DDR5メモリ価格推移【2026年10月】|32GBキットは半月で13.7%上昇、10〜12月も契約価格は+10〜15%
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32GBキットが半月で13.7%上がりました
結論半月で、32GBキットの1GB単価が64GBキットを追い越しました
9月15日の時点では、16GBから64GBまで1GBあたり2,049〜2,097円の横並びでした。10月2日に同じ店で容量別の最安を取り直すと、その並びが崩れています。ゲーム用の標準になっている32GBキットが9,000円上がり、1GBあたりでは64GBキットより185円高くなりました。
| 構成 | 10月2日の価格 | 1GBあたり | 9月15日比 |
|---|---|---|---|
| 16GB×2 合計32GB / Apacer | 74,800円 | 2,338円 | +9,000円・+13.7% |
| 16GB×1 合計16GB / Kingston | 32,780円 | 2,049円 | 変わらず |
| 32GB×2 合計64GB / Crucial | 137,800円 | 2,153円 | +3,600円・+2.7% |
| 64GB×2 合計128GB / Crucial | 399,700円 | 3,123円 | +85,884円・+27.4% |
| DDR4 16GB×2 合計32GB / SanMax | 28,600円 | 894円 | 変わらず |
読み方です。16GBの単品は2,049円/GBのまま動かず、いま1GBあたりでいちばん安いのはこの単品です。32GBキットは2,056円/GBから2,338円/GBへ上がり、64GBキットの2,153円/GBを追い越しました。128GBは9月15日に最安だったG.Skillのキットが在庫切れになり、在庫のある最安はCrucialの399,700円です。1GBあたり3,123円で、64GBキットより45%高くつきます。「まとめて買えば単価が下がる」は今回も成立していません。
64GBと128GBは、最安の製品が入れ替わっています。9月15日に64GBで最安だったCorsairのキットは178,480円と33.0%上がり、代わってCrucialのキットが最安になりました。CrucialはMicronが一般向け事業から撤退したブランドで、店頭にあるのは在庫限りです。在庫が切れれば、64GBの最安は142,800円、128GBは478,000円まで上がります。撤退後の保証や在庫の扱いはCrucialのメモリはまだ買えるかにまとめています。
16GBの単品は32,780円のままで、2枚なら65,560円です。32GBキットの最安74,800円より9,240円安く、2枚差しでデュアルチャネルになる点もキットと変わりません。ただしキットは2枚の組み合わせで動作を確かめて出荷される製品で、単品を2枚並べた場合はその確認がありません。相性で手間取りたくないなら、差額を払ってキットを選ぶ意味はあります。
推移1年で4.2倍になり、円安のせいは1割もありません
いまの価格がどこから来たのかは、公的な統計を見ると一目で分かります。日本が輸入するメモリICの価格は、2025年9月からの1年で4.2倍になりました。日本銀行が毎月出している輸入物価指数の「モス型メモリ集積回路」という品目で、円ベースと契約通貨ベースの2本が公表されています。
跳ねたのは2025年秋からです。2024年から2025年前半までは横ばいだったものが、2025年10月から上を向き、2026年1月に一段跳ね上がりました。この4か月だけで2.4倍になっており、ここで底値そのものが切り上がっています。
この2本を並べると、よく言われる「円安のせいで下がらない」が主因ではないと分かります。同じ期間で契約通貨ベースは3.9倍、円ベースは4.2倍。差にあたる約7%が円安による押し上げぶんで、残りはDRAMそのものの値上がりです。仮に為替が動かなくても、ほとんど同じだけ上がっていた計算になります。
| 輸入価格 | 1年で | 読み方 |
|---|---|---|
| メモリIC 円で払う額 | 4.2倍 | 日本の買い手が実際に負担した上がり幅 |
| メモリIC 契約した通貨のまま | 3.9倍 | 為替を除いた、メモリ自体の上がり幅 |
| 集積回路 全体 円で払う額 | 2.1倍 | 半導体全般より、メモリは倍の速さで上がった |
