2026 PC CASE SOUNDPROOFING — COMPLETE GUIDE
PCケース静音化・吸音材ガイド【2026年版】
吸音・遮音・防振の違い、素材5種の特徴と貼る前に確認する温度・排熱経路
ファンカーブを下げてもまだ音が残るとき、吸音材を貼る前に確かめることは3つです。音の出どころ、ケースの吸排気経路、施工前後の温度。ファンカーブの調整で足りないときは、まず音源に合う防振パッド・制振シート・吸音材を選び、ケースの説明書で貼ってよい位置を確かめ、1か所ずつ施工して同じ条件で温度と音を比べます。
2026-10更新
吸音・遮音・防振を区別
素材5種の特徴
温度は同条件で比較
施工7ステップ
ファンカーブを下げても音が残る。静音ケースへの買い替えは大げさに感じる。吸音材を貼りたいが、温度が上がるのが不安。この段階で迷う人に先に伝えたいのは、吸音材の効果と温度への影響は、ケースの構造と音の出どころで大きく変わり、全機種に通用する数値の目安はないということです。
そのため、温度は「施工前から何℃上がったか」だけで合否を決めません。CPU・GPU・VRMがメーカー指定の上限に対して余裕を保っているか、室温・負荷・時間・ファン回転数を揃えて比べたか、クロックが落ちていないかを確かめます。施工前から冷却に余裕がないPCは、吸音材より先に冷却を改善します。
素材も用途で分けます。ケース内壁に貼る吸音・遮音シート、ファンの固定部に挟む防振パッド、最初から吸音構造を持つ静音ケースは別物です。吸排気孔、ファンの回転部、ヒートシンク、配線やコネクター、パネルの嵌合部を妨げないことを、お使いのケースの説明書で確認してから貼ります。ファン側の対策はPC騒音計測・ファンカーブ設定 完全ガイド、パーツ選びからの静音化は静音ゲーミングPC自作ガイドが詳しいです。
先に結論|音源の特定と温度の確認が先、吸音材の貼付は最後
吸音材を貼る前の判断は、次の3枚のカードに集約できます。
ファン軸の共振、ケース板の鳴り、HDD、コイル鳴きのどれかを先に切り分ける音源が違えば有効な対策も違います。ファンの固定部の共振なら防振パッド、パネルの鳴りなら制振・遮音シート、HDDの駆動音なら固定部の対策が候補です。音源を特定せずに内壁へ広く貼ると、温度だけ上がって音は変わらない結果になりがちです。
温度差だけで合否を決めず、部品の仕様上限と余裕で判断する施工前後で室温、負荷の内容と時間、ファン回転数、クロック・スロットリングの有無を揃えて比べます。施工前から冷却余裕がないPCは、先に冷却を改善します。吸排気孔やファンの回転部、ヒートシンクは妨げないことが前提です。
吸音・遮音・防振を区別し、用途に合う製品を選ぶ内壁に貼るシート、ファンに挟む防振パッド、吸音構造を持つ完成品のケースは役割が別です。車用・建築用などの汎用素材は、耐熱・難燃・粘着剤・導電性の資料を確認できないかぎり使いません。
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吸音材を貼れば静かになる、とは限らない吸音材が効くのは、音源を小さくし、無駄な風量を減らしたあとに残る音です。PC騒音計測・ファンカーブ設定 完全ガイドでファンの回転数を整えるのが先で、効果の大きさはケースの構造と音源によって変わります。dBの下がり幅や温度の上がり幅を、あらかじめ決まった数字で約束することはできません。
吸音材は静音化の最後の手段|先にファンカーブとエアフロー
静音化は、音源を小さくする順に進めると無駄がありません。吸音材は最後の段階です。
第1段階|ファンカーブで音源そのものを小さくするファンの回転数を下げると、風切り音もモーター音も同時に小さくなります。FanControl・BIOS・各社のチューニングソフトでCPU・GPU・ケースファンのカーブを見直すのが最初の手です。手順はPC騒音計測・ファンカーブ設定 完全ガイドにまとめています。ここで温度に余裕が残っているかも確認します。
第2段階|吸排気のバランスを整えて少ない回転数で冷やすケース内の空気の通り道が整うと、同じ温度でもファンを低い回転数に保てます。フィルターの目詰まりや吸排気の偏りを直すのも、この段階です。設計の考え方はPCエアフロー設計ガイドを参照してください。
