なぜ2026年に「昔のゲーム」が次々と復活するのか?|Thief・エストポリス・天地創造から見るリマスター産業の変化
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
増えたのはリマスターの本数より、復刻を回す仕組みです
2026年は、昔のゲームの復活が続いています。1998年のステルスゲーム『Thief: The Dark Project』はNightdive Studiosがリマスター版を発表し、1995年の『天地創造』は2027年1月14日にPCと現行機で再発売されます。1993年と1995年の『エストポリス伝記』2作も、2027年に1本にまとまって戻ってきます。
背景にあるのは、懐かしい作品の人気だけではありません。古いゲームを今のPCや家庭用機で動かす技術が専用エンジンとして積み上がり、AtariやGOGのように復刻を事業として続ける会社と売り場がそろいました。技術の壁が下がった分、いま時間がかかっているのは権利の整理と、IPを預けてもらう信用です。
遊ぶ側が気にしたいのは、リマスターかどうかより「原作のまま遊ぶ選択肢が残るか」「日本語で遊べるか」です。Thiefはリマスター版もGOG版も10月5日時点で日本語に対応しておらず、天地創造とエストポリス伝記は日本語で遊べます。公表済みのPC要件は、Thiefのリマスター版がDirectX 11対応GPU、エストポリス伝記がIntel HD Graphics 530と軽めです。
目次
要点同じ「復活」でも、作り直す量は作品ごとに違う
2026年に話題になった復刻を並べると、手の入れ方はばらばらです。グラフィックまで作り直す作品もあれば、見た目は原作のまま、文字や操作だけを今の基準に合わせる作品もあります。
| 作品 | 原作の発売 | 戻り方 | 主に変えたところ |
|---|---|---|---|
| Thief: The Dark Project Remastered | 1998年 | KEX Engineで組み直すリマスター | 最大4K・120fps、テクスチャ・モデル・アニメーション、ゲームパッド、ミッション選択 |
| Thief Gold(GOG版) | 1998年(Gold版は1999年) | 原作を今のPCで動かし続ける保存版 | NewDark 1.27、UIの拡大表示、操作、ゲームパッド |
| 天地創造 | 1995年 | 原作ベースの再発売 | 魔法・アイテムの素早い切り替え、巻き戻し、別モードのアレンジモード |
| エストポリス伝記 I&II | 1993年・1995年 | 原作のドットを残した2本セット | 全会話の漢字化、遊びやすくする機能の追加 |
| War in the North Legacy Edition | 2011年 | 販売終了した作品の再流通 | 60fps対応、UIの改善、キャラクター切り替え |
以前は「リマスター」と聞くと、解像度やテクスチャを高精細にする作業を思い浮かべるのが普通でした。いまは、買える状態に戻す、現行のOSで動かす、今のコントローラーで操作できるようにする、当時の不便だけを減らす、といった作業も復刻の中身に含まれています。
同じ作品に、原作を動かし続ける版と作り直す版が並ぶようになりました。復刻用のエンジンが育ち、技術より権利と信用が難所になっています。そして復刻は、1本ずつの企画から、専門の会社が次の作品を選んで流す仕組みに変わり始めています。
Thief同じ『Thief』が、保存版とリマスター版の2つの形で戻ってくる
Nightdive Studiosは、Eidos-Montréal、Atariと共同で、2026年6月7日のPC Gaming Showで『Thief: The Dark Project Remastered』を発表しました。自社のKEX Engineに移し、最大4K・120fpsの表示、テクスチャ・モデル・アニメーションの改良、ゲームパッド対応(武器ホイール・振動・ジャイロ操作)、クリア済みのミッションを選び直せるミッションセレクトを加えます。Steamストアには、開発の舞台裏の資料を集めた「Vault」も載っています。
