シェーダーコンパイル・スタッタリング対処完全ガイド【2026年版】UE5世代のカクつきを5タイプ別に潰す

(更新: 2026.5.7)
シェーダーコンパイル・スタッタリング対処完全ガイド【2026年版】UE5世代のカクつきを5タイプ別に潰す

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2026 SHADER COMPILATION & STUTTER — COMPLETE GUIDE
シェーダーコンパイル・スタッタリング対処完全ガイド【2026年版】
UE5世代のカクつきを5タイプ別に潰す
「初回エリアのフリーズ」「マップ移動時のカクつき」「テクスチャポップイン」——症状から原因を特定し、5タイプ別に対処を整理。OSレベルの新機能と主要タイトル別Engine.ini設定まで詰めた1本
2026-05公開 5タイプ別 症状診断 UE5 / DX12 / DXR対応 主要5タイトル別対処 2026年最新OS機能反映

「黒神話:悟空でボス戦突入の瞬間に画面が固まる」「ホグワーツ・レガシーでHogsmeadeに入った瞬間にfpsが半減する」「ドラゴンズドグマ 2でNPCが多い街に入ると30fpsまで落ちる」「Clair Obscur: Expedition 33(クレア・オブスキュア)でカットシーン中に毎回フレームが飛ぶ」——UE5世代のPCゲームが普及した2024〜2026年、「ゲーム自体は動くのにカクつきだけ消えない」というストレスに多くのプレイヤーが直面しています。

同じハードウェアでもPS5 / Xbox Series X では起きないこの問題、原因をきちんと切り分けないと GPU を買い替えても CPU を買い替えても解決しません。むしろ「ハードを良くしたのに同じ症状が出る」という二度手間に陥りやすいのが、このカクつき問題の厄介なところです。

結論を先に書くと、ゲーム中のカクつきは大きく5タイプに分かれます。Shader Compilation Stutter(シェーダーコンパイル)/Traversal Stutter(マップ移動時)/Streaming Stutter(テクスチャ読み込み)/DirectX 12 PSO Stutter(戦闘・新エフェクト時)/Path Tracing Stutter(RT計算負荷)の5つで、症状の出方が違うため対処も違います。

「ドライバを更新しろ」「常駐ソフトを切れ」といった一般論で潰せるのはこのうちの2割程度。残り8割は シェーダーキャッシュ設定・Engine.ini編集・OS新機能の有効化・ハードウェア構成の見直しで初めて解消します。

さらに2026年は Intel Arc SDS・NVIDIA Auto Shader Compilation・DirectX ASD・DirectStorage 1.4・DXR 2.0 という OSレベルでスタッターを潰す新機能が出揃った地殻変動の年です。これらを知っているか知らないかで、同じハードウェアでも体感が一段変わります。

本ガイドでは、5タイプの症状診断フローチャート・タイプ別の発生メカニズム・NVIDIA / AMD / Intel のシェーダーキャッシュ設定値・初回起動時の放置プリコンパイル術・主要5タイトル別の対処手順・ハードウェアでの根本解決ライン・2026年最新OS機能の使いこなしまで、競合記事が手薄にしているテーマを1本で整理しました。

当サイトのゲームの起動・ロード時間を短縮する方法がロード時間軸からのアプローチなのに対し、本記事は 「ゲームプレイ中のカクつきを排除する」に特化したテクニカルガイドです。読み終わるころには、自分のPCで起きているカクつきがどのタイプで、何を変えればいいのかが明確になっているはずです。

先に結論|スタッタリングは5種類ある

「結論だけ先に知りたい」という方のために、本ガイドの軸を3枚のカードに集約しました。詳細は本編で詰めていきますが、まずこのフローで全体感を掴んでください。

A DIAGNOSE|まず症状を特定
症状から5タイプに切り分け

「初回エリアだけフリーズ」なら Shader Compilation。「マップ移動で毎回カクつく」なら Traversal。「テクスチャがぼやけて遅れて出る」なら Streaming。「戦闘開始でフリーズ」なら PSO。「RT有効時にカメラ回すと固まる」なら Path Tracing。診断フローチャートで30秒判定

