自作PCの組み立て手順|初めてでも失敗しない10工程と、よくあるミスの直し方・DDR5の初回起動まで解説【2026年版】
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力で押し込む工程はない。硬いと感じたら手を止める
自作PCの組み立ては、力で押し込む工程がないことを覚えておけば、初めてでも失敗しにくくなります。CPUは向きが合えば自重で収まり、メモリは切り欠きが合えば押し込むだけです。「硬い」「入らない」と感じたら、向きと位置を確認し直してください。
2026年の主流の構成(AM5・LGA1851、DDR5メモリ、12V-2×6コネクタのGPU)では、昔と違う注意点もあります。DDR5の最初の起動では、メモリの調整(メモリトレーニング)のために、画面が出るまで数分以上かかることがあります。
以下では、準備と最小構成でのテストから、CPU、メモリ、SSD、クーラー、ケースへの組み込み、配線、グラフィックボード、初回起動までを順に解説します。まだマザーボードを決めていない人は、先にマザーボードの選び方を確認してください。
目次
01 / 準備組み立て前の準備
ケースに入れる前の最小構成テスト
本組みの前に、ケースの外で最小限のパーツだけを組んで起動を確かめておくと、初期不良をすぐに見分けられます。15分ほどの手間で、組み上げた後の原因探しを大きく減らせます。
- マザーボードを箱の上に置く:付属の緩衝材や箱の上に置き、床に直接置かないでください。
- CPU、クーラー、メモリ1枚、GPUを取り付ける:メモリは説明書で指定された1枚用のスロットに挿します。SSDはまだ不要です。
- 電源ケーブルをつないで起動する:ATX 24ピン、CPU用の8ピン(EPS)、GPU用の12V-2×6をつなぎ、マザーボードの電源スイッチ用のピンをドライバーの先で短絡させるか、基板上の電源ボタンで起動します。
- BIOS画面が出るか確認する:CPUとメモリが認識されていれば正常です。起動しないときは、マザーボードのDebug LEDでどのパーツで止まっているかを確認し、初期不良なら購入店に連絡します。
組み立ては、「マザーボード上の作業」→「ケースへの組み込み」→「配線」→「起動確認」の順で進めます。ケースに入れると手が届きにくくなるCPU、メモリ、SSD、クーラーを、先にマザーボードに取り付けておくのが基本です。
02 / CPUCPUの取り付け
最も緊張する工程ですが、手順を守れば難しくありません。CPUを押し込む必要はまったくありません。


AM5(AMD Ryzen)の場合
- レバーを上げてカバーを開ける:ソケット横の金属レバーを軽く横に押してロックを外し、上に持ち上げます。CPUを保護するプラスチックカバーは、まだ外しません。
- 三角マークを合わせてCPUを載せる:CPUの角にある金色の三角マークと、ソケットの三角マークを合わせてそっと置きます。ソケット内のピンと、CPU裏面の接点には触れないでください。
- レバーを下ろしてロックする:固定プレートを閉じてレバーを戻すと、プラスチックカバーが外れます。カバーは修理のときに必要になるので保管してください。
LGA1851(Intel Core Ultra 200S)の場合
- レバーを外してプレートを開ける:レバーを押し下げて横にずらし、ロックを外して持ち上げると、金属の固定プレートが開きます。
- 三角マークを合わせてCPUを載せる:CPUとソケットの三角マーク、両側の切り欠きを合わせてそっと置きます。向きが違うと収まらない形になっています。
- プレートを下ろしてレバーをロックする:レバーを戻すときはかなり硬いのが普通です。プラスチックカバーが外れたら完了で、カバーは保管しておきます。
どちらもピンがマザーボードのソケット側にある方式です。ピンは非常に細く、1本でも曲げると修理は困難です。CPUを落としたり、斜めに押し込んだりしないでください。
03 / メモリメモリの取り付け
