デバイスマネージャーのコード12とは?「使用できる空きリソースが不足しています」をGPU・PCIe・BIOSから切り分ける

デバイスマネージャーのコード12とは?「使用できる空きリソースが不足しています」をGPU・PCIe・BIOSから切り分ける

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トラブル・設定 / デバイスマネージャーのエラー診断
デバイスマネージャーのコード12とは?
「空きリソース不足」はRAMやVRAMの容量ではなく、PCIeなどへの割り当ての話です
グラボやPCIeカードを増設した直後に黄色い「!」とコード12。直前の変更を戻し、PCIeスロット、BIOS設定、別構成での比較の順に切り分ける手順をまとめます。
メモリ増設では直らないまず増設した機器を外すAbove 4G Decodingは確認候補

出典:Microsoft公式「Code 12 – CM_PROB_NORMAL_CONFLICT」「Introduction to Hardware Resources」「PCI Express expansion chassis のCode 12・Code 31」「Hyper-VのGPU DDA」「Code 43 – CM_PROB_FAILED_POST_START」「MBR/GPTとWindows Setup」、ASUS「ROG Z790シリーズ BIOSマニュアル」「PCIE Interface Operation Mode Confirmation」

グラボやキャプチャーボード、10GbEのLANカードなどのPCI Express(PCIe)機器を増設した直後に、デバイスマネージャーで黄色い「!」が付き、プロパティに「このデバイスが使用できる空きリソースが不足しています(コード12)」と出ることがあります。「空きリソース」という言葉から、メモリが足りない、VRAMが足りない、電源が足りないと考えがちですが、どれも的を外れています。

Microsoftはコード12をCM_PROB_NORMAL_CONFLICTと定義し、2つのデバイスに同じI/Oポート・割り込み・DMAチャネルが割り当てられた場合と、BIOSがデバイスに十分なリソースを割り当てなかった場合を原因に挙げています。ここでいうリソースはRAMやVRAMの容量ではなく、Windowsがデバイスごとに割り当てる通信用の枠で、RAMを増設しても解消の根拠にはなりません。

コード12は故障の診断結果でもありません。増設した機器を外す、スロットを替える、BIOS設定を確認する、といった戻しやすい手順から順に試します。コード43とは見る場所が違い、ドライバーの再導入を繰り返す前にPCIe構成とBIOSを確かめる価値があります。

目次

意味コード12は「デバイスを動かす枠をWindowsが割り当てられない」状態

Microsoft Learnのドライバー資料では、コード12の表示メッセージは「This device cannot find enough free resources that it can use. (Code 12)」で、続けて「If you want to use this device, you will need to disable one of the other devices on this system.」と案内されています。日本語のWindowsでは表示の言い回しが少し異なることがあるため、番号の「コード 12」で見分けてください。

資料が挙げる原因は2つです。1つは、2台のデバイスに同じI/Oポート、同じ割り込み、同じDMAチャネルが割り当てられたこと(BIOS・OS・その組み合わせのどれかが割り当てたもの)。もう1つは、BIOSがデバイスに十分なリソースを割り当てなかったことで、資料の例では、不正なマルチプロセッサ仕様(MPS)テーブルのせいでUSBコントローラーに割り込みが割り当てられないケースが挙がっています。

GPU名が表示されていてもコード12になる

ディスプレイアダプターに「NVIDIA GeForce RTX …」や「AMD Radeon RX …」と名前が出ていても、プロパティがコード12のことがあります。WindowsがPCIeデバイスとして列挙はできていて、動かすための枠を確保できていない状態と読めます。ただし、これはGPUが壊れていないという意味ではないので、故障の有無は別構成での比較で確かめます。

誤解「空きリソース」はRAMやVRAMの空き容量ではない

システムのハードウェアリソースとは、I/Oポート、割り込みベクター、DMAチャネル、その他の通信経路のうち、接続された各デバイスに割り当てなければならないものを指します。タスクマネージャーで見るメモリ使用量とは別の概念です。

このため、RAMが32GB空いていても、PCIeデバイスに割り当てる枠が足りなければコード12は出ます。逆に、コード12が出たからといって、メモリ増設やGPUの買い替えで解決する根拠はありません。購入を考える前に、構成の切り分けを先に行ってください。

PCIe現代のPCでは、PCIeブリッジやMMIOの割り当ても関わりうる

昔のPCではIRQの重複が典型例でしたが、現在のPCIeベースのPCでは、リソースの割り当ての大半をWindowsとUEFI/BIOSが自動で行います。公式資料から、PCIeの構成が原因になる例が2つ読み取れます。