比べる相手を広げると、メモリの異常さがはっきりします。集積回路全体は同じ1年で2.1倍で、メモリはその倍の速さで上がりました。半導体が全般に値上がりしているのではなく、メモリだけが突出して上がっているというのが実態です。冒頭で見た半月の値上がりも、この流れの延長線上にあります。
容量32GBと64GB、どちらを選ぶか
1GBあたりの差は小さく、判断は総額で決まります。74,800円と137,800円で、差は63,000円。64GBのほうが1GBあたり約8%安いものの、使わない32GBのために63,000円を足す理由にはなりません。
| 使い方 | 必要な容量 | 理由 |
|---|---|---|
| ゲーム中心 | 32GB | 現行タイトルで32GBを使い切る場面はまだ少数です |
| ゲーム+配信・録画 | 32GB | 配信ソフトを同時に動かしても32GBで足ります |
| 動画編集・3D | 64GB | 1GBあたりは32GBキットより安く、必要なら総額だけで判断できます |
| ローカルでAIモデルを動かす | 64GB以上 | モデルサイズがそのまま要求量になります |
用途別の目安はゲーミングPCのメモリは16GBで足りるかで詳しく整理しています。迷ったときは「いま困っていないなら32GB」で問題ありません。1GBあたりの差は8%ほどなので、先回りして大容量を買っておく金銭的な利点は小さいままです。
CUDIMM同じ容量で45〜52%高くなります
クロックドライバを載せた新規格CUDIMMは、8,000MT/sを超える動作に実質的に必須です。同じ店の同じ日で、同じ容量どうしを並べるとこうなります。
| 構成 | 通常のDIMM DDR5-5600 | CUDIMM DDR5-6400 | 差 |
|---|---|---|---|
| 64GB 32GB×2 | 137,800円 | 200,200円 | +62,400円・45.3% |
| 16GB 単品 | 32,780円 | 49,800円 | +17,020円・51.9% |
ひとつ断っておくと、CUDIMM側はDDR5-6400、通常のDIMM側はDDR5-5600で、CUDIMMのほうが1段速い製品になっています。同じ速度どうしで比べれば差はもう少し縮みますが、CUDIMMを選ぶと同容量でも45〜52%多く払うことになるという関係は変わりません。9月15日の比較では14〜37%だったので、半月で差が広がっています。
必要になるのは8,000MT/s超を狙う場合に限られます。DDR5-6400までの常用域なら通常のDIMMで足り、上の価格差はそのまま浮きます。マザーボードの対応表で、目標クロックにCUDIMMが要るのかを先に確認してください。
背景AI向けHBMが、一般向けDRAMの生産枠を奪っています
DRAMメーカーはいまAI用GPUに載るHBM(広帯域メモリ)の製造に注力しています。HBMは利益率が高く、各社が製造ラインをHBM優先に切り替えた結果、PCで使う通常のDRAMの供給が相対的に不足しています。
「HBMを増やすとなぜ通常のDDR5まで足りなくなるのか」について、SK hynixは生産投資の説明で、HBMはシリコン貫通電極でDRAMを積層する構造上ダイが大きくなり、ウェハ1枚から取れる有効ダイ数が従来型DRAMより少なくなると説明しています。積層とパッケージングの工程も複雑なため、同じ生産能力でもHBMに割くほど通常DRAMへ回せる量が減る計算です。
加えて2025年12月、Micronは自社ブランドCrucialの一般向けメモリ・SSD事業からの撤退を発表し、店頭向けの出荷は2026年2月末で終わりました。理由は「成長の速い分野の大口顧客への供給を厚くするため」です。PCメーカーやスマートフォンメーカーへの供給は続けていますが、DRAM大手3社の1社が、店頭に並べる自社製品から手を引いたことになります。Samsungも2026年後半についてサーバーDRAM・エンタープライズSSD・HBMの需要拡大で供給不足が続くとの見方を示しています。
| 指標 | 2026年9月 | 前月比 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| DDR5 価格指数 2025年7月=100 | 544 | +11.9% | 8月に横ばいだった32GB帯も+10% |
| DDR3・DDR4 価格指数 | 292 | −3.1% | DDR4単独では3.3倍。逃げ場にならない |