2枚組のメモリを4スロットのマザーボードに挿す場合、デュアルチャネルで動かすために、2番目と4番目のスロット(A2とB2)を使うのが一般的です。スロット名の表記はメーカーごとに違うので、説明書で「2枚の場合の推奨スロット」を確認してください。

- スロットのラッチを開く:最近のマザーボードは片側だけにラッチがあるものが主流です。
- 切り欠きを合わせて挿す:メモリの端子の切り欠きをスロットの突起に合わせ、両端を均等に真下へ押します。向きが逆だと入らない形です。
- カチッと鳴るまで押し込む:思ったより力が要ります。切り欠きが合っていれば壊れないので、ラッチが閉じるまでしっかり押してください。
04 / SSDM.2 SSDの取り付け
- ヒートシンクを外す:多くのマザーボードでは、M.2スロットに金属のヒートシンクが付いています。裏面の熱伝導パッドの保護フィルムを剥がすのを忘れないでください。
- SSDを斜めに挿してから固定する:約30度の角度で端子を奥まで挿し、水平に倒してネジかクリップで固定します。
- ヒートシンクを戻す:熱伝導パッドがSSDに当たるように被せて固定します。発熱の大きいGen5のSSDでは、ヒートシンクが欠かせません。
M.2スロットが複数あるなら、CPUに直結したスロットを起動用のSSDに使ってください。チップセットを経由するスロットは、他の機器と帯域を分け合います。どのスロットがCPU直結かは、説明書のM.2スロットの仕様に書かれています。
05 / クーラーCPUクーラーの取り付け
CPUクーラーは、マザーボードをケースに入れる前に取り付けます。ケースに入れた後だと、裏側のバックプレートに手が届かなくなります。

空冷クーラーの場合
- 取り付け金具を付ける:クーラーの説明書に従って、バックプレートや金具を取り付けます。AM5では、マザーボード標準のバックプレートをそのまま使うクーラーが多くあります。
- グリスを塗る:CPUの中央に1点盛りします。クーラーで押さえると自然に広がるので、塗り広げる必要はありません。グリスが最初から塗られているクーラーなら不要です。クーラー底面の保護フィルムも忘れずに剥がしてください。
- ネジを対角の順に締める:少しずつ均等に締めます。片側だけ先に締めると、圧力が偏って冷えにくくなります。
- ファンのケーブルをつなぐ:マザーボードのCPU_FANにつなぎます。つなぎ忘れるとCPUが過熱して電源が落ちます。
簡易水冷の場合
ポンプ部分をCPUに取り付ける手順は空冷と同じです。ラジエーターはケースの天面か前面に固定します。ポンプのケーブルは、マザーボードのPUMP_FAN(なければCPU_FAN)につなぎます。PUMP_FANは多くのマザーボードで、初期設定のまま全速で回るようになっています。
06 / ケースマザーボードをケースに固定
- I/Oシールドを確認する:最近のマザーボードは背面端子のカバーが一体になっているものが大半です。別になっている場合は、マザーボードを入れる前にケースにはめ込んでください。
- スタンドオフの位置を確認する:ケース内の六角柱(スタンドオフ)が、マザーボードのネジ穴と合っているか確認します。ATXでは9か所が一般的です。ネジ穴のない位置にスタンドオフがあると、基板がショートする原因になります。
- 斜めに入れてネジで固定する:背面端子側から入れ、水平に下ろします。ネジは対角の順に軽く締めてから、本締めします。基板がたわむほど締める必要はありません。
07 / 配線電源ユニットとケーブルの配線
- 使うケーブルを先に電源につなぐ:フルモジュラー電源なら、ケースに入れる前に、ATX 24ピン、CPU用8ピン(EPS)、GPU用12V-2×6、必要ならSATA電源のケーブルを電源側に挿しておきます。
- 電源をケースに固定する:ケースの底面に吸気口がある場合は、ファンを下向きにして背面からネジ4本で固定します。
電源のメーカーや型番が違うと、コネクタの形が同じでもピンの配列が違うことがあります。別の電源のケーブルを流用すると、パーツが壊れる原因になります。
| ケーブル | つなぐ場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| ATX 24ピン | マザーボード右端 | 最も大きいコネクタ。ラッチの向きを合わせて奥まで挿す |