PC版では、ファンが長年作ってきたカスタムキャンペーンも遊べるようになります。発売時期は「今冬」で、10月5日時点のSteamの発売日欄は「発表予定」です。対応機種はPC(Steam・Epic Games Store・GOG)、PS5、PS4、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2、Nintendo Switchです。

その約1か月後の7月15日、GOGは原作側の『Thief Gold』を「GOG Preservation Program」に加えました。GOGの保存活動を月額5ドルで支援する「GOG Patron」の投票で選ばれた最初の作品です。コミュニティが長年手を入れてきたエンジン更新「NewDark」の1.27を組み込み、UIの拡大表示、操作の調整、グラフィックと音声の初期設定の見直し、ドイツ語・フランス語・ポーランド語の追加を行いました。Gold版より前の『Thief: The Dark Project』も、ランチャーから1クリックで起動できます。
ゲームパッド操作は、ファンのPeter Wright氏が作ったMODと、GOG独自の入力ラッパーを組み合わせて対応しています。NewDarkの採用について、GOGは「コミュニティが何年も続けてきた素晴らしい仕事に敬意を表したかった」と述べています。
同じゲームに、原作をそのまま今のPCで動かし続ける版と、体験を今のハード向けに組み直す版が並ぶことになります。古いゲームを蘇らせる仕事が、すでに複数の商品に分かれていることを示す例です。どちらの版も、ファンが作ってきたミッションやMODの蓄積を取り込んでいる点は共通しています。
流通復刻で売っているのは、画質より「買えば動く」状態
古いゲームを遊ぼうとすると、本編の前にいくつもの壁があります。そもそも売っていない、当時のハードが要る、今のWindowsでは起動しない、解像度や操作が合わない、文字や言語に当時の制約が残っている、といったものです。
これらを一つずつ取り除けば、ゲームそのものを作り直さなくても商品になります。GOGが2024年11月13日に始めたGOG Preservation Programは、その考え方をストアの仕組みにしたものです。対象の作品は、GOGが自社のリソースを使って現在と将来のPC環境への互換性を保つと約束しています。開始時は100作品で、10月5日時点の対象は305作品です。
ここで売られているのは新しいグラフィックではなく、「買えば普通に動く」という保証です。新作では当たり前のこの状態が、古い作品ほど失われています。
消失米国で発売された旧作の87%は、正規に買えなかった
Video Game History Foundation(VGHF)とSoftware Preservation Networkが2023年7月に公表した調査では、米国で2010年より前に発売されたゲームから無作為に選んだ1,500本のうち、正規に販売中だったのは13%でした。残る87%を、VGHFは「深刻な消失の危機にある」と表現しています。
1960〜2009年を5年ごとに区切っても、入手できる割合が20%に届いた期間はありません。1985年より前の作品では3%を下回ります。
2023年時点の米国市場を調べた数字なので、今の世界中のゲームの87%が遊べないという意味ではありません。それでも、ゲームが映画や音楽とは違う問題を抱えていることは読み取れます。映画や音楽は新しいメディアや配信へデータを移せば届けられますが、ゲームはプログラムそのものを新しいOS・CPU・GPU・コントローラーで動かさなければなりません。ファイルを残しても、遊べる状態を残したことにはならないのです。
2011年の作品でも売り場から消えます。『ロード・オブ・ザ・リング:ウォー・イン・ザ・ノース』は2019年2月にSteamでの販売が終わり、2026年8月11日にAspyrの「Legacy Edition」として戻るまで、約7年半Steamで買えない状態でした。
技術Nightdiveは、復刻のための道具を10年以上かけて育てた
復刻を続ける会社の代表がNightdive Studiosです。同社のKEX Engineは『Turok』のリマスター用に作られ、10年以上かけてクラシック作品の復刻用ツールチェーンに育ちました。いまではNightdiveが手がける作品のほぼすべての土台になっています。
