メモリ不足はいつまで続く?Micronも「2027〜28年は今年より逼迫」、大手3社の見通しとDDR5の買い時・容量【2026年10月】
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大手3社の見通しと、DDR5を今買うか・何GBにするか【2026年10月】
出典:Micron公式|2026年度第4四半期決算・Micron決算説明会の原稿(PDF)・SK hynix公式|2026年第3四半期決算・Samsung Electronics公式|2026年第2四半期確定決算・Samsung Electronics公式|2026年第2四半期決算・Tom’s Hardware|SK hynix CEO発言・Wccftech|UBSのDRAM予測・TrendForce|Samsung副社長のHBM比率の発言・経済日報|Acer陳俊聖CEOの発言・経済日報|Acer陳俊聖CEOのPC価格見通し
メモリ不足はいつまで続くのか。DRAMを量産する大手3社の答えは、2026年10月時点でそろって「少なくとも2027年は今年より厳しい」です。Micronは9月30日の決算説明会で、2027年と2028年の需給が2026年より「はるかに逼迫する」と述べ、需給が釣り合う時期は「見通せていない」としました。
Samsungは7月30日の決算説明会で、供給不足は2027年に2026年より深刻になり、2028年まで解消しないと説明しています。SK hynixは10月28日、需要が供給を上回る構造が2030年まで続くとの見通しを公式に示し、CEOは7月に2027年を「メモリ業界の歴史上もっとも厳しい年」と表現しています。3社ともAIデータセンター向けの長期契約で生産枠を固めつつあり、一般向けのDDR5に供給が回りやすくなる材料は、各社の説明の中には見当たりません。ただし、メモリを買う側のPCメーカーからは「2030年まで続くことはありえない」という反論も出ています。
パソコンショップアークでは、10月2日時点でDDR5-5600の32GB(16GB×2枚組)が在庫ありの最安で7万5,680円です。数か月以内に組む・増設する予定があるなら、値下がりを待つ根拠は乏しくなっています。容量はゲーム用なら32GB(16GB×2枚組)が基準で、64GBにすると7万円以上上乗せになります。容量ごとの価格は何GB買うかで比べています。
最新の決算Micronは2027・2028年を「2026年よりはるかに逼迫」と説明
Micronは2026年9月30日(米国時間、日本時間10月1日早朝)、2026年度第4四半期の決算を発表しました。売上高は542億ドルで前年同期の約4.8倍、2026年度通期では1,332億ドルと前年度の3.5倍を超えています。そのうえで、サンジェイ・メロートラCEOは決算説明会の冒頭と市場見通しの説明で、同じ見通しを繰り返しました。
「メモリとストレージの需給は、2027年と2028年には2026年よりはるかに逼迫すると見ている」
「業界のDRAMクリーンルームの増設計画を織り込み、顧客からの追加の引き合いを含む強い需要を踏まえても、需給がいつ均衡に戻るかは見通せていない」
Micronの決算資料で買う側に響くのは、ID1の出荷が2027年半ばに始まり数四半期後から寄与が広がる一方、ID2と日本の拡張が加わるのは2028年後半以降という点です。
| 項目 | Micronの説明 | 買う側にとっての意味 |
|---|---|---|
| 需給の見通し | 2027年・2028年は2026年よりはるかに逼迫。両年とも業界全体が供給制約 | 今より安くなる前提で予定を組まない |
| 業界のDRAM出荷量の伸び | 2026年は20%台半ば、2027・2028年は20%台前半 | 供給の伸びは来年以降むしろ鈍る |
| 新工場の稼働 | 米アイダホのID1は2027年半ば、ID2は2028年後半にウェハー出荷開始。日本のDRAM工場の拡張は2028年後半に初期出荷 | ID1の出荷は2027年半ばから。ID2・日本の拡張が加わるのは2028年後半以降 |
| 長期契約(SCA) | 26件を締結し、2030年までの売上の35%超に相当。数量は引き取り保証付き | データセンター向けの生産枠が先に埋まる |
| PC・スマホ市場 | 2026年は台数が2桁減の可能性。売上は高価格帯の製品が支える | PC向けメモリは量より単価で稼ぐ流れ |
