PC騒音計測・ファンカーブ設定 完全ガイド【2026年版】FanControl・BIOS・MSI Afterburner
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「ゲームを始めるとPCの音が急に大きくなる」「動画視聴中もファン音が気になる」など、騒音の原因は負荷やPC構成によって異なります。GPU・CPU・ケースファンだけでなく、ポンプや電源、コイル鳴き、ケースの共振が音源になる場合もあります。
ファンカーブを変えると、冷却温度と騒音のバランスを調整できます。どれだけ静かになるかはPCの構成、室温、負荷、測定環境によって変わるため、変更前後を同じ条件で比べてください。ハードを買い替える前に、BIOSやFanControlでファンの動作を確認し、GPUは対応状況に応じてMSI Afterburnerまたはメーカー公式ソフトで調整できます。
スマホ騒音計の値はアプリ・端末・校正条件によって差が出るため、同じ場所・距離での前後比較に使います。ファンカーブは全機種共通の正解を当てはめず、温度と回転数を見ながら段階的に調整してください。FanControlは公式配布元で案内されている最新版を入手し、BIOSやGPUソフトはPCの対応状況に合わせて使い分けます。
FanControlの版と機能はV284リリースノートと公式ドキュメント、AMD SoftwareはAMD公式ガイド、Noctua NF-A12x25 G2の公称騒音値はメーカー仕様を参照しました。スマートフォン騒音計の精度は、米国国立労働安全衛生研究所の研究者による評価で基準値との差が小さいアプリと大きいアプリに分かれたことが報告されています。Android端末での測定実験でも、校正していない生の値は端末間でそのまま比べられないと説明されています。そのため固定の誤差幅は示していません。
変更前に標準設定、温度、ファン回転数を記録し、マザーボードの説明書でファンヘッダーの仕様と接続機器の対応を確認します。回転中のファンには触れず、電源を切った状態で配線や異物を確認してください。変更後は負荷時と再起動後にファンが始動し、温度と回転数が安定するか確かめます。止まったまま、温度が大きく上がる、異音が出る場合は設定を戻して標準制御へ復帰してください。
目次
011分で結論|騒音を比べるときの基準
騒音の数値は測定距離・暗騒音・測定器で変わります。特定のdB値を全PC共通の合否基準にせず、同じ環境での変更前後を比べます。
| 見る項目 | 比較の方法 | 注意点 | 次の対応 |
|---|---|---|---|
| PC停止時 | 背景音を記録 | 暗騒音が違う値は直接比較しない | できるだけ環境をそろえる |
| アイドル時 | 同じ位置・同じ時間で測る | 端末・アプリを固定 | 温度とRPMも記録 |
| ゲーム負荷時 | 同じゲーム・設定で測る | 負荷や室温をそろえる | 温度・電力も確認 |
| 変更後 | 変更前と同じ条件で測る | 測定値は自分の環境内で比較 | 異常があれば設定を戻す |
目標値は設置場所やマイクとの距離、用途によって変わります。異音や振動がないか確認したうえで、同じ条件の測定値・温度・回転数を前後で比べてください。
02PC騒音をスマホで測る方法 ―精度の限界も含めて
「うるさい」を設定変更の前後で比べるには、同じ測定条件で記録する方法があります。スマートフォンの騒音計アプリは手軽ですが、測定結果はアプリ・端末・マイク・校正条件によって異なります。校正済みの騒音計と同等の絶対値として扱わず、同じ端末・アプリ・位置・向きでの前後比較に使ってください。
スマホ騒音計アプリの精度
騒音計アプリの精度はアプリと端末の組み合わせでばらつきます。スマートフォン内蔵マイクの特性や校正の有無も結果に影響するため、特定の誤差幅をすべてのアプリに当てはめることはできません。設定変更の前後を比べる場合は、同じ端末・アプリを同じ位置と向きで使い、背景音やPC負荷もそろえます。絶対的な音圧を記録する場合は、校正済みの騒音計を使ってください。
iOS:NIOSH Sound Level Meterは米国国立労働安全衛生研究所が公開したiOS向けアプリです。対応機種や測定条件を含むアプリの案内を確認して使ってください。
正しい測定姿勢(重要)
- マイク位置を決めて固定する:実際にPCを使う位置に近い距離・高さを選び、位置・向き・距離を記録して前後でそろえます。ケースの近くで測る場合も、排気口の位置など測定場所を毎回同じにしてください。
- 暗騒音も一緒に記録する:周囲の機器や窓の状態を記録し、PC停止時の値も測ります。生活上必要な空調などを無理に止めず、背景音が異なる測定同士は直接比較しないでください。