スタジオ責任者のStephen Kick氏は、2025年7月に公開されたインタビューで「古いゲームのコードがあれば、基本的にKEXに差し込んで、裏側の残りの処理はエンジンに任せられるように作ってある」と話しています。同時に「差し込めばすぐ動くわけではない」とも付け加えています。
作品ごとにゼロから現行機対応の土台を作る必要がなくなれば、1本の古いゲームを苦労して蘇らせる仕事は、古いゲームを蘇らせ続ける生産ラインに変わります。Kick氏は同じインタビューで、完全新作のIPを作るのは夢だとしつつ、「いまはリマスターの仕事が絶好調で、そちらを探る余力がない」とも語っていました。
エミュレーションソースコードが無くても、ROMから現行機へ移す技術
2026年4月23日には、エミュレーション技術を持つImplicit ConversionsがAtariの傘下に入りました。同社は、これまでに100本を超えるクラシックゲームを現行機に戻してきたエミュレーション専門のスタジオです。
同社の「Syrup」は、8・16・32ビット世代のゲームを現行の家庭用機へ移すためのエミュレーションエンジンです。公式ページのFAQには「ソースコードは必要ない。必要なのはROMだけ」とあり、ソースコードがあればなお助かる、という書き方です。
開発の中心はPS1向けの「Pancake」で、PS2向けの「Waffle」を開発中、その先にPS3向けの「Benedict」を見据えています。かつては「ソースコードが残っていない」ことが復刻を諦める理由になりましたが、その壁も技術の側から低くなりつつあります。
再編Atariは、作り直し・収録・エミュレーションの3社をそろえた
この流れを企業戦略として最もはっきり進めているのがAtariです。2023年5月にNightdive Studios、同年11月にDigital Eclipseの買収を完了しました。どちらも、Atariが掲げる「レトロに軸足を置いた成長戦略(retro-focused growth strategy)」を支える買収と位置づけられています。
Digital EclipseのEclipse Engineは、エミュレーション、新たに書いたプログラム、映像、音声、資料を1つの作品にまとめるための技術です。オンラインプレイやQoLの改善、より深い改変を、下で動く原作に手を触れずに加えられます。
| 会社 | Atari傘下に | 得意な復刻 |
|---|---|---|
| Nightdive Studios | 2023年5月 | KEX Engineで組み直すリマスター(System Shock 2の25周年版など) |
| Digital Eclipse | 2023年11月 | 原作を動かしたまま資料や映像を重ねるコレクション(Mortal Kombat: Legacy Kollectionなど) |
| Implicit Conversions | 2026年4月 | ROMから現行機へ移すエミュレーション(PS1が中心、PS2向けを開発中) |
AtariのWade Rosen CEOは、Implicit Conversionsの買収時に「Digital EclipseのBakesale Engine、NightdiveのKex Engineと合わせて、うらやましがられるほどの独自ツール群がそろった」とコメントしました。Implicit Conversionsの32ビット世代の技術が、既存の8・16ビット世代の知見を補うという位置づけです。AtariはDigital Eclipseの技術を「Bakesale Engine」と呼んでいますが、Eclipse Engineと同じ系統の技術です。
数字にも表れています。2026年8月3日に発表された2026年3月期決算で、Atariの売上高は前年比約66%増の5,600万ユーロでした。2025年9月から連結したスウェーデンのThunderfulの分を除いても、既存事業は3,360万ユーロから4,420万ユーロへ約31%伸びています。主な発売作には、Digital Eclipseの『Mortal Kombat: Legacy Kollection』やNightdiveの『System Shock 2: 25th Anniversary Remaster』が並びます。
この伸びがすべて復刻によるものとは言えません。それでもAtariは、2027年3月期もレトロに軸足を置いた成長戦略を続けると明言しています。
権利技術の壁が下がると、残るのは権利と信用