| CPU 8ピン(EPS) | マザーボード左上 | 最も忘れやすい。形の似たPCIe 8ピンとの取り違えに注意 |
| 12V-2×6 | グラフィックボード | RTX 50/40シリーズなどの電源コネクタ。奥まで確実に挿す |
| フロントパネル | マザーボード下部 | 電源スイッチ、リセット、LED。向きがあるのはLEDだけ |
| USB 3.0/USB-C | マザーボード右下 | ケース前面の端子用。USB-Cのヘッダーは向きが決まっている |
| ケースファン | SYS_FAN各ヘッダー | 足りない場合は分岐ケーブルを使う |
ケーブルはマザーボードの裏側を通すのが基本です。ATX 24ピン、CPU 8ピン、12V-2×6と、太いケーブルから先に通すと動かしやすくなります。裏側の固定フックに結束バンドで留めれば、見た目も整います。最初の1台は、裏側に通すだけでも十分です。
08 / GPUグラフィックボードの取り付け
グラフィックボードは最も大きく重いパーツです。RTX 5080やRTX 5090のオリジナルモデルには、3スロット以上の厚さのものが多くあります。ケースに入るか、長さと厚さを事前に確認してください。ケースの選び方はゲーミングPCケースの選び方で解説しています。
- スロットカバーを外す:ケース背面の拡張スロットのカバーを、GPUの厚さに合わせた枚数外します。
- PCIe x16スロットに挿す:CPUに直結した一番上のx16スロットを使います。斜めにならないよう均等に押し込むと、ラッチが閉じます。
- ブラケットをネジで固定する:しっかり留めないと、GPUが傾いて端子に負担がかかります。
- 12V-2×6ケーブルをつなぐ:コネクタは奥まで確実に挿し、差し込みが浅いまま使わないでください。コネクタの根元付近でケーブルを急に曲げるのも避けます。
重いグラフィックボードは、時間がたつと自重で傾いてきます。ケースに付属していなければ、別売りのサポートステーを用意してください。
09 / 起動初回起動とBIOSの確認
すべて取り付けたら、サイドパネルを開けたまま起動します。電源を入れる前に、次の4点を確認してください。
- CPU用8ピン(EPS)はつないだか:マザーボード左上の奥にあり、最も見落としやすいケーブルです。つないでいないと起動しません。
- GPUの12V-2×6はつないだか:つないでいないと、映像が出ません。
- モニターはGPUにつないだか:マザーボードの映像端子ではなく、GPUの端子にHDMIかDisplayPortをつなぎます。
- 電源ユニット背面のスイッチは「I」か:「O」のままだと何も起きません。
DDR5のメモリは、新しく取り付けた後の最初の起動で、マザーボードがメモリに合わせて設定を調整する「メモリトレーニング」を行います。この間は画面が真っ暗なままのこともあり、メモリメーカーのCrucialは、場合によって最大15分かかると説明しています。電源を切らずに待ってください。2回目以降の起動では、この待ち時間はなくなります。
2回目以降も起動が遅いときの原因と短縮する設定は、AM5の起動が遅い原因とMemory Context Restoreで解説しています。
BIOS画面で確認すること
- CPUとメモリの容量:メモリが1枚分しか認識されていなければ、挿し込みが浅い可能性が高いので挿し直します。
- SSD:M.2 SSDの型番と容量が表示されていることを確認します。
- XMP/EXPO:メモリを本来の速度で動かす設定です。有効にすると、もう一度メモリトレーニングが行われることがあります。
Windows 11のインストールとドライバー
- GPUのドライバー:NVIDIAかAMDの公式サイトから最新版を入れます。Windows Updateで入るドライバーは、最新版ではないことがあります。
- チップセットのドライバー:マザーボードメーカーのサポートページから入れます。LANやオーディオのドライバーもここにあります。
- Windows Update:残りのドライバーを入れ、最後に再起動します。
