Mini-ITX自作ガイド|ケース・電源・冷却の選び方と予算別構成例【2026年版】

(更新: 2026.6.20)
Mini-ITX自作ガイド|ケース・電源・冷却の選び方と予算別構成例【2026年版】

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SMALL FORM FACTOR BUILD GUIDE
Mini-ITX自作ガイドケース・電源・冷却の選び方と予算別構成例【2026年版】

規格の制約から、ケース・電源・冷却の選び方、予算別構成例3パターン、そして「失敗あるある」まで。Mini-ITXはメリットもデメリットも大きい規格です。正直に解説します。

2026年6月更新AM5対応構成例3パターン失敗あるある付き

Mini-ITXは170mm×170mmという規格で、ATXマザーボード(305mm×244mm)の半分以下の面積に収まります。小型・省スペースという魅力は本物ですが、同時にパーツの選択肢が狭まり、組み立ての難易度も上がります。

この記事では、Mini-ITXケースに収まる規格の説明から、SFX電源・マザーボード・冷却の選び方、2026年6月時点での予算別構成例、そして多くの人が初回で引っかかる「組み立て時の鬼門」まで一通り解説します。

「とにかくPCを小さくしたい」という理由だけでMini-ITXを選ぶと後悔することがあります。まず自分がMini-ITXに向いているかどうかを確認してから、パーツ選びに進んでください。

目次

Mini-ITXとは——規格サイズと主な制約

PCのマザーボードにはいくつかのフォームファクターがあります。よく使われる3規格の比較は以下の通りです。

規格基板サイズPCIeスロットメモリスロットSATAポート特徴
ATX305 × 244 mm最大7本4本6本以上最も選択肢が多い標準規格
Micro-ATX244 × 244 mm最大4本4本4〜6本コンパクトさと拡張性のバランス型
Mini-ITX170 × 170 mm1本のみ2本のみ2〜4本最小。ケース容積10〜20L前後が主流

Mini-ITXを選んだ時点で、PCIeスロットがx16一本のみという制約が確定します。GPUを1枚使えば、キャプチャーカードやPCIe接続のNICを増設する余地はありません。またメモリスロットが2本なので、後から増設することも基本的にできません(交換のみ)。

Mini-ITX固有の制約まとめ
  • 1
    PCIeスロットがx16の1本のみ — GPUを刺したら終わり。PCIeキャプチャーカード・NIC・サウンドカードの増設は不可
  • 2
    メモリスロットが2本のみ — 最初から32GBまたは64GBで組む必要がある。後の増設はできず、交換になる
  • 3
    電源がSFX/SFX-L規格になることが多い — 標準ATX電源より1.5〜2割高く、選択肢も少ない
  • 4
    M.2スロットの配置に要注意 — 基板裏面にM.2スロットがある機種は、組み立て後のSSD追加・交換が困難になる
  • 5
    ケース内の作業空間が極端に狭い — 組み立て順序を間違えると一から組み直しになる

Mini-ITXが向いている人・向いていない人

「Mini-ITXを選ぶべきか」は、正直に言うと人によります。競合記事の多くは「初心者にもおすすめ」と書きがちですが、実際にはMicro-ATXの方が組みやすく、コスパも高いです。Mini-ITXをわざわざ選ぶ明確な理由がある人向けの規格だと思っておいてください。Micro-ATXとのコスト差・GPU互換性・冷却の違いを数値で確認したい方はMini-ITX vs Micro-ATX徹底比較も参考にしてください。

+Mini-ITXが向いている人
  • デスクの上にPCを置きたく、ケースの奥行きや高さを極力抑えたい
  • 見た目・インテリアとして映えるコンパクトなPCを作りたい
  • PCを持ち運ぶ機会がある(LANパーティー、友人宅など)
  • 拡張性よりも省スペースを優先できる
  • キャプチャーカードや複数のPCIeカードを使う予定がない
  • 予算に余裕があり、SFX電源や高品質AIOに追加投資できる
Mini-ITXを選ばない方がいい人
  • 自作PC初心者(Micro-ATXの方が組みやすく失敗しにくい)
  • 予算を極力抑えたい(SFX電源・高品質ケースでコストが上がる)
  • 後から自由にパーツを増設・変更したい
  • キャプチャーカードやサウンドカードを使いたい
  • 「ただ小さいPCが欲しいだけ」(BTO小型PCを買う方が楽)
NOTE

