DeepCool「AK700 VC」「AK700 VC WH」が8月21日発売|VC 2.0搭載でTDP300W対応の新型シングルタワー空冷
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TDP最大300W対応の新型シングルタワー空冷、決め手はVC 2.0とオフセット設計です
出典:DeepCool公式 AK700 VC製品ページ / アスク発売告知 / アユート発売告知 / DeepCool公式プレスリリース(2026年7月28日) / DeepCool公式 COMPUTEX 2026発表(2026年5月29日) / AK700 DIGITAL NYX公式ページ / ASSASSIN VC ELITE公式ページ。価格・仕様は本記事公開時点(2026年8月19日)の情報にもとづきます。
1万円台前半で空冷のシングルタワーを探すと、たいていヒートパイプは4〜6本で、CPUとの接触はダイレクトタッチ方式という構成に落ち着きます。300Wクラスのハイエンド寄りな冷却性能がほしければ、価格帯をもう一段上げてデュアルタワーか簡易水冷に手を伸ばすのが定番でした。
その構図に対して、DeepCoolが投入するのが「AK700 VC」と、ホワイトカラーの「AK700 VC WH」です。第2世代ベイパーチャンバー「VC 2.0」を新たに搭載しながら、本体はデュアルタワー化せずシングルタワーのまま。7本の銅製ヒートパイプと組み合わせ、最大TDP300W対応をうたいます。国内発売日は2026年8月21日、市場想定価格はブラックが税込11,980円です。
この記事では、公式スペックとAK700 DIGITAL NYX・ASSASSIN VC ELITEという同社の近い製品を並べて、AK700 VCが何を強化して何を削ったのかを整理します。「TDP300W対応」という表記をどう読めばいいか、購入前に確認しておきたいケースとメモリの寸法まで、手元の環境で判断するための材料としてまとめます。
目次
要点どんなクーラーなのか

DeepCoolのAK700シリーズから、第2世代ベイパーチャンバー「VC 2.0」ベースと直径6mm径の銅製ヒートパイプ7本を組み合わせたAK700 VC・AK700 VC WHが登場します。120mm PWMファンを1基搭載するサイドフロー型で、本体サイズは126×98×157mm、重量は約1,248g。対応ソケットはIntel LGA1851/1700/1200/1151/1150/1155、AMD AM5/AM4で、メーカーは最大TDP300W対応としています。発売日は2026年8月21日、市場想定価格はブラック(AK700 VC)が税込11,980円です。
AK700シリーズはこれまでもDIGITAL NYXやDigital Proなど派生モデルを重ねてきましたが、その多くはデジタルディスプレイやAI制御といったソフトウェア寄りの機能強化でした。AK700 VCが手を付けたのは、CPUと接する受熱部そのものです。
仕様VC 2.0と7本のヒートパイプ、シングルタワーの中身
ヒートパイプ式クーラーは通常、CPUに触れたベースから複数のヒートパイプへ熱を分配していきます。AK700 VCではこのベース部分をベイパーチャンバー化し、CPUから受け取った熱をいったんチャンバー全体へ均一に拡散させたうえで、7本のヒートパイプとフィンスタックへ送る構造に変わりました。DeepCool・国内代理店の説明によると、VC 2.0はCPUとの接触面積を拡大し、ヒートパイプの毛細管構造と銅製ベースを最適化することで熱伝達効率を高めたとされています。ただし、拡大の割合や温度差を示す具体的な数値は公式資料に記載がなく、現時点では定性的な説明にとどまります。

ヒートシンクは高密度のシングルフィンタワーで、上部にはCNC加工とアルマイト処理を施したアルミ製トップカバーをマグネット式で装着します。工具を使わずに着脱できる仕様です。ヒートパイプはソケット中央から意図的にオフセットして配置されており、DeepCoolは「高いヒートスプレッダーを装着したメモリとの互換性向上」「全RAMスロットを塞がない視界の確保」を特徴として挙げています。大型デュアルタワーではフロントファンの位置をRAMとの干渉を避けるために上へずらす必要が出やすく、その結果クーラー全体の高さが伸びてケース側の高さ制限に触れてしまうことがありますが、AK700 VCは最初からRAM周辺を避ける設計です。なお、具体的なメモリ高さの許容値は公表されていないため、背の高いRGBメモリを使っている場合は実機での確認が必要です。