第3段階|残った音をシート類で抑えるここで初めて吸音材・遮音シート・防振パッドを検討します。ファンが高回転のまま熱がこもる構成では、貼るほど冷却が苦しくなり、結果的にファンが余計に回ります。第1・第2段階で温度に余裕ができてから施工してください。
吸音・遮音・防振の違い|素材を選ぶ前に役割を分ける
「吸音材」と呼ばれるものは、実は4つの別の働きに分かれます。何をしたいかで、選ぶものが変わります。
| 働き | 何をするか | 主な素材・製品の例 | 注意点 |
| 吸音 | 空気中を伝わる音を、素材の中で熱に変えて反射を減らす | ニードルフェルト、ウレタンフォーム、発泡ゴム | ケース外へ漏れる音そのものは止めにくい。毛羽立ちや粉の発生に注意 |
| 遮音 | 重さのある層で、パネルを透過する音を減らす | ブチル系・アスファルト系の遮音シート | 重くなりパネルの開閉に影響する。素材によっては導電性や耐熱の確認が必要 |
| 制振 | パネルの共振(鳴き)を抑える | 制振シート、ゴム系の貼付シート | 貼った面の共振が対象で、ファンの風切り音は変わらない |
| 防振 | 部品とケースの間の振動伝達を断つ | ファン固定用の防振パッド、HDDマウントのゴム | 対応するファンの固定方式を確認する |
Noctua NA-SAVP1はシリコーン製の防振パッドで、対応ファンの固定部に使うものです。ケース内壁に貼る吸音シートとは役割が違い、置き換えにはなりません。Fractal Design Define 7は、前面・天板・側面に吸音構造を持つ完成品のケースで、シートを買い足す製品ではありません。
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dBの差の読み方音響パワーは約3dBの低下で半分になります。一方、人の耳が「半分の音量」と感じる差は約10dBが一般的な目安で、パワーの変化と聴感は一致しません。数dBの変化は、暗騒音の小さい静かな環境で測れても、普段の使用位置でははっきり分からないことがあります。
素材5種の特徴|フェルト・EPDM・ウレタン・遮音シート・ダンパー
厚み・耐熱温度・難燃性・粘着剤は製品によって違うため、素材名ではなく表記された仕様で判断します。各素材の一般的な性質と購入前に資料で確かめる点は次のとおりです。
ニードルフェルト|中高音を吸わせる繊維系ポリエステルなどの繊維を圧縮した不織布で、空気中を伝わる音を吸う用途に向きます。粘着面がない製品が多く、固定には別途両面テープが要ります。繊維が毛羽立つため、ファンの回転部に触れる位置には使いません。
確認する仕様:連続使用の耐熱温度、難燃表示
固定:粘着の有無、耐熱両面テープ
向く場所:ファンから離れた内壁
EPDMゴムスポンジ|振動と低い音に使う発泡ゴム発泡ゴムの一種で、パネルの共振や部品の振動を和らげる用途に使われます。気泡構造(独立気泡・連続気泡)は製品によって違い、制振・防振・吸音のどれに向くかも変わるため、製品の資料で確認します。粘着付きの製品が多く、貼り付けが簡単です。PC専用品は粘着剤の耐熱が想定されていますが、汎用品は粘着剤の耐熱が不明な場合があります。
確認する仕様:耐熱温度、粘着剤の耐熱
固定:粘着付きが多い
向く場所:パネル裏の平らな面、底面
ウレタンフォーム|スタジオ向けの吸音材表面に凹凸のある軽いフォームで、吸音を目的に設計されています。多くの製品はPC内の高温を想定しておらず、耐熱・難燃の資料がない製品は避けるのが無難です。経年で粉状に崩れる製品もあります。
確認する仕様:耐熱温度、難燃性、劣化の仕方
固定:製品による
向く場所:熱源から離れた場所に限る
遮音シート|重さで透過音を減らすブチルゴムやアスファルト系の薄い高密度シートで、パネルの透過音と共振を抑える用途です。重くなるため、パネルの開閉や固定に影響します。金属箔が付いた製品は導電性があり、基板や配線に触れると短絡する恐れがあります。
確認する仕様:耐熱、導電性(金属箔の有無)、重量
固定:粘着付きが多い
向く場所:基板や配線から離れたパネル裏
シリコン製防振パッド|ファン固定部の振動を断つファンのネジ穴などに挟み、ファンの振動がケースへ伝わるのを減らします。吸音材とは別の対策です。対応するファンの固定方式と取り付け方法は製品の仕様ページで確認してください。