B CONFIG|OS / ドライバ / Engine.ini
2026年は新機能でほぼ自動化

NVIDIA Auto Shader Compilation・Intel Arc SDS・DirectX ASD・DirectStorage 1.4・DXR 2.0 — OSレベルでカクつきを潰す機能が出揃った2026年。シェーダーキャッシュを Unlimited に・ゲーム別Engine.iniで Texture Pool 拡張・DDU 不要のキャッシュクリアで初期化。

C HARDWARE|根本解決ライン
VRAM 12GB+X3D+NVMe+32GB

UE5 世代を快適に動かす最低ライン。VRAM 80%超で確定スタッター、デュアルチャネル必須、X3Dで1% Lowが頭ひとつ抜けて安定。設定変更で潰せないなら、ハード側に原因がある可能性大。

EDITOR’S TIP
PCだけで起きる「カクつき」はコンソールの宿命じゃない

同じUE5タイトルでも PS5 / Xbox Series X では発生しない、というのがPC版スタッタリングの最大のポイントです。理由は単純で、コンソールはハードが固定されているため、デベロッパーが事前にシェーダーをコンパイル済みで出荷できるのに対し、PCは GPU・ドライバ・解像度の組み合わせが無限にあり、初回プレイ時にユーザー側のマシンでコンパイルする必要があるから。これを根本解決するのが2026年に出揃った OSレベルの新機能群(Intel ASD・NVIDIA Auto Shader Compilation・DirectX ASD)で、本ガイドでは設定の使いこなしまで詳細に解説します。

1分でわかる|スタッタリングは5種類ある

まず最初に押さえてほしいのが、スタッタリングは1つの現象ではなく5種類の別物であるという事実です。同じ「カクつき」と呼んでも、原因も対処も全く違います。一般的な「ドライバ更新で直る」という処方箋が効かないのは、症状を5種類に切り分けていないため。本章で全体像を掴んでから、次章の診断フローでご自身のケースを判定してください。

01 SHADER COMPILATION
Shader Compilation Stutter
症状
初回エリア入場時に 0.1〜2秒のフリーズ
原因
GPU別マシンコードへの初回変換
見分け方
2周目で消える / 別エリアでも初回だけ発生
主な該当タイトル
UE4 / UE5 全般、Path of Exile 2

最も古典的なPCゲームのスタッターで、ドライバを変えると再発します。NVIDIA / AMD / Intel いずれも2024〜2026年に対策機能を実装。

02 TRAVERSAL
Traversal Stutter
症状
マップ移動・カメラ高速回転時にカクつき
原因
UE5 World Partition のアセット読込
見分け方
2回目以降も発生・移動を止めると治る
主な該当タイトル
黒神話:悟空、ホグワーツ・レガシー

UE5世代の宿命。NVMe・大容量VRAM・X3D CPUで緩和できますが、ゲーム側のパッチが本命の解決策。

03 STREAMING
Streaming Stutter
症状
テクスチャがぼやけて遅れて読込
原因
VRAM不足 / SSD遅延 / Texture Pool
見分け方
GPU使用率 80%未満なのにVRAM 99%
主な該当タイトル
ホグワーツ・レガシー、ドラゴンズドグマ 2

VRAM 80%超えで確定発生。Engine.ini で r.Streaming.PoolSize を拡張、DirectStorage 1.4 で抜本解決。

04 DX12 PSO
DirectX 12 PSO Stutter
症状
戦闘開始・新エフェクト出現でフリーズ
原因
Pipeline State Object の組み合わせ膨大
見分け方
動的シーン変化時に発生・新ステージで増える
主な該当タイトル
UE4 DX12版・FF7 リバース系

UE5.2以降の PSO Precaching で大幅改善。古いUE4タイトルでは依然として課題。

05 PATH TRACING
Path Tracing Stutter
症状
RT有効時のカメラ回転で 2〜10秒フリーズ
原因
レイトレ計算負荷・BLAS再構築
見分け方
RT を Off にすると消える
主な該当タイトル
サイバーパンク 2077 PT・Alan Wake 2

2026年夏プレビューの DXR 2.0 Clustered Geometry で BLASビルド最大100倍高速化、根本解決が見えてきた領域。

INFO
複数タイプが同時に起きるケースもある

厄介なのは 1タイトルで2〜3タイプが重なるケースです。例えば黒神話:悟空は「初回エリアの Shader Compilation」「マップ移動の Traversal」「ボス戦突入時の PSO」が同時に発生する典型例。1つの設定変更で全部が解消するわけではないため、症状を分解して順番に潰していく姿勢が必要になります。本ガイドの診断フローで主因を特定し、効果の高い対処から順に試してください。

症状からタイプを特定する|診断フローチャート

自分のPCで起きているカクつきが5タイプのどれかを判定するため、5問のチェックリストを用意しました。YES の数が最多のタイプが主犯です。複数該当する場合は本ガイドの該当章を順番にチェックしていきましょう。

Q1
同じエリアを2周目で通ったらカクつきが消えるか?

