MSI Raider 16 Max HX B2Wは買いか|ノート向けRTX 5090の24GBで動くローカルLLMの目安と日本価格【2026年10月】
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ノート向けRTX 5090の24GBで動くローカルLLMの目安
ゲーミングノートでローカルLLMを動かすとき、足りなくなるのはGPUの速さよりVRAMの容量です。MSIのRaider 16 Max HX B2Wは、ノート向けで最上位のGeForce RTX 5090 ノート向けGPU(VRAM 24GB)を積んだ16型で、2026年6月に発売されました。
結論は、24GBに収まる32B級までを日常的に使い、同じ1台でゲームも遊びたい人なら選べる、ということです。MSIストアで売られているのは、Core Ultra 9 290HX Plus・メモリ64GB・SSD 2TB・有機EL(240Hz)のB2WJ-2661JPで、価格は税込919,800円です。70B級のモデルは4bit量子化でも重みだけで約40GiBになり、このGPUには載りません。
ゲームだけが目的なら、RTX 5090にする理由は薄めです。海外レビューの実測では、同じ175W級のRTX 5080機との差は1割前後から2割でした。VRAM 24GBを使う用途があるかどうかが、この価格を払う分かれ目になります。

目次
結論先に結論|24GBが要る人だけ、RTX 5090機を選ぶ
- 32B級のモデルを4bit量子化で、長めの文脈も含めて動かしたい人
- ローカルAIと重い3Dゲームを、1台で両方こなしたい人
- 持ち出しは月に数回で、据え置き中心に使う人
- メモリ64GBを、GPUに載り切らない分の受け皿にもしたい人
- 8B〜14B級で足りる人は、VRAM 12GBのRTX 5070 Ti機でも動く
- 70B級を動かしたい人は、128GBの統合メモリ機のほうが合う
- ゲームの画質と価格を優先する人は、RTX 5080機との差額に見合うか要検討
- 毎日持ち歩く人は、本体約2.6kgに400Wの電源が付く点に注意
スペックスペックと価格|B2WJ-2661JPとRTX 5070 Ti機の違い
| 項目 | Raider 16 Max HX B2WJ-2661JP | Raider 16 HX B2WH-2689JP |
|---|---|---|
| CPU | Core Ultra 9 290HX Plus(24コア・24スレッド) | Core Ultra 9 275HX(24コア・24スレッド) |
| GPU | RTX 5090(ノート向け・VRAM 24GB) | RTX 5070 Ti(ノート向け・VRAM 12GB) |
| メモリ・SSD | 64GB(32GB×2)・2TB | 32GB(16GB×2)・1TB |
| 画面 | 16型有機EL・2,560×1,600・240Hz | 16型液晶・2,560×1,600・240Hz |
| 価格(税込) | 919,800円 | 539,800円 |
※B2WJ-2661JPはMSIストアの商品ページの2026年10月28日時点の表示。メモリは空きスロットがなく、2スロット合計で最大128GB。B2WH-2689JPの価格は同ストアの10月22日時点で、Raider 16 HXの購入判断記事で扱っています。GPUのVRAMはNVIDIAのノート向けGeForce RTX 50シリーズの仕様表。
2機種の価格差は380,000円で、中身の差はVRAMの12GBの増加だけではありません。メモリが32GBから64GB、SSDが1TBから2TB、画面が液晶から有機ELに変わるため、VRAMだけで割った単価では比べられません。VRAMが12GBで足りる使い方なら、安いほうの機種で十分です。
ほかの構成も同じシリーズにあります。液晶でCore Ultra 9 275HX・32GB・1TBのB2WJ-2650JPと、RTX 5080を積む有機ELのB2WI-2660JPです。TSUKUMOのB2WJ-2650JPとB2WI-2660JPは販売店に掲載があり、MSIストアで確認できるのはB2WJ-2661JPです。
16型の本体は363×269.7×28.85mmで、重さは約2.6kgです。ACアダプタは400Wで、PCWorldのレビューの測定では電源だけで約1.3kgあります。持ち歩きには向きません。
VRAMVRAM 24GBで動くモデルの大きさ|重みとKVキャッシュで計算
ローカルLLMでVRAMを使うのは、モデルの重みと、会話の文脈を覚えておくKVキャッシュです。重みの大きさは「パラメータ数×1パラメータあたりのビット数」で決まります。ビット数はllama.cppの量子化の解説にあるLlama 3.1 8Bの実測値で、Q4_K_Mが約4.89bit、Q6_Kが約6.56bit、Q8_0が約8.50bitです。ここから重みだけのサイズを計算しました。
| モデルの規模 | 重みのサイズ(Q4_K_M/Q8_0) | 24GBへの収まり |
|---|---|---|
| 8B級 | 約4.6GiB/約7.9GiB | どちらも余裕。12GBでも載る |
| 14B級 | 約8.0GiB/約13.9GiB | Q8でも載る。12GBはQ4まで |
| 32B級 | 約18.2GiB/約31.7GiB | Q4は載る。Q8は載らない |
| 70B級 | 約39.9GiB/約69.3GiB | 載らない |
※パラメータ数(8B・14B・32B・70B)に上のビット数を掛けた重みだけのサイズ。実際のファイルはモデルごとに多少ずれます。70BのQ4_K_Mの実ファイル(約43GB、約40GiB)はllama.cppの量子化の解説の実測値で、上の計算とほぼ同じです。