「省スペースPC」が目的なら、ASUSのROG NUCのような超小型ゲーミングPCの選択肢も比較してみてください。自作に比べて制約は多いですが、組み立て不要で置き場所問題は即解決できます。

ケースと電源規格|Mini-ITX選びの第一歩

SFX・SFX-L・ATX電源の違い

Mini-ITXケースの多くは標準ATX電源(140×150×86mm)が入りません。代わりに使うのがSFX電源(100×125×63mm)またはSFX-L電源(130×125×63mm)です。

規格主な寸法最大出力目安価格帯備考
ATX140×150×86mm制限なし安いMini-ITXケースの大半で非対応
SFX100×125×63mm最大1000W(主流は750〜850W)ATX比+15〜20%高ほぼ全Mini-ITXケースで対応
SFX-L130×125×63mm最大1000W前後ATX比+20〜25%高静音性が高い(120mmファン)。対応ケース要確認

※ ATX電源に対応するMini-ITXケースも存在します。ケースの仕様を必ず確認してください。

SFX-Lは30mm長い分だけ120mmファンを搭載できるため、同出力のSFXより静かになる傾向があります。ただし対応するケースが限られます。RTX 5070以上の構成ではSFX 750W以上を選んでください。RTX 5070 Tiを入れるなら850Wが安全圏です。具体的なモデル選びとATX 3.1・12V-2×6焼損回避のポイントはSFX電源おすすめ【2026年版】で10機種の比較をまとめています。

おすすめMini-ITXケース(容積別7機種)

Mini-ITXケースは容積によって組み立て難易度・冷却余裕・対応GPU長が大きく変わります。小型(10〜15L)と万能型(18L以上)の2ゾーンで整理しました。自分の組みたい構成と腕前に合ったものを選んでください。

ケース容積電源GPU最大CPU高さ制限難易度
Fractal Design Ridge10.8LSFX / SFX-L335mm70mm上級
Fractal Design Terra11.4LSFX322mm77mm上級
SilverStone SUGO 1613LATX / SFX275mm172mm※中級
NZXT H1 V215.5L付属 750W324mm72mm中級
Cooler Master NR200P V2約18LSFX / SFX-L357mm67mm初〜中級
CORSAIR iCUE 2000D Airflow約24LSFX / SFX-L365mm90mm初級
Thermaltake TR100約19LSFX / SFX-L360mm68mm中級

※ SUGO 16の172mmはSFX電源使用時の上限です。ATX電源を使う場合は85mmまでに制限されます。

超小型(容積10〜15L)——上級者・究極の省スペース向け

デスク上に置いても存在感が薄い10〜15Lクラス。GPUはAIO水冷必須または短めのモデルに限定、CPUクーラーも薄型しか入らないなど制約が厳しく、組み立ても狭い空間との戦いになります。ただし完成時の達成感と見栄えは別格で、自作経験者が最後にたどり着くクラスです。

縦横置き切替型

Fractal Design Ridge

Fractal Design Ridge Mini-ITXケース
  • 容積 約10.8L、縦置き・横置き切替可能
  • GPU最大335mm(2.5スロット / 82mm以下)
  • SFX / SFX-L電源対応、140mm Aspectファン×2基標準付属

Terraの姉妹機で1万円以上安く、PCIe 4.0ライザー・USB Type-C・2基の140mmファンが全て標準付属する機能性の高さが魅力。縦置きで省スペース、横置きでHTPCのような使い方もできる柔軟性。Amazon・価格.comともに安定して流通しており入手性も良好です。

プレミアムデザイン

Fractal Design Terra FD-C-TER1N

Fractal Design Terra Mini-ITXケース
  • 容積 約11.4L の超小型ボディ
  • アルミシャーシ+ウォールナットアクセントの高品質デザイン
  • SFX電源対応、GPU最大約322mm

「小さく・美しく」を両立したプレミアムITXケース。インテリアになじむ見た目と圧倒的なコンパクトさが特徴。その分、冷却と組み立て難易度は上がります。

大型空冷対応・1万円台

SilverStone SUGO 16 (SST-SG16B)

SilverStone SUGO 16 Mini-ITXケース
  • 容積 13L のキューブ型、GPU最大275mm
  • CPUクーラー高さ最大172mm(SFX電源使用時・大型空冷対応)
  • ATX / SFX両対応電源(ATX電源使用時はクーラー高85mmまで)、価格1万円前後

