PS5はもう積極的に売らない?ソニーCEOが戦略転換を明言|出荷22.8%減予測と累計9500万台・PS6の真相【2026年】
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ソニーCEOが戦略転換を明言、出荷予測とPS6の真相を整理
出典:S&P Global Market Intelligence Kaganの分析を伝えたGamesIndustry.bizの報道 / ソニーグループ SEC提出資料(Form 6-K・2025年度決算) / 任天堂 2026年3月期決算説明資料 / Sony Interactive Entertainment公式 Business Data & Sales(2026年6月30日時点) / 十時裕樹CEOのWall Street Journalインタビュー(2026年8月)
PS5は値上げされた、出荷は2割以上減るらしい、そしてソニーのCEOが「本体を積極的に売る必要はない」と発言した——断片的なニュースが飛び交う中で、「結局PS5は今どういう状況にあり、ソニーは何を考えているのか」を正確に把握できている人は多くありません。CEOの発言、海外の調査会社が出す出荷予測、ソニー自身が発表する決算実績は、同じ「PS5」を扱っていても、性格も対象期間もまったくの別物です。
本記事では、ソニーグループの十時裕樹CEOがWall Street Journalのインタビューで語った「PS5はライフサイクルの後半に入っており、本体を積極的に売る必要はない」という発言を軸に、調査会社S&P Global Market Intelligence Kaganが公表したPS5の2026年出荷予測(前年比22.8%減の1320万台)、そしてソニー公式IRが2026年6月30日時点で示した最新の累計出荷(9500万台超)・月間アクティブユーザー数(1億2500万人)を整理します。
CEOの発言は「PS5を積極的に売らない」という販売戦略の転換について語ったものであり、次世代機PS6の発売時期を発表したものではありません。この3種類の情報を混同せず、集計期間の違い(暦年か会計年度か)、出荷ベースか実売ベースかという前提の違い、そして「値下げは今後期待しにくくなるのか」という読者の関心に直結する論点まで、数字の前提を1つずつ切り分けて整理する点が本記事の特徴です。
| 項目 | 現時点で分かっていること |
|---|---|
| 話題の中心 | ソニーCEO十時裕樹氏がWSJインタビューで「PS5を積極的に売る必要はない」という趣旨の発言 |
| 発言の性格 | 既存ユーザーからの継続収益重視への戦略転換。PS6の発売時期を発表したものではない |
| S&P出荷予測 | 2026年のPS5出荷を前年比22.8%減の1320万台と試算。ソニーが公表した計画ではない |
| ソニー公式最新実績 | 累計出荷9500万台超・月間アクティブユーザー1億2500万人(いずれも2026年6月30日時点) |
| 任天堂公式実績 | Switch 2は2026年3月末までの累計販売1986万台。当初予想・上方修正後の予想をいずれも上回った |
| 集計の違い | S&P予測は暦年ベースとみられる一方、ソニー・任天堂の決算は4月〜翌3月の会計年度ベース。単純比較はできない |
目次
要点まず何が起きたのか
ソニーグループの十時裕樹CEOは2026年8月、WSJのインタビューで「PS5はライフサイクルの後半に入っており、本体を積極的に売る必要はない」という趣旨を語りました。これとは別に、調査会社S&P Global傘下のKaganは、2026年の世界の据え置き型ゲーム機出荷台数が前年比19.5%減の3390万台になると予測しています。メーカー別ではPS5が前年比22.8%減の1320万台、Switch 2が1710万台で最大の出荷台数となり、Xbox Series X|Sは250万台にとどまる見通しです。この出荷予測はあくまで外部調査会社によるモデル予測であり、ソニー・任天堂・マイクロソフトのいずれも、この数字を自社の販売計画として公表したわけではありません。
予測S&P Global Kaganの2026年出荷予測の中身
S&P Global Market Intelligence Kaganは、大手格付け・調査会社S&P Globalの傘下でメディア・エンタテインメント市場の分析を専門とする調査部門です。
今回の予測は2026年7月にまとめられたもので、複数の海外メディアがその内容を伝えています。調べたところ、メーカー別の出荷台数は次のように試算されていることが分かりました。
| メーカー / 機種 | 2025年出荷(実績) | 2026年出荷(予測) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| PS5 | 1710万台 | 1320万台 | 前年比22.8%減 |
