BTOゲーミングPCはケースを開けると保証が切れる?メモリ・SSD・グラボ増設のメーカー別対応を9社で比較【2026年版】
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メモリ・SSD・グラボ増設の扱いを主要9社の公式規約で確認
BTOゲーミングPCを買ったあと、メモリを16GBから32GBに増やしたい、NVMe SSDを追加したい、グラフィックボードだけ上位モデルに載せ替えたい——そう思ってケースを開けようとした瞬間に、「これをやったら保証が切れるのでは」と手が止まった経験がある人は多いのではないでしょうか。ネット上には「増設しただけでは切れない」という声も「メーカーによっては即アウト」という声も混在していて、どちらを信じればいいのか判断が難しいのが実情です。
結論を先に言うと、ケースを開けて増設しただけで、無条件に保証がすべて無効になるBTOメーカーは多くありません。ただし、その扱いは驚くほどメーカーごとに違います。増設パーツが故障の原因になった場合だけ対象外とする社、規約の適用除外事由に「内部部品の交換・追加」そのものを明記している社、指定工場以外での交換・増設を条文で保証対象外と定めている社、増設パーツ自体は保証しないが本体の修理対応には比較的柔軟な社まで、建付けは実に多様です。
この記事では、ドスパラ、マウスコンピューター(G-Tune・NEXTGEAR)、パソコン工房、FRONTIER、TSUKUMO(eX.computer)、arkhive(パソコンショップアーク)、パソコンショップSEVEN、STORM、サイコムの主要9社について、公式の保証規約・サポートFAQ・修理案内ページを直接確認し、増設行為そのものの扱い、増設が原因の故障の扱い、修理に出すときの推奨対応を一次情報ベースで比較します。公式ページに明確な記載が見当たらなかった項目は、憶測で断定せず「要問い合わせ」として正直に示します。
目次
前提「初期不良保証」と「無償修理保証」は別物
各社の増設ポリシーを比較する前に、BTOパソコンの保証には大きく2種類あることを押さえておく必要があります。初期不良保証は、購入から7〜30日程度(社によって異なる)以内に発生した不具合を、新品交換や優先対応で扱う短期間の保証です。
無償修理保証は、その後の標準保証期間(多くの社で1年)内に発生した自然故障を無償で修理する保証で、期間を過ぎると延長保証プランや有償修理に切り替わります。
今回取り上げる「増設すると保証はどうなるか」という論点は、主にこの無償修理保証(と、無償修理保証期間が終わったあとの延長保証プラン)に関わってきます。延長保証プランそのものの料金・補償範囲・物損対応の有無を比較したい場合は、BTO 8社の保証延長プラン徹底比較で詳しく扱っているので、あわせて確認してください。
この記事は延長保証の料金比較ではなく、「自分でケースを開けて増設・交換した場合」に標準保証がどう扱われるかという一点に絞って掘り下げます。
規約比較主要9社の規約・FAQを一次情報で確認した結果
各社の公式サイトに掲載されている保証規約・サポートFAQ・修理依頼ページを直接確認し、増設・交換行為そのものの規約上の建付けを軸に整理しました。表記が長い項目は各社カードで要約していますが、詳細な原文はカードの下で解説します。
- 増設・交換自体の建付け内部部品の交換・追加を適用除外事由に明記
- 増設が原因の故障規約上は増設自体が除外事由
- 修理に出す時の推奨対応公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- GPU等の有償交換サービス有償のグラボ交換・アップグレードサービスあり
- 増設・交換自体の建付け基幹構成部品以外の増設は直ちに対象外ではない
- 増設が原因の故障接触不良・設定誤りなど作業起因は対象外
- 修理に出す時の推奨対応公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- GPU等の有償交換サービス2026年2月時点でVGA単独交換は工場受付終了
- 増設・交換自体の建付け元の状態に戻せる増設は対象外事由に該当しない
- 増設が原因の故障増設部品が原因の不具合は対象外
- 修理に出す時の推奨対応外した部品は保管、元の状態に戻して発送
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- 増設・交換自体の建付け指定工場以外での交換・増設を対象外条文に明記
- 増設が原因の故障保証対象外条文に該当
- 修理に出す時の推奨対応公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- GPU等の有償交換サービス有償の公式アップグレードサービスあり
- 増設・交換自体の建付け増設自体の即時失効は明記なし
- 増設が原因の故障作業による外装破損等は対象外
- 修理に出す時の推奨対応公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- 増設・交換自体の建付け人為的操作(改造・部品交換)を対象外条件に明記
- 増設が原因の故障人為的操作起因の故障は対象外
- 修理に出す時の推奨対応出荷時の初期状態に戻して送付するよう明記
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- 増設・交換自体の建付け増設分を外し購入時の状態に戻すことが条件