この容積でハイエンド空冷クーラーが載る稀有なMini-ITXケース(高さ172mmはSFX電源使用時。ATX電源と大型空冷の同時使用はできません)。価格も1万円前後とコスパ抜群で、初めての自作やサブ機に最適です。GPUが275mmまでなのでRTX 5080以上は厳しいですが、RTX 5060〜5070クラスの2連ファンモデルなら問題なく収まります。

電源同梱モデル

NZXT H1 V2

NZXT H1 V2 Mini-ITXケース
  • 容積 15.5L、SFX 750W電源・140mm AIO・PCIeライザーが同梱
  • 縦型タワーレイアウトで設置面積が最小
  • 初期不良時のNZXT国内サポートが手厚い

「ケース・電源・簡易水冷・ライザー」が一体化したオールインワン設計で、パーツ選びの手間を省けるのが魅力。初めての超小型PCを組むならこれが最も失敗しにくい。ただしGPUは2.5スロット厚まで。

初心者推奨・万能型(容積18L以上)

18L以上のケースは組み立て空間に余裕があり、GPUの選択肢もほぼ制限されません。初めてのMini-ITX自作なら、このレンジから入るのが最も挫折しにくいです。

初心者の決定版・RTX 5090対応

Cooler Master MasterBox NR200P V2

Cooler Master MasterBox NR200P V2 Mini-ITXケース
  • 容積 約18L、SFX / SFX-L電源対応
  • GPU最大357mm(公式RTX 5090対応を明言)
  • 280mm AIO対応、強化ガラス+メッシュパネル2種類付属

「Mini-ITXの初心者に何を勧めるか」と問われればまずこれ。旧NR200Pの後継として2024年に登場した最新版で、組み立て空間に余裕があり、付属ファンも品質十分。公式にRTX 5090 / RX 9070 XT対応を謳う互換性で、将来のGPU換装も見据えられます。価格.com・Amazonともに流通が安定しており入手性も良好です。

エアフロー最強

CORSAIR iCUE 2000D RGB Airflow

CORSAIR iCUE 2000D RGB Airflow Mini-ITXケース
  • Mini-ITX対応フラグシップケース(約24L)
  • SFX / SFX-L電源対応、GPU最大365mm(3スロット対応)、AIO最大360mm
  • 前面3連ファンによる優秀な冷却性能とRGB

高発熱GPUを積んでも熱に悩みたくない人向け。CORSAIRらしいRGB演出と圧倒的なエアフロー設計が強み。ITXとしてはやや大きめですが、その分組み立てやすさも高水準。

コスパ重視

Thermaltake TR100

Thermaltake TR100 Mini-ITXケース
  • 容積約19Lの縦型ミニタワー、PCIe 4.0ライザー標準付属
  • GPU最大360mm・280mm AIO対応
  • SFX / SFX-L電源対応(CPUクーラー高さ68mmまで)

追加コストを抑えたい人向けの入門価格ケース。GPU用ライザーケーブルが最初から付属するため買い足し不要で、360mmまでの大型GPUと280mm AIOが載る懐の深さがあります。CPUクーラーが高さ68mmまでの薄型限定になる点だけ注意してください。

初めての1台なら容積18L以上から

Mini-ITX初挑戦の方にはCooler Master NR200P V2 または CORSAIR 2000D Airflowの容積18L以上のケースを強く推奨します。10L台の超小型ケースは美しい一方で、ケーブル管理・クーラー選定・組み立て順序のすべてに制約があり、初回で詰まるリスクが跳ね上がります。一度Mini-ITXを経験してから、次の1台でRidgeやTerraのような超小型に挑戦する流れが現実的です。

マザーボード選び(AM5プラットフォーム 2026年版)

2026年時点のゲーミング用途ではAM5プラットフォーム(Ryzen 9000番台)が主流です。IntelのLGA1851(Z890/B860チップセット)にもMini-ITX対応マザーボードは存在しますが、ゲーミング性能では現状AM5が有利なため、この記事ではAM5に絞って解説します。Mini-ITXマザーボードは選択肢が少なく、同チップセットのATX/Micro-ATX品より価格も高めになります。2026年にはB850チップセット世代のITXボードも出そろい始めており、TUF GAMING B850I WiFi NeoとROG Strix B850-Iの違いは別記事で詳しく比較しています(掲載価格はいずれも2026年6月時点の目安です)。

入門〜ミドル定番

ASRock B650I Lightning WiFi

ASRock B650I Lightning WiFi
  • チップセット: B650 / ソケット AM5
  • M.2スロット 2本(PCIe 5.0対応)
  • 実勢価格 約27,000円〜でAM5 ITXの最安水準