- スマホは机に置かず手で固定:机の上に置くと机の振動を拾って数値が乱れます。スマホ本体を水平に持ち、マイク穴をPCに向けて固定してください。手のひらで覆わないこと。
- 同じ時間・方法で値を記録する:アプリに時間平均の表示があれば同じ測定時間の値を記録し、表示がなければ同じ時間だけ測って傾向を比べます。ファン回転数や負荷が落ち着いてから測定してください。
測定値は機器や測定環境によって変わるため、異なるスマートフォン同士の数値をそのまま比較しないでください。「Aの設定とBの設定でどちらが何dB下がったか」 という相対比較に使うのが正しい付き合い方。SNSで「うちのPCは22dBだった」という投稿を見て鵜呑みにする必要はありません。
03ファンカーブとは?PWM/DC/ヒステリシス/チャタリングの基礎
用語を整理しておきます。「ファンカーブを設定する」と一口に言っても、ファンの種類や制御方式によって挙動が違います。
ファンカーブで失敗しがちな3パターン
- 勾配が急すぎる:例えば「40℃→30%/50℃→100%」のように急カーブにすると、ベンチ中にファンが急に最大回転して耳障り。温度変化に対して回転率が急に上下しないよう、動作を見ながら勾配を調整します。
- ヒステリシス未設定で 0RPM 運用:温度の変化でファンが頻繁に停止・始動する場合があります。停止温度や再始動条件は機種ごとに確認し、対応する場合はメーカー指定のヒステリシスや応答時間を設定してください。
- BIOSとOSソフトの二重制御:同じファンを複数の制御元で操作すると、設定が競合する場合があります。制御元を一つにし、変更後に温度と回転数を確認してください。
04夏だけGPUファンがうるさくなる原因と静音化の手順
冬は静かだったグラフィックボードが、夏になるとゲーム中だけ急にうるさくなる場合があります。主な原因は、PCが吸い込む空気の温度が高くなることです。GPUが同じ消費電力で動いていても、冷却に使う空気が暖かければGPU温度は高くなり、既定のファンカーブ上で高い領域へ入ると回転率も自動的に上がります。夏だけGPUファンの回転数が高くなること自体は故障とは限りませんが、室温の上昇幅以上にGPU温度やファン回転数が上がった場合は、ホコリ・ケース内の熱だまり・ゲーム負荷の増加・ファン設定の変更も確認してください。
最初にGPUファンの音か確認する
PCにはGPUファンだけでなく、CPUクーラー・ケースファン・電源ユニットのファンも搭載されています。ゲームを起動したときに音が大きくなっても、必ずしもGPUファンが原因とは限りません。GPU温度とファン回転率をMSI AfterburnerやHWiNFOで表示し、音が大きくなるタイミングと一致するか確認してください。GPUファンの回転数が変わっていないのに音だけが大きくなる場合は、ケースファンやコイル鳴きなど別要因を疑います。
GPU温度と吸気温度の差を確認する
GPU温度からPCの吸気温度を引いた値を、冬と夏で比べます。同じ条件で差が近ければ、GPU温度の上昇は室温の影響を受けている可能性があります。考え方はゲーミングPCの適正温度と冷却対策のCPU向け解説と同じで、GPUでも同様に使えます。
| 測定時期 | 吸気温度 | GPU温度 | 温度差 |
|---|---|---|---|
| 冬 | 20℃ | 68℃ | 48℃ |
| 夏(正常) | 30℃ | 78℃ | 48℃ |
| 夏(要点検) | 30℃ | 86℃ | 56℃ |
温度差が冬と同じなら、GPU温度の上昇は主に吸気温度の影響です。温度差が広がっている場合は、GPUヒートシンクのホコリ・ケースの吸排気・ファン回転数・GPU消費電力を確認してください。
ファン回転数だけを下げると温度は上がる
GPUファンがうるさいからといって、ファンカーブだけを大きく下げる方法はおすすめしません。同じ室温・同じGPU負荷・同じ消費電力でファン回転数だけを下げれば、通常はGPU温度が上がります。温度上昇が大きい場合は、クロックが低下してFPSが下がる可能性もあります。変更前後の温度とフレームレートは記録しておきます。回転数を下げながら温度を維持したい場合は、先にGPUが発生させる熱を減らすか、ケース内の冷却を改善します。
回転数を下げても温度を保つ設定手順
最初に標準設定のまま同じゲームを15〜20分動かし、GPU温度が安定した後にGPU消費電力・クロック・ファン回転率・平均FPSを記録します。次に、モニターのリフレッシュレートを大きく超えるFPSが出ている場合は、ゲーム内設定またはドライバー設定で最大FPSを制限します。FPS制限後もGPU使用率と消費電力が高い場合は、Power Limitを少しずつ下げるか、GPUアンダーボルト完全ガイドの手順でアンダーボルトを行います。発熱が下がったことを確認してから、ファンカーブを低回転側へ調整してください。