古いゲームを動かす技術が進むほど、復刻の難所は別の場所へ移ります。権利です。
『天地創造』を再発売するClear River Gamesで企画に関わったMartin Lindell氏は、2026年8月の発表直後に「5年前に『天地創造』を復活させる企画を持ち込んだ」と振り返っています。企画の持ち込みから発表まで、約5年かかったことになります。
Clear River Gamesは、クラシック・レトロゲームを専門にするパブリッシャーです。Lindell氏はネオジオの作品に続いて『天地創造』を手がけたと書いており、同社は『エストポリス伝記 I&II』でもSteamの販売元にタイトーと並んで名前があります。スクウェア・エニックスの作品に続いてタイトーの作品も任されており、復刻の実績そのものが次のIPを呼び込む材料になっていると見ることができます。
Implicit Conversionsも、自社から復刻を売り込む作品を選ぶときの確認項目の最初に、「ライセンスの泥沼に陥っていないか、IPホルダーの許可は取りやすいか、音楽や声の権利に問題はないか」を挙げています。過去の販売実績や、いまのファンの需要を確かめるのはその後です。
許可を取りたくても取れない作品もあります。『天地創造』のキャラクターデザインを手がけた漫画家の藤原カムイ氏は、スーパーファミコン版『46億年物語』のパッケージイラストも描いています。同シリーズを現行機で遊びたいという海外ファンの投稿に対し、藤原氏は8月30日、Xで「こちらも制作会社がなくなっているので許可申請が出来ない状態です」と答えました。
藤原氏によれば、『46億年物語』のパッケージイラストの原画は画集に使ったあと返却されておらず、大々的に探してもまだ見つかっていません。『天地創造』の原画が見つかったのは「奇跡的」だったと書いています。
人気があることと、復刻できることは別の話です。誰に許可を取ればよいのか、素材は残っているのか、契約を整理できるのかという問題が、技術より先に立ちはだかります。
制約『エストポリス伝記 I&II』は、当時の容量の制約だけを外す
2027年にNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PS5、Steamで発売される『エストポリス伝記 I&II』は、ドットグラフィックを原作のまま残す方針です。そのうえで、文章には大きく手が入ります。
シリーズ企画者の宮田正英氏は、公式サイトで「スーパーファミコンでは容量の関係からひらがなが多かったシナリオを、今回全面的に漢字化できる機会を頂き、エスト1、エスト2の全会話を読み直しました」とコメントしています。

変わったのは作品の表現ではなく、1990年代のROM容量という外側の制約です。当時作りたかったものと、当時のハードで作れたものの差を、30年以上たって埋める作業と言えます。見た目を新しくしなくても、こうした手直しで作品の価値は上がります。
手直し古い遊び方を消さず、新しい入口を足す
では、古いゲームの不便はすべて消せばよいのでしょうか。Nightdiveの答えは違います。
Nightdiveが何かを変えるのは、直されないまま残った進行不能のバグのような「よほどの理由」があるときです。スピードランナーが使ってきたようなゲームのクセは、歴史としてそのまま残します。Kick氏は「それもコミュニティの一部で、ゲームの魅力の一部だから残すようにしている」と話しています。
『天地創造』も同じ方向です。原作では、アイテムや魔法を選ぶたびに主人公のアークが箱の中の空間に入る必要がありました。再発売版は、クイック魔法ボタンとアイテムの即時切り替え機能を加え、アイテムと魔法を素早く選べるようにしています。
さらに、魔法の威力を上げ、ミニマップとどこでもセーブを加えた「アレンジモード」を、別のモードとして用意しています。CRTフィルターや複数の画面比率は、むしろ原作の見た目を再現するための機能です。巻き戻し、ミュージアム、音楽プレイヤー、キー配置の変更も入ります。

良い復刻に共通するのは、古いものを塗り替えるのではなく、新しい入口を足す考え方です。原作に慣れた人は昔と同じ感覚で遊べ、初めての人は今の操作で入れます。Thiefで保存版とリマスター版が並ぶのも、同じ二重構造を2つの商品で実現した形と見ることができます。
需要新作派が7割でも、復刻が商売になる理由