大事なのは2行目です。業界全体のDRAM出荷量の伸びは、2026年の20%台半ばから2027・2028年は20%台前半へ下がる見通しです。Micronは、微細化による増産だけでは需要の伸びとの差が埋まらず、工場の建屋(クリーンルーム)の増設が必要だと説明しています。クリーンルームは建ててから生産が立ち上がるまでに年単位の時間がかかるため、今から増やしても効いてくるのは先になります。
新工場のスケジュールから逆算すると、Micronの計画どおりに進んでも、2027年半ばに出荷が始まるID1の寄与が広がるのは数四半期後で、ID2と日本の拡張による追加の増産は2028年後半以降です。2027年度に増やす設備投資も、大半は2028年後半以降に使えるクリーンルームを早めるためと説明しています。
PC・スマートフォン向け事業の売上は前四半期比14%増えましたが、伸びた理由は価格の上昇で、出荷したメモリの量はむしろ減っています。PC向けは量を絞りながら単価で稼いでいる状態で、一般向けの価格が下がる流れにはなっていません。
ただし、メモリメーカーの経営者にとって強気の見通しは株価を支える材料でもあります。3社の説明はあくまで売り手の見通しで、買い手のPCメーカーからは反対の見方も出ています(反対の見方)。
Samsungの説明Samsungが示した見通し|2027年は2026年より悪化、2028年まで解消せず
Samsung Electronicsのメモリ事業を担当するキム・ジェジュン氏(Executive Vice President)は、2026年7月30日に開かれた2026年第2四半期決算説明会で、メモリ半導体の需給について次のように説明しました。
「2028年まで、供給が大きく上積みされる可能性は低い。顧客からの引き合いを踏まえると、今年満たせなかった需要は来年に持ち越され、需給は一段と逼迫していく。供給不足は2026年より2027年の方が深刻になり、2028年まで解消しない」
Samsungは2026年後半についても、AIインフラへの投資継続とエージェント型AIの普及により、サーバー向けを中心に堅調なメモリ需要が続くと説明しています。スマートフォンやPC向けの需要には一部鈍化が見られるものの、それを上回るAIサーバー向け需要の強さで、市場全体としては供給不足が続くという見立てです。
ここで注意したいのは、報道で使われる「半導体不足」という言葉が、CPUやGPU、マザーボード用チップを含むすべての半導体を指しているわけではない点です。今回の説明の中心はHBMやサーバー向けDRAMを含む「メモリ半導体」であり、「CPU不足が2028年まで続く」「グラフィックボードが2028年まで手に入らない」といった解釈はSamsungの発言の範囲を超えています。
他社の発言SK hynixは需要超過が2030年まで続く見通し、2027年を「業界史上最悪の供給年」と表現
SK hynixは2026年10月28日の第3四半期決算で、メモリ市場は需要が供給を上回る構造が2030年まで続くとの見通しを公式に示しました。理由は、先端プロセスの技術的な難しさと、新しい生産設備の建設に長い期間がかかることです。2027年に龍仁(ヨンイン)の第1期工場が本格稼働する計画ですが、投資の規模と時期は顧客の需要や収益性を見て調整するとしており、増産で早期に不足が解消するという説明ではありません。
同じ発表で、主要顧客14社と結んだ長期供給契約(通常5年)の数量が、2027年と2028年の生産能力の50%超に達したことも明らかにしました。この「50%超」は生産能力に占める契約済みの割合で、残りが一般向けに回るという意味ではなく、国内店頭の在庫を示す数字でもありません。「売り切れ」「買えない」と受け取るのではなく、不足が続く期間と、店頭価格が下がる時期は別の問題として読む必要があります。
この見通しに先立ち、SK hynixのクァク・ノジョンCEOは2026年7月10日、同社がNasdaqへ上場した当日の取材で、2027年について次のように述べました。
「顧客からの需要は伸び続けているが、当社の生産能力には限界がある。2030年を過ぎても、顧客需要が当社の供給能力を上回る状態が続くと見込んでいる」
クァク氏は2027年を「供給という観点で、メモリ業界の歴史上もっとも厳しい年になる」と表現しています。SK hynixはこの発言と同じ日、外国企業として過去最大級となる265億ドルの調達を伴うNasdaq上場を果たしており、AI向けメモリ需要への強気な見通しが評価された形です。