- 増設が原因の故障改造とみなされれば対象外
- 修理に出す時の推奨対応増設パーツを外し購入時の状態に戻して送付
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- 増設・交換自体の建付け増設パーツ自体は動作保証の対象外
- 増設が原因の故障人為的操作起因は有償修理
- 修理に出す時の推奨対応公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
- 増設・交換自体の建付け増設パーツ自体は動作保証の対象外
- 増設が原因の故障増設パーツの故障は保証できない
- 修理に出す時の推奨対応増設パーツを付けたままでも送付可と明記
- GPU等の有償交換サービス公式ページに明記なし(要問い合わせ)
※2026年8月1日時点で各社の公式サイト(保証規約・サポートFAQ・修理案内ページ)を確認した内容にもとづきます。規約は改定される場合があるため、最新の条件は必ず各社の公式ページで確認してください。arkhiveの一部ページはアクセス制限により、Internet Archiveに保存されたキャッシュ(2026年7月23日取得)で内容を確認しています。
傾向分析規約の建付けで3つのグループに分かれる
9社の原文を読み比べると、大きく3つのグループに分かれることが分かります。「厳しい/緩い」という単純な優劣ではなく、規約の書き方(建付け)が違うという理解が正確です。
グループ1|増設・交換そのものを対象外条文に明記する社(ドスパラ・FRONTIER)
ドスパラの「パソコン製品保証規約(個人向け)」は、適用除外事項の4番目に「製品の内部に搭載されている部品を交換、欠落、追加、改造をしている場合」を挙げています。文言だけを読むと、メモリやSSD、グラフィックボードを内部で増設・交換した時点で、この除外事由に該当しうるという厳格な建付けです。
一方でドスパラはメモリ増設・グラボ交換の手順をサポートFAQで公開しており、有償のパーツ交換・アップグレードサービスも用意しています。
FRONTIERの保証規定は、第11条「保証対象外」に「販売後に当社指定工場以外で行われたハードウェアの交換や増設、設定の変更」と明記しています。さらに第9条では、初期不良期間内であっても「製品の構成が変更されている場合」は新品交換ではなく修理対応に切り替わるとしており、増設・交換に対する規約上の姿勢は9社の中でも明確です。
FRONTIERは有償の公式アップグレードサービス(リペアセンター経由)を用意しており、自分で作業せずに増設したい場合の選択肢になります。
グループ2|「原因になった場合のみ」という建付けの社(パソコン工房・マウスコンピューター・TSUKUMO)
パソコン工房の保証規約は、「商品を構成している部品等を新たに組み込み、または交換している場合であっても、購入時の状態に復することが容易な改造等である場合は、保証対象外事由に該当せず、保証対応を受けることができる」と明記しています。ただし続けて「その新たに組み込んだ、または交換した部品等を原因として対象商品に不具合を生じている場合は保証の対象外」とも定めており、増設した部品自体が壊れているケースは対象外という条件が付きます。
9社の中で、増設が保証対象外に「該当しない」と明文で書いているのはパソコン工房です。
マウスコンピューターの「標準製品保証規定」は、対象外事由として「基幹構成部品(マザーボード、CPU、ケース、電源及びACアダプター等)が、工場出荷時もしくは販売店でのご購入時の構成と異なる場合」を挙げています。メモリ・SSD・グラフィックボードはこの基幹構成部品には含まれていないため、増設・交換それ自体が直ちにこの条項に該当するとは読めません。
ただし別項目で「増設部品の接触不良、設定の誤り、改造、弊社サポートスタッフの指示によらないBIOSアップデート、オーバークロック等の動作を行ったことによる故障又は損傷」は対象外と定めており、増設作業のミスが原因の故障は保証されません。
なお、グラフィックボードの工場でのアップグレード・交換サービスについては、2026年2月13日更新のサポートFAQで「弊社ではグラフィックカード(VGA)の単体販売を終了しているため、弊社工場における交換・増設作業は承っておりません」と案内されており、自分で交換するか外部の修理業者に依頼する以外の選択肢が狭まっている点は把握しておく必要があります。
TSUKUMOのサポートFAQ「増設スロットの取扱いについて」は、「お客様が実施された作業による外装の破損などについては、弊社製品保証規定の対象外」としています。
増設という行為そのものを保証対象外とする明文は公式ページ上で確認できず、作業に伴うミスや破損が対象外という建付けに近いと考えられます。
グループ3|増設パーツ自体は対象外、本体の対応は運用面で確認できる社(arkhive・パソコンショップSEVEN・STORM・サイコム)
arkhive(パソコンショップアーク)の保証規約は、保証対象外事項として「故意、過失、改造、お客様による部品の交換など、人為的な操作に起因する故障または損壊・損傷の場合」を挙げています。
あわせて通信販売での修理依頼案内には「PC本体、BTOで購入時から構成を変更されている場合は弊社出荷初期状態に戻してお送りください」という一文があり、増設した状態のまま送ると検証がスムーズに進まない可能性があります。