確認する仕様:対応ファン、固定方式
固定:ファン固定部に装着
向く場所:ファン、HDDなどの固定部
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素材は音源に合わせて選ぶファン固定部の共振なら防振パッド、パネルの鳴きなら制振・遮音シート、風切り音の反射なら吸音材、という対応が基本です。複数を足すほど音が小さくなるとはかぎらず、貼る面積が増えるほど排熱の確認が必要になります。
貼る位置の考え方|ケースの構造と音源を先に確認する
「天板から貼れば効く」というような順番は、ケースの構造で変わります。次の5か所は、貼れるかどうかを説明書で確認してから、音源に合わせて選びます。
天板内側|通気型か閉じた構造かで扱いが変わる天板に吸排気用のファンマウントやメッシュがあるケースでは、そこを塞ぐと排熱が悪化します。Define 7のように、閉じた吸音天板と通気用の天板を交換できる機種もあります。ファンの穴や通気孔は避け、取扱説明書で貼ってよい範囲を確認してください。
サイドパネル内側|パネルの鳴きが気になるときに面積が大きく、振動で鳴きやすい部位です。鳴きが原因なら制振・遮音シートが候補になります。強化ガラスのパネルは外観を損なうため対象にせず、鋼板側だけを対象にします。パネルの嵌合部や、閉めたときに内部の部品に当たる位置は避けます。
フロントパネルの板部分|メッシュ部は塞がないフロントの吸気ファン前の板部分は、風切り音の反射を抑える対象になります。吸気用のメッシュや通気孔を塞ぐと吸気量が減り、ファンの回転数が上がります。閉じた板の部分だけが対象です。
底面|電源の吸気とボトムファンを避ける電源やHDDの振動が机に伝わる場合は、底面の対策やケース脚の防振が候補です。電源ユニットの吸気孔やボトムファンの位置は、塞がない範囲を説明書で確認します。
HDDベイ|駆動音が気になるHDD搭載機のみHDDの駆動音と振動が音源のときだけ意味がある対策です。マウント部に防振ゴムを使う方法が中心で、SSDのみの構成には不要です。
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貼る前の確認順ケースの説明書で吸排気経路とパネルの構造を確かめる。次にどの部品から音が出ているかを特定する。そして1か所ずつ施工して、そのたびに温度と音を同じ条件で比べる。一度に全面へ貼ると、悪化したときに原因を切り分けられません。
貼ってはいけない場所|排熱と吸排気を妨げる位置
静音化と冷却は競合します。次の5か所を塞ぐと、温度が上がってファンが高回転になり、かえってうるさくなります。具体的な離隔距離はケースとクーラーの組み合わせで違うため、メーカーの説明書にあるクリアランスを優先してください。
ファンの前後、吸排気孔とメッシュ吸気ファンの前のメッシュ、排気ファンの後ろの通気孔、天板のファンマウントは塞ぎません。吸気量が減ると、温度上昇と騒音増加が同時に起きます。貼るのは通気孔のない板の部分だけです。
GPUの周囲と上面GPUクーラーは排熱が集まる部品です。クーラーの上や側面に吸音材が近づくと、熱がこもります。縦置き、小型ケース、大型GPUの構成ではとくに余裕がありません。GPUの取扱説明書とケースの対応寸法を確認してから判断します。
CPUクーラーとラジエーターの風路空冷クーラーはフロントからリアへの風の通り道を、簡易水冷はラジエーターの吸排気面を使います。この経路上に素材があると、冷却性能が落ちます。クーラーのフィンやラジエーターの吸排気側には置きません。
電源ユニットの吸排気経路電源の吸気孔と排気孔は、電源の冷却と寿命に関わります。底面の吸気孔、背面の排気孔の近くは塞がないようにし、シュラウドの閉じた板の部分だけを対象にします。
マザーボードのVRM周辺VRMヒートシンクは、ケースファンの風を受ける前提で設計されています。高負荷のCPUではVRMが高温になるため、その真上に素材を被せる施工は避け、マザーボードの仕様と実測の温度で確認します。
温度の確認方法|部品の仕様上限と同条件の測定
