ゲーミングPC初期不良・返品完全ガイド【2026年版】BTO 7社のRMAポリシー徹底比較+症状別診断+消費者保護まで
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BTO 7社のRMAポリシー徹底比較+症状別診断+消費者保護まで
「届いたばかりのゲーミングPCの電源を入れても何も反応しない」「1週間使えていたのに突然 BSOD(ブルースクリーン)が連発するようになった」「サポートに電話したら『ユーザー側の取り扱いに問題があった可能性が高い』と言われて修理代を請求された」——BTO PC や自作 PC で 初期不良に当たってしまったときの絶望感は、PC を組んだことがある人なら一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
問題は、「これは初期不良なのか、自分のミスなのか」を切り分ける判断軸と、BTO 各社の RMA(返品・修理)ポリシーを比較した正確な情報が、ネット上にほとんど散らかっていないことです。ドスパラ・マウス(G-Tune)・FRONTIER・ツクモ(G-GEAR)・パソコン工房・SEVEN・STORM——主要 7社の 初期不良対応期間・標準保証年数・返金可否・送料負担・サポート受付時間はそれぞれ大きく異なり、購入後に泣く前に把握しておくべき情報量は膨大です。さらに、クーリングオフ・特定商取引法・PL法・消費者ホットライン188といった法的根拠まで踏まえると、「不当な保証拒否は突き返せる」場面が想像以上に多くあります。
本ガイドでは、BTO 7社×8項目の網羅マトリクス・「初期不良 vs 自分のミス」を切り分ける判定フロー・POST前 8項目チェックリスト・MemTest86 / OCCT / 3DMark Steel Nomad など症状別診断ツール・サポート交渉術(症状動画の撮り方)・5つの実例・PSE/PL法までの消費者保護を 1本にまとめました。FurMark の Power Virus 化問題で現代の代替ツールが何か、Amazon マーケットプレイスでの 90日 A-to-z 保証申請方法まで含め、PCベンチマーク・ストレステストソフト完全ガイドと組み合わせれば、初期不良に遭ってから損なく解決するまでの道筋が一気に見通せるはずです。買ったその日から備えてください。
目次
1分で結論|症状別の最速対応フロー
「届いたPCが動かない/突然落ちるようになった、結論だけ知りたい」という方のために、症状ごとの最速対応を 1枚にまとめました。本編で詳細を詰めますが、まずこのフローで全体感を掴んでください。
POST前 8項目を確認 → それでも通電しなければ 初期不良の確率 80%。BTO ならその場でサポートに電話。自作なら最小構成で再検証。
DPケーブル交換・別のモニター接続・iGPU出力で切り分け。 初期不良 50/50。GPU側端子の差し直しと補助電源の挿入確認は必須。
XMP/EXPO を BIOS で OFF → 安定するなら メモリ相性 60%。MemTest86 を 4Pass 走らせて Errors=0 を確認。
バスタブ曲線の 初期故障領域に該当。初期不良の確率 70%。BTO 各社の初期不良対応期間(7〜30日)内なら無償対応の対象。
BTO PC で症状が出たなら、まず 各社の初期不良対応期間(ドスパラ 7日/マウス 30日/FRONTIER 14日/ツクモ 30日/パソコン工房 14日/SEVEN 14日/STORM 10〜14日)内かどうかを確認してください。期間内なら 送料は業者負担・修理 or 交換無料が原則。期間を 1日でも過ぎると標準保証扱いに変わり、初期不良対応の優先順位(交換・返金)が落ちます。気になる症状があるなら「様子見」せず、即サポートへ連絡するのが最大の損失回避策です。
「初期不良 vs 自分のミス」を切り分ける判断軸
BTO 各社や自作PCショップに駆け込む前に、その症状が「初期不良」なのか「自分の取り扱いミス・設定ミス」なのかを切り分けておくと、サポート交渉の通り方が大きく変わります。確率と切り分けポイントを整理しました。