MSI Afterburnerでは「Settings」から「Fan」を開き「Enable user-defined software automatic fan control」を有効にすると、カーブ上の点をドラッグして温度ごとの回転率を設定できます。RadeonではAMD SoftwareのFan Tuningを有効にすると、Zero RPMの有効・無効やMax Fan Speedを含めてカーブを調整できます。設定変更後は、標準設定と同じゲーム・画質・場所・測定時間で再テストし、GPU温度が変更前と同程度に保たれ、クロックとFPSが大きく低下していないことを確認してください。GPU温度が大きく上がった場合はファンカーブを元へ戻し、FPSが下がった場合はPower Limitやアンダーボルトの設定が強すぎる可能性があります。
夏用と冬用の設定を分ける
冬に作成した静音カーブを、そのまま夏にも使えるとは限りません。夏は吸気温度が高いため、冬と同じファン回転率ではGPU温度が高くなる場合があります。反対に、夏用として高回転にした設定を冬まで使うと、必要以上にうるさくなる可能性があります。FanControlやMSI Afterburnerでは設定をプロファイルへ保存できるため、標準設定・夏用の省電力設定・冬用の静音設定を分けて保存しておくと切り替えやすくなります。夏用プロファイルでは、ファンカーブだけを高回転化するのではなく、FPS上限やPower Limitを併用して発熱量を減らすことを優先してください。
05推奨ファンカーブ値 ―CPU・GPU・ケースの9通り
以下の数値は、ファンカーブを調整するときの開始例です。全PC・全ファン共通の推奨値ではありません。まずメーカー標準設定を記録し、対象ファンの仕様と温度を確認しながら少しずつ変えてください。温度上昇や動作の不安定さが見られた場合は、すぐ標準設定へ戻します。
CPU向けカーブの例(120mmサイドフロー/240mm簡易水冷)
以下は調整の考え方を示す仮例で、特定CPUやクーラーへの推奨設定ではありません。まず標準設定の温度・回転数を記録し、表のような段階的な変化を出発点に、負荷時の温度を監視しながら調整してください。
| CPU温度 | 静音重視 | バランス | 冷却重視 |
|---|---|---|---|
| 〜40℃ | 25% | 30% | 40% |
| 50℃ | 30% | 40% | 55% |
| 60℃ | 40% | 55% | 70% |
| 70℃ | 55% | 70% | 85% |
| 80℃ | 75% | 90% | 100% |
| 85℃〜 | 100% | 100% | 100% |
表の温度とDutyは、カーブの形を説明するための仮例です。CPU・クーラー・室温・負荷で必要な回転数は変わり、騒音や配信マイクへの影響も設置環境によって異なります。まず標準設定を記録し、対応温度と回転数を確認しながら一項目ずつ調整してください。
GPU向けカーブの例(機種ごとに要確認)
以下は設定画面の読み方を示す仮例です。停止温度・最低Duty・温度上限は製品ごとに異なるため、そのまま入力せず、メーカー仕様と標準設定を確認してください。
| GPU温度 | 静音重視 | バランス | 冷却重視 |
|---|---|---|---|
| 〜50℃ | 0%(停止) | 0%(停止) | 35% |
| 60℃ | 30% | 40% | 55% |
| 70℃ | 45% | 60% | 75% |
| 78℃ | 65% | 80% | 95% |
| 83℃〜 | 100% | 100% | 100% |
表は設定方法を示す仮例で、推奨値ではありません。GPUファンの停止温度・最低回転率・温度センサーは機種ごとに異なります。製品の仕様と監視可能な温度を確認し、標準設定を基準に段階的に調整してください。
ケースファン向けカーブの例(CPU温度連動)
以下は仮例です。ファンの型番、接続先、ケース内の温度や吸排気に合わせ、回転数とCPU/GPU温度を確認しながら調整してください。
| CPU温度 | 静音重視 | バランス | 冷却重視 |
|---|---|---|---|
| 〜40℃ | 30%(約450RPM) | 40%(約600RPM) | 50% |
| 50℃ | 40% | 55% | 65% |
| 60℃ | 50% | 65% | 80% |
| 70℃ | 65% | 80% | 95% |
| 80℃〜 | 85% | 100% | 100% |