YESなら Shader Compilation Stutter。GPUがそのエリア固有のシェーダーを初回だけコンパイルしている証拠で、キャッシュに保存されれば次回以降は瞬時に展開できます。

Q2
マップ移動・高速移動・カメラ高速回転で毎回カクつくか?

YESなら Traversal Stutter。UE5 World Partition による次エリアのアセット先読みが間に合っていない症状で、2周目以降も再発します。NVMe・VRAM・X3D で緩和。

Q3
テクスチャがぼやけたまま、数秒遅れて鮮明になるか?

YESなら Streaming Stutter。VRAM不足が主因で、タスクマネージャでGPU使用率が80%未満なのに専用VRAMだけ99%張り付きしているはず。Texture Pool 拡張で大幅改善。

Q4
戦闘開始・新エフェクト・新キャラ出現の瞬間に固まるか?

YESなら DX12 PSO Stutter。Pipeline State Object の組み合わせを初回構築している症状で、UE5.2以降の Precaching で大幅改善。古いUE4 DX12タイトルでは依然発生します。

Q5
RT / Path Tracing を有効にしたときだけカメラ回転で固まるか?

YESなら Path Tracing Stutter。BLAS(Bottom Level Acceleration Structure)の再構築コストが原因で、視点を大きく動かすたびに発生。RTを Off にすれば消えます。DXR 2.0で根本解決へ。

症状とタイプの対応早見表

症状の出方該当タイプ主な対処解決の難易度
初回エリアでだけ短くフリーズShader Compilationキャッシュ拡張・放置プリコンパイル
マップ移動で毎回カクつくTraversalNVMe・VRAM 12GB+・X3D・パッチ待ち中〜高
テクスチャが遅れて出る・ぼやけるStreamingTexture Pool拡張・VRAM増・DirectStorage 1.4
戦闘開始の瞬間にフリーズDX12 PSOUE5.2以降待ち・キャッシュ拡張
RT有効時のカメラ回転で2〜10秒固まるPath TracingRT Off・DXR 2.0待ち
WARNING
「fpsは出てるのにカクつく」のはタイプ判定の落とし穴

fps カウンターを見て 「平均120fpsは出ているのに体感がカクつく」というケースの大半は、1% Low / 0.1% Low が大きく落ち込んでいることが原因です。MSI Afterburner や CapFrameX で フレームタイムグラフを見ると、平均fpsが安定していてもスパイクが乱発していることが分かります。スパイクの間隔と発生条件を観察すれば、5タイプのどれかを切り分けやすくなります。「平均fpsだけで判断しない」ことが、スタッタリング問題の出発点です。

Shader Compilation Stutter|なぜPCだけで起きるのか

5タイプの中で最も古典的かつ最も発生頻度が高いのが Shader Compilation Stutterです。UE4 / UE5 だけでなく、自社エンジン(Path of Exile 2 など)でも同様の現象が起きます。コンソールでは発生しない、PCゲーマーだけが直面する宿命的な問題でした。

シェーダーコンパイルの仕組み

01
仕組みシェーダーは「中間言語」で出荷される

ゲーム内のすべてのマテリアル・エフェクトには シェーダー(GPU上で動く小さなプログラム)が紐づいています。デベロッパーは HLSL(DirectX)/ GLSL(OpenGL)等の高水準言語で書き、出荷時には DXIL や SPIR-V といった中間表現に変換した状態でゲームファイルに同梱します。GPU 別マシンコードまでコンパイル済みでは出さない理由は、ユーザーのGPU・ドライババージョン・解像度・設定の組み合わせが無限にあるためです。