金融機関のUBSも、同様に厳しい予測を示しています。UBSは世界のDRAM市場について、少なくとも2028年第2四半期までは供給不足の状態が続くと予測しており、2027年にはDRAMの需要の伸び(36.2%)が供給の伸び(19.3%)を約17ポイント上回る「記録的なギャップ」が生じるとの見方を示しています。UBSはこの予測にあわせてDRAM価格見通しも引き上げており、2026年第3四半期のDDR契約価格は前四半期比32%上昇するとの試算も示しています(従来予測は17%上昇)。
7月にSamsungとSK hynixが語った「2027年が最も厳しい」という見通しに、9月末にはMicronが「2028年も2026年より厳しい」と重ねました。DRAMの大半を量産する3社の経営陣が同じ方向の見通しを示し、UBSのような金融機関の予測も近い数字です。ただし、3社とも見通しが強気であるほど得をする立場にある点は差し引いて読む必要があります。
反対の見方Acerの陳俊聖CEOは「2030年まで不足が続くことはありえない」
メモリを買う側からは、メーカー3社と反対の見方も出ています。台湾Acerの陳俊聖(ジェイソン・チェン)会長兼CEOは2026年9月19日、同社の創立50周年フォーラムのあとで取材に応じ、半導体メーカーの新しい生産能力、とりわけ中国勢の増産が続くなかで「2030年まで不足するなんてありえない」と述べました。陳氏の主張は3つです。
陳氏の見通しも「今年中に安くなる」ではありません。2027年1〜3月まではコスト上昇を売価に反映し続けるとしており、PCが下がり始めるのは早くて2027年下半期です。売り手のメモリメーカーは強気、買い手のPCメーカーは弱気という立場の違いを差し引いても、どちらの見通しを取っても2026年のうちに大きく下がるという話にはなりません。
「一般的なDDR5は潤沢」という指摘は、店頭の様子とも合っています。パソコンショップアークでもDDR5の多くは在庫ありで、品切れではなく高値が続いている状態です。
長期契約生産量の約3分の2を長期契約で固定する方針
7月の発表でもう一つ重要なのが、Samsungと大手データセンター企業との長期供給契約です。Samsungは世界最大級のデータセンター企業5社とすでに供給契約を結び、さらに別の大手5社とも合意に近づいていると説明しました。契約先の企業名は公表されていません。
契約期間は少なくとも5年間で、前払い金や最低価格も設定されるとされています。Samsungは長期的に、メモリ生産量の約3分の2をこうした契約の対象にする方針を示しました。
従来のメモリ市場は、需要が増えるとメーカーが増産し、その後に供給過剰と価格下落が発生するというサイクルを繰り返してきました。生産能力の多くが5年以上の契約で固定されれば、需要が一時的に落ち着いても、一般向けメモリに供給を振り向けて値下げする動きは起こりにくくなります。
SK hynixも10月28日、主要顧客14社との長期契約が2027年と2028年の生産能力の50%超に達したと発表しました。契約期間は通常5年で、メモリ大手2社が同じ方向で生産枠を固めています。
これは一時的な品薄というより、メモリ市場の売り方そのものが変わり始めている可能性を示すものです。
波及構造なぜAI向けHBMの増産がDDR5に影響するのか
AIサーバーで使われるHBMと、ゲーミングPCで使われるDDR5メモリは別の製品です。それでも、HBMの需要拡大は一般向けDRAMの供給に影響します。
Samsungは9月29日にも、この取り合いを数字で示しました。韓国取引所が開いたIR説明会「Korea Premium Week 2026」で、キム・テウ副社長は「現在、DRAMメーカーが持つウェハー生産能力の20%程度がHBMに割り当てられており、来年には30%近くになる」と説明しています。HBMと汎用DRAMは同じウェハー生産能力を取り合うため、HBMの割合が上がるほど、DDR5を含む汎用DRAMに回せる分は削られます。
決算数値Samsungの半導体部門の営業利益は前年同期比200倍台後半〜250倍超に
Samsungが高収益なメモリ製品を優先する理由は、2026年第2四半期の決算数値を見るとわかりやすくなります。
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 半導体部門 営業利益 | 89兆2,000億ウォン | 前年同期比 約200倍台後半〜250倍超 |
| 全社 営業利益 | 89兆5,000億ウォン | 7月30日の確定決算 |
| 売上高 | 171兆5,000億ウォン | 前年同期比 約130%増 |
| MX・ネットワーク事業(合計) | 営業損失7,000億ウォン | 四半期ベースで初めての赤字 |
