ROG GR20 Edition 20は買いか|129,800円のオープンフレームPCケース、RTX 5090の適合と排熱・ほこりの注意点
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129,800円のオープンフレーム。Edition 20の電源は残り0mm、GPUは残り7mmで収まる
ASUSのゲーミングブランドROG(Republic of Gamers)が20周年を記念して出したPCケース「ROG GR20 Edition 20」が、2026年10月2日に国内で発売されました。側板やガラスで囲わず、アルミ合金のフレームにパーツをむき出しで取り付ける「オープンフレーム」型で、価格は税込129,800円です。
買ってよいのは、同じEdition 20のGPUやマザーボードと揃えて組む人と、PCを机の上で見せる前提で、ほこりの掃除と手前に出てくる熱を引き受けられる人です。冷やす力や静かさを求めるなら、価格がずっと安い普通のケースのほうが向いています。
オープンフレームのケースは、パーツが部屋の空気で直接冷える代わりに、ケースファンで風の通り道を作れません。GR20が標準で積む円筒形のクロスフローファンがその穴をどう埋めるのか、Edition 20の電源・GPU・簡易水冷が寸法の上で収まるのか、国内価格は海外と比べて高いのかを、公式仕様と実機の組み立て記録で確かめます。
目次
結論GR20が向いている人と向かない人
分かれ目は冷却性能よりも、置き場所と手入れです。GR20はケースの中に風を通して冷やす製品ではなく、パーツを部屋の空気にさらして見せるための製品だからです。
- Edition 20のGPU・マザーボード・電源と、黒と金の配色を揃えたい
- PCを机の上に置いて見せたい。縦置き・斜め置き・横置きを部屋に合わせて選びたい
- CPUは360mmまでの簡易水冷で冷やすと決めている
- エアダスターでこまめにほこりを払う手間を受け入れられる
- 床に置く、ほこりの多い部屋に置く、ペットや小さな子どもがいる
- 机が狭く、PCを顔のすぐ近くに置くしかない(熱が手前に出てくる)
- 静かさを優先したい(ファンの音をさえぎるパネルがない)
- 冷却性能と価格のバランスで選びたい
- 大型の空冷CPUクーラーを使いたい(対応する高さが公表されていない)
価格国内価格は129,800円、希望小売価格で比べると米国・欧州より高い
ASUS JAPANの希望小売価格は税込129,800円で、発売日は2026年10月2日(金)です。秋葉原ではパソコンショップ アーク、TSUKUMO eX.、ツクモパソコン本店が扱っています。同じ日に発売されたEdition 20の6製品の価格は、ROG Edition 20の国内価格で一覧できます。
10月2日14時時点では、アークとツクモの通販ページはどちらも在庫なしの表示で、アークは次回入荷を確認中としています。Amazon.co.jpでは取り扱いが見当たりません。
| 販売地域 | 価格 | 日本円での目安 |
|---|---|---|
| 日本 ASUS JAPAN希望小売価格 | 129,800円(税込) | 税抜118,000円 |
| 米国 ASUS公式ストア | 649.99ドル(税抜) | 約10万2,600円(1ドル157.9円) |
| ドイツ語圏 ASUS希望小売価格 | 479.90ユーロ(付加価値税19%込み) | 税抜で約7万1,800円(1ユーロ178.0円) |
| フランス PCショップLDLCの店頭価格 | 799.95ユーロ(付加価値税20%込み) | 税抜で約11万8,600円 |
為替は10月2日時点のレートで換算しています。税抜同士で比べると、日本の118,000円は米国の公式価格の換算額より約1万5,000円(約15%)高く、ドイツ語圏の希望小売価格の約1.6倍です。希望小売価格で並べると、3地域のなかで日本がいちばん高いことになります。
ただし、欧州の店頭では希望小売価格を大きく上回る値付けもあり、フランスのLDLCの799.95ユーロは税抜にすると日本とほぼ同じ金額です。希望小売価格だけを見て「海外のほうが安い」と考えると、実際の店頭価格とはずれることがあります。