02
発生ユーザー側で初回コンパイルが走る

ゲームを起動すると、シーンに必要なシェーダーを ユーザーのGPUに合わせてリアルタイムでマシンコードに変換します。この変換に1シェーダーあたり数十ミリ秒〜数百ミリ秒かかり、エリアによっては数百〜数千個のシェーダーが必要なため、初回エリア入場時に短いフリーズとして体感されるわけです。コンパイル結果は %localappdata%\NVIDIA\DXCache 等にキャッシュされ、2回目以降は瞬時に展開されます。

03
再発ドライバ更新でキャッシュ無効化

ここが最大の罠ですが、GPUドライバを更新するとシェーダーキャッシュは無効化されます。新しいドライバは古いコンパイル済みコードを使えないため、ゲームを再起動するとまた最初から作り直し。「ドライバを最新に保つほどスタッターが増える」という皮肉な状況が、定期的に発生する理由です。

04
2026年OSレベルで事前配布する仕組みが普及

2026年、Intel Arc SDS(Shader Distribution Service)と DirectX ASD(Advanced Shader Delivery)が登場し、ドライバ提供元側で事前にコンパイル済みシェーダーをユーザーに配布する仕組みが標準化されました。つまり「ユーザーのPCでコンパイルする手間自体を省く」というアプローチで、ロード時間最大37倍高速化(Intel計測)、初回スタッターほぼゼロ化を実現しつつあります。詳細はIntel Arc SDS解説記事DirectX GDC 2026記事を参照してください。

初回 vs 2周目の挙動差を確認する

Shader Compilation Stutter かどうかを判定する一番確実な方法は、同じエリアを2周してみることです。1周目で発生したカクつきが2周目で完全に消えるなら、それは間違いなくシェーダーコンパイル起因です。逆に 2周目以降も同じ場所で再現するならTraversal Stutterの可能性が高いため、World Partition のアセット読込問題として対処を切り替える必要があります。

INFO
「シェーダー事前コンパイル画面」が出るゲームは優等生

The Last of Us Part I・Spider-Man・Forspoken・Hogwarts Legacy・Returnal などの一部タイトルは、起動時に「シェーダーをコンパイル中…」というプログレスバーを表示します。ロード時間が数分かかる代わりに、ゲームプレイ中のスタッターをほぼ完全に排除できる設計で、これが本来の正解。プレイ中のフリーズより起動時の数分待機のほうが受け入れやすいという設計判断で、最近のUE5タイトルでも採用が増えています。

Traversal Stutter|UE5世代の宿命とWorld Partition

UE5世代で爆発的に増えたのが Traversal Stutter(トラバーサルスタッター)です。これは2周目以降も再発する厄介な症状で、シェーダーコンパイルとは原因が違います。黒神話:悟空・ホグワーツ・レガシー・Senua’s Saga: Hellblade II・ELDEN RING NIGHTREIGN など、UE系の広いマップを採用するタイトルで頻発します。

World Partition がもたらした表裏

UE5 の World Partition は、巨大マップを格子状のチェックポイントに分割し、プレイヤーの周囲だけを動的に読み込む仕組みです。これにより シームレスな広大世界を実現できる一方、マップ境界を超える瞬間に新エリアのアセット(メッシュ・テクスチャ・ライト・サウンド)を一気に読み込む必要があり、これが間に合わないとカクつきとして体感されます。

A
特徴12回目以降も発生する

シェーダーコンパイルと違い、Traversal Stutter はキャッシュに残らないアセットの動的ロードが原因のため 毎回発生します。同じ場所を100回通っても出る場合があり、これが診断の決定打です。

B
特徴2速い乗り物・ファストトラベルで顕著

馬・バイク・グライダー等の 移動速度が速い乗り物を使うと、World Partitionの読み込みが追いつかず、フリーズが大型化します。徒歩なら気にならないのに馬に乗ると毎回固まる、という症状の正体はこれです。

C
緩和に効くNVMe・VRAM 12GB+・X3D

Traversal Stutter は I/O 帯域とCPU・メモリ帯域の総合勝負です。NVMe Gen4以上のSSD・VRAM 12GB以上のGPU・3D V-Cacheを積んだRyzen X3D(特に9800X3D・7800X3D)が緩和に効きます。「メインゲームをUE5タイトルでやる」と決めているなら、これらは投資対効果が高い構成。