表はカーブの形を示す仮例です。ケースの吸排気、ファンの向き、ラジエーターの有無を確認し、各ファンの回転数と温度を見ながら個別に調整してください。ラジエーターファンやポンプは製品の説明書に従って設定します。
06FanControl V284 の使い方 ―基本から上級ワークフローまで
BIOSのファン制御では物足りない、GPU温度をソースにケースファンを動かしたい——そんなときに使えるのが無料の FanControl です。温度ソースとカーブを細かく組み合わせられますが、制御できるセンサーやファンはPCの構成によって異なります。
画面の見方と設定の手順

メイン画面は、上段の「Controls」に制御できるファンが1枚ずつカードで並び、下段の「Curves」に作成したカーブが並ぶ構成です。上の画面例では、CPU温度を見る「CPU -> Case」とGPU温度を見る「GPU -> Case」を、Mixカーブの「Case Fans」が最大値(Max)で合成し、背面ファンのカード「Back」に割り当てています。GPUのカードには、GPUのメモリ温度をソースにしたカーブ「GPU」が割り当てられています。
- 公式GitHubからダウンロード:FanControlの公式GitHub Releasesから最新版を取得してください。2026年10月23日時点で確認できる最新リリースは、2026年10月18日公開のV284です。V284のリリースノートには手動キャリブレーションとAMD ADLX関連の修正が記載されています。ZIP版は展開して
FanControl.exeを起動し、インストーラー版は実行して導入します。初回起動時はセットアップの案内が表示されます。 - 触る前の状態をプロファイルとして保存:FanControlは設定をプロファイル(JSON形式の設定ファイル)として複数保存・読み込みできます。カーブを作る前の状態を「標準」のような分かる名前で保存しておくと、後で標準の状態へ戻せます。起動引数の
-c 標準.jsonのように設定ファイルを指定して起動・切り替えることもできます。 - ファンを識別する(回転数センサーのペアリング):Controlsの各カードに、そのファンの回転数センサーを結び付けます。公式ドキュメントでは、これが制御を設定する最初の手順とされています。センサーを手動で選ぶか、ペアリング用のユーティリティで自動で判別させます。ペアリング後はカードにRPMが表示されるので、どのカードがどのファンかを確かめ、「CPU Push」「Back」のように分かる名前に変えておきます。
- キャリブレーションで回り方を測る:ファンごとに、回り始める点・止まる点・最低/最高回転数を測り、回転率(%)とRPMの対応表を作ります。RPM単位でカーブを組む場合はこの対応表が必須です。特定の回転率でビビり音が出るファンは、その回転率に「Avoid」(回避点)を付けると使わないようにできます。

- カーブを作り、温度センサーを選ぶ:画面右下の「+」ボタンからLinear・Graph・Mixなどのカーブを追加し、カードの「Temperature source」で参照する温度を選びます。GPU温度を使うカーブなら、ここでGPUのコア温度やメモリ温度を選択します。Graphは「Edit」でエディターを開き、左クリックで点を追加、右クリックで削除します。
- CPUとGPUの高い方を使うならMixで合成:Mixカーブを追加し、「Function」をMaxにして、CPU温度のカーブとGPU温度のカーブを追加します(手順は次の節で詳しく説明します)。
- 各ファンにカーブを割り当てる:Controlsのカードにある「Curve」のドロップダウンで、作成したカーブを選びます。固定の回転率で回したいときは、カードのメニューで「Manual control」を選びます。カード上のStep up/Step downで回転率の変化の速さ、Start %で停止からの始動値、Stop %で0%に落とす境目、Minimum %で下限を設定できます。
- 保存して、標準の状態へ戻せるか確かめる:調整が終わったら、手順2とは別の名前(「静音」「夏用」など)でプロファイルを保存します。戻すときは手順2で保存したプロファイルを読み込み、各カードの回転数が調整前の値に戻ることを確認します。FanControlを使うのをやめてBIOSの設定に任せる場合は、自動起動のチェックを外し、Windowsのタスクスケジューラに「Fan Control」のタスクが残っていれば削除してから再起動します。
公式ドキュメントによると、最近のNVIDIA製GPU(RTXシリーズ)は30%未満の回転率を受け付けず、0 RPMも手動では指定できません。FanControlはカーブが0%になるとGPUの制御を手放し、カード側の0 RPM動作に任せます。AMD製GPUは、FanControlからファンの設定を適用するとAMD Softwareのオーバークロック設定が初期値に戻ります。どちらもカーブの0%の点をGPUのゼロRPMの温度以下に置き、そこから最低回転率(多くは30%)へ段差を付けて上げる形が案内されています。