なお、米国のASUS公式ストアはGR20をEdition 20のGPU・マザーボード・電源とのセットでしか売っていませんが、米国の販売店では単体で650〜730ドル前後で売られています。
仕様ROG GR20 Edition 20の主な仕様

| 項目 | 仕様 | 補足 |
|---|---|---|
| 構造 | オープンフレーム | 厚さ4mmのアルミ合金フレーム(ほかにスチール・樹脂) |
| マザーボード | E-ATX(12×10.9インチ)、ATX、microATX、Mini-ITX | 基板の裏に幅36mmの配線スペース |
| グラフィックスカード | 長さ368mmまで | 水平・垂直の取り付けに対応 |
| 電源 | ATX、奥行き190mmまで | 縦向きに取り付け |
| ラジエーター・ファン | 360mmラジエーター、または120mmファン3基 | クロスフローファンは別に標準搭載 |
| 標準ファン | クロスフローファン | 4ピンPWM制御、最大2,500rpm |
| 前面I/O | USB 20Gbps Type-C×2、USB 5Gbps Type-A×2、ヘッドホン/マイク兼用×1 | Type-Cは対応する環境で60W充電 |
| 設置方法 | 縦置き、斜め置き、横置き | フレーム4辺にARGBライティング |
| サイズ・重さ | 285×513×470mm | 9.3kg |
ダストフィルターと防音材は、公式の仕様にも製品ページにも記載がありません。囲いのないオープンフレームなので、ほこりと音への対策はケース側に用意されていないと考えてください。
構造電源とラジエーターは背面側、I/Oパネルは付け替え式
正面にはマザーボードとGPUを見せ、電源は背面側に縦向きで取り付けます。簡易水冷のラジエーターを置く場所も背面側にあり、電源ケーブルや補助電源の太い束が正面に出にくい作りです。
置き方は3通りあります。縦置きは机の上の設置面積を抑える置き方、斜め置きはパーツを複数の角度から見せる置き方、横置きは高さに余裕のない場所に向く置き方です。横置きにするとマザーボードが上を向き、パーツの検証に使うテストベンチに近い形になります。


前面のI/Oパネルは2か所から取り付け位置を選べるので、置き方を変えても手の届く側にポートを持ってこられます。USB Type-Cの60W充電は「対応する環境で」という条件付きのため、マザーボード側が対応しているかを確認してください。
GR20は、9月の東京ゲームショウ2026でもROGブースの展示製品として案内されていました。
冷却クロスフローファンはケースファンの代わりではなく、基板の上の風を補う部品
一般的なPCケースは、前面から吸った風を背面や天面から抜いて、中に風の通り道を作ります。オープンフレームにはその囲いがないので、GPUやラジエーターのファンは部屋の空気を直接吸い、温まった空気もそのまま部屋へ出ていきます。ケースの中に熱気がこもらない代わりに、ケースファンで狙った場所へ風を送ることはできません。普通のケースで側板を外したときと同じで、風の通り道がなくなると冷えにくい場所も出てきます(サイドパネルを開けると冷えるのか)。
そこでGR20が積んでいるのがクロスフローファンです。壁掛けエアコンの室内機やタワーファンと同じ方式で、細長い円筒形の羽根車を回し、幅の広い帯のような風を作ります。一点を強く冷やすより、広い面に同じような強さの風を当てるのに向いています。
GR20のクロスフローファンは専用の箱で付属し、フレーム下部の横長の穴に差し込んで取り付けます。ケースの背面側から空気を吸い込み、マザーボードの下側からGPUに向けて吹き上げる向きで、取り付け位置はつまみねじで前後に少し動かせます。主に冷やす対象はM.2 SSDのヒートシンクで、GPUのファンが止まっているときでも基板の上の空気を動かし続けます。
負荷が軽いときにファンを止めるGPUは珍しくありません。CPUを簡易水冷で冷やすと、空冷クーラーのようにCPUの周りへ風を吹き付けるものもなくなります。この状態では基板の上の空気の動きが少なくなり、M.2 SSDの熱が抜けにくくなります。Edition 20のマザーボードはボード上だけでM.2スロットを5基備えており、SSDを何枚も挿す構成ほどこのファンが効いてきます。ヒートシンクを付けていてもSSDが熱くなる場合は、サーマルパッドの接触も疑ってください。
