Intel Nova Lake「bLLC」解説——144MBキャッシュでRyzen X3Dのゲーミング王座を奪えるか
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144MBのキャッシュでRyzen X3Dに追いつけるか
Nova Lake(Core Ultra 400世代)の一部モデルには、コンピュートタイルの中にキャッシュを広げて載せる「bLLC」が採用される見込みです。ゲームで強いAMDのRyzen X3Dに、同じ土俵で挑むための仕組みです。
2026年10月のリークでは、bLLC付きとみられる3モデルに「BFC」という型番の末尾が付き、最上位は28コアの「Core Ultra 9 4970K BFC」と載っていました。容量は4月のリークで、28コア品が144MB、2タイルの52コア品が288MBとされています。ただしIntelはこれらを発表しておらず、容量・型番・日程は今後変わる可能性があります。
判断の分かれ目は、今PCが必要かどうかです。今すぐゲーム用に組むなら待つ理由はなく、2027年にマザーボードごと組み替える予定の人だけが、Nova Lakeのレビューを待つ価値があります。
目次
結論今PCが要るなら待たない、組み替えを待てるなら実測を見てから
- PCが壊れた、初めて組むなど、今すぐゲーミングPCが必要
- ゲーム性能を最優先し、現行のX3Dで足りる
- AM5の長期サポートを生かし、CPUだけ交換して使いたい
- 今のPCに大きな不満がない
- 2027年にCPUとマザーボードを新しくする予定がある
- Intelで組みたい、または大容量キャッシュ同士の実測を見て選びたい
bLLC版は性能・価格・発売日のどれも未発表です。「Intelのゲーム性能が逆転する」といった期待は、レビューが出るまで材料になりません。待つ場合は、Nova LakeがLGA1954という新しいソケットを使うため、今のマザーボードを使い回せない点も含めて考えてください。
仕組みbLLCは「横に広げる」大容量キャッシュ
AMDは「3D V-Cache」で、キャッシュ専用のチップをコアのチップに積み重ねてきました。Zen 5世代のRyzen 7 9800X3Dでは、キャッシュのチップがコアのチップの下に入り、L3は合計96MBです。ゲームは同じデータを何度も読み直すので、近くに大量のキャッシュを置くほどコアが待たずに済み、fpsが伸びやすくなります。
bLLCは同じ狙いを、積み重ねずに実現する方式です。リークによると、Intelはキャッシュをコンピュートタイルの中に横へ広げて載せます。タイルが大きくなるぶん、製造コストは増えます。
| 項目 | Intel bLLC(Nova Lake) | AMD 3D V-Cache(Zen 5世代) |
|---|---|---|
| 載せ方 | コンピュートタイルの中に横へ拡張(リーク) | キャッシュ専用のチップを積層 |
| 最大容量 | 144MB(1タイル)/288MB(2タイル)のリーク | 9800X3Dは96MB、9950X3Dは128MB |
| タイルの大きさ | 通常のタイルより大きくなる(下記) | コアのチップの面積は変わらない |
| 発売状況 | 未発表。実機の計測値なし | 発売中で計測値が豊富 |
積層を避けると、キャッシュのチップが熱の逃げ道をふさぐ心配がありません。一方で、タイルの面積が広がると、1枚のウェハーから取れる数が減ります。2026年2月の初報では、標準タイルが約110mm²、bLLC版は約150mm²(36%増)でした。その後の情報では、標準タイルが100mm²を下回り、bLLC版は約154mm²(約57%増)と伝えられています。数字は変わっていますが、bLLC版が標準タイルよりかなり大きくなる点は一貫しています。
容量リークされているbLLC搭載モデルと容量
容量は、4月にリーカーのJaykihn氏が示した数字です。コア構成でそろえると、10月に流出した品番表の「BFC」付き3モデルと一致します。10月の表そのものに容量の記載はないので、容量は4月時点の値と考えてください。
| モデル(リーク) | コア構成 | bLLC容量・TDP |
|---|---|---|
| Core Ultra 9 4970K BFC | 8P+16E+4LP-E(28コア) | 144MB・125W |
| Core Ultra 7 4870K BFC | 8P+12E+4LP-E(24コア) | 132MB・125W |
| Core Ultra 9 4900 BFC | 6P+12E+4LP-E(22コア) | 108MB・65W |
| 2タイルの上位構成 | 16P+32E+4LP-E(52コア) | 288MB・175W(4月の暫定表) |
| 2タイルの下位構成 | 16P+24E+4LP-E(44コア) | 264MB・175W(4月の暫定表) |
容量の並びには規則性があります。Jaykihn氏の別の投稿では、PコアのまとまりごとにL3の12MBのスライスが2つ、Eコアのまとまりごとに12MBのスライスが1つとされています。この数え方に当てはめると、8P+16Eで144MB、8P+12Eで132MB、6P+12Eで108MBとなり、リークされた容量と合います。
BFCの付く行が、説明欄でbLLCと書かれた行と重なることは確かですが、略称の意味は資料のどこにもありません。4月の資料では「400D」「400DX」と呼ばれていた構成なので、最終的な型番は変わる可能性があります。リークを追うときは、型番より「28コアにbLLCを載せた品がどの名前で出るか」を見るほうが迷いません(品番表の読み方は 4970K BFCのリーク記事 で整理しています)。
10月の品番表の7モデルは、すべて1タイルの28コア系列で、4月の暫定表にあった52コア・44コアの2タイル品は1つも入っていません。2026年9月に流出した日程表でも、先に出るのは28コア版(2027年1〜3月)で、2タイルの52コア版はその後とされていました。
対決X3Dとの勝負はキャッシュの量より効き方で決まる
