OpenMouseでキーボードを設定できる?Logitech・Razer・Wooting・SteelSeriesの対応機種とベータ版の注意点
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4社の対応範囲、実機で確かめられている機種、試す前の準備
出典:TechPowerUp(2026年10月30日)/OpenMouse公式README/keyboard-protocol README/Wooting対応表/SteelSeries対応表/Razer対応表/Logitech対応表/Wootility(Wooting公式)/Synapse Web公開告知(Razer Insider)(いずれも2026年10月31日に閲覧)
Wootility、Razer Synapse、Logitech G HUB、SteelSeries GG。キーボードの設定ソフトはメーカーごとに別々で、複数社の機器を持っていると使い分けが面倒です。OpenMouseは、ブラウザーから複数メーカーの機器を設定するオープンソースの設定画面で、これまでマウス向けでした。
開発元は2026年10月末のベータ版で、Logitech・Razer・Wooting・SteelSeriesのキーボードに対応を広げました。ただし、開発元の説明では、Razer・Logitech・SteelSeriesは実際のキーボードをつないだ試験がまだなく、模擬のHID機器で確かめた段階です。10月30日に公表された短い試験では、Wooting 80HEにつないだところ、接続はできたもののキー配置の読み込みと設定変更に失敗しています。
つまり、いま主力のキーボードの設定を任せられるツールではありません。純正ソフトを残したまま、予備の設定画面として試すところから始めるのが安全です。
目次
要点対応はブランド単位ではなく、機種と機能ごとに決まる
OpenMouseの開発元は、型番を認識できることは動作保証(ハードウェア認証)ではないと明記しています。Razer・Logitech・SteelSeriesのパネルには、機器が対応を通知した設定だけが出ます。自分のキーボードで何が出るかは、つないでみるまで分かりません。
OpenMouseの設定画面は、WebHIDに対応したChromium系ブラウザーで動きます。Chrome、Edgeなどが当てはまり、アプリのインストールは要りません。開発中の画面はcontrol.openmouse.appで公開されています。
ベータ版は公式Discordで案内されていて、開発チームがテスターを募っています。キーボード対応がベータから正式版になる時期は示されていません。
対応状況4社の対応範囲と、実機で確かめられていること
開発元が公開している対応表(keyboard-protocolのドキュメント)をもとにすると、4社の状況は次のとおりです。
| ブランド | 書き込める設定(開発元の資料) | 実機での確認 |
|---|---|---|
| Wooting | 作動点、ラピッドトリガー。機種とファームウェアで使える範囲が違う | 60HE+(ARMファームウェア2.13.0)で読み取り・書き込みを確認。ほかの機種は未確認 |
| SteelSeries | 有線のApex Pro TKL系で、作動点、ラピッドトリガー、Key Guard、Rapid Tap、キーごとの照明、本体プロファイル。無線版は照明のみ | なし(模擬機器による試験) |
| Razer | ポーリングレート、明るさ、照明効果、キー割り当て(通常・アナログ)。機種ごとに使える範囲が違う | なし(模擬機器による試験) |
| Logitech | ポーリングレート、明るさ、アナログスイッチの全体設定、キーごとの単色照明、キーの割り当て。機器が対応を通知した項目のみ | なし(模擬機器による試験) |
※Razer・Logitech・SteelSeriesの機器は、開発元の対応表ですべて「未検証(verified: false)」です。表の機能は、各社の公開情報などから実装したもので、実機で動いたことを示すものではありません。
Wootingは、一部の機種だけが先行しています。60HE+で、作動点を0.25mmに保存したあとにUSBを抜き差ししても同じ値が読み戻せたことを、開発元が記録しています。一方、Wootingの対応表には13の機種(One、Two、60HE、60HE+、80HEなど)が載っています。キーごとのラピッドトリガーを書き込めるのは、主にARMファームウェアのHE機で、ファームウェアが古いと一部しか使えません。AVR世代のTwo HE・60HEは、書き込みの手順が確立できていないと記されています。
SteelSeriesは、作動点やラピッドトリガーを書き込めるのが有線のApex Pro TKL系に限られます。無線のApex Pro TKL Wireless(2023)は、キーごとの照明だけの対応です。アナログ設定の変更は、本体のプロファイルへ明示的に保存する必要がある点にも注意が必要です(次の節で説明します)。
機種で見ると、開発元の対応表に載る代表例は次のとおりです。いずれも実機では試されていないため、型番が載っていることは動作の保証ではありません。
- Logitech:PRO X TKL RAPID(製品ID C35B)とG515 RAPID TKL(C363)が登録されています。
- Razer:照明の書き込みを機種ごとに分ける対象として、Huntsman V3 Pro(02A6)・V3 Pro TKL(02A7)・V3 Pro Mini(02B0)・V3 Pro 8KHz(02CF)が挙がっています。
- SteelSeries:有線のApex Pro TKL(1628、1642)が中心で、無線のApex Pro TKL Wireless(2023)は1630・1632です。
登録されている全機種は、各社の対応表で確かめられます。国内で売られている日本語配列のモデルが同じ製品IDかどうかは、公開資料からは分かりません。