一方で、クロスフローファンの風量と騒音値は公表されていません。分かっているのは4ピンのPWM制御で、最大2,500rpmまで回ることだけです。10月2日時点では、GR20に組んだ状態の温度や騒音の測定値を載せた第三者のレビューも見当たりません。
4ピンのPWMファンなので、マザーボードのファン端子をPWMモードにしておくと、回転数を低いところまで細かく下げられます。DCモードのままだと電圧で回すため、PWMほど低い回転数まで落とせません。回転数の上限をBIOSで決め、SSDの温度を見ながら下げていくのが確実です。端子のモードの見分け方はケースファンの回転数が下がらない原因で確認できます。
適合Edition 20の製品は収まるが、電源は残り0mm
GR20の上限寸法に、同じEdition 20の製品を当てはめると次のとおりです。
| 製品 | 寸法 | GR20の上限と残り |
|---|---|---|
| ROG Astral GeForce RTX 5090 Edition 20 グラフィックスカード | 長さ361mm、厚さ93.9mm(4.7スロット) | 368mmまで、残り7mm |
| ROG Thor 3000W Titanium III Edition 20 電源ユニット | 190×150×86mm(ATX12V) | 奥行き190mmまで、残り0mm |
| ROG Crosshair X870E EDITION 20 マザーボード | E-ATX、30.5×27.7cm | 12×10.9インチ(30.5×27.7cm)まで、上限ちょうど |
| ROG RYUJIN 360 EDITION 20 Crosshairに同梱の簡易水冷 | 360mmラジエーター、厚さ40mm | 360mmまで対応(厚さの上限は非公表) |
米国のASUS公式ストアは、GR20をこのGPU・マザーボード・電源とのセットで売っています。電源の残り0mmは数字の上では窮屈ですが、組み合わせとしては最初から想定された構成です。
気をつけたいのはGPUの支えです。付属の補強ブラケットが対応するのは、長さ354〜368mmのGeForce RTX 50シリーズだけです。長さ304mmのRTX 5090 Founders EditionやRadeonのカードを載せる場合に、どう支えるかは示されていません。別のカードで組むなら、市販のGPUサポートステイで支える方法も考えておくと安心です。
空冷CPUクーラーの高さの上限も公表されていません。冷却の仕様として示されているのは360mmまでのラジエーターか120mmファン3基だけなので、大型の空冷クーラーを使うつもりなら、買う前に販売店へ確認してください。
組み立て組み立ては寝かせて進め、電源の画面の向きは先に決める
GR20は部品を順に挿していけば済むケースではなく、手順を外すとやり直しが出ます。Edition 20の主要パーツで実際に組んだ記録から、つまずきやすい点を順に挙げます。
- マザーボードは、ケースを寝かせて取り付けます。先に背面のケーブルカバーと、電源・ラジエーターのブラケットを外しておきます。
- 簡易水冷のチューブを背面のラジエーターから正面へ通すため、フレームの右上の角を分解します。樹脂のカバーを外して4本のねじを抜き、フレームに内蔵されたRGBのケーブルも外します。
- ROG Thor 3000W Edition 20の小型画面は、取り付ける前に外側へ向けておきます。電源とラジエーターの間が狭く、取り付けた後は付け替えられません。
- GPUの端子側を支えるブラケットはねじ穴が奥まっていて、長いドライバーが要ります。このブラケットがGPUの重さの半分ほどを受けるので、ねじはしっかり締めます。
- 反対側のGPUサポートブラケットは仮止めにしておき、GPUを挿してからねじ穴の位置を合わせて締めます。
四隅の樹脂カバーは小さな磁石で付いているだけなので、持ち上げるときに触れるとずれます。底面のゴム足も外れやすく、外れたまま本体を引きずると机に傷が付きます。正面に付ける大きなROGロゴも磁石式で、付けるかどうかは選べます。
注意点オープンフレームの弱点は排熱・ほこり・音