D
本命ゲーム側のパッチ待ちが本筋

ハードウェアでの緩和には限界があり、本命の解決策はゲーム側の最適化パッチです。Capcom(ドラゴンズドグマ 2)・Game Science(黒神話:悟空)・Avalanche(ホグワーツ・レガシー)など、発売後にパッチで大幅改善した実例が多数。発売直後のUE5タイトルでカクつきが酷い場合は、無理に設定を詰めずパッチを待つのも合理的判断です。

Streaming Stutter と DirectX 12 PSO Stutter|混同されやすい2類型

診断で混同されやすいのが Streaming Stutter(テクスチャストリーミング起因)DX12 PSO Stutter(パイプライン状態オブジェクト起因)の2つです。どちらも「動きのあるシーンで突然カクつく」という症状を見せますが、原因は全く違います。

Streaming Stutter — VRAM 80%閾値

Streaming Stutter は VRAM不足とSSDの読み込み速度が主因です。ゲームは「現在画面に映っているテクスチャ+すぐ必要になるテクスチャ」をVRAMに保持し、不要になったものを破棄して新しいものを読み込みますが、VRAMが80%を超えると破棄&読込のサイクルが頻発し、テクスチャがぼやけたまま遅れて鮮明になる現象が起きます。

80
閾値VRAM使用率 80% を超えるとスタッター激増

複数の海外検証サイトの計測で、VRAM使用率80%を境にフレームタイムが大きく揺らぎ始めることが確認されています。90%超で確定発生、95%超ではテクスチャが完全に低解像度のまま出続ける状態に。VRAM 8GBのRTX 4060 / 5060 で4Kテクスチャを使うとほぼ確実に発生する領域です。

SSD
解決NVMeとDirectStorage 1.4

VRAMが足りなければ SSDから読み込む速度が問われます。SATA SSDだと読み込みが詰まってStreaming Stutterが顕著、Gen4 NVMeなら大幅緩和、2026年公開予定の DirectStorage 1.4 Zstandard 圧縮対応で抜本的に改善する見込み。詳細はDirectStorage 1.4記事を参照。

DX12 PSO Stutter — Pipeline State Object 問題

DX12 PSO Stutter は、DirectX 12 で導入されたPipeline State Object(PSO)の組み合わせ爆発に起因します。PSO は「シェーダー+頂点レイアウト+ブレンドモード+深度テスト+ラスタライザ」等の状態をひとまとめにしたオブジェクトで、ゲームは新しい組み合わせが必要になった瞬間にPSOを生成しなければなりません。

UE4
発生源UE4 DX12版で頻発した

UE4 + DX12 の組み合わせはPSO Stutterの代名詞でした。Final Fantasy 7 Remake / Rebirth・Jedi: Survivor・スターフィールド初期版などで「戦闘開始の瞬間に1秒固まる」症状を多くのプレイヤーが体験しています。これは新しい敵・新しいエフェクトが登場するたびにPSOを構築するため、避けようがなかった現象。

5.2
改善UE5.2以降のPSO Precaching

UE5.2 で PSO Precaching機能が追加され、ゲーム起動時やレベルロード時にPSOを 事前生成する仕組みが標準化されました。これにより 戦闘中のPSO Stutterは大幅減少。新しいUE5タイトルでこの症状が出にくいのはこのおかげです。古いUE4タイトルや独自エンジンでは依然として課題が残ります。

INFO
VRAMモニタリングは「専用VRAM」を見る

VRAM使用率を見るときは、Windowsタスクマネージャの 「専用GPUメモリ」を見ます。「共有GPUメモリ」(=システムメモリの一部)が使われ始めたら確実にVRAM不足です。MSI Afterburner ではプロセス別VRAM使用量を表示できるため、ゲーム本体がどれだけ消費しているかを正確に把握できます。「フレームレートは出てるのにテクスチャがおかしい」と感じたら、まずこの数値を確認してください。

2026年に登場した「OSレベルの解決策」4機能

2026年は OS / ドライバレベルの新機能が一気に出揃った年です。長らく「ゲーム側の最適化次第」だったカクつき問題に、OS・ドライバ・ストレージ層からアプローチする手段が加わりました。設定で有効化するだけで体感が変わるため、本章で全機能を網羅します。

01 INTEL ARC SDS
Intel Arc Shader Distribution Service
登場時期
2026年3月公開のIntel WHQLドライバ以降
対応GPU
Arc Xe2 / Xe3(B580・B770系)専用
対応タイトル
13タイトル(2026年3月Intel発表時点・順次拡大中)
効果
ロード時間 最大37倍高速化