| SSD 価格指数 | 225 | +0.5% | 横ばいでも2倍を超える水準 |
| GPU 価格 | 143 | +8.5% | メモリと同時に上がっている |
ドイツ市場の指数では、8月は48GB・64GBの大容量帯が上昇を主導し、16GB×2の32GB帯は横ばいでした。9月はその32GB帯も約10%上がり、値上がりが売れ筋の容量に広がっています。冒頭で見た32GBキットの半月での値上がりも、この動きと同じ方向です。値上がりの圧力は、大容量側から32GBの売れ筋まで降りてきたと考えてください。
波及値上げはゲーム機とパソコンにも届いています
影響は自作パーツの中で止まっていません。2026年はゲーム機とパソコンの完成品が、4月から9月にかけて相次いで値上げされました。メモリが上がっているのに完成品だけ据え置きという状態は、長くは続かないということです。
| 製品 | 実施日 | 価格 | 各社の説明 |
|---|---|---|---|
| PlayStation 5 | 2026年4月2日 | 97,980円 デジタル89,980円 / Pro 137,980円 | 世界的な経済環境の圧力 |
| Nintendo Switch 2 | 2026年5月25日 | 59,980円 49,980円から1万円の引き上げ | 市場環境の変化と、材料費を含むコスト上昇 |
| MacBook・iPadなど | 2026年6月25日 | 100〜300ドルの引き上げ | メモリとストレージの調達コスト上昇 |
| XMG・SCHENKERのノートPC ドイツのノートPCメーカー | 2026年9月18日 | 大半のモデルで100〜150ユーロの引き上げ SCHENKER KEY 18 Proは300ユーロ | DDR5 SO-DIMMの市場価格が2025年7月の約6倍 |
説明の書き方には差があります。メモリを名指ししたのはAppleとXMGの2社で、ソニーは「世界的な経済環境の圧力」、任天堂は「市場環境の変化」と「材料費を含むコスト上昇」としか述べていません。それでも半年足らずで4社が揃って値上げに動いた事実は、部品の調達環境が変わったことを示しています。
完成品の値上げは一度通ると戻りにくく、メモリ単体だけでなくPCやゲーム機の予算も上振れしたままです。必要な時期が決まっているなら、相場が下がるのを待つ理由は以前より薄くなっています。
ノートPC用のSO-DIMMは、デスクトップ用より上がっています
ゲーミングノートを検討している方にとって重要なのは、XMGが値上げの根拠として示した数字です。ノートPC用のDDR5 SO-DIMMは、2025年7月と比べて市場価格が約6倍になりました。XMGはドイツの価格比較サイトGeizhalsで流通量の多い3製品の店頭価格を追い、自社の調達価格も同じ割合で上がっていると説明しています。
比較の起点は、ドイツの3DCenterが集計しているDDR5価格指数と同じ2025年7月です。デスクトップ用DDR5が8月時点で4.9倍、ノートPC用SO-DIMMが約6倍で、ノートPC向けのほうが値上がり幅は大きくなっています。XMGはメモリ以外にもGPU、GDDR7のビデオメモリ、ノートPC向けのCPU、基板のコストが上がっていると述べています。
見通しも明るくありません。XMGは中期的に部品価格が落ち着くとは見ておらず、DRAMとNANDの供給不足が2027年以降も続くというMicronの見方を引いています。仕入れ値が下がれば販売価格にも反映すると約束していますが、今回の改定では前世代のRTX 5070搭載構成が35〜50ユーロ下がった程度にとどまりました。
「16GBで買って、あとからSO-DIMMを足す」という節約策は、モジュール単体が6倍になったいまは割に合いにくくなっています。購入時の容量アップにかかる差額と、SO-DIMMを単体で買い足す価格を比べてから決めてください。16GB×1枚の構成や、オンボード実装で増設できない機種もあります。メモリのスロット数と実装方式は、購入前に仕様表で確認してください。値上げの実例はRazer Blade 18(2026)の500ドル値上げ、DDR4構成へ切り替えた例はMSI Katana 15 HX C14のDDR4-3200追加にまとめています。
10〜12月契約価格は+10〜15%、上がり方が鈍るだけです
