PC出荷が前年比2割減、買い時はいつ? メモリ高騰下で完成品PC・ノートを今買うか待つかの判断軸【2026年10月】
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値下げは「短く、小さい」見込み。待つ人と今買う人の分かれ目
出典:IDC「PC Tracker 3Q26」 / Omdia「Global PC shipments fall 21% in 3Q26」 / Microsoft Learn「What’s new in Windows 11, version 26H2」
「PCの出荷が前年より2割も減った」と聞くと、売れ残りが出て安くなるのではと期待したくなります。メモリ高騰で完成品PCやノートの値段が上がっている最中なら、なおさらです。
結論から言うと、値下げを当てにして待つのはおすすめしません。IDCは販促で一時的に安くなる可能性を認めつつ、価格が緩むとしても「小幅で、短い間」にとどまると見ています。Omdiaも、この下落は新しい下降局面の始まりにすぎないかもしれないと述べています。
分かれ目は、買い替えに期限があるかどうかです。故障間近や性能不足で困っている人は、必要な構成を満たす実売価格で決めて問題ありません。今のPCで困っていない人は、急いで買う理由がありません。26H2のためにPCを買い替える必要もありません。
目次
要点2社が発表した出荷の数字
IDCの集計は、流通網向けとエンドユーザー向けの出荷を含みます。消費者が実際に買った台数ではなく、日本のゲーミングPCの販売が2割減ったという意味でもありません。
2026年7〜9月の世界のPC出荷は、調査会社2社とも前年同期から2割ほど減りました。対象は、デスクトップ、ノート、ワークステーションです。
| 調査会社 | 2026年Q3の出荷 | 前年同期比と補足 |
|---|---|---|
| IDC 10月8日発表 | 6,270万台 | 20.1%減(前年同期は7,850万台)。前の四半期からは9.1%減 |
| Omdia 10月9日発表 | 5,810万台 | 21.2%減。デスクトップは1,170万台で23.5%減、ノートは4,640万台で20.6%減 |

両社で総台数が違うのは、集計の範囲や方法が違うためです。2社の数字を混ぜて平均するのは避けて、どちらか片方の中で比べてください。Omdiaは、今回の落ち込みを2023年第1四半期以来の大きさとしています。
背景なぜ売れなくなったのか
理由は大きく3つあります。
- 前倒しの反動:メーカーと販売網が、値上げ前の上半期に在庫を多めに仕入れました。下半期の需要を前借りした形です。
- 部品のコスト増:Omdiaの分析では、PC1台のコストに占めるDRAMとSSDの比率は、通常の約15%から約40%近くまで上がりました。部品の価格上昇は4倍を超えています。
- 価格が上がって売れなくなった:Omdiaは、小売店が平均販売価格の2桁の上昇と販売の減少を同時に報告していると述べています。メーカーは何度も値上げしていますが、コストの増加分を吸収しきれていません。
※15%から約40%という比率は、世界のPCメーカーの部品コストの話です。国内の店頭でDDR5が何倍になったかを示す数字ではありません。国内のメモリ価格はメモリ高騰中の自作PCのDDR5容量選びで扱っています。
需要が落ちたのは、買い手が値上がりに反応した結果です。供給側でも、メーカーとODMが第3四半期に生産を絞り始め、販売網は高い在庫を抱えたまま売り切ろうとしています。値引きの余地が出るとすれば、この在庫の部分です。
見通し待てば安くなるのか
両社の見解は、「少し安くなる局面はあっても、前年には戻らない」でほぼ一致しています。
- 販売網が高値の在庫を抱えていて、IDCは販促や一時的な値下げを見込んでいる
- 需要が落ちているため、店が在庫を動かすセールを打ちやすい
- IDCは「1年前に近い価格は予想していない」と述べ、緩むとしても「小幅で、短い間」