カーブの種類(Linear / Flat / Graph / Mix / Trigger / Sync / Offset)
上級ワークフロー|Mix関数で「CPUとGPUの高い方」を取る
ゲーミングPCでよくあるのが「CPUは40℃で涼しいのに、GPUが80℃まで上がっている」というパターン。マザーボードによってはケースファンの温度ソースにCPU以外のセンサーを選べます。GPU温度を設定に使えるかは、マザーボード・BIOS・ソフトの対応状況を確認してください。これを解決するのが Mix関数です。
- CPU温度連動カーブを1本作る:Graph で「40℃→30%/60℃→55%/80℃→100%」のような点を打ちます。これをカーブAとします。
- GPU温度連動カーブをもう1本作る:同じく Graph で「50℃→0%/70℃→45%/83℃→100%」のように、GPU温度をソースにしたカーブBを作ります。
- Mix(Max)で AとBを合成:画面右下の「+」からMixを追加して Max を選択し、AとBを参照に追加。ケースファンには合成後カーブを割り当てます。これでCPUとGPUのどちらが熱くても適切に反応する 賢いカーブが完成。CPU側だけ重い動画エンコード、GPU側だけ重いゲーム、両方とも回る生成AI——どのシーンでも最適に動作します。
公式ドキュメントでMixカーブに設定できる項目は、Function(Max・Min・Average・Sum・Subtract)と合成するカーブだけです。ファンが頻繁に上下する場合は、合成元のLinearやGraphのカーブでHysteresis(変化させる最小の温度差)とResponse time(変化させる最小の時間)を上げ下げ別に設定します。

Windows起動時に自動起動させる
FanControlの設定で自動起動(Start with Windows)にチェックを入れると、Windowsのタスクスケジューラに「Fan Control」というタスクが登録されます。V284では、このタスクがFanControlをフルパスで起動するよう修正されました。ウィンドウを出さずに起動したいときは、起動引数の -m(--minimized)を使います。
Windowsが起動してFanControlが動き出すまでは、BIOSの設定でファンが回ります。起動直後だけファンが大きく回って耳につく場合は、BIOS側のファン設定を見直します。FanControlの公式FAQでは、BIOS側の自動制御を避け、50%前後の固定回転にしておく方法が紹介されています。
07BIOSでのファンカーブ設定 ―ASUS・MSI・GIGABYTE・ASRock
BIOSの設定画面や項目名はメーカー・マザーボード・BIOSバージョンによって異なります。共通するのは、接続したファンの制御方式(PWM/DC)を選び、温度と回転率の点を設定する流れです。基本の操作はどれも似ていますが、メニュー位置と機能名が違うので迷いがちです。
| メーカー | 機能名の例 | 設定場所 | 制御モード | ファン停止 |
|---|---|---|---|---|
| ASUS | Q-Fan Control / Fan Xpert | UEFIのQ-Fan関連画面(機種・BIOS版で異なる) | ファンとヘッダーの仕様を確認 | 対応は機種ごとに異なる |
| MSI | Smart Fan | UEFIのHardware Monitorなど(機種・BIOS版で異なる) | ファンとヘッダーの仕様を確認 | 対応は機種ごとに異なる |
| GIGABYTE | Smart Fan | UEFIのSmart Fan関連画面(機種・BIOS版で異なる) | ファンとヘッダーの仕様を確認 | 対応は機種ごとに異なる |
| ASRock | FAN-Tastic Tuning | UEFIのH/W Monitorなど(機種・BIOS版で異なる) | ファンとヘッダーの仕様を確認 | 対応は機種ごとに異なる |
ASUS Q-Fan Control(ROG Strix・TUF Gaming・PRIMEシリーズ)
ASUSの一部マザーボードでは、UEFIのQ-Fan画面からファンモードや温度に応じた動作を設定できます。画面名、キー操作、制御点の数、ポンプの扱いはモデルとBIOS版で異なるため、使用機種のマニュアルを確認してください。自動調整機能がある場合も、完了後に回転数と温度を確認します。