吸音材の施工後に確認するのは、温度が何℃上がったかではなく、各部品が仕様上の上限に対して余裕を保っているかです。たとえば冷却余裕が大きいPCの数℃の上昇と、もともと上限近くで動いているPCの数℃の上昇では意味が違います。合格・不合格を決める一律の温度差や貼付面積はありません。
| 確認項目 | 見るもの | 理由 |
| 部品の仕様上限 | CPU・GPUの最大動作温度(メーカー仕様)、VRM・SSDの許容温度 | 施工後の実測がこの上限に対して余裕を保てるかを見る |
| 室温 | 測定時の室温を記録する | 室温が違えば、同じ施工でも温度は変わる |
| 負荷の内容と時間 | 同じベンチマーク・同じゲーム・同じ時間 | 条件が違うと施工前後を比べられない |
| ファン回転数 | CPU・GPU・ケースファンの回転数のログ | 回転数の上昇は冷却の負担が増えた兆候。成否は同じ位置で測った騒音と、温度・クロックの両方で判断する |
| クロックとスロットリング | 動作クロックの推移、スロットリング表示 | 温度が上限に達してクロックが落ちると、性能も下がる |
HWiNFOなどのソフトで、施工前と施工後に同じ条件のログを取り、並べて比べます。温度が下がらず、ファン回転数が上がり、クロックが落ちる傾向があれば、貼った範囲が排熱を妨げている可能性が高いです。
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施工前から冷却余裕がないときは、冷却を先に直す施工前の時点で、高負荷時に温度が上限に近いPCや、すでにクロックが落ちているPCに吸音材を足すと、悪化する方向にしか働きません。ファンの追加、ヒートシンクの清掃、エアフローの見直しなど、冷却の改善を先に行ってから静音化を検討してください。
施工後に温度が悪化したときは、貼った素材を1か所ずつ外して原因を切り分けます。外しても戻らない場合は、吸排気や風路を塞いでいる別の原因が残っています。全面を剥がして最初から見直すのが確実です。
ケース用吸音シートと防振パッド|用途と取り付けの確認
ここで取り上げる2製品は、用途が違います。1つはケース内壁に貼るシート、もう1つはファンの固定部に使う防振パッドです。いずれも、購入前にケースやファンとの適合を確認してください。
PC専用の貼り付け式吸音シートSilverStone SF01ケース内壁に貼る、PC向けの吸音シートです。販売ページでは530×380×4mmのシートが付属すると案内されています。粘着付きで貼りやすい一方、貼る位置と面積は上のNG位置を避けて決める必要があります。耐熱温度などの詳細仕様は、購入前に製品ページで確認してください。Amazonで価格を見る
ファン固定部の防振パッドNoctua NA-SAVP1 chromax.black対応ファンの固定部に挟むシリコーン製の防振パッドです。ケース内壁に貼る吸音シートの代わりにはならず、ファンの振動がケースに伝わって鳴っている場合の対策です。対応するファンは製品の仕様ページで確認してください。Amazonで価格を見る
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
まず試す順序は、音源の特定、次にファン固定部の防振、そのうえで必要ならパネルへのシート貼付、です。SF01のようなシートを貼る場合も、前章の温度確認を同じ条件で行います。
汎用素材をPCケース内に使う前の確認項目
車用の制振シート、建築用の吸音材、スタジオ用のウレタンフォームなど、PC以外の用途の素材をケース内に使う例があります。ただし、素材の一般名称やほかの用途での実績は、通電している機器の中で安全に使える根拠にはなりません。製品ごとの資料で、次の項目を確認できないものは使わないでください。
| 確認項目 | 理由 | 確認できないときの判断 |
| 連続使用の耐熱温度 | CPUクーラーやGPU、電源の近くは高温になる | 製品の仕様にない場合は使わない |
| 難燃性 | 通電する機器の内部で使うため | 難燃の表示や試験区分がない製品は避ける |
| 粘着剤の耐熱と糊残り | 高温で粘着剤が劣化して剥がれ、ファンに触れる恐れがある | 耐熱の記載がない両面テープや粘着剤は使わない |