これは 初期不良の典型例です。POST前 8項目(次セクション参照)を全部確認してそれでも通電しないなら、ほぼ確定。電源ユニット・マザーボード・CPU いずれかの初期不良がメインの原因で、ユーザー側のミスで再現できる症状はまずありません。BTO ならその場で電話、自作なら最小構成(CPU + メモリ1枚 + マザボ + 電源)で再現を取ってから初期不良として申告するのが鉄則。
初期不良とユーザーミスがほぼ五分の症状。DP/HDMI ケーブルの不良・モニター入力切替ミス・GPU 補助電源の挿し忘れ・iGPU 側に挿してしまっているといったユーザー側の原因が先に疑われます。別のケーブル → 別のモニター → CPU内蔵GPU出力 の順で切り分けを進めて、それでも映らないなら GPU の初期不良を疑う流れになります。
2026年現在、DDR5 メモリ + Ryzen 9000系 / Core Ultra 200系の組み合わせで頻発するパターンです。BIOS で XMP / EXPO プロファイルを OFF にしてみて症状が消えれば メモリ相性(厳密には CPU 側 IMC との相性)が原因。MemTest86 を 4Pass 以上走らせて Errors=0 を確認できれば メモリ自体は無罪。BSOD のエラーコード(MEMORY_MANAGEMENT や WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR など)も切り分けの有力ヒント。
故障率を時系列でグラフ化したときに 納入直後だけ突出して高い「バスタブ曲線の初期故障領域」に該当する典型パターン。最初は問題なくても、起動回数が 50回を超えたあたりから症状が出はじめるパーツは珍しくありません。BTO 各社の初期不良対応期間(最長で 30日)内なら無償対応の対象になりますので、症状が再現したら即サポート連絡を。
こちらはほぼ確実に ユーザー責任で保証対象外になります。寒冷地で梱包から出してすぐ通電したことによる結露、絨毯の上での組立による静電気破壊、机からの落下——いずれも GPU・マザーボード・SSD の保証規約で 明確に対象外と明記されています。「初期不良」と申告しても、シリアル傷や圧痕、PCBの焦げ跡から原因を特定されるため、嘘で押し通そうとしないこと。
パーツの故障率を時系列で見ると、納入直後の高い領域 → 安定領域(数年) → 摩耗で再び高くなる領域と推移します。これを浴槽(バスタブ)の断面に例えて「バスタブ曲線」と呼びます。納入直後の高い領域 = 初期故障領域こそが、BTO 各社の初期不良対応期間(7〜30日)が設定されている根拠。「ハズレを引いた」と感じたら遠慮なくサポートへ連絡してください。各社とも初期故障領域でのトラブルを前提に対応窓口を整備しています。
通電前に確認したい POST前 8項目チェックリスト
「電源を入れても無反応」と感じた瞬間、サポートに連絡する前にこの 8項目だけは必ず確認してください。BTO 工場でも自作でも、ここの単純ミスで「初期不良ではないのに動かない」状態に陥る事例が大半を占めます。
最も見落とされる項目。「I」が ON、「O」が OFF。輸送時にスイッチが触れて OFF になっているケースが多いです。
コンセント側と PSU 側の 両方を一度抜いて挿し直し。電源タップ自体の不良もまれにあります。
4pin 部分が浮いて 20pin 状態になっていないか。輸送振動でわずかに浮く事例があります。
半挿しでは POST が走らず無反応。8pin が 4+4 分離型の場合は両方とも完全に挿入されているか確認。
RTX 5090 / 5080 は 12V-2×6 必須。挿し込みが甘いと焼損リスクもあるため、奥までカチッと音がするまで挿す。
2枚差しは A2 と B2 が基本。マザーボード説明書のスロット番号を要確認。挿し込み不足で POST しないことも頻繁。
PWR_SW を逆挿しするとボタンが効きません。BTO PC で組立検査ミスがあるとここで詰まります。マザボ説明書で配列確認。
iGPU 側(マザボ I/O)と GPU 側(背面)の取り違え。dGPU 構成では必ず GPU 側に挿す。両方挿しは認識が不安定になります。