3ピンファンと4ピンファンでは対応する制御方式が異なります。ファンとマザーボードの説明書で対応方式を確認し、必要に応じてDCまたはPWMを選んでください。自動判定の挙動も機種によって異なります。
MSI Smart Fan Control(MAG・MPG・MEGシリーズ)
MSIの一部マザーボードでは、UEFIのHardware Monitorからファン動作を調整できます。メニュー名や操作方法はモデル・BIOS版で異なるため、対象機種のマニュアルを確認してください。PWM/DCを選ぶ場合は、接続したファンの仕様と一致させます。
温度連動の自動制御やファン停止に対応するかは、マザーボードと接続先のファンによって異なります。画面上の説明とマニュアルを確認し、設定後にファンが始動すること、温度が許容範囲に保たれることを確かめてください。
GIGABYTE Smart Fan 5 / 6(AORUS・GAMINGシリーズ)
GIGABYTEの一部マザーボードにはSmart Fan機能があり、温度連動やファン停止を設定できます。Smart Fanの世代、キー操作、制御モードは機種・BIOS版で異なるため、マニュアルで確認してください。
ヒステリシスや応答時間の項目がある場合は、マニュアルで機能を確認してから調整します。設定の有無や単位は機種・BIOS版で異なります。
ASRockのファン設定(FAN-Tastic Tuning)
ASRockのマザーボードは、UEFIのファン設定画面(機種によってFAN-Tastic Tuningなどの名称)でファンごとのモードやカーブを設定します。メニューの場所、カーブで打てる点の数、選べるモードの種類はマザーボードとBIOS版で異なるため、使用機種のマニュアルで確認してください。
ファン停止や最低Dutyの設定可否はマザーボード、BIOS版、ファンの組み合わせで異なります。使用機種のマニュアルで対応状況を確認してください。制御ソフトを使う場合も、センサーとファン制御の互換性を先に確かめます。
Windows上のファン制御ソフトが同じファンを操作すると、設定が競合することがあります。BIOSとソフトの対応範囲を確認し、同じファンを重複して制御しないようにしてください。設定後は、負荷をかけた状態と再起動後の両方でファンが始動し、温度と回転数が適切に保たれるか確認します。
08GPUファン制御ツール3つ ―Afterburner・Adrenalin・NVIDIA App
マザーボードに繋がっていないGPUファンは、別途専用ツールで制御します。NVIDIA製GPUはNVIDIA AppかMSI Afterburner、AMD製GPUはAMD Software: Adrenalin EditionかMSI Afterburner(対応モデル)の、それぞれ2通りが選択肢です。下の3つのツールは、得意な設定がそれぞれ違います。
1. 右下の「Settings」(歯車アイコン)→「Fan」タブ/2.「Enable user-defined software automatic fan control」をON/3. グラフ上の点をドラッグして温度℃→Fan%を設定/4.「Force fan speed update」「Override zero fan speed」もONにすると、メーカー側のセミファンレス挙動を上書きできます/5. プロファイルを保存して「Apply」。
起動時の自動起動は「Start with Windows」と「Start minimized」を両方ONに。Afterburner は プロファイルの自動適用は、使うGPUと設定に合わせて有効化 です。
Fan TuningではZero RPMや温度・PWMに応じたファンカーブを設定できます。表示される項目や選択肢はGPUと構成によって異なります。まずはAMD Softwareの標準設定を基準に調整してください。
ただし 温度連動のカーブは引けず単一%出力のみ。本格的なカーブが欲しいなら現状でも Afterburner 推奨です。Afterburner が動作しないGPU(一部新製品)の暫定対応として位置づけてください。
0RPM運用の落とし穴 ―チャタリングとVRAM温度
セミファンレスの停止・始動条件やヒステリシスはGPUの機種・ファームウェアで異なります。ファンが頻繁に停止・始動する場合は、そのGPUのメーカー仕様を確認し、対応ソフトの設定を少しずつ調整してください。
GPUコア温度だけでメモリ温度や安全性を判断できるとは限りません。利用中のGPUでメモリ温度センサーを確認できる場合は、メーカーの温度仕様と照合し、仕様値に近づく場合はファン設定を戻して冷却状態を調べてください。
09簡易水冷の音対策 ―ポンプ唸り・気泡音・ラジエーター位置
