ゲーミングPCのBIOS設定ガイド|XMP・Resizable BAR・PBOの効果・保証・戻し方【2026年版】
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XMP・Resizable BAR・PBOの効果と条件を確認
DDR5-6000のメモリキットでも、実際の動作速度は選択したプロファイルやPCの構成によって変わります。速度表示だけでXMP/EXPOが無効とは判断できません。
XMP/EXPOはJEDECの既定設定と異なるメモリOCで、CPUの仕様を超える設定になる場合があります。対応するCPU・メモリキット・マザーボード・DIMM枚数・BIOSと保証条件を確認して選びます。
RTX 4090・1080p・13ゲームの実測では、Ryzen 7 7700Xは平均fpsが12%伸び、7800X3Dは4%でした。全CPU・全ゲームで同じ効果は得られないため、設定前の値を記録し、変更後の安定性とゲームの動作を確かめてください。
目次
着手順優先度順チェックリスト
BIOSの設定項目は膨大ですが、ゲーム性能の面でまず見るべきなのは次の3つです。
XMP/EXPOはキットの表示速度を常に保証する設定ではありません。CPU・マザーボード・メモリキットの対応構成と保証を確認し、変更後の動作値と安定性で判断します。Resizable BARは対応構成で利用でき、PBOとメモリ整合性にも保証・セキュリティ上の判断が伴います。
BIOS更新の必要性を確認する
BIOS更新は全員に必要な前提作業ではありません。マザーボードの型番と現在のBIOS版を調べ、メーカーの更新履歴に使っているCPUやメモリの互換性改善・不具合修正があるか確認します。更新が必要な場合は、暗号化の回復キーと設定値を確認してから、BIOSアップデートのやり方に従ってください。
更新後は設定が変わる場合があります。以前のXMP/EXPO設定と実際の動作値を照合し、必要ならBIOS更新後のXMP・EXPO再設定を確認してください。
PC起動時にDeleteキーまたはF2キーを連打します(メーカーにより異なる場合あり)。Windows 11の「設定」→「システム」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」からも入れます。
メモリXMP / EXPO——対応構成と保証を見て選ぶ
XMP/EXPOは速度・タイミング・電圧をまとめたメモリOCプロファイルです。JEDECの既定設定とは異なり、キットに「DDR5-6000」とあっても、選択するだけで全構成がその速度で安定動作するとは限りません。CPUの公称対応速度、メモリキットの型番、マザーボードのQVL、DIMM枚数・スロット、BIOS版を照合してください。QVLは試験済み構成の手がかりであり、あらゆる構成の動作保証ではありません。
出荷時の設定はショップや構成で異なります。スペック表やWindowsの速度表示だけで有効・無効を断定せず、BIOSで選ばれているプロファイルと実際の動作値を照合してください。BTO製品は設定変更が保証に与える影響も販売店に確認します。
XMPとEXPOの違い
CPUの公称仕様を超える周波数・電圧・タイミングで動かすと、AMDは該当するAMD製品保証が無効になると説明しています。IntelはXMPを含む仕様外動作でCPU保証が無効になる可能性があると説明しています。メモリキット、完成品PC、BTOの保証条件は別契約なので、メーカーと販売店の規定を個別に確認してください。
対応を確認してから1項目ずつ試す
マザーボードの説明書でメモリスロットと設定項目を調べ、キットの型番・QVL・装着枚数・BIOS版を確認します。現在のBIOS設定とメモリ速度を写真などで記録してから変更してください。
- 対応プロファイルを選ぶ。項目名と選択肢は機種・BIOS版で異なります。説明書とメモリキットの仕様を見て、対応するXMP/EXPO設定を1つだけ選びます。
- 保存して再起動する。保存キーも説明書で確認します。初回はメモリトレーニングで通常より起動に時間がかかる場合があります。機種の案内にある待機時間を確認してください。
- 動作値と安定性を確かめる。BIOSとWindowsの速度表示を選択したプロファイルと照合し、普段遊ぶゲームとメモリ診断で異常がないか確認します。不安定なら変更前の設定に戻します。電圧引き上げを一般的な次手にはしません。
メモリ診断は使用するツールの標準テストを少なくとも1周完走させます。所要時間は容量・構成・ツールで変わるため、時間だけで合格としません。エラー、ブルースクリーン、ゲームの異常終了が出たら元の設定に戻します。WindowsのイベントビューアーにWHEAのハードウェアエラーが増えていないかも確認できます。