コスパ重視の入門〜ミドルハイ向けの定番モデル。Ryzen 5 9600X・9700Xとの組み合わせで鉄板構成を組める。

ハイエンド向け

ASUS ROG STRIX B650E-I GAMING WIFI

ASUS ROG STRIX B650E-I GAMING WIFI
  • チップセット: B650E / ソケット AM5
  • M.2スロット 2本(PCIe 5.0+Gen4)
  • 10+2フェーズVRM・ROG独自の安定性

B650E最上位。VRMが厚く9800X3DなどハイエンドCPUにも対応。ROGエコシステムとArmoury Crateで管理したい人にも。実勢価格 約35,000円。

最上位フラグシップ

MSI MPG X870I EDGE TI EVO WIFI

MSI MPG X870I EDGE TI EVO WIFI
  • チップセット: X870 / ソケット AM5
  • M.2スロット 3本(PCIe 5.0対応、裏面配置含む)
  • 8+2+1フェーズ DRPS(110A SPS)

2026年現在のAM5 Mini-ITX最上位。9800X3D×RTX 5070 Ti以上のハイエンド構成向け。M2_2/M2_3は片面実装SSDのみ対応(基板裏面)。実勢価格 約50,000円。

※ X870I EVOのM2_2/M2_3スロットは片面実装SSDのみ対応(基板裏面配置)。組み立て後のアクセスが難しいため、使用するSSDを最初から計画しておく必要あり。

注意点:M.2スロットの配置を必ず確認する

Mini-ITXマザーボードは面積が小さいため、M.2スロットを基板裏面に配置しているモデルがあります。ケースに組み込んだ後はアクセスが事実上不可能になるため、組み立て前に何TBのSSDを何本使うか決め、全スロットに取り付けてからマザーボードをケースに入れてください。後から「SSDを追加したい」では遅いです。

冷却計画|Mini-ITXで最初に決めるべきこと

熱はMini-ITXで最も悩むポイントです。ケース容積が小さいので熱密度が上がりやすく、ATX構成と同じ発熱のCPU/GPUを詰め込むと、エアフロー設計が甘いと冷却が追いつかなくなります。

空冷の限界とAIOの必要性

ほとんどのMini-ITXケースはCPUクーラー高さが60〜90mm程度に制限されます(NR200P V2で最大67mm)。この制約内で使えるトップフロー型の薄型空冷クーラーは、DeepCool AN600(高さ67mm)やNoctua NH-L12S(高さ70mm)などに限られます。上限ギリギリの組み合わせになるときは、ケースとクーラーの仕様を1mm単位で確認してください。

Ryzen 5 9600X(65W TDP)程度であれば薄型空冷でも十分冷えますが、Ryzen 7 9800X3D(120W TDP)やRTX 5070以上のGPUを入れるなら、240mm以上のAIO水冷クーラーを天面に設置する構成が実質必須です。

CPUTDP推奨冷却根拠
Ryzen 5 9600X65W薄型空冷 or 120/240mm AIO低発熱。70mm以下の空冷で安定
Ryzen 7 9700X65W薄型空冷 or 240mm AIO65WでMini-ITXに最適な省電力CPU
Ryzen 7 9800X3D120W240mm AIO以上を推奨高負荷時に発熱が大きい。薄型空冷では不安

アンダーボルトは必須の一手

Mini-ITX構成では、CPUとGPU両方にアンダーボルト(電圧を下げて発熱を減らす)を施すことを強くおすすめします。Ryzen 9000番台であればRyzen Master上でECO Mode(65W制限)に切り替えるだけで手軽に発熱を抑えられます。GPU側はMSI AfterburnerでCore Clockをマイナス方向に調整します。

性能低下はほぼゼロ(0〜3%程度)で温度が5〜15℃下がるため、Mini-ITX環境では費用ゼロで最も効果の高い対策です。組み立て後、最初に試す価値があります。

2026年版 予算別構成例

以下の3パターンはいずれも2026年6月時点の実勢価格を参考にした概算です。GPUは価格変動が特に大きいため、購入時に改めて確認してください。CPUはMini-ITXとの相性を優先し、発熱が小さい65W TDPモデルを中心に採用しています。