| 導電性 | アルミ箔などの金属層は基板や配線に触れると短絡の恐れ | 金属層のある製品は基板から離れた面に限る |
| 繊維や粉の発生 | ファンの軸受や基板にたまる | 毛羽立ちや粉化する素材はファンの近くに使わない |
確認に手間がかかる場合は、PC向けに作られた製品か、仕様を公開しているメーカーの製品を選ぶほうが安全です。コスト差が数千円であれば、資料を確認できない素材で通電機器の内部を覆うリスクと釣り合いません。
施工手順7ステップ|静電気対策から温度確認まで
施工は、次の7ステップで進めます。途中を飛ばすと、剥がれや温度悪化の原因が分からなくなります。
静電気・電源対策|PCを完全に切ってから始める電源ケーブルをコンセントから抜き、ケースのフレームなど金属部分に触れて放電します。マザーボード、GPU、SSDは静電気に弱いため、リストバンドの着用も有効です。電源をオフにするだけでなく、ケーブルを抜いて待機電力も断ちます。
ケースの分解|パネルを外し、必要に応じて部品も外すサイドパネル、天板、フロントパネルを外します。実装したままでは角度が取れず、貼り付けが浮きやすくなります。ネジは位置ごとに小皿に分けて保管します。小型ケースでは分解が大変ですが、通気の余裕が少ないため、施工前に必ず構造を確認します。
貼る位置の確認|説明書で吸排気経路と嵌合部を見る説明書やメーカーの仕様ページで、通気孔、ファンマウント、パネルの嵌合部、配線の通り道を確認します。貼ってよい範囲が書かれていなければ、迷う場所には貼りません。
脱脂|貼る面を拭いて乾かす粘着付きの素材は、貼る面の油分と埃を取ってから貼ります。拭き取りに使う溶剤と乾燥時間は、素材と粘着剤の施工説明に従ってください。面の汚れが残ると、粘着が弱まって剥がれる原因になります。
採寸とカット|穴と通気孔を避けるファンの穴、ケーブルの通し穴、ネジ穴、通気孔を避ける形にカットします。マスキングテープで型紙を作ると正確です。カッターは新しい刃を使うと、素材が引きちぎれずに切れます。
接着と再組立|ファンに触れていないか確認する粘着付きは剥離紙を剥がして貼り、手のひらで押し付けます。粘着なしの素材は、耐熱仕様を確認した両面テープなどで固定します。再組立のあと、サイドパネルを仮に閉じ、素材や繊維がファンの回転部やヒートシンクに触れていないか、ライトで内部を照らして目視します。
温度とファン回転数の確認|施工前と同条件で測る施工前に取ったログと同じ負荷・同じ時間・できるだけ同じ室温で再測定します。CPU・GPU・VRMの温度、ファン回転数、クロックを施工前と並べ、仕様上限に対する余裕を確認します。異常があれば、貼った素材を1か所ずつ外して原因を切り分けます。
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貼ったまま開閉すると剥がれやすいケースを組んだままパネルだけ外して貼る方法は、脱脂や圧着が不十分になりやすく、剥がれて落ちる原因になります。剥がれた素材がファンに触れると異音や故障、基板に落ちると短絡の恐れがあります。時間を取り、部品を外して施工してください。
効果測定の手順|スマホ騒音計は同条件の比較に使う
スマホの騒音計アプリは、同じ端末・同じアプリ・同じ位置・同じ条件で測った相対比較に使います。校正された騒音計の値と同じではなく、端末のマイク特性や周波数の重み付けによって、アプリ間の値も異なります。測定限界を理解したうえで、施工前後の変化を見るのに使いましょう。
暗騒音を記録する|PCを止めて測るPCを完全にシャットダウンし、エアコンや換気扇などをできるだけ止めて測ります。この値が暗騒音です。暗騒音とPC稼働時の値の差が小さいと、PCの音が分からなくなります。静かな時間帯に測ってください。
位置と角度を固定する|三脚や台に置くスマホをケース前面から一定の距離に固定します。耳の位置に近い高さで、マイクをケースに向けます。施工の前後で、距離・高さ・向きを完全に揃えます。
負荷の場面を決める|アイドルと高負荷アイドル、動画再生、ベンチマークなど、使用する場面を決めて同じ場面で測ります。場面ごとにファン回転数が違うため、どの場面がうるさいのかを切り分けられます。測定時間もそろえて平均値で比べます。