この 8項目を全部潰してそれでも通電しないなら、初期不良の確率は 80% 超え。BTO 購入なら遠慮なくサポートに電話してください。自作なら最小構成(CPU・メモリ1枚・マザボ・電源だけ)で再検証してから、ショップで購入したパーツの保証を使う流れになります。
症状別診断ツール|2026年現在の推奨
「とりあえず怪しいパーツに目星はついた、診断ツールで切り分けたい」というフェーズで使うべきツールを、症状別に整理します。FurMark は 2026年現在 Power Virus 化リスクで保証無効になる可能性があり、3DMark Steel Nomad / OCCT GPU 3D Adaptive へ置き換えるのがトレンドです。
メモリ診断の鉄板ツール。USB メモリに焼いて起動し、Windows を介さず直接 RAM をテストします。8GB で約 1時間、16GB で約 2.5時間 / 1Pass。4Pass 以上回して Errors=0 を確認できれば、メモリ自体は無罪。XMP / EXPO ON / OFF の両方でテストしておくと、相性問題なのか純粋な不良なのかも切り分けられます。
「MemTest86 を焼く USB メモリすら無い」場合の応急処置。Windows のスタートメニューで mdsched を実行 → 再起動でテスト開始。あくまで簡易判定で、MemTest86 と比べると検出力は劣ります。「明らかな不良」を弾く一次フィルター用と考えてください。
CPU の安定性確認には Cinebench R24 を 30分ループさせるのがバランス良し。スコアが cpu-monkey の標準値 ±10% 以内に収まっていれば問題なし。OCCT Linpack は過剰負荷でかえって異常終了しやすく、現代 CPU の安定性検証としては Cinebench R24 のほうが適切です。
GPU 性能・安定性の 一発判定ツール。Steam 無料版(デモ)でも実行可能。スコアが標準値を大きく下回る、画面に アーティファクト(緑色のゴミ・ブロックノイズ)が出る、テスト中に画面が暗転する——のいずれかが出たら GPU 不良を疑います。Time Spy はそろそろ世代交代で、Steel Nomad が現代の標準。
長時間負荷でサーマル・電源安定性まで含めて検証したいときの推奨ツール。FurMark は 2026年時点で「Power Virus」と認識する GPU メーカーが増えており、保証修理を断られるリスクがあります。OCCT GPU 3D Adaptive は GPU メーカー公認の負荷モードで、安全に高負荷をかけられます。30分実行してアーティファクト・温度暴走・落ちが無ければ合格。
SSD 健康度を一発で見られる定番ツール。健康度 100% が新品、95% を切ったら要監視。SMART 項目で 05(代替セクタ)C5(保留中セクタ)C6(修復不能セクタ)が 1以上で「注意」判定が出たら、データ消失の予兆。すぐにデータ退避してメーカー RMA を出してください。
NVMe SSD の シーケンシャル / ランダム速度を計測。スペックシートと 20%以上乖離していたら不良の可能性。サーマルスロットリング前に測る(PC 起動直後)のがコツ。M.2 NVMe + GPU排熱でスロットリングしている場合、ヒートシンク追加で解消することもあります。
電源ユニットの安定性確認。12V / 5V / 3.3V レールの電圧揺らぎをリアルタイム監視できます。12V が 11.4V 以下に落ちる場面が高負荷時に頻発するなら危険。電源容量不足か PSU 自体の不良。3DMark や Cinebench を回しながら計測すると判別が早いです。
FurMark はかつて GPU 安定性検証の定番でしたが、2026年現在は GPU メーカー側が「Power Virus」と認定し、過剰負荷扱いで保証修理を断る材料に使うケースが増えています。NVIDIA・AMD ともに公式ドライバ側で FurMark を検出してクロックを下げる挙動を入れている世代もあり、テスト結果自体の信頼性も微妙になっています。2026年の標準は OCCT GPU 3D Adaptive と 3DMark Steel Nomad の組み合わせ。詳しくは PCベンチマーク・ストレステストソフト完全ガイドでツール選定の根拠と実際の手順を解説しています。