温まった空気は、正面にいる人のほうへ向かいます。一般的なケースは熱を背面や天面から逃がしますが、GR20ではマザーボードから手前へ熱が出ていきます。RTX 5090 Edition 20で組んだ米国のPC専門メディアのレビューでは、机より高い作業台の上でゲームをしたところ、下から吹き上げる風とGPUの熱が顔に当たり、10分ほどで休憩が必要になりました。筆者は、PCをモニターと顔から1m前後離して置くよう勧めています。机が狭いなら、置き場所から考え直してください。
ほこりは、GPUのファンやヒートシンク、マザーボードの上に直接積もります。フィルターの記載がなく、クロスフローファンもラジエーターのファンも部屋の空気をそのまま吸うからです。横置きにするとマザーボードとGPUの背面が上を向き、落ちてくるほこりを受ける面が広くなります。床に近いほど舞い上がったほこりを吸い込みやすいので、机の上に置き、エアダスターでこまめに払う前提で考えてください。掃除の頻度と手順はゲーミングPCの掃除・メンテナンスガイドが参考になります。
ファンの音をさえぎるパネルはありません。ただし先のレビューでは、軽めのゲームを遊んだ範囲で簡易水冷とクロスフローファンは静かで、GPUの4基のファンも正面に立つと聞こえる程度と、普通のケースに入れたゲーミングPCと変わらない印象でした(近くでエアコンが動いていた環境です)。重い負荷を長く続けたときの音は、まだ測られていません。静かさを重視するなら、まずGPUのファンカーブを見直して回転数を抑えてください。静音を最優先するなら、吸音材を貼れる密閉型のケースのほうが手を打ちやすいです(PCケースの静音化・吸音材ガイド)。
置き場所は、こぼれた飲み物や人の手が届かないところを選びます。本体だけで9.3kgあり、Edition 20の主要パーツを組み込むと60ポンド(約27kg)近くになります。基板も配線もむき出しなので、飲み物を置く机の端や、ペットや小さな子どもの手が届く場所は避けてください。
代替ほこりや音が気になるなら普通のケースで組む
GR20の見た目に惹かれても、ほこりや音が気になるなら、Edition 20のGPUとE-ATXマザーボードを受けられる普通のケースで組む手があります。次の2つはどちらもGPUの長さの上限が450mmを超え、長さ361mmのRTX 5090 Edition 20でも長さには余裕があります。
FAQよくある質問
まとめまとめ|GR20はEdition 20で揃える人のための見せるフレーム
ROG GR20 Edition 20は、税込129,800円のオープンフレームケースです。税抜で比べると米国の公式価格より約15%高く、ドイツ語圏の希望小売価格の約1.6倍で、希望小売価格では日本がいちばん高くなっています。
Edition 20のRTX 5090、電源、E-ATXマザーボード、360mm簡易水冷は寸法の上でどれも収まり、電源は残り0mm、GPUは残り7mmです。標準のクロスフローファンは、GPUのファンが止まっているときにM.2 SSDのまわりの空気を動かすための部品で、ケースファンの代わりにはなりません。
排熱とほこりはケース側で防げないので、机の上の顔から離れた位置に置き、こまめに掃除できる人に向いた製品です。GPUの長さと補強ブラケットの対応範囲、空冷クーラーを使うかどうかを先に決めてから選んでください。
Edition 20のパーツで揃え、机の上で見せるPCを組むならGR20は候補になります。ほこりや手前に出てくる熱を避けたい、冷却と価格のバランスで選びたいなら、E-ATXに対応した普通のケースで組むほうが向いています。
出典(確認日2026年10月2日):ASUS JAPAN プレスリリース(国内価格・発売日)、AKIBA PC Hotline!(販売店)、ROG GR20 Edition 20 製品ページ、ROG Edition 20紹介記事(クロスフローファンの気流)、Tom’s Hardware(実機での組み立て・排熱・米国の販売価格)、ASUS eShop USA(米国価格・セット販売)、ASUS ROG DACH公式X(欧州の希望小売価格)、LDLC(フランスの店頭価格)、ROG Thor 3000W Edition 20 仕様、ROG Astral RTX 5090 Edition 20 仕様