TrendForceは2026年9月30日、10〜12月期(第4四半期)のメモリ契約価格の予測を出しました。PCやサーバーに使う従来型DRAMは前期比10〜15%の上昇で、7〜9月期の13〜18%より伸びは小さくなります。一方でAI向けのHBMは8〜13%から15〜20%へ加速しており、メモリメーカーが生産枠をAI向けに寄せる流れは変わっていません。
| 品目 | 7〜9月期 見込み | 10〜12月期 予測 |
|---|---|---|
| 従来型DRAM PC・サーバー・スマホ向けなど | +13〜18% | +10〜15% |
| HBM AI向けGPUに載るメモリ | +8〜13% | +15〜20% |
| NAND型フラッシュ SSDの記憶素子 | +18〜23% | +15〜20% |
PC向けDRAMについては、3つの動きが挙がっています。部材高を反映した価格のノートPCが10〜12月に出回り、店頭の売れ行きを押し下げていること。それでもPCメーカーは2027年も供給が締まると見て、調達を緩めていないこと。そして、サーバー向けへ生産が移ることで、2027年はPC向けDRAMの供給そのものが減る可能性があることです。メモリメーカーは2026年のあいだ、PCメーカーやモジュールメーカーに約束した量を毎四半期出荷してきましたが、来年も同じ量が出てくるとは限りません。
この予測は、見出しや数字だけを拾うと読み違えやすい内容です。
| 読み違え | 実際 | 買う側への影響 |
|---|---|---|
| 上昇率が下がる=値下がりが始まる | 10〜15%は前期比の上げ幅です。7〜9月期に上がった価格から、さらに10〜15%上がるという予測です | 年末まで、モジュールメーカーの仕入れ値は上がり続けます |
| 店頭価格が10〜15%上がる | メモリメーカーとPCメーカー・モジュールメーカーが四半期ごとに決める契約価格の予測です | 店頭の値札は在庫の入れ替わりに合わせて、製品ごとにばらばらに動きます |
| 見出しの「Consumer-Side Pressure」=個人向けメモリの値上げ | ノートPC・スマホ・テレビなどのメーカーが、高い部材を吸収しきれずにいる状態を指しています | デスクトップ用DDR5の値上げ率を示す言葉ではありません |
| Consumer DRAM=個人が買うPC用DDR5 | TrendForceの区分では、テレビやネットワーク機器、SSDなどに使うDDR4以前のレガシー製品を指します | DDR5の値動きとは別の品目です |
店頭との関係は、この半月の値動きにそのまま出ています。32GBキットは13.7%、128GBは27.4%上がった一方、16GBの単品とDDR4は据え置きでした。ドイツの小売価格を毎月集計している3DCenterの指数でも、8月から9月にかけてDDR5は平均11.9%上がり、DDR4は横ばいです。契約価格の上昇は、全製品に一度にではなく、製品ごとに時間差で値札に乗ってきます。いま据え置きの製品も、次の入荷で値札が変わる可能性があります。
見通し年内に値下がりする材料は見当たりません
「いつまで続くのか」への答えです。10〜12月も契約価格が上がる前提で、年末までの32GBキットの着地を3つの方向で整理します。
| シナリオ | 条件 | 32GBの着地 |
|---|---|---|
| 楽観 いまの水準で止まる | ノートPCの売れ行き不振で店頭の在庫がだぶつき、契約価格の上昇が値札に届かないまま年を越す | 74,800円前後で横ばい |
| 中立 最も現実的 | 契約価格の10〜15%の上昇が、在庫の入れ替わりに合わせて店頭に順に乗る | 1割前後の上昇 |
| 悲観 さらに値上がり | 円安が進む、またはPC向けDRAMの割り当てがサーバー向けへさらに回される | 2割以上の上昇 |
為替も効いています。メモリチップは米ドル建てで価格が決まるため、円安が続く限り海外の値下がりが国内価格に届きにくい構造です。値上がり前の安値(DDR5 32GB=1.5〜2万円台)への回帰は、メーカーの生産がAI向けへ移った以上、現実的ではありません。底値そのものが切り上がったと考えるほうが実態に合います。
年が明けても楽にはなりません。TrendForceは2027年にPC向けDRAMの供給が減る可能性を挙げ、Micronも2026年9月30日の決算説明会で、2027年と2028年の需給は2026年よりはるかに逼迫すると説明しています。各社の見通しはメモリ不足はいつまで続くか、大手3社の見通しと買い時にまとめています。
MicronのPC・スマホ向け事業は、出荷量が減っても営業利益率88%です