アプリを固定する|途中で変えないアプリごとにマイクの補正が違い、値が数dBずれることがあります。施工前後は同じアプリ、同じ重み付け(A特性など)で測ります。校正済みの騒音計を使うと絶対値で比較できますが、スマホでは相対比較にとどめます。
施工後に同条件で再測定する|ファン回転数も記録する同じ時間帯・位置・アプリ・場面で再測定し、差を確認します。ファンの回転数も同時に記録し、回転数が変わっていないことを確かめてください。回転数が上がっていれば、冷却の負担が増えている可能性があります。騒音の変化は、温度・クロックとあわせて判断してください。
静音ケースに買い替える選択肢|Define 7を例に
後付けで貼るより、最初から吸音構造を持つケースを選ぶほうが、構造的に無理のない方法です。吸音構造をメーカーの製品資料で確認できるFractal Design Define 7が、比較の基準になります。比較候補にはCooler Master Silencio S600があります。
吸音構造を持つ完成品のケースFractal Design Define 7前面・天板・側面パネルに吸音処理を施した静音志向のケースです。メーカーの製品資料では、天板を閉じた吸音タイプから通気タイプへ交換できると案内されています。静音を優先する構成と、排熱を優先する構成を、天板の交換で使い分けられます。Amazonで価格を見る
静音ケースの比較候補Cooler Master Silencio S600静音志向のミドルタワーとして、Define 7と比較される候補です。吸音の構造、通気、対応するGPUの長さはモデルごとに違うため、購入前にメーカーの仕様ページで内部寸法と通気構造を確認してください。Amazonで価格を見る
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
| 比べる軸 | 後付けで貼る | 静音ケースへ買い替える |
| 費用 | シート代と作業時間 | ケース代と全部品の載せ替え作業 |
| 冷却への影響 | 貼る位置と面積によって変わり、自分で確認が必要 | ケースの吸音と通気の設計に含まれる(製品資料で確認) |
| 施工の難易度 | 分解、採寸、貼付、温度確認 | 載せ替え。ケース交換で取り回しが変わる |
| 向く人 | 今のケースを使い続けたい | 複数年の更新を前提にケースも新しくしたい |
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新型「Define One」はDefine 7と前提が違うFractal Designは2026年9月3日、Defineシリーズに加わる新型「Define One」を発売しました。GPU最大長は368mmで、Define 7はレイアウトにより315〜491mm(オープンレイアウトでフロントファン装着時は467mm)です。静音性能の比較は測定条件が揃ったデータで判断し、拡張性を重視するなら引き続きDefine 7が無難です。両モデルの違いはDefine OneとDefine 7の比較記事で整理しています。
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現在のケースを使い続けるかで判断する今のケースのデザインや拡張性を気に入っていて、音の出どころが特定できているなら、防振パッドや部分的な制振から試せます。数年以内にケースの更新を考えているなら、後付けの施工に手間をかけるより、PCケースの選び方ガイドを見て吸音構造のある機種を選ぶほうが、構成全体を整理しやすいです。
まとめ|静音化の進め方
静音化は、音源を小さくする順に進めます。吸音材は最後の段階です。
ファンカーブの調整FanControlやBIOSでCPU・GPU・ケースファンの回転数を見直します。無料で試せて、温度の余裕も同時に確認できます。手順はPC騒音計測・ファンカーブ設定 完全ガイドを参照してください。
防振・制振・吸音の後付け音源に合わせて、防振パッド、制振・遮音シート、吸音材を選びます。1か所ずつ施工し、温度・ファン回転数・クロックを施工前と同条件で比べます。
よくある質問(FAQ)
吸音材を貼ったらPCの温度が上がりました。どうすればよいですか?