PCIeブリッジのリソースウィンドウが無効と解釈されるMicrosoftのPCI Express拡張シャーシの資料(KB 942959)は、ブリッジの初期値の状態によってリソースウィンドウが無効と解釈され、配下のデバイスの列挙に失敗してコード12になる例を説明しています。対象は拡張シャーシで、一般的な自作PCの発生頻度を示す資料ではありません。それでも、PCIeデバイスに割り当てる範囲が確保できないとコード12になりうる、という仕組みは分かります。
MMIO空間が足りないHyper-VでGPUを仮想マシンに割り当てるDDAの資料は、MMIO(メモリマップドI/O)の空間を設定する手順を示し、起動後にデバイスが「リソース不足」の旨のエラーを報告する場合は値の調整が必要と説明しています。この資料はサーバーの仮想化向けで、デスクトップPCのBIOS設定の手順ではありません。そのまま当てはめず、GPUのような大きなPCIeデバイスは広いアドレス空間を必要とするという背景として読んでください。

ここから、PCIeカードを何枚も載せた構成や、GPU・NVMe・キャプチャーボードを同時に増設した直後に出たコード12では、アドレス空間まわりのBIOS設定も確認候補になります。

違いコード12とコード43は、見る場所が逆

Microsoftの定義では、コード43はドライバーのひとつが「デバイスが失敗した」とOSに報告した状態です。コード12は、デバイスを動かすためのリソースを確保できない状態です。同じ黄色い「!」でも、出発点が違います。

項目コード12コード43
内部名CM_PROB_NORMAL_CONFLICTCM_PROB_FAILED_POST_START
状態リソースの競合、またはBIOSの割り当て不足ドライバーがデバイスの失敗を報告
先に見る場所直前の増設、PCIeスロット、BIOS設定ドライバーの更新・ロールバック・再導入
ドライバー再導入効果が出る根拠は薄い。構成の確認が先Microsoftが最初の対処として案内

コード43の側はグラボが「コード43」で認識されない原因で、ドライバー、PCIe、補助電源、別PCでの比較の順に整理しています。

起点直前に変えたことで、確認する順番を決める

コード12は結果であって原因名ではないので、「最後に正常だった構成から何が変わったか」が最大の手がかりです。手当たり次第にBIOSを触るより、変更を一つずつ戻すほうが原因を絞れます。

直前に起きたこと先に疑う場所最初にすること
PCIeカードやNVMe SSDを増設した追加機器とのリソース競合、スロットの共有増設した機器を外して、コード12が消えるか見る
グラボを交換したBIOSの対応状況、アドレス空間の設定旧GPUに戻せるなら戻して比べ、マザーボードのBIOS更新履歴を確認する
BIOS更新・CMOSクリアをしたPCIe関連のBIOS設定が初期値に戻ったAbove 4G Decodingなどの項目を、記録しておいた以前の設定と比べる
思い当たることがないWindows Update、BIOS設定、接触下の手順1から順に進める

手順戻しやすい順に切り分ける

増設した機器を外して元の構成に戻す電源を落として電源プラグを抜いてから、直前に追加したカードやSSDを外します。コード12が消えるなら、故障よりも構成の変更との関係を疑えます。Microsoftはコード12の対処として競合する別のデバイスを無効にする方法を案内していますが、デバイスマネージャー上の機器を手当たり次第に無効化するのは避けてください。システムデバイスやPCI Express Root Portまで止めると、ほかの機器まで使えなくなります。
マザーボードのマニュアルでレーン共有を確認するM.2スロットの使用でPCIeスロットの動作が変わるマザーボードがあります。たとえばASUSのFAQには、ROG MAXIMUS Z890 HEROでM.2_3またはM.2_4を使うとGPUスロットがx8になる例があります。x8になること自体はコード12を意味しませんが、増設で構成が変わった直後に出たなら確かめる項目です。くわしくはグラボがPCIe x16ではなくx8・x4で動作する原因で扱っています。
BIOSのAbove 4G Decodingを確認するASUSのBIOSマニュアルでは、Above 4G Decodingは64bit対応のデバイスを4GBより上のアドレス空間でデコードできるようにする設定で、「システムが64bit PCIデコードに対応している場合のみ」有効とされています。名称はメーカーごとに違い、設定がないマザーボードもあります。オンにすれば必ず直る設定ではなく、GPU交換後・カード増設後・複数GPU構成で確認する候補です。変更前の値を記録し、変化がなければ戻します。
Resizable BARは一つずつ切り替えて比べる同じマニュアルで、Re-Size BAR SupportはAbove 4G Decodingを有効にしたときに表示される項目で、有効にするにはCSMを無効にするよう案内されています。コード12の対策として無条件にオンにする設定ではありません。オンにした直後にコード12になったなら、一度オフに戻して比べます。Above 4G DecodingとResizable BARは同時に変えず、片方ずつ試してください。BARの扱いはResizable BARを有効にしたのにNVIDIAで「いいえ」と表示される原因にまとめています。
別のスロット、ライザー直挿し、1GPU構成で比べるPCIeカードなら別のスロットに移します。縦置き用のライザーを使っているなら、外して直挿しします。複数GPU構成なら1枚に戻します。ライザーを外すのは「経由する条件を一つ外す」ための比較で、ライザーがPCIeブリッジを介しているとは限りません。消えた場合も、原因の特定ではなく手がかりとして扱います。
BIOS更新や初期化は、記録を取ってから最後に行うMicrosoftはBIOSの割り当て不足でもコード12が出ると説明しているので、PCIe機器の互換性に関する更新履歴があるBIOSは確認する価値があります。ただし書き換えにはリスクがあり、初期化するとXMP/EXPO、ファン設定、Secure Boot、ブート順なども変わります。設定画面を写真で残してから行い、直った場合は項目を一つずつ戻して原因を探します。