| DX部門全体(参考) | 営業損失8,000億ウォン程度 | スマホ/家電等を含む |
半導体部門の営業利益は89兆2,000億ウォンとなり、前年同期比で200倍台後半〜250倍超という水準まで急拡大しました。全社の営業利益は89兆5,000億ウォンで、売上高は前年同期比約130%増の171兆5,000億ウォンを記録しています。
半導体部門の営業利益率はおよそ70%に達したとされ、AI向けメモリの価格と収益性が極めて高い状態にあることがわかります。
興味深いのは、メモリ価格の高騰がSamsung自身の別事業を圧迫していることです。スマートフォン事業を担うMX・ネットワーク事業は、合計で7,000億ウォンの営業損失を計上し、四半期ベースで初めての赤字となりました。メモリを販売する半導体部門が巨額の利益を上げる一方、Galaxyなどの端末を製造する部門は部品価格の上昇で利益を圧迫されている構図です。
これは、メモリ価格の上昇が最終製品を作るメーカー自身にも無視できない負担になっていることを示す事例です。同様のコスト上昇は、PCメーカーやBTOメーカーにも波及する可能性があります。
価格見通しDDR5メモリは今後さらに値上がりするのか
メーカー3社の見通しだけで、日本国内のDDR5メモリが直ちに値上がりすると断定することはできません。メモリの店頭価格は、DRAMの契約価格だけでなく、為替、流通在庫、メーカー間の競争、PC需要、メモリモジュール各社の販売戦略などにも左右されるためです。
Samsung自身も、PC向け需要には一部鈍化が見られると説明しています。PCの販売が弱ければ、AI向け需要が強くても、一般向けDDR5が店頭から一斉に消えるような状況にはなりにくいとみられます。
一方で、これまでのように「待っていればメモリは大幅に安くなる」とは考えにくくなっています。SamsungだけでなくSK hynixやMicronもAI向けHBMやサーバー向け製品への投資を優先しており、Samsungが生産量の約3分の2を長期契約の対象にする方針を示したことで、一般向けメモリへ柔軟に供給を回す余地は小さくなる可能性があります。HBM4の出荷開始とDDR5価格の関係を整理した記事でも触れているとおり、AI向けメモリの出荷拡大は必ずしも一般向けDDR5の値下がりに直結しません。
2026年5月には、元Samsung半導体トップの発言をもとに「DDR5は2027年後半に大幅値下がりする」という予測もありました。ただしこの予測は、AI投資が鈍化し推論需要が頭打ちになることを前提条件とした一つのシナリオでした。7月のSamsungの決算ではHBM4の売上高が前四半期比3倍を超える見通しが示され、9月末のMicronの決算でもデータセンター向け事業部(Core Data Center)の売上が前四半期比56%増えました。AI向け需要が鈍化する兆しはむしろ見られず、値下がりシナリオの前提条件は満たされていません。
今後は深刻な品切れよりも、高値が長期化し大幅な値下がりが起こりにくい状況を警戒しておくほうが現実的です。
ロボットの需要は2027年のDDR5価格を支える材料か
2026〜2027年にDDR5を買うかどうかの判断には関係しません。Micronは9月30日の決算説明会で、データセンターとは別の長期の需要源として「フィジカルAI」を挙げました。自動運転車やヒューマノイドロボットのように、現実の空間で動くAIのことです。
Micronの説明では、レベル4以上の自動運転車が積むメモリは一般に200GBを超え、ストレージは数TBに達します。どちらも、いま普及しているレベル2+・レベル3の車より1桁以上多い量です。ヒューマノイドロボットも自動運転車と同じくらいのメモリとストレージを必要とする見込みで、台数と1台あたりの搭載量がともに増えれば、フィジカルAIは2020年代の終わりまでに大きな需要源になりうるとしています。
「AIバブルが弾けても、ロボットがメモリの値段を支える」と読める話ですが、Micronが公開した決算説明会の原稿では、大きな需要源になる時期を2020年代の終わりまでとしており、データセンターより大きな需要になるとは書いていません。2027年の価格を左右するのは、データセンター向けの需要と、Micronの節で見たクリーンルームの不足です。
7月末にSamsungとSK hynixが「2027年が最も厳しい」と説明してから2か月が経った10月2日、パソコンショップアークで在庫ありの最安を確認しました。DDR5-5600の32GB(16GB×2枚組)が7万5,680円、DDR5-6000の32GB(16GB×2枚組)が8万2,800円です。32GBのメモリに7万円台後半以上を払う水準で、値下がりの兆しは出ていません。