容量だけを見ると、IntelはAMDの現行品を上回ります。bLLCの144MBは、9800X3Dの96MBや9950X3Dの128MBより大きい数字です。2タイルの288MBが実現すれば、現行のどのX3Dとも比べものにならない容量になります。
ただし、ゲームの速さは容量だけで決まりません。キャッシュに届くまでの遅延、動作クロック、コアそのものの性能が合わさって、最終的なfpsが決まります。リークされている段階では、このどれも実測がありません。
しかもAMDも止まっていません。次世代のZen 6のX3Dは、1つのCCDで最大144MB、2CCDで最大288MBとするリークが出ています。Intelが先に出るとされる28コア版の144MBは、Zen 6のX3Dにそのまま並ばれる数字です。「同じ容量になったとき、どちらが速いか」は、IPC、クロック、メモリまわりの設計で決まります。
ネット上には「Arrow Lake比で大幅向上」といった性能のリークがありますが、条件が分からない数字を9800X3Dとの比較に使うことはできません。比べるなら、同じGPU・同じメモリ・同じ解像度で測ったレビューを待ち、平均fpsに加えて1% lowも確かめてください。
懸念期待と同時に確かめておきたい4つの点
- 価格。bLLC版は標準タイルより大きいタイルを使うため、通常版より高くなるとみられます。通常版の4950KとbLLC版の4970K BFCの価格差は、リークにも出ていません
- 消費電力。2月には、52コア品のピーク電力(PL4)が700Wを超えるとするリークが出ました。後の日程表の資料では、2タイル品の消費電力は最大474Wとされていて、数字は食い違っています。ゲーム中の実消費電力はどちらでも分からず、28コア版の電力の目安はTDP 125Wです
- 発売時期。Intelが公式に示しているのは、2026年1月の決算説明での「Nova Lakeは2026年末に登場する」という一文だけです。リークされた日程表は量産が2026年第4四半期、店頭に並ぶのは28コア版が2027年第1四半期です
- 日程のばらつき。10月5日には、BFCが最も早く出る製品群になる一方、2タイル品の広いサンプル配布は12月からとするJaykihn氏の投稿が報じられました。資料ごとに順番の見方が違い、最初に買えるのがどの構成かは断言できません
プラットフォームの移行コストも見落とせません。Nova Lake-Sは新しいLGA1954ソケットで、Z990などの新しいマザーボードが必要です。今のLGA1851マザーボードには載りません。ソケットの寿命を複数世代とするパートナー向け資料は出ていますが、Intelは公式に発表していません。
判断今の環境ごとに、待つか買うかを決める
3つめの人も、予約や先行購入を急ぐ必要はありません。レビューが出れば、平均fps、1% low、ゲーム中の消費電力、CPUとマザーボードを合わせた金額の4点で、そのまま比べられます。2つの世代の待つか買うかの比較は Nova LakeとZen 6の比較記事 にまとめています。
おすすめNova Lakeを待たずに組むなら
待てない人向けに、今買える現実的な2つの選択肢です。ゲーム性能を最優先するならキャッシュを積んだRyzen 7 9800X3D、Intelで組みたいならLGA1851の最終世代にあたるCore Ultra 7 270K Plusです。
FAQbLLCでよくある質問
まとめbLLCの評価は、レビューが出てから決めれば間に合う
bLLCは、IntelがRyzen X3Dと同じキャッシュ勝負に出るための仕組みです。リークされた28コア版は144MB、2タイル版は288MBで、容量だけなら現行のX3Dを上回ります。一方で、Zen 6のX3Dも最大288MBとされていて、勝負は容量ではなく遅延やクロックを含めた実測で決まります。
現時点で公式に決まっているのは、Intelが2026年末にNova Lakeを投入する計画だけです。型番、容量、価格、発売日はいずれもリークの段階で、資料によって数字や順番が変わっています。
今ゲーム用PCが必要なら、待たずに現行のX3Dで組んでください。2027年に組み替える予定の人は、4970K BFC相当とZen 6のX3Dの実測が出てから、CPUとマザーボードの合計額で選べば間に合います。
出典:VideoCardz「Intel Core Ultra 4000 Nova Lake-S lineup leaks, Core Ultra 9 4970K BFC appears above 4950K」、VideoCardz「Intel Core Ultra 400D/400DX “Nova Lake-S” SKUs to feature up to 288MB of cache」、VideoCardz「Intel Core Ultra 400 “Nova Lake” bLLC CPU tile reportedly 36% larger than standard tile」、Wccftech「Intel Nova Lake Tile Die Size Is Reportedly Under 100 mm2; bLLC Variant To Measure Nearly 153 mm2」、VideoCardz「Intel reportedly limits Nova Lake DS samples, wider QS rollout starts in December」、Tom’s Hardware「Intel’s Core Ultra 400 ‘Nova Lake’ launch schedule leaks out」、Tom’s Hardware「Intel’s top-end Nova Lake desktop CPU said to devour up to 700W in PL4」、HotHardware「AMD Zen 6 X3D CPUs May Rock Up To 288MB Of Cache To Battle Nova Lake」(いずれも2026年10月6日確認)