注意CSMは、起動方式を確かめてから触る

Resizable BARのためにCSMを無効にする案内は多いのですが、WindowsがMBR形式のディスクにインストールされている場合は注意が必要です。UEFIモードで起動するには、GPT形式のドライブが必要です。起動方式を確かめずにCSMを無効にすると、Windowsが起動しなくなるおそれがあります。

Windowsの「システム情報」(msinfo32)で「BIOSモード」が「UEFI」になっていることを確認してから、CSMの変更を検討してください。コード12の解消だけが目的なら、ここまで踏み込まずに他の手順を先に済ませるほうが安全です。

IRQの手動変更とレジストリ操作は、一般的なゲーミングPCでは勧めません

古い記事にある「IRQ番号を手動で変える」「リソース設定の自動設定を外す」は、割り当てをWindowsとファームウェアが自動で行う現在のPCIeデバイスでは、最初に行う対処ではありません。MicrosoftのPCI Express拡張シャーシの資料にはレジストリを使う回避策がありますが、資料自体がレジストリの誤った変更で重大な問題が起きうると警告しており、対象も拡張シャーシです。自作PCのGPUに同じ手順をそのまま当てはめないでください。

補足電源不足やGPU故障との関係

電源ユニットの容量不足は、ゲーム負荷時のブラックアウトや突然の再起動、ドライバーの停止といった別の形で現れます。Microsoftの定義上、コード12はリソースの競合・不足なので、コード12と電源不足を同じものとして扱う必要はありません。グラボを交換したときの補助電源の接続やPSU容量の確認は、コード12とは別に行ってください。

GPUの故障かどうかは、別のPCに同じGPUを取り付けて確かめられます。別PCで正常に動けば元のPC側(マザーボード、BIOS、ほかのPCIe機器の組み合わせ)、別PCでもエラーやGPUの認識不良が出るならGPU本体の確認が必要です。別PCで動いたとしても、コード12の原因が元のPCのどこにあるかまでは特定できません。

Q&Aよくある質問

コード12が出たらメモリを増設すべきですか
増設の根拠にはなりません。コード12のリソースはI/Oポートや割り込み、DMA、PCIeデバイスに割り当てるアドレス範囲などで、タスクマネージャーに出るRAM容量とは別です。
Above 4G Decodingをオンにすれば直りますか
直る場合もありますが、Microsoftがコード12の一般的な対処として案内しているわけではありません。GPU交換後やカード増設後、複数GPU構成で、マザーボードに項目がある場合に確認する候補です。変更前の値を控え、変化がなければ戻してください。
Resizable BARをオンにすると直りますか
コード12の対策として無条件にオンにする設定ではありません。ASUSのマニュアルでは、Above 4G Decodingを有効にすると表示される項目で、CSMの無効化が前提とされています。オンにした直後にコード12が出たなら、オフに戻して比べます。
GPUのドライバーを入れ直しても直らないのはなぜですか
コード12はドライバーの失敗の報告ではなく、リソースの割り当ての問題だからです。ドライバーの再導入より、増設した機器、PCIeスロット、BIOS設定の確認を先に行ってください。ドライバーが報告するコード43とは出発点が違います。
GPUが壊れている可能性はありますか
コード12だけでは故障と断定できませんが、除外もできません。別のスロットや別のPCで同じ症状が出るかを比べて、故障の疑いを絞ります。

まとめまとめ|コード12は、直前の構成変更を戻すところから切り分ける

まとめ

コード12は、Windowsがデバイスを動かすためのリソースを割り当てられない状態で、RAMやVRAMの容量不足、電源不足、GPU故障の診断結果ではありません。PCIeカードやNVMe SSDを増設した直後なら、まず追加した機器を外して元の構成に戻します。

その次に、マザーボードのレーン共有、Above 4G Decodingなどのアドレス空間の設定、別スロット・ライザー直挿し・1GPU構成での比較、BIOSの更新履歴の順に進めます。Resizable BARやCSMの変更は、起動方式を確かめてから一つずつ行ってください。

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