| Nintendo Switch 2 | 2025年6月発売のため通年実績なし | 1710万台(据え置き機で最大) | ― |
| Xbox Series X|S | 320万台 | 250万台 | 前年比約21.9%減 |
| 据え置き機 合計 | 4210万台 | 3390万台 | 前年比19.5%減 |
Xbox Series X|Sについては、2026年以降も「ゼロに向けた急速な縮小が続く」との見方が示されています。
据え置き機市場全体では、2025年はSwitch 2の発売効果で前年から13.5%伸びていたため、2026年の落ち込みはその反動という側面もあります。S&Pの見立てでは、2027年の据え置き機出荷台数はさらに2710万台まで縮小するとされており、市場全体が下向きの局面にあることがうかがえます。
S&Pの出荷予測は1月〜12月の暦年ベースの集計とみられます。一方、後述するソニー・任天堂の公式決算は4月〜翌3月の会計年度ベースです。対象期間がずれているため、「S&Pの2026年予測」と「ソニーの2025年度実績」を同じ物差しで単純比較することはできません。
S&P Global Market Intelligenceのアナリストは、今回の予測についておおむね次のような趣旨の分析を示しています。市場が直面しているのは、平均的な消費者にとって古すぎるか高すぎるハードウェア、ごく一部の大型タイトルを除けば薄いソフトラインアップ、そして値下げの余地を許さないマクロ経済環境という、複数の問題が同時に重なった構造だという指摘です。据え置き機がどのメーカーであっても値上げを迫られている背景には、後述するメモリ・ストレージ部品の価格高騰があります。
CEO発言ソニーCEO「PS5を積極的に売る必要はない」
2026年8月、ソニーグループの十時裕樹CEOがWall Street Journalのビデオインタビューに応じました。世界的なメモリ半導体不足がPS5の販売に与える影響を問われた際、十時CEOはおおむね次のような趣旨を語っています。
PS5はコンソールとしてのライフサイクルの後半に差し掛かっており、ある意味では幸運だという趣旨を述べたうえで、今の段階で本体を積極的に売り込む必要はないと説明しました。そのうえで、現在のユーザーベースからの継続的な収益(リカーリングレベニュー)に力を入れているという方針を示しています。
これは、メモリ価格の高騰で本体の製造コストが上がっている今、無理に台数を追わなくても、すでに獲得した数千万人規模のユーザーからのソフト・サブスクリプション・オンラインサービスの収益で事業を支えられるという説明とみられます。実際、後述するソニー公式IRの数字でも、PS5の出荷台数が前年度比で二桁減少する一方、PlayStationの月間アクティブユーザー数はほぼ横ばいで推移しており、CEOの発言と整合する動きです。
この発言に関連して、海外の一部報道では大きなユーザー基盤の例として1億2500万人という数字が紹介されています。ソニー公式IRの資料を確認したところ、この1億2500万人はPlayStation Plusの会員数ではなく、PlayStation全体の月間アクティブユーザー数(MAU)です。会員登録の有無にかかわらず、PS5・PS4を通じてPlayStationのサービスを利用したユーザー数を指すため、混同しないよう注意してください。
あわせて重要なのは、この発言が「PS5を積極的に売らない」という販売戦略の転換について語ったものであり、次世代機PS6の発売時期を発表したものではないという点です。この2つは似た文脈で語られがちですが、まったく別の話です。次世代機を巡る数字の出どころについては、後述する「PS6という数字はどこから来たのか」で改めて整理します。
値下げ値下げの見通しは変わるのか
「本体を積極的に売る必要はない」という発言を踏まえると、気になるのはPS5の値下げが今後どうなるかという点です。ここで断定的なことは言えません。十時CEOは今回のインタビューで、値下げをしない・できないと明言したわけではないためです。
ただし、値下げは通常、販売台数を伸ばすために行う施策です。CEOが自ら「台数を積極的に追う局面ではない」という認識を示した以上、少なくとも短期的には、値下げによって台数を押し上げるインセンティブが以前より弱まっている可能性があります。加えて、メモリ・ストレージ部品の価格高騰が続いている状況では、値下げの原資そのものを確保しにくいという事情も重なります。
一方で、後述する『グランド・セフト・オートVI』のような大型タイトルの発売時期に合わせて、期間限定の販売施策が取られる可能性はゼロではありません。現時点で言えるのは、「値下げが決まった」でも「値下げは絶対にない」でもなく、値下げへの積極的な動機が以前より見えにくくなっているという段階です。
価格PS5価格改定の実際|税別と税込・別SKUを混同しない