試し方試す手順と、先に決めておく注意点
- Chrome・EdgeなどWebHID対応のブラウザーで、OpenMouseのコントロールパネルを開く。
- キーボードをUSBケーブルでPCにつなぐ。SteelSeriesの作動点などは有線モデルが対象。
- ブラウザーの機器選択画面で、キーボードを選んで許可する。
- パネルに出た項目だけを変更する。機器が通知していない機能は表示されない。
WebHIDの機器選択に出ない、または「Failed to open the device」と出る場合、Linuxでは/dev/hidraw*の権限が原因のことがあります。その場合は、公式READMEにあるudevルールを、対象機器のIDに合わせて追加する必要があります。
Chrome 153以降は、Razerの制御用インターフェースがブラウザーから保護され、直接は開けなくなります。この場合は、PC側で動く補助アプリ「OpenMouse Bridge」を入れると、Bridge経由で接続できます。Bridgeは設定の中継だけを行い、更新を自動でインストールしません。
設定を試す前に、次の2点は決めておいてください。
- SteelSeriesのアナログ設定は、本体への保存が別操作になる。画面で変えただけでは本体のプロファイルに残らず、明示的に保存する必要があります。開発元は、試験には捨てても困らないプロファイルを使うよう案内しています。
- Razerの照明効果とSteelSeriesのキーごとの照明は、いまの状態を読み戻せない。書き込んだあとに画面の表示と実際の光り方が違っていても、画面側からは確認できません。
できないことベータ版で当てにしないほうがよいこと
Wooting 80HEとの短い試験では、接続はできたものの、キー配置を正しく読み込めず、設定も正しく変えられませんでした。機能の実装範囲は限られていて、完成度は途中です。
計画されている機能は、作動点の調整、ラピッドトリガー、トグルキー、Mod Tap、SOCD、DKS、照明、レイヤー、プロファイルで、純正ソフトに近い内容です。ただし、キーの割り当て変更は、ベータ版では使えないようです。Razer・Logitechの対応表にはキー割り当ての書き込みも載っているため、機種によって扱いが違う可能性がありますが、割り当ての変更を前提にした移行はおすすめできません。
ゲームごとにプロファイルを切り替える機能は、Bridgeを入れたマウスでは使えます。キーボードでも同じ機能がいずれ加わる見通しですが、まだ使えません。ゲームごとの切り替えが必要なら、当面は使っているメーカーの純正ソフトで設定してください。
比較純正ソフトとの違い|置き換えか、予備か
| 項目 | 純正ソフト(Wootility・Synapse・G HUB・GG) | OpenMouse(ベータ) |
|---|---|---|
| 導入 | メーカーごとに別のソフト。WootilityにはChromium系ブラウザーで動くWeb版もある。RazerにもベータのSynapse Webがある | ブラウザーで開く。1つの画面で複数社を扱える(Razerは補助アプリが要る場合あり) |
| 対応範囲 | 各ソフトの対応機種と、その機種向けの機能 | 機種と機能ごとに異なる。実機確認は一部のWootingのみ |
| キーの割り当て | 対応 | ベータでは使えないようだ |
| ソース | 非公開 | AGPL-3.0のオープンソース |
インストール不要という点だけなら、Wootilityにはブラウザー版があり、RazerのSynapse Webも2026年1月にベータとして公開されています(公開時の対応はHuntsman V3系)。Wootingしか持っていない人にとって、OpenMouseを選ぶ理由は多くありません。違いが出るのは、Wooting・Razer・Logitech・SteelSeriesの機器を同じ画面で扱いたい場合です。ただし、置き換えとして使うには実機での確認がまだ足りません。いまの使いみちは、純正ソフトを残したまま、作動点やポーリングレートなどの単純な設定を別の画面から確認・変更してみる予備の窓口です。
判断試してよい人と、待ったほうがよい人
- Wootingの60HE+など、実機確認が済んでいる機種を使っている
- 純正ソフトを残したまま、設定を読み出すだけ試したい
- 不具合を開発元のDiscordへ報告できる
- Razer・Logitech・SteelSeriesのキーボードを主力で使っている
- キーの割り当てを変えたり、ゲーム別のプロファイルを使い分けたりする
- 大会前など、設定が壊れると困る時期にいる
開発元の対応表は、メーカーのUSB IDと製品IDで機種を判別しています。Wootingの60HE+は製品IDの基本値が0x1320、SteelSeriesの有線Apex Pro TKLは0x1628と0x1642などです。日本で売られている配列違いのモデルが同じ製品IDかどうかは、公開資料からは分かりません。
まとめまとめ|OpenMouseのキーボード対応は、予備の設定画面として試す段階
OpenMouseはブラウザーだけで、Logitech・Razer・Wooting・SteelSeriesのキーボードを設定する機能をベータ版で加えました。ただし、実機での確認はWootingの60HE+などごく一部で、Razer・Logitech・SteelSeriesは模擬機器による試験にとどまります。キーの割り当てとゲーム別プロファイルも、ベータでは当てにできません。
主力のキーボードの設定は、純正ソフトのままにしてください。OpenMouseは、60HE+のような確認済みの機種で作動点などの単純な設定を試す予備の窓口として使い、SteelSeriesでは本体への保存を忘れないことが大事です。正式版に進むまでは、対応表の「検証済み」の表示を待ってから乗り換えるのが安全です。


