メモリ・SSDはAIバブルが崩れたら安くなる?2018年の下落幅とDDR5・NVMeの買い時【2026年11月】
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2018年の下落は最初の四半期で約8%。いま崩れても店頭は一気には下がらない
メモリとSSDの高騰が1年近く続き、AI投資が止まれば値段は元に戻るのか、それまで買い控えるべきなのかを知りたい人が増えています。AIバブルの崩壊というのは、AI向けのデータセンター投資が急に縮む場合のことです。
答えは、崩れれば下がる方向には動くものの、いま下がり始めているわけではありません。調査会社TrendForceは2026年第4四半期のDRAM契約価格を前四半期比10〜15%、NANDを15〜20%の上昇と予測しています。SamsungとSK hynixは10月の決算で、2027年も供給不足が続く見方を示しました。前回の下落局面だった2018年第4四半期でも、DRAMの下落は約8%から始まっています。
買い時の分かれ目は品目です。DDR5は2027年も供給がきついという見方が強く、足りない容量は待たずに確保して構いません。SSDはNANDの供給が2027年後半にゆるむという予測があるため、容量に余裕があるなら待つ価値があります。
目次
要点下がる条件と、いま買うかどうかの目安
2018年は、契約価格の下落が約8%、約20%と四半期ごとに大きくなりました。下がり始めの1か月は1〜3%台の小幅で、気づきにくい動きです。崩壊を待って底値を狙うのではなく、予測の文言が変わるのを見て判断するほうが現実的です。
| 品目 | 供給側の見通し | 買い方の目安 |
|---|---|---|
| DDR5メモリ | DRAMは2027年も供給不足が続く予測。新しい生産能力が本格的に効くのは2028年 | 16GBで足りないなら32GBを今確保する。32GBで足りていれば急がない |
| NVMe SSD | NANDは2027年後半に供給がゆるむとTrendForceが予測。ただしAI向けの需要しだいで前後する | 今の容量で足りるなら待てる。空き容量が足りない人は今買う |
| BTOの容量変更 | キャンペーンは期間限定 | 新しくPCを買うなら、単品で買い足すより変更料金のほうが安い場合がある |
現状値上がりの勢いは落ちているが、下落には入っていない
TrendForceは2026年9月30日の発表で、第4四半期の汎用DRAM契約価格を前四半期比10〜15%、NAND全体を15〜20%の上昇と予測しました。上げ幅は縮んでいるものの、価格は上がる予測のままです。DRAMについては、先端プロセスの生産能力が高性能サーバー向けに優先されているため、供給不足が続くとしています。
NANDには気になる記述があります。NANDウエハー価格は史上最高の水準にあり、店頭の流通がこれ以上は吸収しにくくなっているとTrendForceは書いています。PC向けのクライアントSSDはメーカーが値上げ幅を抑える姿勢に変わり、PCメーカーは在庫の取り崩しと容量の削減で部品代を抑えています。需要側の抵抗が出始めているということです。
メーカーの決算は、まだ需要の弱さを示していません。SK hynixの2026年7〜9月期は売上が104兆6,155億ウォン、営業利益が83兆3,338億ウォンで、営業利益率は80%でした。Samsungの営業利益は107.4兆ウォンで、同社の決算資料は2027年について「AI向けの設備投資が加速し、2026年よりさらに供給不足が強まる」との見通しを示しています。
出典:TrendForce(2026年9月30日) / SK hynix 3Q26決算発表(2026年10月28日) / Samsung Electronics 3Q 2026 Earnings Call資料 / TrendForce News(2026年10月8日)
前例2018〜19年のDRAM下落は、小幅な下げから始まった
