OBSの統計の見方|レンダリングラグ・エンコードラグ・ドロップフレームを分けてゲーム録画のコマ落ちを調べる【Windows 11】
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レンダリング・エンコード・ネットワークのどこで落ちたかを分けます
ゲームは滑らかなのに、録画や配信だけがコマ落ちする。OBSの「統計」には、描画で逃したフレーム・エンコードでスキップしたフレーム・通信でドロップしたフレームが別々の欄で出ます。
どの欄が増えたかで、次に変える設定が決まります。対象はWindows 11のOBS Studioです。
ゲーム画面は60fpsで動いているのに、録画した動画を見るとところどころ止まる。そんなときは、OBSの「統計」を開くと、フレームがどの段階で落ちたかが数字で分かります。ただ、統計は開いた瞬間の状態ではなく、起点からの累積を表示します。見るべきなのは数字そのものより、同じ場面で録った前後の増え方です。
欄は3つに分かれます。「レンダリングラグにより逃したフレーム」は映像の合成が間に合わなかった数、「エンコードラグによりスキップされたフレーム」は映像を圧縮する処理が間に合わなかった数、「ドロップしたフレーム (ネットワーク)」は配信の通信で送り切れなかった数です。ローカル録画のコマ落ちが前の2欄に出ているなら、配信のビットレートより先に描画とエンコードの負荷を見ます。録画が配信と設定を共有している場合や、配信を同時に動かしてPC全体の負荷が重なっている場合は、配信側の変更が録画にも響くので、まず録画の出力設定を確かめます。増えた欄に合わせて、ゲームのfps上限、シーンの重さ、出力解像度とfpsのどれかを1つだけ変えます。
判断の分かれ目は2つです。保存した動画を別のプレーヤーで再生しても止まるなら、録画時の問題を疑って統計を調べます。同じPCでは再生性能が共通の原因もあるので、それだけで確定はしません。逆に、統計の3欄がほとんど増えていないのに止まって見えるなら、再生側やファイルの問題を先に疑います。CPUやGPUの総使用率だけでは原因を決められないので、3欄の増分と保存した動画の両方を並べて見てください。
目次
切り分け止まって見えるのは、録画の中か再生側かを先に分けます
統計を見る前に、コマ落ちがどこで見えているかを分けます。録画ファイルを再生して止まるのか、配信の視聴側だけで止まるのか、OBSのプレビューだけが重いのかで、見る欄が変わります。
| 止まって見える場所 | 疑う段階 | 次にやること |
|---|---|---|
| 保存した録画が、どの再生ソフトでも止まる | 録画時のレンダリングかエンコード | 下の手順で統計の増分を取る |
| 保存した録画が、特定のソフトだけ止まる | 再生側のデコードや再生ソフトの設定 | 録画した動画が音だけで映像が出ない原因の手順で、別の再生ソフトとコーデックを確かめる |
| 配信の視聴側だけ止まり、保存した録画は滑らか | 配信の通信が第一候補。録画と配信で出力設定が別なら、配信側のエンコード負荷も残る | 配信の行の「ドロップしたフレーム (ネットワーク)」と、エンコードの欄の増分を両方見る |
| OBSのプレビューだけがカクつく | プレビューの描画負荷 | 録画した動画も止まるかを確かめてから、統計を取る |
別のプレーヤーで再生しても変わらない場合は、録画時の問題として統計の試験に進みます。再生ソフトによって結果が変わるときは、原因が録画の外にある可能性があるため、統計の数字を直す前に再生側を確かめてください。
見る欄統計の3つの欄が、どの段階の遅れかを示します
統計はメニューの「表示」にある「統計」から開きます。日本語版では、次の3つの欄が落ちた段階を分けて表示します。
| 統計の欄 | 意味 | 表示の形 |
|---|---|---|
| レンダリングラグにより逃したフレーム | OBSが映像を合成する処理が、フレームの時間内に終わらなかった | 逃した数 / 合成した数 (割合) |
| エンコードラグによりスキップされたフレーム | 合成した映像を圧縮する処理が追いつかず、飛ばされた | スキップ数 / エンコード数 (割合) |
| ドロップしたフレーム (ネットワーク) | 配信先へ送り切れなかった。接続が不安定か、設定したビットレートを維持できない | 配信の行にだけ、数 / 総数 (割合)が出る |
表示名はOBS Studio 33.0.1の日本語翻訳ファイルのとおりです。お使いの版で表記が違う場合は、欄の並びと意味で読み替えてください。
統計の割合は、表示の起点から今までの数を割ったものです。33.0.1の実装では、起点を取り直す操作が統計の「リセット」ボタンで、長時間の累積に薄まると、直近のコマ落ちが数字に出にくくなります。試験の直前にリセットを押し、録画を止めた直後の数字を記録してください。
ローカル録画では、ネットワークの欄は手掛かりになりません。33.0.1の実装では、この欄の算出は配信の行だけで行われ、録画の行は対象外です。録画のコマ落ちを調べているときは、前の2欄を見ます。
試験同じ場面で、試験前後の増分を取ります
1回の録画だけを見て数字の大小を判断するのではなく、同じ条件で録って増分を比べます。変えるのは1回に1つだけです。
- ゲームを、コマ落ちが出る場面に置きます。毎回同じ場所と同じ操作で、録画する長さもそろえます。