「PS5は発売時の1.8倍に値上げされた」といった表現を見かけることがありますが、これは発売時の税別価格と現在の税込価格をそのまま比較してしまった誤解です。税区分をそろえずに掛け算すると、実際より大きな倍率に見えてしまいます。まず、価格改定の事実関係をSKU別に整理します。
| 時期・モデル | 価格 |
|---|---|
| 2020年11月発売時(標準モデル) | 49,980円(税別) |
| 2026年4月改定後(標準モデル) | 97,980円(税込)。ディスクドライブ搭載モデル |
| PS5 デジタル・エディション 日本語専用モデル(CFI-2200B01) | 55,000円(税込)。2025年11月発売の別SKUで、今回の値上げ対象外として据え置き |
税区分をそろえずに発売時の49,980円(税別)と現在の97,980円(税込)を単純に比較して「約1.8倍」と表現するのは正確ではありません。本記事ではその比較は行わず、税区分を明記したうえで並べるにとどめます。なお、値上げの詳しい背景(メモリ・ストレージの価格高騰、関税、為替)や、米国・欧州での価格改定幅については、別記事のPS5値上げの詳細解説で整理しています。
55,000円で購入できるPS5 デジタル・エディション 日本語専用モデルは、通常のデジタル・エディション(値上げ後89,980円)とは別のSKUです。本体の表示言語が日本語に固定され、PSNアカウントも日本地域限定、ストレージも825GB(通常版は1TB)という制約があります。「海外仕様と同じ性能のPS5が9万円近い」という状況と、「日本語専用モデルなら5万5000円」という状況は両方とも事実ですが、指しているモデルが異なる点に注意してください。
発売から年数がたっても本体価格が下がらないという状況は、歴代のPlayStationと比べても異例です。前世代のPS4は、2014年2月の日本発売時に39,980円(税別)でしたが、発売から1年8か月後の2015年10月には34,980円(税別)へ値下げされています。
米国でも、PS5の発売直前にあたる2019年には旧世代機の在庫整理も兼ねて199ドルまで値下げされました。PS4はこのほかにも、派生モデル「PS4 Pro」の価格改定などを通じて、世代の後半になるほど購入しやすい価格帯へ調整される傾向がありました。
| 比較 | 価格の推移 |
|---|---|
| PS4(日本・税別) | 発売時39,980円(2014年2月)→ 34,980円(2015年10月、約1年8か月後)。世代後半にかけて値下げ |
| PS5(日本・標準モデル) | 発売時49,980円・税別(2020年11月)→ 97,980円・税込(2026年4月、約5年5か月後)。値下げは一度もなく、複数回の値上げのみ |
※PS4の価格は税区分をそろえて税別で記載。PS5との単純な倍率比較は税区分が異なるため行っていません。
もちろん、当時と現在では半導体・メモリ市況や為替環境が大きく異なるため、PS4と同じペースでの値下げをPS5に期待できるとは限りません。ただし、「世代の後半になるほど価格がこなれていく」という、これまでゲーム機市場で繰り返されてきた流れが、PS5では今のところ働いていないことは、実際の価格推移を並べてみると明確です。
公式実績ソニー公式決算が示すPS5の実像
ソニーが開示した2025年度(2025年4月〜2026年3月)の実績によると、PS5の出荷台数は1600万台で、前年度の1850万台から約13.5%減少しました。ここで注意したいのは、ソニーが開示する台数は基本的にセルイン(メーカーから小売・流通への出荷)ベースであり、実際に店頭でユーザーが購入した台数を示すセルスルーとは異なるという点です。S&Pの出荷予測もセルインに近い性格の数字とみられますが、算出方法が異なる以上、両者を厳密に同じ土俵で比較することはできません。
| 項目 | ソニーが開示した実績 |
|---|---|
| PS5出荷台数(2025年度) | 1600万台。前年度1850万台から約13.5%減(セルインベース) |
| PS5累計出荷台数 | 2026年6月30日時点で9500万台超。2026年3月末時点の約9300万台から積み増し |
| PlayStation月間アクティブユーザー数 | 2026年6月30日時点で1億2500万人。3月時点からほぼ横ばいで推移 |
| 2026年度のハードウェア方針 | メモリ等の部品を合理的な価格で確保できる量を基準にPS5のハードウェア販売を計画する方針 |
| 次世代プラットフォームへの投資 | 2026年度の業績見通しに投資拡大分を織り込み済み |
※ソニー公式のBusiness Data & Salesページには「Estimated figures based on SIE research」(Sony Interactive Entertainmentの調査によるおおよその数値である)との注記があります。