メーカー側の数字を見ても、値下がりを待つ根拠は出てきません。Micronが2026年9月30日に発表した2026年度第4四半期の決算で、PCメーカーとスマートフォンメーカーにメモリを納めるモバイル・クライアント事業部の営業利益率は88%でした。1年前の同じ四半期は29%で、4つある事業部のなかで最も高い水準です。
| 事業部 | 売上(前四半期比) | 営業利益率(1年前→今回) | 売上が伸びた理由 |
|---|---|---|---|
| モバイル・クライアント PC・スマートフォン向け | 131億ドル(+14%) | 29%→88% | 価格の上昇。出荷量は減少 |
| コア・データセンター サーバー向け | 180億ドル(+56%) | 25%→85% | 価格の上昇と出荷量の増加 |
| クラウドメモリ 大手クラウド向け・HBM | 163億ドル(+18%) | 48%→76% | 価格の上昇と出荷量の増加 |
| 自動車・組み込み | 68億ドル(+47%) | 20%→79% | 価格の上昇と出荷量の増加 |
見てほしいのは「売上が伸びた理由」です。前の四半期より出荷したメモリの量が減ったのは、4事業部のうちモバイル・クライアントだけで、売上の14%増は値上がりの分です。会社全体ではDRAMの出荷量が前の四半期より5%前後、NANDが約10%増えているので、増えた分はデータセンター向けなど残りの3事業部に回った計算になります。
PC向けは量が減っても、単価の上昇で過去最高の売上が出ている状態です。メーカーには値下げして量を取りにいく理由がありません。Micronは2026年のPC・スマートフォン市場について、台数は2桁減る可能性があるものの高価格帯の好調で売上は伸びると見ており、自社もその高価格帯に注力すると説明しています。
この事業部の取引先はPCメーカーやスマートフォンメーカーで、店頭で売られるDDR5メモリそのものではありません。ただ、店頭のメモリモジュールもDRAMメーカーから買ったチップで作られており、チップの取引価格が上がるなかでモジュールの値札だけが下がるとは考えにくいです。決算をきっかけに相場が崩れるのを待つ買い方は成り立ちません。必要な容量が決まっているなら、容量と買い方の判断に沿って今の価格で決めてください。
セール大型セールを待ってもDDR5はほとんど下がりません
「ブラックフライデーまで待てば安くなるのでは」と考える方は多いはずですが、メモリに関してはこの発想が当てになりません。2026年7月のプライムデー期間中に実売を追跡した記録では、値引きの本命はモニターなどの周辺機器とSSD・HDDで、DDR5メモリはほぼ動かないまま終わりました。詳細はプライムデー2026で実際に下がった109点の記録にまとめています。
理由は単純で、店頭価格を決めているのがセールの値引き原資ではなくDRAMそのものの需給だからです。AI向けHBMへの生産配分と円安が押し上げている幅は、小売がセール期間だけ吸収できる大きさではありません。同じ理屈で、11月下旬のブラックフライデーや年明けの初売りでも、メモリだけは大きく下がらない可能性が高いと考えておくほうが安全です。ブラックフライデーは、契約価格が上がり続ける10〜12月期のまっただ中にあたります。
値引きが乗りやすいのはモニター・ヘッドセットといった周辺機器と、SSD・HDDです。PC一式を組むなら、周辺機器だけセールに合わせ、メモリは価格が動いたタイミングで押さえるほうが結果的に安く済みます。セール時期そのものの傾向はゲーミングPCが安くなる時期、パーツごとの現況はPCは今が買い時かにまとめています。
タイムセールで1つの型番だけ下がることはあります
大型セールとは別に、Amazon.co.jpのタイムセールで特定の型番だけが値引きされることはあります。10月3日には、CFD販売のデスクトップ用32GBキット「W5U4800CS-16G」(DDR5-4800・16GB×2)が、Amazon.co.jpの販売・出荷でタイムセールの対象になりました。1つの型番に期間限定の値引きが付いただけで、契約価格が上がり続けている流れは変わりません。
このキットは、表で32GBキットの最安だったApacerのキットと同じDDR5-4800・CL40・1.1Vの定格品です。速度がそろっているので、セール価格を10月2日の店頭最安74,800円と比べれば、得かどうかがそのまま分かります。下回っていれば、32GBキットをいちばん安く買える手段になります。CFD販売はこのシリーズに永久保証を付けており、購入から1か月以内に相性問題が出た場合は返品にも応じています。いまの価格はAmazon.co.jpの販売ページで確かめてください。