Intelが業界に先駆けて実装した シェーダー事前配布の仕組み。Intelが各タイトルのシェーダーをコンパイル済みでユーザーに配布する方式で、ユーザー側でのコンパイル工程を完全にスキップ。詳細はIntel Arc SDS解説記事を参照。

02 NVIDIA AUTO SHADER
NVIDIA Auto Shader Compilation
登場時期
2026年4月(NVIDIA Appアップデート)でBeta公開、DLSS 4.5 と同時にNVIDIA App上から有効化可能
対応GPU
RTX 20 / 30 / 40 / 50 シリーズ全般
有効化
NVIDIA App Beta機能
効果
初回スタッター削減・キャッシュ自動管理

NVIDIA App → Settings → About → 「Opt in to access Beta」 → Graphics → Auto Shader Compilation → On / System Utilization=Medium で有効化。アイドル時にバックグラウンドでシェーダーを事前コンパイルし、ゲーム起動時のスタッターを軽減します。

03 DIRECTX ASD
DirectX Advanced Shader Delivery
発表時期
GDC 2026、AgilitySDK 1.619
UI追加
2026年5月 Xbox Partner Center
対応GPU
AMD / Intel 実装済、NVIDIAは2026後半
意義
業界標準のシェーダー事前配布仕組み

Microsoftが提唱する 業界統一のASDアーキテクチャ。ベンダー横断でシェーダーを事前配布できる仕組みで、PC版が抱えていた「初回スタッター」問題を根本解決へ向かわせる。詳細はDirectX GDC 2026記事を参照。

04 DIRECTSTORAGE 1.4
DirectStorage 1.4 Zstandard
公開
2026年3月パブリックプレビュー
新機能
Zstandard 圧縮対応・GACL ツール
主効果
テクスチャポップイン低減
対応必要
Gen3以上のNVMe SSD推奨

SSD→VRAM の直接転送パスにZstandard圧縮が加わり、Streaming Stutterを抜本改善する見込み。Forza・Hellblade II・モンハンワイルズ・バイオハザード レクイエム・UE5系で順次対応予定。詳細はDirectStorage 1.4記事

05 DXR 2.0
DirectX Raytracing 2.0
公開
2026年夏プレビュー予定
新機能
Clustered Geometry / PTLAS
BLASビルド
最大100倍高速化
主効果
Path Tracing Stutter根本解決

Path Tracing 時のBLAS(Bottom Level Acceleration Structure)構築を 最大100倍高速化。動的シーンの部分再ビルドを可能にする PTLASと組み合わせ、RT有効時のカメラ回転スタッターを根本解決へ。

EDITOR’S TIP
2026年は「ゲーム側の最適化を待たなくていい」時代の幕開け

従来のスタッター対策は 「ゲーム開発側のパッチ待ち」が中心でした。2026年に出揃ったこの5機能は、OS / ドライバ / ストレージ側からスタッターを潰す選択肢を加えるものです。NVIDIA Auto Shader Compilation を有効にしておくだけで、過去のUE4タイトルでも体感が変わるケースが報告されています。「最新ドライバを当ててNVIDIA Appの設定をBeta機能含めて見直す」だけでも、何もせずプレイするより明らかに快適になる可能性が高いので、本記事を読んだ直後に試してみてください。

NVIDIA・AMD・Intelのシェーダーキャッシュ設定|2026年版の推奨値

OSレベルの新機能と並行して、各GPUベンダーのシェーダーキャッシュ設定を最適化することで初回スタッターを大幅に緩和できます。NVIDIA / AMD / Intel それぞれの設定箇所と推奨値を整理しました。

NVIDIA RTX 20 / 30 / 40 / 50
設定箇所
NVIDIA Control Panel → 3D設定 → シェーダーキャッシュサイズ
デフォルト
16GB(不足)
推奨値
100GB または 無制限
キャッシュ場所
%localappdata%\NVIDIA\DXCache
%localappdata%\NVIDIA\GLCache
追加
ドライバ572.16以降は %localappdata%Low\NVIDIA\DXCache も併用
有効化方法
「無制限」が選べないドライバ版では「100GB」相当の最大値を選択