32B級のQ4_K_Mは重みだけで約18.2GiBで、24GBのうち残りは約6GiBです。ここにKVキャッシュと、画面表示などでGPUが使う分が入ります。KVキャッシュはモデルの構造で変わり、Llama 3.1 8BはLlama 3.1 8Bの設定ファイルの層数32・KVヘッド8・ヘッド次元128から、1トークンあたり128KiBです。8,192トークンで約1GiB、32,768トークンで約4GiBになります。
70Bは同じ計算で1トークンあたり320KiBで、32,768トークンなら約10GiBです(70Bの設定ファイルの層数80・KVヘッド8・ヘッド次元128から計算)。32B級を長い文脈で使うと、残りの約6GiBは余裕がなくなります。24GBで快適なのは、32B級のQ4で文脈を8,000〜16,000トークン程度に収める使い方が目安です。
重みがGPUに載り切らない場合は、一部をメモリに置いて動かせますが、速度は大きく落ちます。このモデルのメモリは64GBで、GPUからあふれた分の受け皿にはなります。ただし速度を求める用途では、VRAMに収めるのが前提です。
VRAMの違いは、ノート向けのRTX 50シリーズで比べると分かりやすくなります。NVIDIAのノート向けGeForce RTX 50シリーズの仕様表では、RTX 5090が24GB、RTX 5080が16GB、RTX 5070 Tiが12GB、RTX 5070が8GBです。RTX 5090(ノート向け)のメモリバス幅は256bitで、デスクトップ版のNVIDIAのGeForce RTX 5090(32GB・512bit)より狭くなっています。
ゲームゲーム性能|RTX 5080機との差は1割前後から2割
ゲームの実測は、海外レビューの数値が参考になります。海外のレビューは、Core Ultra 9 290HX Plus・RTX 5090(最大175W)・メモリ32GB・有機EL 240Hzの構成で、ゲームを複数測っています。日本のB2WJ-2661JPとはメモリとSSDの容量が違いますが、GPUの最大電力は同じ175Wのクラスです。
| Cyberpunk 2077(レイトレ Ultra) | 1080p | 2,560×1,600 |
|---|---|---|
| Raider 16 Max HX(RTX 5090) | 70fps | 42fps |
| Alienware 16 Area-51 RTX 5080 | 63fps | 39fps |
| ROG Strix Scar 16(RTX 5080) | 61fps | 35fps |
※出典は上記の海外レビューの数値。比較機はいずれもGPU最大175W。
RTX 5090機は、重いレイトレーシング設定でもRTX 5080機より1割前後から2割ほど上です。MSIはRTX 5080構成を約600ドル安く出しており、この差を払う価値があるかが論点になります。PCWorldのレビューでは、より安いRTX 5080搭載のLenovo Legion Pro 7i Gen 10に、ゲームで及ばない場面がありました。
CPUの電力設定にも注意が必要です。標準のBalancedモードではCPUが45Wに抑えられ、Apexモードで最大125Wまで上がります。ゲームでもGPUの伸びはこのモードの影響を受けるため、買った後はモードを切り替えて使う前提です。ファンの音は、高負荷時でも腕の長さで50dBA未満に収まります。
おすすめあなたに合うのはどっち
ローカルLLMも重いゲームも1台で済ませたいなら、B2WJ-2661JPです。VRAM 24GBとメモリ64GBは、32B級を長めの文脈で動かす余裕につながります。8B〜14B級しか使わないと決めている人は、VRAM 12GBのRTX 5070 Ti機のほうが予算を抑えられます。
他社比較70B級を動かしたい人は統合メモリ機と比べる
70B級を使いたい人には、VRAM 24GBのノートは向きません。Ryzen AI Max+ 395を積むミニPCは、メモリ128GBをCPUとGPUで共有でき、4bit量子化の70B級(重みで約40GiB)を載せる容量があります。ゲーム性能と持ち運びは犠牲になりますが、載せられるモデルの大きさはこちらが上です。
128GB機の選び方はFramework Desktop 192GB版の記事や、ローカルLLMの使い道とGPU選びの記事で、Radeonとの違いはRadeonのローカルAI比較で扱っています。
確認買う前に見ておきたい3点
- VRAMの上限:32B級のQ4で文脈を長く取ると、24GBは余裕がなくなります。使いたいモデルのファイルサイズに、KVキャッシュの数GiBを足して確かめてください。
- 電源と重さ:約2.6kgの本体に400Wの電源が付きます。USB-C給電も使えますが、PCWorldの測定では給電は最大140Wで、フルパワーは出ません。
- 売り場:B2WJ-2661JPはMSIストア限定の型番で、在庫はストアの表示で変わります。Amazonなどで同じシリーズを見かけても、型番と販売元、保証をページで確かめてから買ってください。
まとめまとめ|24GBが活きる人だけがRTX 5090機を選ぶ
B2WJ-2661JPは、VRAM 24GBで32B級の4bit量子化までを載せられ、メモリ64GBでGPUからあふれる分も受け止められる1台です。ゲーム性能はRTX 5080機に対して1割前後から2割の上積みで、ゲームだけなら差額に見合いにくくなります。
32B級のローカルLLMとゲームを1台でこなしたい人は919,800円で選べます。8B〜14B級なら12GBのRTX 5070 Ti機(539,800円)で足り、70B級は128GBの統合メモリ機のほうが合います。