- Omdiaは、メモリ・ストレージの高騰は続く見込みとし、2026年Q4の出荷は前年同期比24%減、2027年通年は7%減と予測
- IDCは、先行きは良くなる前に悪くなるリスクがあるとしている
ここで注意したいのは、Omdiaの24%減と7%減が出荷台数の予測であり、価格の予測ではないことです。買い手が減る見込みは、値下げの根拠にも、さらなる値上げの根拠にもなりません。確かなのは、部品の高騰が続く限り、完成品の価格を下げる余力がメーカー側にないという点です。
メモリの契約価格は、2026年第4四半期もAIサーバー需要で上がり続ける見通しをTrendForceが9月30日に出しています。
出典:TrendForce「AI Server Demand Sustains Memory Contract Price Increases in 4Q26」
判断今買う人と待つ人の分かれ目
将来の価格は誰にも分かりません。そこで「待つと何を失うか」で分けます。
| あなたの状況 | おすすめ | 理由と確認点 |
|---|---|---|
| 今のPCが故障しそう・遊びたいゲームが動かない | 必要な構成を満たす実売価格で決める | 待つ間の不便が、値下げで得する額を上回りやすい。メモリ容量と増設できるかを確認する |
| 今のPCで困っていない | 急がず、予算内のセールを待つ | 販促の可能性はあるが、前年の水準までは戻らない前提で。値下げ待ちで買い時を逃し続けないよう、予算の上限を先に決める |
| デスクトップでメモリだけ足りない | 本体は買い替えず、増設を検討する | PC全体を買い替えるより費用を抑えやすい。規格(DDR4かDDR5か)と空きスロットを先に確認する |
| ノートで買い替える | 最初から必要な容量の構成を選ぶ | ノートは後からメモリを足せない機種が多い。メモリ高騰下では、後から増設できるかどうかが総額に効く |
完成品PCやBTOを選ぶときは、本体価格だけでなく、メモリとSSDの容量、保証、納期を一緒に見てください。メーカーが値上げを繰り返している状況では、同じ型番でも注文時期で価格が変わることがあります。購入前に注文画面の価格を確認してください。
OSWindows 11 26H2は買い替え理由になるか
26H2でメモリ使用量が減るという話題が出ていますが、PCの買い時を決める材料にはなりません。
- 新しいPCは要らない:Microsoftの説明では、25H2や24H2が動いている対象のPCは、小さな有効化パッケージで26H2に移れます。完全なOSの入れ替えは要りません。
- メモリ削減は公式の変更点ではない:MicrosoftのWhat’s newのページは、26H2の変更点にメモリ使用量の削減を挙げていません。
- 減った報告は、ゲームの必要容量を示さない:起動直後の使用量が下がった報告はありますが、ゲーム中のfpsやメモリ不足の起こりやすさを測った公開データはありません。
報告の中身と、入れ直す価値があるかはWindows 11 26H2はRufusで入れるとメモリが減る?で整理しています。今のPCの容量が足りるかどうかは、26H2で数百MB減るかではなく、遊ぶゲームと常駐アプリを動かしたときの空きで判断してください。
おすすめPCを買い替えず、メモリを足す選択肢
デスクトップでメモリ不足が悩みなら、本体の買い替えより増設のほうが安く済む場合があります。ゲーム中心なら32GBが基準で、配信や動画編集、複数アプリの同時利用が多い人は64GBも候補です。容量の決め方はDDR5は32GBと64GBどっち?にまとめています。
まとめまとめ|出荷減は値下げの約束ではない
出荷が2割減っても、部品の高騰が続く限り、完成品PCが前年の価格に戻る見通しは両社とも示していません。待つなら「販促があれば拾う」程度に構え、期限のある人は必要な構成の実売価格で決めるのが現実的です。
困っていなければ予算内のセールを待ち、期限があれば待たずに必要な構成で買う。26H2は買い替えの理由になりません。デスクトップなら、本体を替えずにメモリを足す手もあります。