メモリ価格が下落に転じた直近の局面は2018年後半です。TrendForceの当時の発表を見ると、始まりは目立たない動きでした。2018年11月の4GB・8GBのPC向けモジュールの契約価格は、前月比でそれぞれ3.2%、1.6%の下落にとどまっています。ただし一部の契約は月内に2回、価格が引き下げられました。
| 時期 | TrendForceの見込み | 当時の理由 |
|---|---|---|
| 2018年11月 | 8GB PC向けモジュールの契約価格が61ドルから60ドル(−1.6%) | 一部の契約が月内に2回下方修正された |
| 2018年10〜12月 | DRAMの平均販売価格は前期比で約8%下落。PC向けとサーバー向けは約10%下落 | 生産量の増加、在庫の積み上がり、需要の弱さ |
| 2019年1〜3月 | 前期比で約20%下落(当初の見込みは約15%から引き下げ) | 閑散期、在庫調整、出荷の伸びを供給が上回る状態 |
2019年1月の発表では、この下げ基調が2018年第4四半期から4四半期以上続く可能性があると指摘されました。下落幅は最初の四半期で約8%、次の四半期で約20%と拡大し、予測も1四半期ごとに引き下げられています。
2018年と今回では、状況が同じではありません。当時は生産の増加と在庫で供給が余っていましたが、いまは先端プロセスの生産能力がAI向けに回り、不足が価格を押し上げています。前例から読み取れるのは下落の速さではなく、形です。最初の下げは数%の小幅で、大きな下落は次の四半期から来ました。
出典:TrendForce(2018年12月4日) / TrendForce(2019年1月15日)
条件AI投資が縮んだとき、価格が動き出す3つの経路
AI向けの投資が縮んだ場合に、メモリの価格へ届く経路は大きく3つあります。どれも決算資料やTrendForceの記述から、動きを確かめられます。
1つ目はクラウド事業者の投資計画です。TrendForceは7月30日の発表で、メモリの高止まりがクラウド事業者の投資計画とメモリ調達に響くかどうかを、注目すべき変数の一つに挙げています。投資が減ればサーバー向けの需要が先に落ち、PC向けに回る生産能力も増えると考えられます。
2つ目は生産能力の増え方です。SK hynixは2026年10月28日の決算発表で、来年の投資は大きく増えると説明しました。TrendForceは、DRAMの新しい生産能力が出力に大きく効くのは2027年後半から、本格的には2028年とみています。同じSK hynixは「顧客の需要や収益性を踏まえ、投資の規模と時期を柔軟に調整する」とも書いており、需要が落ちれば増産を絞る余地を自分で残しています。
3つ目は長期契約です。SK hynixは、2027年と2028年の生産能力の50%超がすでに長期契約で埋まっていて、契約先は14社だと発表しています。この契約が需要の落ち込みをどこまで防ぐのかは、決算資料に書かれておらず、外からは分かりません。
3つの経路のうち、買い手が自分で確かめられるのは、TrendForceの四半期ごとの契約価格予測です。上昇率が10%を割る、あるいは「横ばい」「下落」といった文言が初めて出た時が、動き出しの合図になります。
出典:TrendForce(2026年7月30日) / SK hynix 3Q26決算発表
シナリオ3つの展開と、DDR5・NVMeで変わる動き
先の経路から、今後の展開を3つに分けて考えられます。下の表は、各社の見通しと2018年の前例をもとにした見方です。
| 展開 | DDR5とNVMeの動き | 買い手の動き |
|---|---|---|
| 供給不足が続く 各社の見通し | DDR5は2027〜28年まで高止まり。NVMeも高止まりだが、TrendForceは2027年後半の緩和を予測 | DDR5は足りない容量を確保。待っても好転する材料はない |
| 上げ幅が縮み、横ばい すでに始まった兆し | 契約価格の上昇率が10%を割る。店頭価格は高止まりのまま動きが鈍る | 値下がりを待つより、同型番の価格推移を確かめて必要な時に買う |
