CPU / GPURyzen AI Max+ 395・Radeon 8060S(40CU)
- メモリ128GB LPDDR5x・2TB SSD(最大8TB拡張)
- TDP / 電源120W(サステンド)・330W電源
- 保証3年保証(1095日)
- 冷却デュアルファン+薄型ベイパーチェンバー
- 拡張性M.2で最大8TB・PCIeスロットなし
GEEKOM「A9 Mega」は128GB構成だけの展開です。冷却はデュアルファンと薄型ベイパーチェンバーの組み合わせで、100%負荷時も120W TDPを維持する設計だと公式にうたわれています。保証は3年(1095日)と3機種で最も手厚い一方、内部にPCIeスロットを持たないため、後から単体GPUを足すことはできません。取り扱いの有無は時期によって変わるため、購入先の状況は各ストアで確認してください。
GMKtec「EVO-X2」とMINISFORUM「MS-S1 Max」は、同じRyzen AI Max+ 395を積みながら性格がはっきり分かれます。EVO-X2は193×185.8×77mmと3機種で最も小さく、M.2スロット2基で最大16TBまでストレージを増やせる構成です。対するMS-S1 Maxは222.1×206.3×77.1mm・2.8kgと一回り大きい代わりに、デュアル10GbE LAN、USB4 V2、そして内部にPCIe x16スロットを備えます。このスロットの有無が両機で最大の分岐点で、MS-S1 Maxは内部に単体GPUを追加できます。置き場所を最優先してゲーム中心に使うなら小型なEVO-X2、将来的な拡張まで見据えるならMS-S1 Maxという住み分けです。メモリはどちらもオンボード実装のため、64GBと128GBのどちらにするかは購入時点で決め切る必要があります。
2026年に加わったGMKtec「EVO-X3」は、EVO-X2と同じプロセッサとメモリを積みながら、性格だけを入れ替えた機種です。背面にOCuLinkポートを標準で備えるため、外付けドック経由でGeForceなどを直結でき、Radeon 8060SではCUDAが使えないという弱点を外から補えます。一方で出荷時の電力枠がバランス85Wに絞られていて、3DMarkのスコアはEVO-X2を4〜9%下回ります。映像出力もHDMIとUSB4の2系統だけになり、SDカードスロットとDisplayPortはなくなりました。
価格は構成をそろえて比べる必要があります。GMKtec日本公式ストアの2026年9月9日時点の価格では、同じ128GB+2TBでEVO-X2が599,999円、EVO-X3が607,999円と8,000円しか違いません。安く見えるEVO-X2の347,999円はメモリ64GBの構成なので、96GBをVRAMに割り当てる使い方には足りません。両機の違いはEVO-X3とEVO-X2を実測値で比較した記事で、ベンチマークとインターフェイスまで細かく整理しています。


参考今後登場が期待されるモデル、現時点で日本で買えないモデル
Ryzen AI Max+ 395搭載ミニPCはここで挙げた3機種だけではありませんし、後継となるRyzen AI Max+ PRO 495を積む機種も登場し始めています。ただし以下のモデルは、正規の国内流通が確認できない、価格・発売時期が未公表、あるいは日本未発売のいずれかに該当するため、購入を検討する段階には至っていないと判断し、購入導線は設置していません。
比較dGPU搭載BTOとの違い|消費電力・静音性・省スペース性
同じ予算でグラフィックボード搭載のBTOデスクトップと比べたとき、Ryzen AI Max+搭載ミニPCが優位に立つのは生の性能ではなく、電力・静音性・設置スペースの面です。
判断向いている人・向いていない人
- デスク上の設置スペースを最小限にしたい人
- フルHD〜WQHD中心で、静音性・低消費電力を重視する人
- ゲームだけでなくローカルLLMなど大容量メモリを使うAI用途も両立させたい人
- 1台で完結する省スペースなサブ機・据え置き機がほしい人
- 最新の重量級タイトルを4K・高リフレッシュレートで遊びたい人
- 後からGPUだけを交換してアップグレードしたい人(MS-S1 Max以外は基本不可)
- 同予算でとにかく生のゲーム性能を最大化したい人(dGPU搭載BTOが有利)
- メモリ容量を後から増やしたい人(3機種ともオンボードで増設不可)
Q&Aよくある質問
総括まとめ|フルHDなら主力、解像度を上げるなら単体GPU
Ryzen AI Max+ 395搭載の統合GPU「Radeon 8060S」は、条件が揃えばRTX 4070 Laptop級に迫る場面がある一方、グランド・セフト・オートVのようにNVIDIA側が上回るタイトルもあり、性能は一律ではありません。18タイトルの実機計測では、フルHD・高設定なら44〜193fpsに収まり、60fpsを割ったのは2024年以降の重量級4本だけでした。
3機種の分岐点は拡張性です。MINISFORUM「MS-S1 Max」だけが内部にPCIe x16スロットを持ち、後から単体GPUを追加できます。GMKtec「EVO-X2」は3機種で最も小さく、GEEKOM「A9 Mega」は128GB構成のみで保証が3年ともっとも手厚い構成です。メモリはいずれもオンボードで後から増設できないため、購入前に用途に見合った容量を選ぶ必要があります。
メモリ帯域幅は256GB/sと、単体GPU(RTX 5060 Ti 16GBで448GB/s)には及びません。高画質・高フレームレートを最優先するなら単体GPU搭載のBTOデスクトップが依然有力ですが、設置スペース・消費電力・静音性を重視し、ゲームとローカルAIの両方を1台でまかないたい人にとっては、Ryzen AI Max+搭載ミニPCが現実的な選択肢になっています。