パーツ別の初期不良率と典型症状
「自分が直面している症状の原因はどのパーツか」を絞り込むうえで、パーツ別の初期不良率と典型症状を把握しておくとスピードが上がります。業界データを整理しました。
| パーツ | 初期不良率 | 典型症状トップ3 |
|---|---|---|
| CPU | 0.3〜0.8%(最低) | POST しない(曲がりピン) / 特定コアで落ちる / 高温時即フリーズ |
| メモリ | 1.0〜2.5%(最多) | XMP有効で起動しない / BSOD MEMORY_MANAGEMENT / MemTest86 Error |
| マザーボード | 1.8〜3.2% | 特定スロット動作不良 / USBポート死亡 / BIOS 破損 |
| GPU | 0.5〜5%(メーカー差大) | 画面映らない / ベンチでアーティファクト / ファン回らずサーマル |
| SSD | 0.8〜1.5% | 認識失敗(NVMe 熱保護) / 速度激減 / CrystalDiskInfo「注意」 |
| 電源 | 0.5〜0.8% | コイル鳴き / 高負荷で電源断 / 12V 電圧不安定 |
| ケースファン | 5〜8%(最多) | 回らない / 異音 / LED 不点灯 |
傾向の読み解き
意外と覚えておきたいのは「メモリの初期不良率がパーツの中でも上位」であることです。CPU は工場検査が厳しく初期不良率が低いのに対し、メモリは CPU 側 IMC との相性で「動く / 動かない」が起こりやすいため、不良率の数字以上に「合わない確率」が高めに見えます。ケースファンは 個体差が大きく不良率が桁違いに高いですが、交換が容易で、サポート連絡せずに自分で替えるユーザーが多いため、表に出にくいだけです。GPU はメーカー差が極端で、同じモデルでも初期ロットと量産ロットで不良率が 10倍違うことも珍しくありません。
BTO 7社 RMAポリシー徹底比較|初期不良対応・保証・送料
本ガイドの最大の差別化ポイント。国内主要 BTO 7社の 初期不良対応期間・対応の優先順位(修理/交換/返金)・送料負担・標準保証年数・延長保証・サポート受付の 8項目を 1枚に整理しました。
共通項目:自己都合返品は7社すべて不可(受注生産のため)。送料も初期不良期間内は7社すべて業者負担(往復)。以下のカードでは差が出る項目だけを掲載しています。
- 初期不良対応
- 30日
- 対応の優先順位
- 修理(安心パックで新品交換)
- 返金可否
- 安心パック加入で可
- 標準保証
- 3年(2023/4 以降の新型番)
- 延長保証
- 最長 5年
- サポート受付
- 24時間365日電話
- 初期不良対応
- 30日
- 対応の優先順位
- 交換/同等品/返金
- 返金可否
- 交換不可時は可
- 標準保証
- 1年
- 延長保証
- 3年(+5%で物損対応)
- サポート受付
- 電話/メール/持込
- 初期不良対応
- 14日
- 対応の優先順位
- 交換/同等品/返金
- 返金可否
- 交換不可時は可
- 標準保証
- 1年
- 延長保証
- 最長 4年
- サポート受付
- 24時間365日電話
- 初期不良対応
- 7日(アプリ会員で 30日)
- 対応の優先順位
- 修理優先
- 返金可否
- 原則不可
- 標準保証
- 1年
- 延長保証
- 3年(セーフティ月額制)
- サポート受付
- 電話/メール/チャット/持込
- 初期不良対応
- 14日
- 対応の優先順位
- 修理 or 同等品交換
- 返金可否
- 不可(修理/交換)
- 標準保証
- 1年(FREXARは3年)
- 延長保証
- 3年(プレミアム)
- サポート受付
- 電話/メール
- 初期不良対応
- 14日(延長で 31日)
- 対応の優先順位
- 修理優先
- 返金可否
- 原則不可
- 標準保証
- 1年
- 延長保証
- 3年
- サポート受付