容量の選び方DDR5は何GB買うか|2026年10月2日の店頭価格で比べる
ゲーム用に新しく組むなら、32GB(16GB×2枚組)が基準です。主要ゲームの公式要件では、2024年以降の重量級タイトルは最低16GBが標準になり、S.T.A.L.K.E.R. 2やボーダーランズ4のように推奨32GBのタイトルも出ています(主要ゲームのRAM要件と16GB・32GBの判断基準)。そのうえで、パソコンショップアークの在庫ありの最安を容量・枚数別に並べると次のとおりです。
| 容量(枚数) | 在庫ありの最安 | 1GBあたり |
|---|---|---|
| 16GB(16GB×1枚) | 3万2,780円 | 約2,049円 |
| 16GB(8GB×2枚組) | 4万9,720円 | 約3,108円 |
| 32GB(16GB×2枚組) | 7万5,680円 | 約2,365円 |
| 32GB(32GB×1枚) | 7万8,801円 | 約2,463円 |
| 64GB(32GB×2枚組) | 14万8,000円 | 約2,313円 |
2026年10月2日にパソコンショップアークの商品ページで確認した税込価格。すべてデスクトップ用のDDR5-5600で、16GB×1枚はバルク品です。
1GBあたりの価格は、8GB×2枚組を除けば約2,050〜2,460円でほぼ横並びです(容量別の1GBあたり単価の推移)。大容量をまとめて買っても割安にはならないので、使わない容量はそのまま出費になります。64GBは32GBより7万2,320円高く、ゲームだけなら払う理由はありません。動画編集やローカルAIで32GBを使い切っている人向けの容量です。
16GBで済ませるなら、8GB×2枚組より16GB×1枚のほうが1万6,940円安くなっています。ただし1枚挿しはデュアルチャネルにならず、メモリの帯域が2枚挿しの半分です。予算の都合で16GB×1枚から始めるなら、同じ型番の16GBを後から足して32GB(2枚)にする前提で選ぶと無駄が出ません。足す時点の価格は今より高い可能性があり、別々に買ったメモリはEXPO/XMPの高クロック設定で安定しないことがある点も承知しておいてください。
32GBは、16GB×2枚組(7万5,680円)と32GB×1枚(7万8,801円)の差が3,121円です。32GB×1枚は同じものを足せば64GBにできますが、1枚のうちは帯域が半分になります。ゲーム用なら16GB×2枚組が素直な選択です。
すでに8GB×2枚(16GB)を使っている人が32GBにするなら、8GB×2枚組を買い足して4枚挿しにするより、16GB×2枚組に入れ替えるほうが安全です。差額は2万5,960円ありますが、DDR5は4枚挿しにすると動作クロックが下がりやすく、EXPO/XMPが効かないこともあります(4枚挿しで速度が落ちる理由)。入れ替える前に、ゲーム中のメモリ使用率がタスクマネージャーで90%前後に張り付いていないかを確認してください。張り付いていなければ、今は16GBのままで困りません。
BTOパソコンを選ぶ場合は、本体価格の据え置きと引き換えに、メモリが32GBから16GBへ減ったり、同じ32GBでも1枚挿しや低クロックの製品へ変わったりしていないかを確認してください。見かけの価格が同じでも、構成が変わって実質的に値上がりしているケースがあります。メモリ容量・枚数・動作クロック・空きスロット数まで見比べると判断を誤りません。
GPUへの影響グラフィックボードのGDDR7にも影響する可能性はある
Samsungは、グラフィックボードに搭載されるGDDR6やGDDR7も製造しています。ただし、7月の決算説明で「GDDR7が2028年まで不足する」と明言したわけではありません。Samsungの発表を根拠に、グラフィックボードの値上がりが確定したと伝えるのは不正確です。
それでも、AI向けHBMとグラフィックス向けGDDRは、メモリメーカーの設備投資や生産配分という面では無関係と言い切れません。HBMやサーバー向けDRAMへ経営資源が集中すれば、GDDRの供給拡大が後回しになる可能性はあります。また、MX・ネットワーク事業が赤字になったように、メモリ価格の上昇は完成品メーカーの原価を直接押し上げます。
今後のグラフィックボード価格は、GPU本体の価格だけでなく、GDDR7の供給状況や搭載容量にも左右される可能性があります。VRAM容量の多い上位モデルほど、メモリ価格上昇の影響が本体価格に反映されやすいと考えられます。