10 / トラブルよくあるミスと直し方
初めての自作で起きるトラブルのほとんどは、「つなぎ忘れ」か「挿し込み不足」です。
| 症状 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 電源が入らない | 電源背面のスイッチがO、フロントパネルの電源スイッチ端子の未接続、ATX 24ピンの未接続 | 背面スイッチ→フロントパネル端子→24ピンの順に確認 |
| ファンは回るが映像が出ない | モニターをマザーボードにつないでいる、GPUの電源の未接続、メモリの挿し込み不足。DDR5の初回はメモリトレーニング中のこともある | GPU側の端子につなぐ→GPUの電源を確認→数分待ってからメモリを挿し直す |
| Debug LEDが点灯したまま | 点灯しているLED(CPU/DRAM/VGA/BOOT)のパーツの認識失敗 | 該当するパーツを挿し直す |
| メモリが半分しか認識されない | 1枚の挿し込み不足、推奨と違うスロット | 両方抜いて推奨スロットに挿し直す |
| SSDが認識されない | 挿し込み不足、スロットの非対応(NVMe専用スロットにSATA接続のM.2 SSDなど) | 挿し直す→別のスロットで試す→説明書でスロットの仕様を確認 |
| CPU温度が異常に高い | クーラー底面の保護フィルムの剥がし忘れ、ファンの未接続、取り付け不良 | すぐに電源を切り、クーラーを外して確認、グリスを塗り直す |
それでも起動しないときは、GPUを外しメモリを1枚にした最小構成に戻して試してください。これで起動すれば、外したパーツが原因です。
新しいCPUを載せたとき、マザーボードのBIOSが古くて起動しないこともあります。AM5のB650・X670にRyzen 9000シリーズを載せる場合などが該当します。マザーボードがBIOS Flashbackに対応していれば、CPUがなくても、USBメモリに入れたBIOSファイルで更新できます。
11 / 用品用意しておきたいグリス・クーラー・清掃用品
2026年9月25日にAmazonの商品ページで在庫を確認した4点です。価格は変わるので、購入前にリンク先で確認してください。


※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
12 / FAQよくある質問
説明書を見ながら慎重に進めて2〜3時間、余裕を見るなら4〜5時間です。Windows 11のインストールとドライバーの導入にさらに1時間ほどかかります。休日の午前中から始めると安心です。
作業前に金属に触れて静電気を逃がし、絨毯の上での作業を避ければ、過度に心配する必要はありません。気になるなら静電気防止のリストバンドを使ってください。
電源背面のスイッチ、ケース前面の電源スイッチ端子、ATX 24ピン、CPU用8ピンの順に確認してください。CPU用8ピンはマザーボード左上の奥にあり、最も忘れやすいケーブルです。
まず、モニターのケーブルがGPUの端子につながっているか確認してください。DDR5の最初の起動なら、メモリトレーニングで画面が出るまで時間がかかることがあるので、数分待ってください。それでも出なければ、GPUの電源とメモリを挿し直します。
コネクタを奥まで確実に挿し、根元付近でケーブルを急に曲げないことが基本です。電源は、12V-2×6のケーブルが付属するATX 3.1対応のものを選ぶと、変換アダプターを使わずに済みます。
塗り直してください。古いグリスを無水エタノールなどで拭き取り、新しいグリスを中央に1点盛りします。
自作PCの組み立ては、力で押し込まず、向きと位置を確認することを守れば、初めてでもプラスドライバー1本で完成します。ケースに入れる前に最小構成で起動を確かめておくと、トラブルの原因をすぐに絞り込めます。
最初の起動では、DDR5のメモリトレーニングで画面が出るまで時間がかかることがあります。慌てて電源を切らず、しばらく待ってください。組み上がったら、BIOS設定ガイドでXMP/EXPOなどを設定してください。