- 電話/メール
- 初期不良対応
- 10日(申告)/14日(到着)
- 対応の優先順位
- 同一商品の新品交換のみ
- 返金可否
- 不可(返品キャンセル不可)
- 標準保証
- 1年
- 延長保証
- 3年(パーツ代は実費)
- サポート受付
- 電話/メール
マウス(G-Tune)が頭一つ抜けている
表で素直に読めば マウスコンピューター(G-Tune)が頭ひとつ抜けた総合点です。初期不良対応 30日・標準保証 3年・24時間365日電話サポート・延長最長 5年の組み合わせは他社が並べていません。2023年4月11日以降の新型番から標準保証 3年に延長されており、購入時点で他社より 2年分のリスクヘッジが効いている状態。安心感重視ならマウス一択になります。
ツクモ(G-GEAR)とパソコン工房は「返金が選べる」のが強み
ツクモとパソコン工房は 初期不良時に「同商品交換 → 同等品交換 → 返金」と選択肢が並ぶのが利点。「もうこの構成は要らない、お金を返してほしい」という選択肢が実質残っているのはこの 2社だけ(マウスは安心パック加入時のみ可)。気が変わりやすい人には大きな安心材料。パソコン工房は 24時間365日電話受付もあり、サポート品質ではマウスに次ぐ位置づけです。
STORM は要注意|返品キャンセル不可
STORM は初期不良対応が「同一商品の新品交換のみ」で、返金や同等品交換の選択肢はありません。さらに 返品キャンセル自体が不可と明文化されています。価格訴求が強いブランドではありますが、「気に入らなかったから返金してほしい」「色違いに変えたい」が一切できない点を購入前に把握してください。コスパとサポート柔軟性のトレードオフが極端なブランドです。
ドスパラはアプリ会員登録で初期不良 30日に
ドスパラはデフォルトでは 初期不良対応期間 7日と短めですが、ドスパラアプリの会員登録で 30日に延長されます。購入後すぐに会員登録しておけば、他社並みの安心圏に入れる仕掛けです。「ドスパラで買うけど 7日は短すぎる」と感じたら、まずはアプリ登録から。
BTO PC は 受注生産(カスタム生産)のため、いずれの主要 7社も 「気が変わった」「色が思っていたのと違った」を理由とする自己都合返品は不可と明記しています。これは 特定商取引法上の「通信販売は事業者が返品特約を定めれば適用」ルールに基づき、各社が「カスタム品ゆえ返品不可」と特約を設定しているため。BTO の場合、購入前に構成・ケース・色を入念に確認しておくのが基本姿勢です。
RMA(修理返送)の標準手順|代理店経由 vs メーカー直接
パーツ単体で買った場合、初期不良が出た際の RMA(Return Merchandise Authorization)手順は購入チャネルで大きく異なります。標準的な流れを 5ステップで整理しました。
領収書(PDF可)・購入店メール・商品箱記載のシリアル番号(S/N)を最初に控える。シリアルシールを剥がしたら保証無効になるメーカーが多いので絶対に剥がさない。
スマホ縦撮りで 1分以内・症状の発生瞬間までを撮る。動画にはケース全景 → 電源スイッチ押す瞬間 → 反応の有無、を順番に収める。日付がメタデータに残ることが重要なので加工しないこと。
購入チャネルに応じて窓口が分岐。代理店経由(ASUS GPU 国内・CFD扱い MSI/Gigabyte 等)は代理店窓口へ。メーカー直接(WD・Samsung・Crucial 等)は公式 RMA ページ → シリアル入力 → メールで RMA 番号発行。
元の箱・緩衝材で梱包し、RMA 番号を箱外側にマジックで明記。送り状の品名は「PC パーツ」と書く。国内代理店は通常 1〜2週間、海外メーカー直送(一部マザボ)は EMS 自費で 3〜6週間。海外送付は紛失リスクもあるため追跡可能便で。
メーカー検査後、不具合が認められれば 修理品 or 同等品が返送される。「初期不良ではなく取り扱い起因」と判定されると有償になり、見積メールが届く。納得できなければそのまま返却を要求して別ルートを探す。
Amazon・楽天で買ったパーツの場合