こうした復刻が増えているのは、ユーザーが新作より昔のゲームを求めるようになったからでしょうか。国内の調査では、むしろ逆の結果が出ています。
株式会社Lighthouse Studioが2026年4月24〜30日に全国のゲームユーザー300人に行ったオンライン調査では、完全新作をリメイク・リマスター版より優先して買いたい人が72.3%でした。リメイク・リマスター派は27.7%です。画質向上中心のリマスターと、システムから作り直すフルリメイクでは、66%がフルリメイクを好むと答えています。
| 質問 | 最も多かった答え | 割合 |
|---|---|---|
| 完全新作とリメイク・リマスター版、どちらを優先して買いたいか | 完全新作を優先(「圧倒的に」と「どちらかといえば」の合計) | 72.3% |
| リマスターとフルリメイク、どちらが好みか | フルリメイク(同上の合計) | 66% |
| リメイク・リマスター版を買う前に、原作をどこまで遊んだか | 最後までクリアした | 62% |
| 人生で一番好きなゲームがフルリメイクされるなら、開発陣に何を求めるか | 原作へのリスペクトを貫いてほしい | 56.0% |
市場全体では新作を求める人が多くても、特定の作品には、買う可能性の高い既存のファンがすでにいます。リメイク・リマスター版の買い手の多くは原作をクリアした人で、そのファンほど変えすぎないことを望みます。復刻は、すべてのゲームユーザーに広く売る必要のない商品だと考えられます。
AtariのRosen CEOも2026年5月のインタビューで、レトロの強みとして「Mortal Kombatにはもうファンがいる。ファンを改めて紹介したり、探したりする必要がない。彼らはブランドを知っている」と話しています。新規IPなら名前やキャラクターを知ってもらうところから始めなければなりませんが、クラシックIPはその工程を飛ばせます。
ただし、個々の開発費は公開されておらず、復刻が安く作れると言い切ることはできません。権利の交渉や素材の復元に年単位の時間がかかる例もあります。変わったのは、毎回すべてをゼロから作らなくてよい仕組みがそろってきたことです。
量産復刻は1本ずつの企画から、「次に何を流すか」へ
以前の復刻は、誰かが企画を立て、技術を調べ、権利を確かめ、移植して発売する、作品ごとに独立したプロジェクトになりがちでした。
いまは、KEX Engine、Eclipse Engine、Syrupといった専用の技術、GOG Preservation Programのような売り場の仕組み、Nightdive・Digital Eclipse・Implicit Conversions・Clear River Gamesのような専門の会社が先にあります。問いは「このゲームをどう復刻するか」から、「次にどのゲームをこの仕組みに流すか」に移り始めています。
Implicit ConversionsのFAQが、売り込む作品を選ぶ基準として、権利の取りやすさ、過去の販売実績、いまの需要、その地域で未発売だったか、技術的に実現できるかを並べているのは、まさにその選別の作業です。同社はネット上の議論を調べるほか、Discordにファンの希望作品リストを作っていると書いています。
この構造が続くなら、復刻の対象は少しずつ新しい年代に広がると考えられます。PS2向けのWaffleが開発中で、その先にPS3も見据えている以上、PS1・PS2世代の家庭用ゲームや、Nightdiveが得意とする1990〜2000年代のPCゲームが増えていくと考えられます。2011年の『War in the North』が戻ってきたように、何年前のゲームかより、今の環境との断絶がどれだけ大きいかが、復刻の対象を決める基準になりつつあります。
判断昔のゲームを買う前に見る4つの点
復刻のかたちが増えた分、「リマスター」「移植」という呼び名だけでは中身が分かりません。買う前には、次の4点を確かめると失敗しにくくなります。
- 原作のまま遊ぶ選択肢が残っているか(Thiefは保存版のGOG版が別にあり、天地創造のアレンジモードは別のモード)
- 日本語で遊べるか(海外で企画された復刻は、日本語に対応しないことがある)
- 手元のPCで動くか(古い作品でも、現代化した版は要件が上がることがある)