| AI投資が急減速 バブル崩壊型 | 契約価格が下落に転じる。2018年の例では、最初は数%の小幅で、翌四半期に下げ幅が拡大した | 下落が見えてから買っても遅くない。底値の予想は当たりにくい |
AI投資が急に縮む局面は、半導体メーカーの業績だけでなく、投資や景気全体が冷える局面でもあります。値段が下がるまでの期間や、PCの買い替え需要がどれだけ戻るかは、2018年の例からは読み取れません。バブルの崩壊を前提にして、買い控えの期限を決めるのは危うい判断です。
決算資料の範囲では、メーカー3社とも崩壊を想定した発言はしていません。判断に使えるのは、いま予測されている供給の見通しです。買い方の目安は、その予測を品目別に当てはめたものです。
DDR5メモリは足りない容量だけ今確保する
DRAMはNANDより緩和の時期が遅い見通しです。TrendForceは2027年のDRAMについて、供給が引き続き逼迫して価格の上昇基調が続くとし、需給のギャップは2027年にさらに広がるとみています。新しい生産能力が本格的に効くのは2028年です。
16GBで足りずにゲームが重くなっている人は、32GBへの増設を待つ理由がありません。32GB(16GB×2)の単品キットは10月30日時点で7万円前後です。2027年に下がると約束できる材料は、いまのところ出ていません。
新しくPCを買う場合は、BTOの容量変更が安いことがあります。ドスパラは対象のPCでメモリを16GBから32GBにする追加料金を、11月13日10時59分まで9,696円にしています。通常ページでは同じ変更が+49,900円(DDR4機)、+66,000円(DDR5機)と表示されるため、対象機種かどうかで差が大きく開きます。対象機種と総額の比べ方はドスパラのメモリ32GB変更の記事で見られます。
すでに32GBで足りている人は急ぐ必要がありません。CPUやマザーボードを替える予定がなければ、メモリだけを今買い足す理由は薄くなります。メモリ価格全体の見通しはメモリ不足はいつまで続くかの記事、2028年の反転予測はGartner予測の記事で見られます。
NVMeSSDは待てるなら待つ価値がある
NANDはDRAMと見通しが分かれています。TrendForceは2027年後半にNANDの供給がゆるみ、価格に下げ圧力がかかると予測しています。高積層のNANDへの移行と新工場の立ち上がりで供給が増える一方、家電向けの需要が弱いためです。
この予測には条件があります。AIエージェントの普及でQLCの高速SSDの需要が急に増えれば、増えた供給を吸収する可能性があるとTrendForce自身が書いています。Samsungも2026年7〜9月期の決算資料で、個人向けAIエージェントの拡大とつながったQLC SSD需要の急増に触れています。2027年後半の緩和は、確定ではなく予測にとどまります。
SSDは2026年10〜12月のNAND契約価格がなお15〜20%の上昇予測で、緩和は早くても2027年後半です。今のSSDに空き容量があるなら、予測の文言が変わるのを待てます。ゲームを入れる空きがすでに足りない人は、待っても1年近く先の話になるため、今買って構いません。
買うなら、重いゲームを複数残す人は2TB、1本か2本なら1TBが目安です。M.2スロットに空きがあれば、後から2本目のSSDを足す方法もあります。値上がりの理由とSSD別の選び方はSSD・HDD値上がりの記事、NAND供給の見通しはSSD不足の2027年見通しの記事で比べられます。
FAQよくある質問
まとめまとめ|崩壊を待たず、品目ごとに足りない容量で決める
AI投資が縮めばメモリもSSDも下がる方向に動きますが、いまは契約価格がまだ上昇予測で、下落の前例も約8%、約20%と段階的でした。崩壊を待って底値で買う狙いは当たりにくいです。DDR5は足りない容量だけ今確保し、足りている人は急がないのが妥当です。SSDは空き容量に余裕があれば、TrendForceの予測する2027年後半の緩和まで待てます。次の判断材料は、TrendForceの契約価格予測の上昇率と、各社の投資計画の変更です。