Amazon 直販なら 30日返品ポリシー、初期不良返送料無料が適用されるため、メーカー RMA より早く済むケースがほとんど。マーケットプレイス出品は通常返品 30日 + A-to-z 保証申請が 90日使えるため、出品者対応が悪ければ A-to-z で押し切る選択肢もあります。Amazon Renewed(再生品)は 90日 Renewed 保証が標準。楽天は各ストアの個別ポリシーに依存するので、購入前に「初期不良対応」記載を必ず確認しておきましょう。
サポート交渉術|症状動画の撮り方とメール vs 電話
サポートとのやり取りは 「証拠の残し方」と「言葉選び」で結果が変わります。実戦で使える 4つのコツを共有します。
コツ1|症状動画は 1分以内・縦撮り・日付込み
サポートが受け取って判断材料にしやすいのは 1分以内・スマホ縦撮り・日付がメタデータに残った無加工動画です。電源を入れる瞬間 → 反応の有無を 1カットで撮るのが理想。複雑な編集は「再現性が疑わしい」と捉えられるため避けてください。撮影日時が動画ファイルに残る形式であれば、本記事を読んだ直後に撮ったものでも有力な証拠になります。
コツ2|メールで証拠 + 電話で予約番号取得
「メール vs 電話」の二者択一ではなく、両方使うのが最速。(1) まずメールで症状動画を添付して送付(証拠を残す)→ (2) 電話で問い合わせ番号を取得(処理が早い)の順で進めると、「メールしただけで音沙汰なし」になりがちな期間を省けます。電話のみでは「言った/言わない」になり、メールのみでは数日待たされます。両刀使いが正解。
コツ3|「到着直後から再現」「ケース未開」「他社パーツ未付替」を強調
初期不良として認められやすい伝え方は、「到着直後から症状が出ています」「ケースは開けていません」「他社パーツは付け替えていません」の 3点を最初に明言すること。これらが満たされていれば、サポート側は 「ユーザー側で起こした不具合の可能性」を排除しやすくなり、保証対応の方向で動きます。あいまいに「数回使ってから症状が出た」と言うと、ユーザー責任を疑われる隙が生まれます。
コツ4|長期化したら「代替機 → 新品交換 → 返金」の順で要求
修理が長引いた場合の交渉順序は (1) 代替機の貸出 → (2) 同等品の新品交換 → (3) 返金。各社とも初期不良対応は「修理優先」が基本ですが、修理が 1ヶ月を超えるようなら代替機貸出を要求できる余地があります。さらに長期化なら新品交換を、それでもダメなら返金を、と段階的に要求を上げていくのが定石。「ゴリ押し」ではなく 「明文化された対応の中で順番に上げていく」のがポイントです。
保証適用外になりやすい 6パターン|事前回避が肝心
「初期不良として申告したが保証対象外と判定された」事例の典型を 6つ挙げます。買った直後・組み上げ直後の自分の行動が以下に該当していないか、振り返ってください。
- OC・LN2 冷却・BIOS 失敗:自己責任で改造した痕跡が残ると、即「ユーザー責任」と判定。OC 設定を保存した BIOS のままサポート送付すると不利になります。BIOS デフォルトに戻してから送るのが鉄則。
- 物理破損(落下・液体・ピン折れ):CPU の曲がりピン・GPU の物理的歪み・基板への液体侵入は、サポート側で ピン拡大写真や基板を見れば一目で分かるため言い逃れできません。落下させてしまった場合は素直に有償修理ルートで進めるのが現実的。
- シリアルシール剥がし:GPU・マザーボード・SSD のシリアルシールを 少しでも剥がす・破ると保証無効。ケースに入れるときに干渉しても無理に剥がさず、シールを生かしたまま組むのが基本。
- 結露:寒冷地で梱包から出してすぐ通電すると、基板内部に結露が発生して通電による回路ショートを起こします。非動作中の結露も対象外と明記している業者が大半。冬場は梱包を開けてから 2〜3時間は室温に慣らしてから通電を。
- 静電気:絨毯や毛布の上での組立は静電気で半導体破壊のリスク。静電気防止リストバンドを使うか、金属に触れて放電してから組むのが必須。事故後の判定は基板焦げ跡で見抜かれます。
- 保証期間切れ後:当然ですが、保証期間の切れた後の故障は対象外。標準 1年(マウスは 3年)の保証期間を把握しておき、切れる前に異常が出たらすぐ申告するのが正解。