- どのストアで買うか(GOG Preservation Programの作品は、GOGが今後の互換性の維持を約束している)
| 作品 | PC版の発売 | 日本語(10月5日時点) | 最低要件のGPU・OS |
|---|---|---|---|
| Thief: The Dark Project Remastered | 2026年冬予定(Steamは「発表予定」) | 非対応(英・仏・伊・独・西・ポルトガル語) | DirectX 11かVulkan 1.1対応GPU、Windows 10 64bit |
| Thief Gold(GOG版) | 販売中 | 非対応(英・独・仏・ポーランド語) | DirectX 9.0c対応GPU、Windows 10/11 |
| 天地創造 | 2027年1月14日 | 対応 | 未発表(Steamは64bit OSのみ記載) |
| エストポリス伝記 I&II | 2027年 | 対応 | Intel HD Graphics 530、Windows 10 64bit |
| War in the North Legacy Edition | 2026年8月11日発売 | 非対応 | GTX 970かRadeon R9 290X、Windows 11 |
今回の5本でも、海外で企画されたThiefと『War in the North』は日本語に対応していません。『天地創造』は日本語のUI・字幕に対応し、『エストポリス伝記 I&II』はタイトーの作品として日本語で遊べます。
PCの性能面では、最新のGPUが必要な作品はありません。Thiefのリマスター版は最低要件がDirectX 11対応GPUとメモリ2GB、エストポリス伝記はCPU内蔵のIntel HD Graphics 530から動きます。一方、『War in the North』のLegacy EditionはWindows 11とGTX 970級が最低条件です。古いゲームだから古いPCで動くとは限らないので、現代化した版は必要スペックを確かめてから買う必要があります。
Q&A昔のゲームの復刻についてよくある疑問
まとめまとめ|昔のゲームの復活は、懐古ブームより産業の変化
2026年から2027年にかけて、Thief、天地創造、エストポリス伝記 I&IIなどの昔のゲームが、相次いで今の環境に戻ってきます。これは懐古ブームだけでは説明できません。
NightdiveのKEX Engineのような復刻専用の技術が育ち、Digital Eclipseはゲームと歴史資料を1つの商品にまとめ、Implicit ConversionsはソースコードがなくてもROMから現行機へ移す技術を持っています。GOGは店自身が古いPCゲームの互換性を保ち続ける仕組みを始め、Clear River Gamesのような会社はIPホルダーからの信用を積み上げています。
その結果、昔の名作を作り直すだけでなく、作品の性格を壊さずに今の市場へ戻すこと自体が、専門の産業として成り立ち始めています。グラフィックを最新にしなくても、物語を書き換えなくても、30年前のハードが強いた制約を取り除けば、そのゲームにはまだ商品としての価値があります。
次に注目したいのは、どの名作がリメイクされるかだけではありません。長年買えなかったどのゲームが、日本語で、手元のPCで、普通に遊べる状態に戻ってくるかです。買う前は、原作のまま遊ぶ選択肢・日本語・必要スペック・買うストアの4点を確かめてください。
あわせて読みたい
出典:Steam Thief: The Dark Project Remastered(10月5日取得)/GOG Pressroom Thief Gold(2026年7月15日)/GOG The GOG Preservation Program/Video Game History Foundation 87% Missing/Microsoft Game Dev The Art of the Remaster/Implicit Conversions Syrup/Atari 2025-26年度決算(2026年8月3日)/GamesBeat Wade Rosen氏インタビュー/Martin Lindell氏の投稿/藤原カムイ氏のX投稿/タイトー エストポリス伝記 I&II 公式サイト/Lighthouse Studio リメイク・リマスターに関する調査(PR TIMES)