「空冷より静かなはずの簡易水冷が、なぜか空冷より気になる」——よくある相談です。原因はファン以外にあります。
ポンプの接続と速度設定
簡易水冷ポンプの接続先・制御方式・回転数は製品ごとに異なります。ポンプとファンを接続する端子、PWM/DC設定、推奨速度は、マザーボードと冷却器の取扱説明書に従ってください。
Auto設定が適切かどうかは、ポンプと接続端子の仕様によります。異音や回転数の乱れがある場合は、ポンプの接続先・制御方式を製品の取扱説明書で確認し、指定された設定に戻してください。
気泡音(ガラガラ・ジョボジョボ音)
ポンプから異音が続く場合、音だけで原因を断定せず、製品の設置条件や取扱説明書を確認してください。指定の取り付け位置から外れている場合は、メーカーの案内に従って設置を見直します。
ラジエーター配置 ―トップ/フロント/リア
| 配置 | 冷却性能 | 騒音 | エア噛み | 総合評価 |
|---|---|---|---|---|
| トップ | 中〜高 | 低 | 低 | 静音狙いはこれ一択 |
| フロント | 高 | 中 | 中 | 冷却性能優先・吸気を新鮮空気で |
| リア(120mmのみ) | 低 | 低 | 中 | 240mm以上は物理的に入らない |
ラジエーターやポンプの配置条件は製品で異なります。取扱説明書が指定する向きと取り付け位置に従い、ポンプから異音が続く場合は使用を止めて製造元の案内を確認してください。
10GPUの消費電力を抑えた後にファン設定を見直す
GPUアンダーボルト(UV)を行うと、消費電力や発熱が下がり、ファン回転数を抑えられる場合があります。効果はGPUの個体差、設定、ゲーム、ケースのエアフローで変わるため、温度や騒音が一定量下がるとは限りません。調整方法はGPUアンダーボルト完全ガイドを参照し、変更後は安定性と温度を確認してください。
アンダーボルト後にファンカーブを確認する
アンダーボルトによってGPUの消費電力と発熱が下がれば、同じ温度をより低いファン回転数で維持できる可能性があります。効果はGPU個体、設定、ゲーム、ケースのエアフローで変わります。アンダーボルト前後の温度とファン回転数を同じゲームで測り、標準カーブを記録してから、製品の温度条件を確認しつつ少しずつ調整してください。以下の表は設定画面の見方を示す仮例で、移動量の推奨ではありません。
| GPU温度 | UV前(バランス) | UV後(バランス) | 差分 |
|---|---|---|---|
| 〜50℃ | 0% | 0% | 同じ |
| 55℃ | 30% | 0%(停止延長) | -30% |
| 60℃ | 40% | 30% | -10% |
| 65℃ | 50% | 40% | -10% |
| 70℃ | 60% | 50% | -10% |
| 75℃ | 75% | 60% | -15% |
| 80℃ | 90% | 75% | -15% |
| 85℃〜 | 100% | 100% | 同じ |
GPUのアンダーボルトやファン調整の結果は、GPU個体・設定・ゲーム・室温・測定距離で変わります。比較するときは同じゲーム、画質、負荷時間、測定位置で温度・回転数・騒音を記録してください。測定条件が示されていない特定構成の数値は、他のPCの結果として一般化できません。
アンダーボルト後の温度・騒音・ファン回転数は構成や負荷によって変わります。設定前後を同じ条件で比較し、温度や安定性に問題があれば標準設定へ戻してください。
11カーブ調整 vs ファン交換 ―どちらを選ぶか
カーブを変えても騒音が気になる場合は、ファン以外の音源、回転数、ケースの共振、冷却器の状態も確認します。カーブを変えても騒音が気になる場合は、ファン以外の音源、回転数、ケースの共振、冷却器の状態も確認します。
カーブ調整で十分なケース
- 同じ条件で測ったとき、調整後に騒音が下がり、温度も安定している
- 負荷時に温度・回転数が安定し、用途上騒音が気にならない
- 軸受け音(ジー・ゴロゴロ)が 聞こえない
- 用途に必要な冷却を保ちながら、動作音が許容できる
ファン交換が必要なケース
- 異音や振動が続く。取り付け・接触・配線を確認しても直らない
- アイドル時から異音や振動が続いている
- 回転数を下げても風切り音が気になる
- 掃除や設定変更後も騒音や温度の問題が続いている
- BTO付属の安価ファンで カチカチ音がする
主要静音ファン(120mm)の比較
| モデル | 価格の確認 | 特徴 | 動作音の見方 |
|---|---|---|---|
| Noctua NF-A12x25 G2 | 販売店で確認 | SSO2ベアリング。騒音は回転数・取り付け方で変わる | 測定条件で異なる |