症例集 5例|現場で起きた典型トラブル
本記事の信頼度を高めるために、自作 / BTO 現場で実際に起きた 典型トラブル 5例を症状・原因・対処の 3点セットで整理しました。自分の状況と照らし合わせてみてください。
原因:フロントパネルの PWR_SW ピンが マザーボードに逆挿しされていた。BTO 工場での組立検査で見落とされたケース。輸送時に振動で抜けかけた可能性も。
サポートに即連絡。BTO の場合は 工場検査ミスとして 100% 初期不良扱いになり、修理 or 交換で対応してもらえました。送料も業者負担。自分で開けて挿し直すと「ユーザー改造」になる可能性があるため、必ずサポートを通すこと。
原因:Ryzen 7 9800X3D + DDR5-6000 EXPO 設定の メモリ相性問題。MemTest86 では Errors=0 が出るのに、Windows 上の高負荷時のみ落ちる典型。CPU 内蔵 IMC(メモリコントローラ)と特定メモリチップの組み合わせで頻発します。
BIOS で EXPO を OFF にして DDR5-4800 で起動すると安定。これでメモリ自体は無罪と判定し、初期不良ではなく相性として処理。BIOS 更新で改善することも多いため、まずは マザーボードベンダーの最新 BIOSを当ててから再評価。
原因:GPU 本体の サーマルパッド(VRAM 周辺)の初期不良。一部のロットで密着不良があり、特定箇所だけ温度が異常上昇 → ファンが最大回転し続ける症状。Gigabyte の 5080 / 5090 モデルで散発的に報告されています。
代理店窓口に RMA 申請。症状動画(HWiNFO64 で VRAM 温度が 90°C を超えている画面)を添付して送付したところ、初期不良として新品交換に対応してもらえました。送料は代理店負担。分解せず純正状態のまま送ることが認定の決め手。
原因:M.2 スロットが GPU 直下に位置しており、GPU 排熱で SSD が 80°C を超えて熱保護動作(自動切断)を起こしていた。SSD 自体は不良ではなく、マザーボード設計と組み合わせの問題。
M.2 ヒートシンクを後付けし、ケースに サイドファン増設で GPU 排熱を逃がす。これで SSD 温度は 60°C 台で安定し、認識失敗も解消。初期不良としての RMA は出さず、構成側で改善するのが現実解になります。
原因:GPU の PCIe スロット側の接触不良。輸送時の振動でわずかに浮いていた + GPU 補助電源(12V-2×6)が半挿し状態だった。負荷時のみ電力供給がブレて再起動を引き起こすパターン。
PCIe スロットへの GPU 再装着 + 補助電源の抜き差しで完全解消。サポート連絡前に試したい初手 No.1 の対処。長尾製作所 SS-NVGASTAY-L 等のサポートステイを併用すれば、輸送振動による再発も予防できます。詳しくは GPUサポートステイ完全ガイドを参照。
法的根拠と消費者保護|クーリングオフ・PL法・188
「サポートに不当な保証拒否をされた」「修理代金が異常に高い」と感じたとき、消費者側にも 明確な法的根拠があります。BTO 各社・パーツメーカーに対して使える 4つの制度を整理しました。
多くの方が誤解していますが、BTO 通販を含む通信販売はクーリングオフ制度の対象外です。クーリングオフは訪問販売・電話勧誘販売など 事業者主導の販売形態に限られた制度。BTO 通販は消費者側から能動的に注文する性質のため対象になりません。
特定商取引法第15条の3に基づき、通信販売の事業者が 「返品不可」の特約を分かりやすく明記していない場合、商品到着から 8日以内に契約解除できます。送料は購入者負担ですが、BTO 各社は明記しているため実質使えないのが現実。個別ストアで明記がなければ援用可能です。
製造物責任法(PL法)はハードウェアも対象ですが、欠陥が「生命・身体または他の財産」に損害を与えた場合のみ製造者に賠償請求可。製品自体の故障だけでは PL 法は使えません(その場合は瑕疵担保責任)。たとえば PSU 発火で家具が燃えたケースなら PL 法の対象になります。