Entry
フルHD〜WQHD入門構成
目安 約30〜32万円
CPURyzen 5 9600X約34,000円
M/BASRock B650I Lightning WiFi約27,000円
メモリDDR5-6000 32GB(16GB×2)約75,000円
SSDNVMe PCIe4.0 1TB約28,000円
GPURTX 5060 Ti 16GB約95,000円〜
ケースCooler Master NR200P V2約18,000円
電源SFX 750W 80Plus Gold(Lian Li SP750等)約16,000円
クーラー120mm AIO または薄型空冷約8,000円〜
概算合計約301,000〜320,000円
RTX 5060 Ti は16GB版のみ推奨。8GB版はWQHDで性能差が顕著なため選ばないこと。9600Xの65W TDPはこの構成で最もトラブルが少なく、薄型空冷でも安定して動きます。
Mid-High
WQHD安定・バランス構成
目安 約41〜44万円
CPURyzen 7 9700X約36,000円
M/BASUS ROG STRIX B650E-I Gaming WiFi約35,000円
メモリDDR5-6000 32GB(16GB×2)約75,000円
SSDNVMe PCIe4.0 2TB約80,000円
GPURTX 5070約128,000円〜
ケースCooler Master NR200P V2約18,000円
電源Corsair SF750 SFX 80Plus Platinum約23,000円
クーラー240mm AIO(天面マウント)約15,000円
概算合計約410,000〜435,000円
9700Xは65W TDPで発熱が少なく、Mini-ITXとの相性が最も良いCPUのひとつ。RTX 5070はDLSS 4.5の恩恵が大きく、WQHD解像度で非常に強力です。サイドのガラスパネルを付属のメッシュパネルに替えるとエアフローが改善し、GPU温度がさらに安定します。
High-End
「小さく最強」4K・競技ゲーミング構成
目安 約51〜55万円
CPURyzen 7 9800X3D約66,000円
M/BMSI MPG X870I EDGE TI EVO WIFI約50,000円
メモリDDR5-6000 32GB(16GB×2)約75,000円
SSDNVMe PCIe5.0 2TB約80,000円
GPURTX 5070 Ti約174,000円〜
ケースCooler Master NR200P V2約18,000円
電源SFX 850W 80Plus Gold(Corsair SF850L等)約25,000円
クーラー280mm AIO(NR200P V2天面マウント)約20,000円
概算合計約508,000〜545,000円
9800X3D+RTX 5070 Tiは2026年前半における最人気構成。NR200P V2はRTX 5090まで収まる設計なのでGPUの将来的な換装余地もある。9800X3Dは120W TDPのため240mm以上のAIOを必ず用意。ECO Mode(65W制限)を有効にするだけで温度が大幅改善するので、組み立て後に確認を。

組み立て時の鬼門ポイント

Mini-ITXの組み立てで詰まりやすいポイントを整理しました。いずれもATX構成では起きにくい、Mini-ITX特有の落とし穴です。

1
GPUの物理寸法を確認しないまま購入する
最も多い失敗。GPUには長さ(mm)と高さ(mm)の制限があります。例えばNR200P V2はGPU長357mm × 高さ160mmまで。RTX 5080/5090の一部モデルはこれを超える場合があります。必ずGPUメーカーの仕様ページでサイズを確認してからケースを選ぶか、ケースを先に選んでから対応するGPUを選んでください。
2
マザーボードをケースに入れてからM.2 SSDを取り付けようとする
Mini-ITXのM.2スロットはケース内でのアクセスが困難なことが多いです。組み立て順序は「M.2 SSDをマザーボードに装着 → CPUと簡易水冷のポンプヘッドをマザーボードに取り付け → マザーボードをケースに入れる」が基本。特にB650I/X870I EVOは基板裏面スロットがあるため、この順序を守らないと後から詰みます。
3
ライザーケーブルの規格ミス・長さ不足
多くのMini-ITXケースはGPUをライザーケーブルで接続する設計です。ケース付属のライザーケーブルがPCIe 4.0世代の場合、PCIe 5.0接続のRTX 5000番台でも実用上の性能差はほぼありませんが、古いケースに社外品ライザーを買い足す場合は300mm前後の長さが必要になることが多いです。NR200P V2やTR100はPCIe 4.0ライザーが最初から付属するため、買い足しは不要です。
4
SFX電源を間違えてATX電源を注文する
検索してトップに出てくる電源の多くはATX規格です。SFX電源は製品数が少なく価格も高め。ケース側の電源規格(SFX / SFX-L / ATX)を事前に調べ、「SFX」というキーワードで検索して購入してください。「小型なのになぜこんなに高いんだ」と後で気づくパターンが多いです。
5
AIOのラジエーターとポンプヘッドの取り付け順を間違える
Mini-ITXケースでAIOを使う場合、ラジエーターを天面に取り付ける前に配管が通せるか確認が必要です。また、AIOのポンプヘッドをマザーボードに固定してからケースに入れないと、後から狭い空間でのネジ締めが非常に困難になります。説明書の通りに進めても詰まりやすいのでYouTubeで同一ケースの組み立て動画を事前に見ておくことを強くおすすめします。
6
補助電源ケーブル(12V-2×6)の長さが足りない
RTX 5000番台から採用されている12V-2×6コネクタは、接続位置がケース内で変わります。SFX電源付属ケーブルの長さがギリギリだったり、無理に曲げると抜けやすくなります。Corsair SF750/SF850のようにフルモジュラーで延長ケーブルが入手しやすい電源を選ぶと対処が楽です。
7
ケーブルがCPUファンや電源ファンに接触する
Mini-ITXケースは空間が狭く、ケーブル管理を丁寧にやらないとファンにケーブルが巻き込まれて動作停止するトラブルが起きます。ケーブルの余剰部分はケース底面や隙間に押し込むか、短いスリーブケーブルへの交換も有効です。通常のATX構成より配線に時間がかかることを覚悟しておいてください。