ソニー公式IRによると、PS5の累計出荷台数は2026年6月30日時点で9500万台を超えました。2026年3月末時点の約9300万台から、4〜6月期にも積み増しが続いたかたちです。月間アクティブユーザー数も同時点で1億2500万人と、3月時点からほぼ横ばいで推移しています。出荷台数が年度ベースで減少する一方、累計出荷とアクティブユーザー数はどちらも底堅く、既存ユーザーの離脱が急速に進んでいるわけではないことがうかがえます。これは、十時CEOが述べた「既存ユーザーベースからの継続収益を重視する」という方針とも整合する数字です。
また、ハードウェアの供給についてはメモリ価格の高騰が制約要因になっており、ソニーは「合理的な価格で確保できる部品の量」を基準に生産計画を立てる方針を示しています。
次世代プラットフォームへの投資拡大も2026年度の見通しに織り込まれており、決算説明では有力な自社タイトルを継続して投入していく方針も示されています。
任天堂任天堂公式データが示すSwitch 2の実像
任天堂の公式データによると、2025年6月に発売されたSwitch 2は、2026年3月末までの累計販売台数が1986万台に達しました。これは発売前の当初予想だった1500万台、その後上方修正した1900万台のいずれも上回る実績です。発売から1年に満たない期間でこれだけの台数を売り切ったことになります。
| 項目 | 任天堂が開示した実績・見通し |
|---|---|
| Switch 2 累計販売台数 | 2026年3月末時点で1986万台。当初予想1500万台・上方修正後1900万台をいずれも上回る |
| 2027年3月期(2026年4月〜2027年3月)の見通し | 1650万台。前年比では減少見通し |
| 部品価格上昇・関税の影響(2027年3月期見込み) | 約1000億円 |
一方で、任天堂自身は2027年3月期(2026年4月〜2027年3月)のSwitch 2販売見通しを1650万台と、前年実績を下回る水準で見込んでいます。発売初年度に需要が集中しやすいという構造に加え、部品価格の上昇や関税の影響を約1000億円と織り込んでいることが背景です。Switch 2本体の価格改定については、別記事のSwitch 2値上げの詳細解説で整理しています。
S&Pが2026年(暦年)のSwitch 2出荷を1710万台と見込んでいる数字は、この任天堂自身の会計年度見通し(1650万台)と近い水準ではあるものの、集計期間が異なる別の数字である点はあらためて強調しておきます。
次世代機PS6という数字はどこから来たのか
S&Pの予測モデルには、2028年に次世代のPlayStationが登場するという仮定も含まれています。これはS&P側が市場回復シナリオを描くために置いたモデル上の仮定であり、ソニーが次世代機の発売時期や販売計画を公式に発表した事実は一切ありません。この点を混同しないよう、S&Pのモデルの中身をそのまま示します。
| 時期 | S&Pモデル上の仮定 |
|---|---|
| 2028年 | 次世代PlayStationが登場すると仮定。初年度の出荷は400万台とするシナリオ |
| 2030年 | 次世代機の出荷が年間1720万台規模まで拡大するシナリオ |
ソニー自身は2025年度の決算説明において、次世代プラットフォームへの投資を拡大する方針を示した一方、次世代機の発売時期については明言していません。S&Pの2028年・400万台・2030年1720万台という数字は、あくまで市場回復を見込むための仮定シナリオであり、ソニーの公式ロードマップではないことを重ねて確認しておきます。前述した十時CEOの「PS5を積極的に売る必要はない」という発言も同様で、これはPS5の販売戦略について語ったものであり、PS6の発売時期を発表したものではありません。「CEOが言及した=次世代機が近い」と結びつけるのは早計です。
反発材料大型タイトルはPS5の追い風になるか
出荷減少が予測される一方、PS5の販売を押し上げる材料として注目されているのが大型タイトルの発売です。特に『グランド・セフト・オートVI』は、2026年11月19日にPS5・Xbox Series X|Sで同時発売されることが発表されており、新たにゲーム機を購入するきっかけになりうる作品として期待されています。
ただし、この1本だけでPS5の値上げによる逆風を打ち消せるかは慎重に見る必要があります。
第一に、ゲーム機を購入する際にユーザーが負担するのは本体価格だけではありません。ソフト自体の価格に加えて、オンラインサービスの利用料、追加ストレージ、周辺機器などを合わせると、実際の初期費用はさらに膨らみます。