fps差を確かめるなら、変更前後で同じゲーム、同じ場面、解像度・画質設定をそろえて各3回測ります。ばらつきと平均を比べ、差が小さい場合は改善を断定しません。比較のために不安定な設定を維持する必要はありません。
どのくらいfpsが上がるか
RTX 4090・1080p・13タイトルで比較した実測です。各CPUの既定側メモリと高速プロファイル側メモリの比較であり、メモリの速度だけでなくタイミングも異なります。全CPU・全ゲームの改善幅には当てはまりません。
| CPU | メモリ速度(DDR5) | 平均fpsの伸び |
|---|---|---|
| Ryzen 7 7700X | 5200→6000 | +12% |
| Core i7-12700K | 4800→6400 | +11% |
| Ryzen 7 7800X3D | 5200→6000 | +4% |
| Core i7-14700K | 5600→7200 | +4% |
同じ実測では7800X3Dの13ゲーム平均は+4%でしたが、Hogwarts Legacyでは平均+10%、1% Low(カクつきの指標)は+21%でした。CPUだけでなく遊ぶゲームによっても差が変わります。
この条件では7700Xと12700Kに2桁の差が出ました。実際の設定判断では安定性と保証も合わせて確認してください。fpsの上限・同期設定はフレームレート上限解除完全ガイドで確認できます。
現在の動作速度を確認する方法
Windowsのタスクマネージャーで現在の動作値を確認できます。有効・無効の判定にはBIOSで選択したプロファイルも確認してください。
- Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開きます。
- 「パフォーマンス」タブ →「メモリ」を選択します。
- 「速度」の数値を記録し、BIOSで選択したプロファイルと比較します。DDR5-6000のキットで4800 MT/sや5600 MT/sと表示されても、それだけでは未設定と断定できません。設定が適用されているかBIOSでも確認します。
CPU-Zでは同じDDR5-6000が「3000MHz」と半分の値で表示されますが、これは表示方式の違いで正常です。詳しくはCPU-ZでDDR5-6000が3000MHzと表示される理由で解説しています。
まず記録した変更前の設定へ戻し、既定設定で起動できるか確かめます。起動できない場合のCMOSクリアは、機種ごとの説明書で方法を確認してから行ってください。BIOS設定や日時が初期化され、起動設定や暗号化の回復に影響する場合があります。回復キーを確認できない状態で安易に実行しないでください。症状別の確認はXMP・EXPOで不安定になる原因と対処法を参照してください。
XMP/EXPOを有効にしたうえで、さらにレイテンシを詰める方法もあります。AMDの新しい認証規格はEXPO Ultra-Low Latencyの解説、MSIマザーボードの独自設定はMSI High-Efficiency Modeの設定ガイドを参照してください。
GPU転送Resizable BAR——効果はGPUとゲームで変わる
Resizable BAR(ReBAR)は、CPUがGPUのVRAM全体に一度にアクセスできるようにする機能です。従来はCPUが256MBずつの小さな窓でVRAMを扱っていたのが、ReBAR有効化で窓の大きさの制限がなくなります。AMDでは「Smart Access Memory(SAM)」という名称です。
対応環境
有効化の手順(3ステップ)
最近のマザーボードは、Above 4G DecodingとRe-Size BARが初期状態で有効になっていることも多くあります。無効だった場合は、次の3つを順に確認します。
CSMを切ったらWindowsが起動しなくなった場合は、CSMとMBRの関係と直し方で復旧できます。NVIDIA環境では再起動後にNVIDIAコントロールパネル→「システム情報」でResizable BARが「はい」になっていることを確認してください。「いいえ」のままならNVIDIAで「いいえ」と表示される原因を順に確認します。
性能向上の実測
平均で見ると、ReBARの効果は数%以内です。RTX 3080とRadeonで測った海外の検証結果は次のとおりです。
| GPU | 平均fpsの伸び | 補足 |
|---|---|---|
| RTX 3080(1080p) | ±0% | 20タイトル平均 |
| RTX 3080(1440p) | +1% | 20タイトル平均 |
| RTX 3080(4K) | +2% | 20タイトル平均 |