SSD/NANDSSD・NANDも供給不足の説明の対象に含まれる
7月のSamsungの決算では、SSDに使われるNANDフラッシュの平均販売価格(ASP)も前期比60%超上昇したと説明されています。つまり、今回の供給不足の議論はDRAMだけでなく、NANDを含む「メモリ半導体」全般を対象にしたものです。
Micronも9月末の決算で、NANDの業界出荷量は2027・2028年に20%台半ばで伸びるものの、両年とも供給制約が続くと説明しています。DRAMのようなクリーンルーム不足の説明はありませんが、SSDだけが先に安くなるという見方を支える材料もありません。ただしSSDの2027年の見通しは、Micron・Silicon Motionと調査会社TrendForceで割れています。予測が割れる理由はSSD不足が2027年に解消するかを3者の予測から読む記事で確認できます。
「SSDだけは無関係」と言い切ることはできませんが、NANDとDRAMでは生産設備や需給の構造が異なる点には注意が必要です。特に、AIデータセンター向けの大容量エンタープライズSSDと、個人のゲーミングPC向けの一般的なSSDでは、需要の主体も価格の決まり方も同じではありません。
Samsungが今回の説明でDRAMほど詳細にNANDへ言及したわけではないため、個人向けSSDの価格がDDR5と同じペースで上昇するかどうかは、現時点では断定できません。NANDメーカーの設備投資動向や在庫水準は、DRAMとは別に確認しておく必要があります。
購入判断DDR5はいつ買うか|必要になる時期が数か月以内なら待たない
判断の軸は「いつ必要になるか」です。数か月以内に組む・増設する予定があるなら、値下がりを待つ根拠は見当たりません。メーカー3社はそろって2027年を今年より厳しいとみており、Micronのさらなる増産(ID2・日本の拡張)は2028年後半以降です。メーカーの見通しに反論しているAcerのCEOでさえ、PCの価格が下がり始めるのは2027年下半期とみています。半年から1年以上先に必要になる場合は、その間の値動きを見ながら決めても間に合います。
一方で、メーカーの見通しは外れることもあります。AI投資が急に鈍れば、2027年に価格が崩れる可能性もゼロではありません。必要のない容量を値上がり予想だけで買いだめすると、外れたときの損がそのまま残ります。今の容量で困っていないなら、急いで買い足す理由もありません。
- 数か月以内にPCを組む・買い替える予定がある人
- ゲーム中のメモリ使用率が90%前後に張り付いている人
- 32GB(16GB×2枚組)への入れ替えを前から決めている人
- 購入予定が1年以上先の人
- 今のメモリ容量で困っていない人
- 値上がり予想だけで64GBなどを買いだめしようとしている人
関連製品供給不足が続く前に検討したいDDR5・SSD
購入時期が近く、構成を早めに固めておきたい人は、DDR5メモリとNVMe SSDを1点ずつ検討できます。無理に買い急ぐ必要はありません。
FAQよくある質問
まとめまとめ|大手3社とも2027年は今年より厳しいと説明、DDR5は必要な時期と容量で決める
メモリ不足がいつまで続くかについて、DRAM大手3社の答えはそろっています。Samsungは2028年まで解消しないとし、SK hynixのCEOは2027年を業界史上もっとも厳しい年と表現し、9月末にはMicronが2027・2028年は2026年よりはるかに逼迫すると述べ、10月28日にはSK hynixが需要超過は2030年まで続くとの見通しを示しました。Micronのさらなる増産(ID2・日本の拡張)は2028年後半以降で、長期契約でデータセンター向けの生産枠が先に埋まっていく構造も3社に共通しています。
反対の見方もあります。メモリを買う側のAcerのCEOは、不足が2030年まで続くことはありえないとし、PCの価格が下がり始めるのは2027年下半期とみています。ただ、強気のメモリメーカーと弱気のPCメーカーのどちらの見通しを取っても、2026年のうちにDDR5が大きく下がるという材料はありません。
今の判断の目安は、数か月以内に組む・増設するなら待たない、ゲーム用は32GB(16GB×2枚組)を基準にする、使わない容量は買わないの3点です。10月2日時点で32GBは7万5,680円から、64GBは14万8,000円からでした。BTOパソコンは本体価格だけでなく、メモリの容量・枚数・クロックが削られていないかまで確かめてください。