買う前に確かめたいのは2点です。1つ目は形状で、この製品はデスクトップ用の288ピンDIMMです。ノートPCが使う262ピンのSO-DIMMとは差し込み口が違い、ノートPCには挿せません。2つ目は速度で、定格のDDR5-4800はXMPやEXPOを有効にしなくてもそのまま動く代わりに、Ryzen 7000・9000で定番のDDR5-6000より遅い速度で動きます。速度ごとのゲームでの差はDDR5の速度別のゲーム実測差にまとめています。
判断容量と買い方で分かれます
- 32GBで足りる(74,800円。64GBキットより総額で63,000円軽く済みます)
- 64GBが必要と決まっている(1GBあたりは32GBキットより約8%安く、最安のCrucialは在庫限りです)
- DDR5-6400までの常用域で足りる(CUDIMMの45〜52%増を払わずに済みます)
- 相性の手間を許容できるなら16GBの単品を2枚(キットの最安より9,240円安く済みます)
- 大型セールを待つ(プライムデー2026でDDR5はほぼ動きませんでした)
- 上昇ペースの鈍化を値下がりの合図と読む(10〜12月期も契約価格は10〜15%上がる予測です)
- DDR4へ逃げる(894円/GBと安く見えますが、ドイツの集計ではDDR4も2025年7月の3.3倍です)
- 値上がり前の1.5〜2万円台に戻るのを待つ(生産がAI向けへ移り、底値自体が切り上がりました)
2026年10月のDDR5は、32GBキットの最安が半月で13.7%上がり、1GBあたりでは64GBキットより高くなりました。16GBの単品とDDR4は据え置きで、値上げは製品ごとに時間差でやってきます。TrendForceの予測では10〜12月期も従来型DRAMの契約価格が前期比10〜15%上がり、上がり方が鈍るだけで、下がる局面には入っていません。輸入物価の統計では1年で4.2倍、そのうち円安の寄与は約7%です。セールや為替を待つ意味は薄いので、必要な容量が決まっているなら、いま在庫のある最安値で押さえるのが無理のない選択です。
製品容量別に選ぶDDR5メモリ
相場が週単位で動いているため、ここでは金額を固定して書きません。実売はリンク先で確認してください。いずれもIntel XMPとAMD EXPOの両対応で、プロファイルを有効にするだけで定格速度が出ます。
64GBは1GBあたりの単価で32GBキットと1割も変わりません。必要な人は、32GBから買い足すより最初から64GBキットで揃えるほうが相性や動作クロックの面で扱いやすくなります。
FAQよくある質問
価格はパソコンSHOPアークのPCメモリー売り場で2026年10月2日に確認した税込価格です。在庫のある製品から容量別に最安を選んで1GBあたりへ割り戻し、9月15日に同じ方法で確認した価格と比べています。円建ての推移は日本銀行「企業物価指数」の輸入物価指数・品目「モス型メモリ集積回路」によります。ドイツの小売価格の動きは3DCenter「Speicherkrise-Preisindex August 2026」と同September 2026、四半期の契約価格見通しはTrendForceの2026年第4四半期メモリ契約価格予測、HBMと通常DRAMの生産能力の関係はSK hynix「Mid-to-Long-Term Investment Strategy」、2026年後半の需給見通しはSamsung Electronicsの2026年第2四半期決算発表、完成品の価格改定はPlayStation.Blogの価格改定告知・任天堂のニュースリリース・Appleの値上げ報道、Micronの事業部別の売上・利益率と出荷量の増減はMicronの2026年度第4四半期決算発表と決算説明会の原稿(PDF)、Crucialの撤退はMicronの発表、ノートPC向けSO-DIMMの値動きとXMGの価格改定はVideoCardz「XMG says DDR5 SO-DIMM costs increased nearly sixfold」によります。CFD販売のDDR5-4800キットの仕様と保証はCFD販売「W5U4800CS-16G」製品ページとメモリ相性保証申し込みフォームで確認しました。相場は週単位で動くため、購入前にリンク先で確認してください。