| Radeon(RX 6000系) | +3% | 平均。Assassin’s Creed Valhallaなど一部タイトルでは+7% |
RTX 3080でもCyberpunk 2077の1080pでは+7%伸びており、効果はゲームと解像度で大きく変わります。NVIDIAは、ReBARをすべてのゲームで使うのではなく、事前にテストして性能が上がるゲームだけでプロファイル経由で有効にする方式を採っています。それでも同じ検証では、NVIDIAが対象にしていたWatch Dogs Legionの1080pで10%の性能低下が出ていました。
BIOSではONにしておき、ゲームごとの使い分けはドライバに任せるのが基本です。NVIDIA Appでは2026年9月から、ゲームごとにReBARを「自動・有効・無効」で切り替えられるようになりました。詳しくはNVIDIA AppのReBARゲーム別切り替え機能で解説しています。ReBARを有効にしてからイベントビューアーのWHEAエラーが増えた場合は、WHEAエラーが増えるときの切り分けを確認してください。
電力上限PBO / Intel電力設定——CPUブーストの扱い方
CPUのブーストクロックは、電力・温度・電流の制限内で自動制御されています。BIOSでこれらの制限を緩めればクロックが伸びる余地は生まれますが、ゲームのfpsへの効果はXMP/EXPOよりずっと小さく、AMDとIntelで注意点も違います。
AMD|PBO(Precision Boost Overdrive)
PBOは、電力・電流の上限をCPUの仕様より引き上げ、温度に余裕があるあいだクロックを高く保つAMDの機能です。
ゲーム用途なら、電圧を下げて同じ電力でクロックを保つCurve Optimizerと組み合わせるほうが温度面の利点が大きくなります(ただしCurve Optimizerも仕様外の動作です)。値の決め方と不安定になったときの戻し方はRyzen 9000のPBO・Curve Optimizerガイドで解説しています。
PBO運用で冷却を見直すなら
PBOは消費電力と発熱を増やすため、付属クーラーや小型の空冷のままでは温度上限に張り付きやすくなります。PBOを試すなら、まずデュアルタワー空冷か240mm以上の簡易水冷に替えておくと安心です。
Intel|電力リミットとMCE
Intel環境では、PL1(長期電力上限)とPL2(短期電力上限)がCPUのブーストを制御しています。多くのマザーボードには、これを引き上げる「電力制限の解除」や、全コアを最大ターボ付近で動かすMCE(Multi-Core Enhancement)が用意されています。
Intelは、電源回路に余裕のあるマザーボードでBaselineの電力設定を使うことを推奨していないと説明しており、Core i9のK/KSモデルでは電源回路に余裕があればPerformanceなど上位のプロファイルを使う位置付けです。BIOSに複数の選択肢がある場合は、名前に「Intel Default」が入った項目を選びます。
Windowsメモリ整合性(VBS)——OS側で見落としやすい性能差
ここからはBIOSではなくWindows側の設定ですが、BIOSの仮想化支援機能と一緒に動くため、あわせて確認しておくべき項目です。
VBS(仮想化ベースのセキュリティ)は、ハードウェア仮想化を使ってWindowsのカーネルを保護する仕組みで、「メモリ整合性(HVCI)」はその代表的な機能です。Core i9-13900K・RTX 4090で15タイトルを測った海外の検証では、VBSの有無による差は1080pで全体として最大5%程度、4Kでは約2%でした。差が最も大きかったMicrosoft Flight Simulatorでは、平均fpsが約10%、1% Lowが最大15%下がっています。
自作PCでも有効になっていることがある
Microsoftの資料では、対応ハードウェアにWindows 11をクリーンインストールするとメモリ整合性は既定で有効になります。自作PCでも、自分でWindowsを入れたなら有効になっている可能性があります。さらにMicrosoftは2026年10月の品質更新から、これまで既定のままだった対象デバイスでもメモリ整合性を段階的に有効化すると発表しています。自分で無効にした設定は上書きされませんが、影響はメモリ整合性の自動有効化の解説で確認してください。
- キーボードでWindowsキー + Rを押して「msinfo32」と入力し、Enterを押します。
- 「システムの要約」画面で「仮想化ベースのセキュリティ」の項目を探します。
- 「実行中」ならVBSが動いています。メモリ整合性の状態は「Windowsセキュリティ」→「デバイス セキュリティ」→「コア分離の詳細」で確認できます。