「サポートに不当な保証拒否をされた」「明らかにユーザー側のミスではないのに有償修理を請求された」と感じたら、消費者ホットライン 188(イヤヤ)に連絡を。最寄りの消費生活センターにつながり、国民生活センターによる調停に進める可能性も。事業者と直接交渉が決裂した場合の 第三者ルートとして記憶しておく価値があります。
消費者ホットライン 188(イヤヤ)は 全国共通・通話料は加入電話の発信者負担のみで相談料は無料。最寄りの消費生活センターまたは国民生活センターにつながり、専門相談員が事業者との交渉方針について助言してくれます。「BTO ショップが一方的に有償修理判定をしてきた」「明らかに初期不良なのに対応してくれない」といった案件は、事業者と直接交渉が決裂した時点で 188 へ。第三者目線で動いてくれる窓口があることを知っておくだけでも交渉力が変わります。
主要なおすすめ診断アイテム|トラブル時の必需品
初期不良診断・サポート交渉に役立つ 物理アイテム 4点を紹介します。どれも数千円で揃うため、PC を組む / 買うタイミングで揃えておくと初動が早くなります。




まとめ|初期不良に当たっても損しないための要点
本ガイドの要点を整理します。
- 症状別最速対応はカード形式で押さえる。電源無反応 → POST前 8項目チェック、画面映らない → ケーブル / iGPU で切り分け、BSOD → XMP/EXPO OFF + MemTest86、1〜2週間後の故障 → 初期不良対応期間内
- 「初期不良 vs ミス」の判断軸を持つ。電源無反応 80%、画面映らない 50%、BSOD 60%、後発故障 70%、結露 / 静電気 / 落下は 0%(保証外)
- POST前 8項目を必ず確認。電源スイッチ・電源ケーブル両側・24pin・8pin・GPU 補助電源・メモリスロット A2/B2・フロントパネル・HDMI/DP の挿し場所
- 診断ツールは MemTest86 + Cinebench R24 + 3DMark Steel Nomad + OCCT GPU 3D Adaptive + CrystalDiskInfo。FurMark は Power Virus 化リスクで非推奨
- BTO 7社の総合点首位はマウス(G-Tune)。初期不良 30日 + 標準保証 3年 + 24時間365日 + 延長最長 5年。ツクモ・パソコン工房は返金選択可で柔軟性高め
- STORM は要注意:返品キャンセル不可・初期不良対応は同一商品の新品交換のみ
- ドスパラはアプリ会員登録で初期不良対応を 7日 → 30日に延長できる
- RMA は購入証明 + シリアル + 症状動画 + RMA 番号の 4点セット。代理店経由 1〜2週間、海外メーカー直送 3〜6週間
- サポート交渉は症状動画 + メールで証拠 + 電話で予約番号。「到着直後から再現」「ケース未開」「他社パーツ未付替」を強調
- クーリングオフは通信販売に適用外、特商法 8日返品は返品特約未明記時のみ、PL 法は他財産損害時のみ、消費者ホットライン 188 で第三者ルートあり
ゲーミング PC の初期不良は、「ハズレを引いた個人の不運」ではなく「市場全体で一定確率発生する想定済みのイベント」です。BTO 各社が初期不良対応期間(7〜30日)を設定しているのは、まさにこのバスタブ曲線の初期故障領域を吸収するため。気付いた瞬間に正しい手順で動けば、ほぼ全ケースで 送料業者負担・修理 or 交換無料で復帰できます。
本記事の要旨は 「症状ごとの最速対応 → POST前 8項目 → 診断ツール → BTO 7社のポリシー比較 → サポート交渉術 → 法的根拠」の順で 1本に集約しました。新規 PC を買った瞬間から実機が動かない焦りに飲まれず、まずは PCベンチマーク・ストレステストソフト完全ガイドで 1時間程度の動作検証を済ませておくのが最大の保険になります。初期不良対応期間内に検出できれば、ユーザー側の負担はほぼゼロ。気付かずに期間を過ぎてしまうのが最大の損失です。本記事をブックマークしておき、いざという時にすぐ参照できる体制を整えておいてください。