パソコンショップSEVEN(ZEFTシリーズ)の保証規約では、初期不良保証・無償修理保証のいずれの項目でも「お客様でパーツなどを増設されている場合は増設されたパーツを取り外し、商品をご購入時の状態に戻してお送りください」と明記されています。
別項目の保証対象外事由には「一般的に別のパソコンと判別されるような改造を行っている場合(PCケースの交換、マザーボードの交換、CPUの交換など)」が挙がっており、メモリ・SSD・グラフィックボード程度の増設であれば、この「別のパソコンと判別されるような改造」に直ちに該当するとまでは読み取れません。
公式ページの文言を素直に読む限り、「増設分を取り外して初期状態に戻して送付すれば保証対応を受けられる」という条件付きの案内であり、増設した時点でPC全体の保証が無条件に失効すると断定できる記載はないというのが実際のところです。この点は解釈が分かれやすいところなので、増設予定がある場合は購入前にサポート窓口へ確認しておくと安心です。
STORMの「保証規定と免責事項」は、「お客様ご自身で後から取り付けられましたパーツや周辺機器につきましては当店では動作保証いたしかねます」と明記し、増設パーツ自体はパーツメーカーの保証に委ねる建付けです。
また「お客様が誤って破損させてしまった等の場合は無償修理期間中であっても有償修理となります」ともしており、増設作業中の人為的な破損は有償修理の対象になります。
サイコムの「BTOパソコン保証・免責事項」は、「お客様自身で取り付けられた周辺機器、パーツなどの動作につきましては弊社では基本的にサポートや動作保証はできません」としつつ、サポートマニュアルには「別途お客様の方で、増設いただいたパーツ等ございましたら、取付いただいたままで送付いただいてかまいません。万一、増設頂いたパーツが故障であっても保証はできませんので、予めご了承ください」という案内があります。
9社の中で、増設パーツを外さずに送付してよいと明文で案内しているのはサイコムだけでした。
今回確認したのはあくまで公式ページに掲載された規約・FAQの文言です。実際にサポート窓口へ問い合わせた際の対応が、規約の文言どおりとは限りません。「メモリを増設したい」「グラフィックボードだけ交換したい」という具体的な予定がある場合は、増設する前に一度サポート窓口へ確認し、回答内容を記録しておくことを推奨します。
作業リスクパーツ別に見る増設時の失敗パターン
規約上の建付けとは別に、増設作業そのものにも故障につながりやすい失敗パターンがあります。どのメーカーの規約でも「増設が原因の故障」は保証対象外になりやすいため、作業自体を丁寧に行うことが結果的に保証を守ることにつながります。
具体的な取り付け手順は、パーツごとに専用の記事で詳しく解説しています。作業前に一度目を通しておくと、規約上の「増設が原因の故障」に該当するリスクを減らせます。
初期不良期間届いてすぐの不具合はケースを開ける前に連絡する
今回確認した各社の規約に共通しているのは、初期不良保証の期間中は「症状の再現・確認」を前提に交換や修理を判断するという建付けです。もし届いたばかりのBTOパソコンで不具合が疑われる場合、増設・改造の有無にかかわらず、まずケースを開けずにサポート窓口へ連絡するのが基本的な対応になります。
パーツを自分で増設したり、確認のために分解したりしたあとでは、「初期不良なのか、作業によるものなのか」の切り分けが難しくなり、対応が長引く原因になりかねません。
「これは初期不良か、それとも自分の作業ミスか」を症状別に判断する具体的な基準や、BTO各社の初期不良対応期間・返金可否・送料負担の比較は、ゲーミングPC初期不良・返品完全ガイドで詳しく解説しています。増設を検討する前に、まず初期不良期間が過ぎているかどうかを確認しておくと判断がしやすくなります。
増設前後やっておくべき記録とパーツの保管
判断基準購入時カスタマイズで済ませた方が安全なケース
ここまで見てきたように、増設・交換に対する各社の規約は決して統一されていません。次のようなケースでは、あとから自分で増設するよりも、購入時のカスタマイズ画面でスペックを確定させておく方が結果的に安全です。
FAQよくある質問
まとめ規約はメーカーごとに違う、増設前に一次情報を確認する
BTOゲーミングPCのケースを開けて増設・交換した場合の保証の扱いは、メーカーによって規約の建付けが大きく異なります。「増設しただけでは切れない」も「メーカーによっては規約上明確に対象外」もどちらも部分的には正しく、9社を一括りにして語ることはできません。
増設を検討している場合は、まず購入した(あるいは購入予定の)メーカーの公式な保証規約・サポートFAQを直接確認し、必要であればサポート窓口に問い合わせて回答を記録しておくことをおすすめします。作業自体を丁寧に行い、取り外した純正パーツを保管しておくことも、結果的に保証トラブルを避ける近道になります。
BTOゲーミングPCの自己増設と保証の関係は、「規約上、増設・交換そのものを対象外条文に明記する社」「原因になった場合のみ対象外とする社」「増設パーツ自体は対象外だが本体の対応は運用で確認できる社」の3グループに分かれます。ドスパラ・FRONTIERは規約の文言が明確、パソコン工房は増設自体を対象外事由としない明記があり、サイコムは増設パーツを付けたままの送付を認めるなど、社ごとの個性がはっきり出ています。
増設前に該当メーカーの公式規約を確認し、不明点はサポート窓口に問い合わせておくことが、保証トラブルを避ける最も確実な方法です。