ファンには新しい3相10極12スロットのモーターを採用しています。より滑らかな回転トルクと低振動、高効率を狙った設計で、ISO 1940 G6.3のバランス基準に準拠。PWM制御で低回転時にファンを止める0-RPMスタート/ストップにも対応します。仕様値は最大回転数2,700rpm(±10%)、最大風量80.37CFM、最大静圧4.98mmAq、最大ノイズレベル36.0dB(A)。保証期間は3年です。
読み方TDP最大300W対応をどう受け止めるか
DeepCoolが示す最大TDP300Wは、メーカーが設定するクーラー側の対応指標です。現時点で公開されている資料には、特定のCPUを300Wで動作させた際の温度や、他社製クーラーとのベンチマーク比較は含まれていません。CPUクーラーの実際の冷却力は、CPUのヒートスプレッダー形状・室温・ケースのエアフロー・ファン回転数・CPU側の電力設定によっても変わります。
現時点で確実に言えるのは、DeepCoolが従来のAK700・AK700 DIGITAL NYXの280W(公式互換性表の数値)から、AK700 VCで300Wへ公称値を20W引き上げ、その主な変更点としてVC 2.0を採用したという事実です。電力制限を解除したRyzen 9やCore Ultraの上位モデルをAK700 VC単体で確実に冷やせるかどうかは、この記事の時点では判断材料が揃っていません。購入を急ぐ場合は、動作クロックや電力設定を公称値の範囲に収めたうえで運用し、限界に近い使い方をするなら第三者による実測レビューが出るのを待つのが無難です。
比較AK700 DIGITAL NYX・ASSASSIN VC ELITEとの違い
外形だけを見ると、AK700 VCとAK700 DIGITAL NYXはどちらも126×98×157mmのシングルタワーで、7本の6mm径ヒートパイプと120mmファン1基という構成が共通しています。しかし中身の方向性は大きく異なります。
| 項目 | AK700 VC | AK700 DIGITAL NYX |
|---|---|---|
| ベース構造 | 第2世代ベイパーチャンバー「VC 2.0」 | 精密加工の銅製ベース「CTT 2.0」 |
| 表示機能 | なし | 温度・使用率・消費電力・クロックを表示する4分割デジタルディスプレイ |
| ファン制御 | 通常のPWM制御 | DeepCreativeによるAIファン制御 |
| ホコリ対策 | なし | 起動時にファンを逆回転させるACT機能 |
| ファンモーター | 3相10極12スロット | 3相6スロット4極 |
| 最大風量・静圧 | 80.37CFM・4.98mmAq | 77.23CFM・5.13mmAq |
| 最大TDP | 300W | 280W(公式互換性表) |
| 市場想定価格 | 税込11,980円(ブラック) | 税込10,980円前後(発売時) |
ファンの仕様を比べると、最大回転数2,700rpmと最大ノイズ36.0dB(A)は共通のまま、風量が77.23CFMから80.37CFMへ、モーターの構造も3相6スロット4極から3相10極12スロットへ変わっています。数字だけ見れば劇的な差ではありませんが、AK700 DIGITAL NYXが「冷却+モニタリング+ソフトウェア機能」を重視するモデルなのに対し、AK700 VCはディスプレイやAI制御を持たない代わりに、VC 2.0・新モーター・80.37CFMファンという冷却機構そのものに開発リソースを寄せたモデルです。発売時点の想定価格ではAK700 VCがおよそ1,000円高くなりますが、単純な上位・下位関係というより用途の違いとして捉えたほうが実態に近いといえます。
もう一つ比較しておきたいのが、DeepCoolが既に持っているデュアルタワーの300W対応モデル「ASSASSIN VC ELITE」です。こちらもベイパーチャンバーと7本のヒートパイプを採用し、公式に最大TDP300W対応をうたっていますが、本体サイズは144×147×164mm、120mmと140mmのデュアルファンを搭載する大型モデルです。AK700 VCは126×98×157mmとひとまわり小さく、ファンも120mm1基のみ。公称TDPが同じだからといって実際の冷却性能が同等とは限りませんが、これまでデュアルタワーでなければ届かなかったクラスの対応TDPを、シングルタワーの奥行きと設置しやすさのまま実現しようとしている点が、AK700 VCの狙いだと考えられます。