第二に、『グランド・セフト・オートVI』はXbox Series X|Sでも同日発売されるため、PS5だけの独占タイトルではありません。PC版は本記事執筆時点で公式発表されていませんが、前作『グランド・セフト・オートV』がコンソール版の発売から約1年半後にPC版を投入した経緯を踏まえると、いずれ他プラットフォームへ展開される可能性も視野に入ります。特定の1本を遊ぶためだけにPS5を選ぶ必然性は、以前ほど強くありません。
S&Pのアナリストが指摘する「大型作品以外のソフトラインアップの薄さ」という課題も踏まえると、単発の大型タイトルだけで年間の出荷トレンドを反転させるのは難しいという見方には一定の根拠があります。
一方でソニーは、少なくとも年1本の大型タイトルを継続的に投入し、年末商戦とPlayStationのエコシステムを支えていく方針を決算説明で示しています。単発の起爆剤としてではなく、独占タイトル・既存シリーズ・オンラインサービスを組み合わせた継続的な取り組みとして、PS5の販売を下支えする狙いがあるとみられます。
読み解き発言・予測・実績を並べて分かること
ここまでの内容を、確定している事実(CEO発言・公式決算ベース)と、まだ予測や解釈にとどまる部分(S&Pのモデルベース・断定できない論点)に分けて整理します。
確定している事実(CEO発言・公式決算ベース)
- 十時CEOがWSJインタビューで「PS5を積極的に売る必要はない」という趣旨を発言
- PS5累計出荷は2026年6月30日時点で9500万台超、月間アクティブユーザー数は1億2500万人
- PS5は2025年度(2025年4月〜2026年3月)に1600万台出荷、前年度比約13.5%減
- Switch 2は2026年3月末までに累計1986万台を販売、当初予想・上方修正予想をいずれも上回った
- 任天堂は2027年3月期のSwitch 2販売を1650万台(前年比減)と見込む
- PS5標準モデルは2026年4月の改定で97,980円(税込)に、日本語専用モデルは55,000円(税込)で据え置き
まだ予測・解釈にとどまる部分
- PS5の2026年(暦年)出荷が前年比22.8%減の1320万台になるというS&Pの試算
- CEO発言を根拠に「値下げが期待しにくくなる」と読むこと自体は解釈であり、CEOが値下げしないと明言したわけではない
- 次世代PlayStationが2028年に登場し、初年度400万台・2030年に1720万台規模になるというS&Pのシナリオ(ソニー公式の発表ではない)
- 据え置き機市場全体が2027年に2710万台までさらに縮小するという見通し
公式実績とCEO発言だけを見ても、PS5が「台数を追う」段階から「既存ユーザーからの収益を重視する」段階へ軸足を移しつつあることはうかがえます。ただし、それが2026年の出荷で「22.8%減」という具体的な数字に着地するのか、値下げが実際に行われないのかは、あくまで試算や解釈の域を出ません。
発言と実績、そして予測を並べて初めて、どこまでが確定した事実で、どこからが解釈・予測なのかが見えてきます。
FAQPS5のCEO発言と出荷を巡るよくある質問
まとめまとめ|CEO発言は戦略転換、出荷予測はソニーの計画ではない
ソニーの十時裕樹CEOがWSJのインタビューで語った「PS5を積極的に売る必要はない」という発言は、台数を追う戦略から、既存ユーザーベースからの継続収益を重視する戦略への転換を示すものです。ソニー公式IRによると、2026年6月30日時点でPS5の累計出荷は9500万台超、月間アクティブユーザー数は1億2500万人と、いずれも底堅く推移しています。この発言を根拠に値下げが今後さらに期待しにくくなる可能性はありますが、CEOが値下げをしないと明言したわけではなく、断定はできません。
一方、S&P Global Market Intelligence Kaganが示した「PS5が2026年に前年比22.8%減の1320万台へ」という数字は、外部調査会社が独自に組み立てた市場予測です。ソニー自身が公表した販売計画ではなく、暦年ベースという集計の前提もソニー・任天堂の会計年度決算とは異なります。ソニーが開示した公式実績では、PS5の出荷は2025年度に前年度比約13.5%減の1600万台となっており、出荷が減少傾向にあること自体は決算からも裏付けられます。
次世代機PS6についても、S&Pのモデル上の仮定(2028年登場・初年度400万台)とCEOの発言は無関係であり、ソニーが公式に発売時期を発表した事実はありません。Switch 2については、任天堂公式の累計販売1986万台という実績が示すとおり、発売から1年足らずで市場の勢いを引き寄せているのは事実です。ただし任天堂自身は2027年3月期の販売を前年より少ない1650万台と見込んでおり、S&Pが描く「2026年に家庭用機出荷トップ」という予測も、この任天堂自身の慎重な見通しと矛盾しない範囲に収まっています。CEOの発言・市場予測・公式決算データという3つの情報源を混同せず読み分けることが、今のPlayStation戦略を正しく理解する近道です。