- 統計を開いて「リセット」を押し、録画を始めます。症状が出る長さで録り、止める直前の統計を撮影するか書き留めます。
- 3つの欄の「数 / 総数」を、記録シートに書きます。割合だけでなく、数と総数の両方です。
- 保存した動画をPCの再生ソフトで見て、コマ落ちの場所と統計の増え方が合っているか確かめます。
- 設定を1つだけ変えて、同じ場面で手順2〜4を繰り返します。
| 記録する項目 | 書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| OBSの版と画面の言語 | ヘルプの「OBS Studioについて」で確認した版(版ごとの変更点はOBS Studio 33.0.0の更新記事) | 欄の名前や挙動が版で変わりうるため |
| 場面と録画時間 | ゲーム名、場所、何分録ったか | 次の試験で同じ負荷にするため |
| 録画設定 | 出力解像度、fps、エンコーダー、ゲームのfps上限 | 変えた1条件を後から特定するため |
| 3欄の数と総数 | レンダリング・エンコード・ネットワークの数 / 総数 | 割合だけだと増えた量が分からないため |
| 動画で見えた症状 | 止まった時刻、音のずれ、見た目の変化 | 数字と体感を対応させるため |
次の一手増えた欄に合わせて、1つだけ設定を変えます
OBS公式の性能診断ページは、描画とエンコードの遅れをGPUの余力不足として扱っています。OBSは合成と描画にもGPUを使うため、ゲームがGPUを使い切ると、OBSに割ける分が残りません。
| 増えた欄 | 疑う段階 | 1つずつ試すこと |
|---|---|---|
| レンダリングラグで逃した | GPUの合成が間に合っていない | ゲームのfps上限か垂直同期を入れる。シーンのソースを減らす。OBSを管理者として実行する。裏で動くGPUを使うソフトを閉じる |
| エンコードラグでスキップした | 映像の圧縮が追いついていない | 出力解像度かfpsを下げる。ゲームの画質を下げてGPUの余力を作る。設定の「出力」で録画エンコーダーを確かめ、x264などソフトウェアならCPU負荷が主なので、プリセットを軽いものに変える。NVENC・AMF・QSVなどハードウェアなら、配信との同時出力で処理が重なっていないかを見る。エンコーダー自体の選び方はAV1エンコーダーの比較記事へ |
| ネットワークでドロップした | 配信の通信 | 配信のビットレートを、安定して出る上り速度の範囲に下げる。録画だけの問題には当てはまらない |
| どの欄も増えない | 録画の外にある可能性 | 再生ソフトとファイルを確かめる。PCゲームの録画方法の保存先と形式も見直す |
OBS公式は、ゲームのfps上限か垂直同期を使えば、OBSが合成に使える分が増えると案内しています。出力のfpsを下げる方法も、描画とエンコードの両方の負荷を減らす手として挙げられています。どれも改善の保証ではないので、変えたあとに同じ場面で統計の増分を取り直して確かめてください。
配信のビットレートは、配信先へ送る映像の設定です。録画のコマ落ちが「レンダリング」か「エンコード」の欄に出ているなら、まず録画の出力設定を見ます。録画が配信と同じエンコーダーを使っていれば配信側の変更がそのまま響きます。別のエンコーダーでも、同時に動かせばGPUやCPUの負荷は重なります。設定の「出力」で録画が独立しているかを確かめ、配信を止めた録画でも同じ数字が出るかで切り分けてください。
ログ総使用率で決めず、ログと記録を添えて相談します
タスクマネージャーのGPU・CPU使用率が100%に届いていなくても、OBSの欄が増えることはあります。総使用率だけで「余力がある」と決めず、3欄の増分と動画の症状を基準にします。
- 問題が出る録画を再現し、録画を止めます。
- OBSのメニュー「ヘルプ」の「ログファイル」から「現在のログを表示」を開きます。
- OBSを閉じてから開き直すと、そのログは「前回のログ」になります。問題が起きたセッションのログを使ってください。
- 改善しなければ、記録シートとログを添えて、OBS公式フォーラムなどで相談します。
33.0.1の実装では、割合が1%を超えると警告色、5%を超えると赤になります。ただし、これは表示色の切り替えで、「1%以下なら動画は正常」という保証ではありません。映像の止まり方と数字の増え方を見て判断してください。
FAQよくある質問
まとめまとめ|増えた欄を見て、1つだけ変えて、同じ場面で測り直す
ゲームは滑らかなのに録画だけ止まるときは、統計の3欄が、描画・エンコード・通信のどこで落ちたかを分けます。録画の問題か再生側の問題かを先に切り分け、リセット後の増分を同じ場面で記録し、増えた欄に対応する設定を1つずつ変えてください。
出典:OBS Encoding Performance Troubleshooting・OBS Stream Connection Troubleshooting・OBS Studio 33.0.1 統計ウィンドウの実装(OBSBasicStats.cpp)・OBS Studio 日本語翻訳ファイル(ja-JP.ini)・OBS Studio 33.0.1 メニュー定義(OBSBasic.ui)・OBS Forum ログを投稿する手順