確認購入前に見ておきたいケースとメモリの高さ
AK700 VCの高さは157mmです。ミドルタワー以上のPCケースであれば搭載できる製品が多いサイズですが、CPUクーラーの最大対応高さが155mm前後に設定されているケースには収まりません。ケース側の公称値が157mmちょうどでも、公差を考えると余裕を見ておいたほうが安全です。手元のPCケースが対応しているか、購入前に必ず確認してください。あわせて、PCケースメーカーが公表する最大クーラー高さと実際に取り付けられる高さが一致しないケースがあることも報告されているため、公称値だけで安心せず、可能であれば実測情報も参照したいところです。
横方向については、ヒートパイプのオフセット設計によりRAMスロットとの干渉を避けやすい構造になっています。ただし前述のとおり、DeepCoolはメモリ高さの具体的な許容値を公表していません。高さのあるヒートスプレッダーを備えたDDR5メモリを使っている場合は、マザーボードのメモリスロット配置とあわせて確認しておくと安心です。
価格発売日とホワイトモデルの表記差に注意する
AK700 VC(型番R-AK700VC-BKNNMN-GJD)の市場想定価格は税込11,980円で、アユート・アスクの両代理店で共通しています。一方、ホワイトのAK700 VC WH(型番R-AK700VC-WHNNMN-GJD)は、アユートが税込12,680円、アスクが税込12,980円前後と、代理店によって案内されている想定価格が異なります。発売日はどちらも2026年8月21日で共通しているため、ホワイトモデルを購入する場合は店頭・通販サイトでの実際の価格を確認したほうがよさそうです。保証期間は3年となっています。
AK700 VCは、2026年5月29日にDeepCoolが発表したCOMPUTEX 2026向けラインアップの中で、VC 2.0を採用する新モデルとして既に公開されていました。その後7月28日に製品として正式発表され、2026 iF Design AwardとRed Dot Design Awardを受賞したことも明らかにされています。デザイン賞の受賞は外観や設計思想への評価であって冷却性能の実測を保証するものではありませんが、COMPUTEXでの披露から国内発売まで段階を踏んで進んできたモデルであることは確認できます。
早見表向いている人・向いていない人
- 大型デュアルタワーを置くスペースが限られるケースを使っている
- 高さのあるDDR5メモリを使っていてRAMとの干渉を避けたい
- 簡易水冷ではなく空冷でハイエンドCPUを運用したい
- ディスプレイやAI制御より受熱部の冷却性能を重視する
- CPU温度の実測データを見てから判断したい
- AK700 DIGITAL NYXのような状態表示やAI制御がほしい
- ケースのCPUクーラー最大対応高さが157mm未満
- 電力制限を解除した最上位CPUを確実に冷やせる根拠がほしい
Q&Aよくある質問
総括まとめ|VC 2.0で数字を伸ばした新型シングルタワー空冷
DeepCoolの空冷CPUクーラー「AK700 VC」「AK700 VC WH」が2026年8月21日に国内発売されます。第2世代ベイパーチャンバー「VC 2.0」と7本の6mm径銅製ヒートパイプを、デュアルタワーではなくシングルタワーへ収め、最大TDP300W対応をうたう点が最大の特徴です。市場想定価格はブラックが税込11,980円、ホワイトはアユート12,680円・アスク12,980円前後と代理店によって案内が分かれています。
AK700 DIGITAL NYXと並べると、外形寸法は同じでも狙いは対照的です。ディスプレイやAI制御を持たない代わりに、VC 2.0・新しい3相10極12スロットモーター・最大80.37CFMのファンなど、受熱部とファンの強化に開発リソースを寄せたのがAK700 VCです。デュアルタワーの300W対応モデルASSASSIN VC ELITEと比べても、はるかに小さい設置面積で同じ最大TDP対応をうたっている点は注目に値します。
一方で、300Wという数字は対応の指標であって、実測での低温維持を保証するものではありません。購入前には手元のPCケースがクーラー高さ157mmに対応しているか、使っているメモリの高さがRAMスロットと干渉しないかを確認しておく必要があります。電力制限を解除した最上位CPUを確実に冷やせるかどうかは、今後の第三者による実測レビュー待ちというのが、本記事執筆時点でのフェアな評価です。