| Phanteks T30-120 | 販売店で確認 | 30mm厚。ケースやラジエーターとの干渉に注意 | 測定条件で異なる |
| Arctic P12 Pro PST | 販売店で確認 | 厚さと回転数を確認して選ぶ | 測定条件で異なる |
| 標準BTO付属ファン | (付属) | 付属ファンの仕様はPCメーカー・型番で異なる | 測定条件で異なる |
耳に近い リア/トップ排気だけ Noctua にして、フロントは Arctic で揃える「ハイブリッド構成」 が予算対効果のベスト。必要なファン数と費用はケース構成や販売価格で異なります。購入前にケース寸法・ファン数・販売店の価格と在庫を確認してください。
12うまくいかない時のトラブルシュート
- BIOSのカーブが反映されない:同じファンをBIOSとOSソフトが同時に制御していないか確認します。制御元を一つにし、変更後に温度と回転数を確かめてください。
- 3ピンファンの回転数が変わらない:3ピンファンは電圧制御、4ピンファンはPWM制御に対応するのが一般的ですが、ヘッダーやファンの仕様で挙動は異なります。マニュアルで対応方式を確認し、設定を変えた後に回転数を確かめてください。
- FanControlでGPU温度が出ない:HWiNFO64 をバックグラウンドで起動し、FanControl 設定の Sensors → 「HWiNFO Shared Memory」を有効化。HWiNFO Shared Memory経由でFanControlから読めるセンサーがあります。対応センサーと設定方法は両ソフトの公式ドキュメントで確認してください。
- 「カチッ・カチッ」音が止まらない:0RPMと低速回転を行き来する場合はチャタリングの可能性があります。機器の説明書とソフトの設定項目を確認し、対応する場合はヒステリシスや応答時間を調整してください。
- 簡易水冷ポンプから異音がする場合:ポンプの接続先やPWM/DC設定、回転数は冷却器ごとに異なります。異音がある場合は製品の取扱説明書で推奨設定を確認し、対応するメーカーソフトで状態を確かめてください。
- それでもうるさい時は ―原因の切り分け順:(1) 設定を変更する前に標準状態でアイドル音を測定 → ベースラインを把握。(2) センサー上の各ファン回転数と音の変化を照合して音源を絞る(回転中の部品には触れない)。(3) GPUファンか CPUファンかケースファンかを切り分け。(4) 原因のファンを Noctua NF-A12x25 G2 に交換 or Adrenalin/Afterburner で個別カーブを作る。「全部入れ替える」前にまず音源特定が鉄則です。
13静音化に効くおすすめ製品
カーブ調整だけでは音源を解消できない場合は、原因に応じてファンやCPUクーラーの交換を検討します。購入前に寸法・対応ソケット・現在の価格と在庫を販売店で確認してください。在庫・価格・仕様は変動するため、購入前にリンク先とメーカー情報を確認してください。
14まとめ ―2026年版・PC静音化の到達点
ファンカーブを変えるときは、設定前後の温度・回転数・騒音を同じ条件で比べ、温度や動作に問題が出た場合は元の設定に戻します。
- 計測あっての静音化:スマホ騒音計はアプリや端末で精度が異なるため、同じ条件での変更前後の比較に使う。全PC共通の騒音目標は設けず、温度とファン回転数も合わせて確認する
- ファンカーブは標準設定を起点に、温度と回転数の変化を見ながら調整する。回転数が急に上下する場合は曲線や応答時間を見直す
- 同じファンを複数の制御元で同時に操作しない。BIOSとOSソフトのどちらが制御しているかを確認し、変更後に温度と回転数を点検する
- FanControlのMix(Max)を使うとCPU・GPUそれぞれの温度を参照するケースファンカーブを作れます。対応センサーとファン制御はPC構成によって異なるため、設定後に温度と回転数を確認してください
- 0RPM運用の停止・再始動条件はGPUごとに確認。ファンが頻繁に停止・始動する場合はメーカー仕様と制御ソフトの応答設定を確認する
- ポンプ設定は製品の説明書を確認。接続先と制御方式を冷却器・マザーボード双方の仕様に合わせる
- UVと組み合わせると、消費電力や発熱を抑えられる場合がある。結果を確認しながらファンカーブを調整する
ファンカーブを調整すると、冷却温度と騒音のバランスを変えられます。改善幅はPC構成や測定条件によって変わるため、変更前後でファン回転数・温度・騒音を確認してください。
BIOS、FanControl、GPUメーカーのソフトは、対応状況を確認してから使います。特定の温度や回転率を全PCに当てはめず、標準設定を起点に少しずつ変更し、温度上昇や性能低下があれば設定を戻してください。