よくある質問

Mini-ITXとMicro-ATX、初心者にはどちらが向いていますか?
Micro-ATXをおすすめします。パーツ選択の自由度が高く、組み立て空間も広く、電源も通常のATX規格が使えます。「小さいPCを作りたい」という動機だけであればMicro-ATXで十分コンパクトに仕上がります。Mini-ITXに踏み込むのは一度Micro-ATXで自作経験を積んでからでも遅くありません。両者のコスト差・GPU互換性・冷却性能はMini-ITX vs Micro-ATX徹底比較で数値比較しています。
Mini-ITXはATX構成と比べてゲームの性能が落ちますか?
適切に冷却できていれば性能差はほぼありません。問題になるのは冷却不足によるサーマルスロットリング(CPUやGPUが熱で自動的にクロックを落とす現象)で、これが起きると性能が数十%落ちることがあります。前述のアンダーボルトとAIO水冷の組み合わせで対策すれば、ATX構成とほぼ同一の性能が出せます。
RTX 5080や5090はMini-ITXケースに入りますか?
ケースによります。Cooler Master NR200P V2はGPU長357mm・高さ160mmまで対応しており、RTX 5090の多くのモデルが収まります。ただし3スロット占有モデルはケース内で電源やケーブルが干渉する場合があるため、同じケースでの組み立て動画やレポートを事前に確認してください。RTX 5080は多くのMini-ITXケースで問題なく収まります。
SFX電源はどこで買えますか?通常の電源より選択肢が少ないのでは?
国内ではAmazon・ツクモ・PCワンズ・ドスパラなどで入手可能です。選択肢はATX電源より確かに少ないですが、定番どころ(Corsair SF750、Seasonic Focus SGX、Lian Li SP850)は常に在庫があります。価格は同容量のATX電源より5,000〜8,000円程度高くなります。
Mini-ITX PCは音がうるさくなりますか?
ケースと冷却の選択次第です。NR200P V2やNZXT H1 V2のように大型AIO(280mm・140mm)が搭載できる構成なら、大きなラジエーターで低回転でも冷却できるため静音性は高くなります。逆にケースが小さすぎてAIOが120mmしか入らない構成(Fractal Design Terraなど)は高負荷時にファン回転数が上がりやすくなります。静音重視なら240mm以上のAIOが入るケースを選んでください。

まとめ|Mini-ITXは「選ぶ理由がある人」のための規格

Mini-ITXはコンパクトさという強みが際立つ規格ですが、PCIeスロットが1本のみ、メモリスロットが2本のみ、電源がSFX規格になる、組み立て難易度が高いという制約を全て受け入れた上で選ぶものです。「置き場所の問題を解決したい」「持ち運びたい」「インテリアに合わせたい」という明確な動機があるなら非常に価値のある選択肢です。

ケースはNR200P V2がほぼ万能な定番解です。電源はSFX 750W以上を選び、RTX 5070 Ti以上を入れるなら850Wが安全圏です。CPUは65W TDPのRyzen 9700X/9600Xがトラブルが少なく、Mini-ITXとの相性が最も良い選択肢です。

ハイエンド構成なら9800X3D+240mm以上のAIO(ECO Mode有効)で性能面の妥協は不要です。組み立て前に同一ケースのYouTube動画を一本見ておくことが、遠回りのようで最も確実な準備になります。

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