吸排気孔やファンの風路を塞いでいる可能性があります。貼った素材を1か所ずつ外して、どこで温度が戻るかを確かめてください。ファン回転数とクロックも一緒に見ます。外しても戻らない場合は、全面を剥がして吸排気経路を見直すのが確実です。
サイドパネルが強化ガラスのケースでも貼れますか?
ガラス面は貼る対象にしません。貼ると外から見えて外観を損なうためで、鋼板側のパネルや、閉じた板の部分が対象です。ケースによっては貼れる範囲が少ないため、説明書で確認し、静音性を重視するなら吸音構造を持つケースへの買い替えも検討してください。
吸音材の貼り替えは何年くらいで必要ですか?
素材と使用環境によって違い、一律の年数は示せません。表面が粉を吹く、黄ばむ、崩れる、剥がれるといった変化が見えたら交換のサインです。粉や繊維はファンの軸受に入る恐れがあるため、定期的にパネルを開けて状態を確認してください。
簡易水冷のポンプの唸り音にも吸音材は効きますか?
効果は限定的です。ポンプの唸りは、ケースやラジエーターに構造を伝わる振動として出ることが多く、空気中の音を吸う素材では抑えにくいためです。空気中へ放射される成分には効く場合もあり、素材・周波数・ケース構造で変わります。ラジエーターの取付部に防振を入れる、ポンプの回転数をメーカーの許容範囲で見直すといった対策が候補です。それでも改善しない場合は、メーカーの保証窓口に相談してください。
吸音材と防音材は何が違いますか?
吸音は音を素材の中で熱に変えて反射を減らす働き、遮音は重さのある層で透過を減らす働きです。さらに、パネルの共振を抑える制振と、部品とケースの間の振動を断つ防振があります。何を抑えたいかで、選ぶものが変わります。
小型のMini-ITXケースでも貼れますか?
内部に余裕がない小型ケースは、素材の厚みが排熱を妨げやすく、慎重な判断が必要です。
GPUやクーラーとパネルの隙間を確認し、貼れる余地がなければ無理に貼らないのが基本です。小型ケースの考え方は
Mini-ITX自作ガイドを参照してください。
施工と確認を支える機材
吸音材そのものではなく、音源を下げる手段と、効果を確かめる手段です。
音源そのものを下げるケースファンNoctua NF-A12x25 PWM120mmのPWMファンで、静音を重視した製品として知られています。吸音材を貼る前にファン自体を静かなものに替えるのも、音源を下げる有力な手段です。回転数、騒音値、風量などはメーカーの仕様ページで確認し、ケースの取付位置に対応するか確かめてください。Amazonで価格を見る
測定をスマホより安定させる騒音計デジタル騒音計施工前後の変化を、スマホよりも安定して測りたいときの専用機です。A特性・C特性の切替や最大値ホールドを備えた製品があります。製品ごとに精度や校正の有無が違うため、仕様ページで測定範囲と精度を確認し、施工前後は同じ位置・同じ条件で測ります。Amazonで価格を見る
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
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投資する順番は、無料でできることから先に無料でできるファンカーブの調整を行い、次に音源となるファンの交換や防振、そして必要な範囲で吸音・制振シートを検討します。費用に見合うかは、音源の特定と同条件の測定で確かめてください。
2026年のPCケース静音化|結論
吸音材は、音源を特定し、ファンカーブとエアフローを整えたあとに、必要な箇所へ1つずつ使う道具です。効果のdBや温度の上がり幅は機種ごとに違い、全機種に通用する合格基準はありません。
温度は、部品の仕様上限に対する余裕、室温、同じ負荷と時間、ファン回転数、クロックをそろえて比べます。施工前から冷却余裕がないPCは、冷却の改善が先です。
素材は、吸音・遮音・制振・防振の役割で分けます。吸排気孔、ファンの回転部、ヒートシンク、配線、パネルの嵌合部を妨げないことを説明書で確認し、耐熱・難燃・粘着剤・導電性の資料を確認できない素材は使いません。
出典:Noctua NA-SAVP1 Specifications、Fractal Design Define 7 Product Sheet
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