無効にするかどうかの判断
メモリ整合性は「Windowsセキュリティ」→「デバイス セキュリティ」→「コア分離の詳細」→「メモリ整合性」をオフにして再起動すれば無効になります。ただし、オフにしても、他のセキュリティ機能のためにVBS自体は「実行中」のまま残ることがあります。
Riot Vanguardは環境によってメモリ整合性(HVCI/VBS)の有効化を求めることがあり、無効だと「VAN: RESTRICTION: 5」で起動できません。Microsoftもゲーマー向けの案内でオフにする手順を示す一方、オフにすると脅威に対して無防備になりうると注意しています。差が出るのは主にCPU負荷の高いタイトルの1080pなので、fpsに不満がなければ有効のままで構いません。
対戦ゲームSecure Boot・TPM——アンチチートの起動条件
Secure BootとTPM 2.0は性能には関係しませんが、対戦ゲームを起動するための条件になりつつあります。どちらもBIOSで有効にする設定です。
Secure Bootを有効にするには、前の節のとおりCSMを無効にしてUEFI起動にしておく必要があります。TPMはBIOS上では「fTPM」(AMD)や「Intel PTT」(Intel)という名前で、Security関連のメニューにあります。VALORANTでエラーが出る場合の切り分けはVAN 9001・9003・9090の対処手順、Call of Dutyの要件はMW4ベータのTPM・Secure Boot設定で解説しています。
冷却ファンカーブとその他の設定
ファンカーブの最適化
BIOSのファン制御(ASUS: Q-Fan、MSI: Hardware Monitor、Gigabyte: Smart Fan)を使えば、温度帯ごとのファン回転数をカスタマイズできます。ゲーム中の騒音を抑えつつ冷却性能を確保するバランスが重要です。
| CPU温度 | ファン回転数 | 状況 |
|---|---|---|
| 〜40℃ | 30%(静音) | アイドル・Web閲覧 |
| 50〜60℃ | 50% | 軽いゲーム・作業 |
| 70℃〜 | 70〜100% | 重量級ゲーム・高負荷 |
上の表は出発点の目安です。BIOSで参照できる温度センサーはマザーボードとファン端子によって異なります。説明書で温度ソースとGPU温度への連動可否を確認し、直接選べない場合は対応するWindowsソフトを検討してください。騒音の測り方とカーブの詰め方はPC騒音計測・ファンカーブ設定ガイドで確認できます。
その他の確認項目
FAQよくある質問
XMP/EXPOはJEDECの既定設定とは異なるメモリOCです。CPU・メモリキット・マザーボード・DIMM構成・BIOSの対応と保証を確認し、変更前の値を記録してから1項目ずつ試してください。fpsの改善幅はCPUやゲームで変わります。
設定後は実際の動作値とゲーム・メモリの安定性を確認し、不安定なら元へ戻します。BIOS更新は機種の更新内容と必要性で判断します。起動できない場合は機種の説明書と暗号化の回復手段を確認し、メモリ・DDR5のトラブル診断チャートで症状を切り分けてください。
メモリ設定・保証・復旧の出典:AMD EXPO / Intel XMP / ASUS XMP/EXPO設定とQVL / ASUS CMOSクリア / Microsoft BitLocker FAQ
出典:TechSpot「Cheap vs. Premium DDR5: Stock vs. EXPO/XMP」 / TechSpot「Nvidia Resizable BAR Tested」 / NVIDIA「GeForce RTX 30 Series Resizable BAR Support」 / AMD「Ryzen Master Utility」(PBOと保証に関する注記) / Tom’s Hardware「Ryzen 7 9850X3D PBO overclock testing」 / Tom’s Hardware「Intel releases 0x12F update to fix Vmin instability」 / Tom’s Hardware「Default Windows VBS Setting Slows Games Up to 10%」 / Microsoft Learn「Memory integrity and VBS enablement」 / Riot Games「Vanguard Security Requirements」 / EA「Battlefield 6 Secure Boot Information」