公式が「無制限を推奨」と案内しているのは Path of Exile 2 などキャッシュ量が膨大なタイトルに対応するため。SSDの空き容量に余裕があるなら無制限で問題ありません。NVIDIA App の Auto Shader Compilation を併用するとさらに効果的。

AMD RX 7000 / 9000 / Radeon
設定箇所
Adrenalin → グローバル設定 → Shader Cache
デフォルト
AMD最適化(タイトル別動的)
推奨値
Enabled(32)
リセット方法
Adrenalin → Reset Shader Cache
キャッシュ場所
%localappdata%\AMD\DxCache
追加
FSR Frame Generation利用時は破損キャッシュリセット推奨

AMDは 「Enabled(32)」が最大値で、これを上回る設定は存在しません。スタッターが酷い場合は Reset Shader Cache を一度実行し、ゲーム再起動でキャッシュを作り直すと改善することがあります。

INTEL Arc Xe2 / Xe3
設定箇所
Arc Control / SDS自動管理
SDS
2026年3月公開のIntel WHQLドライバ以降で 自動有効
対応タイトル
13タイトル(2026年3月発表時点・順次拡大中)
効果
ロード時間 最大37倍高速化
確認方法
Arc Control → Performance タブ
注意
Xe2 / Xe3 のみ対応、Alchemist第1世代は対象外

Intel Arcは 事前コンパイル済みシェーダーをドライバ経由で配布する仕組みで、ユーザー側の設定は基本的に不要。最新ドライバを当てるだけで自動的に恩恵を受けられる設計です。

WARNING
シェーダーキャッシュは「壊れる」ことがある

長期間プレイし続けたゲームで 「以前は問題なかったのに突然スタッターが激増した」場合、シェーダーキャッシュが破損している可能性があります。NVIDIAなら %localappdata%\NVIDIA\DXCache 内のファイルを削除、AMDなら Reset Shader Cache、ゲームを再起動して再構築するだけで治るケースが多数。ドライバ更新後にスタッターが増えた場合も同じ対処で初期化すると安定します。

初回起動時の必須ルーティン|放置プリコンパイル術

新しいゲームを買って一発目からカクつきなしで遊びたい場合、初回起動時のルーティンが決定的に重要です。「放置プリコンパイル」と呼ばれる手順を5ステップで紹介します。所要時間1〜2時間ですが、これをやるかやらないかで初日のプレイ体験が大きく変わります。

01
古いシェーダーキャッシュをクリアする

新しいドライバ環境で古いキャッシュが混在すると不整合の原因になります。NVIDIAなら DXCache フォルダ削除、AMDなら Adrenalin の Reset Shader Cache、Intel は SDS が自動管理。Steamの「ローカルシェーダーキャッシュをクリア」も併せて実行しておくと万全です。

02
ゲームを最新パッチに更新する

UE5世代のタイトルはローンチ後に大きなパッチが何度も入ります。発売初日にカクつきが酷くても パッチで激変するケースが頻繁にあるため、Steamで「自動アップデート」を最高優先に。Game Pass版・Epic版でも同様です。

03
内蔵ベンチマーク or 起動シェーダーコンパイルを完走させる

ベンチマーク機能があるタイトル(黒神話:悟空・サイバーパンク 2077・ホグワーツ・レガシー等)は 必ず1回は走らせること。シェーダーが事前生成され、本編プレイ時のスタッターが大幅減少します。「シェーダーコンパイル中…」プログレスバーが出るタイトルは絶対に途中で止めない。

04
タイトル画面で1〜2時間放置する

NVIDIA Auto Shader Compilation を有効にしている場合、タイトル画面で放置している間にバックグラウンドでシェーダーをプリコンパイルしてくれます。寝る前に放置・出勤前に放置でOK。これだけで初回プレイの体験が変わります。

05
Steam・Epic のシェーダー事前キャッシュを許可

Steamの設定 → Shaders → 「シェーダー事前キャッシュを有効化」をON。Steam が他のユーザーが生成したシェーダーキャッシュをダウンロードしてくれる機能で、Steam Deck で発展した仕組みがPCにも提供されています。Epic / GOG / Microsoft Store 系には同様の仕組みはないため、Steam版で買えるタイトルはSteam版を選ぶのが結果的に有利。

INFO
「ロード時間が長くなった」と感じる人は仕様です

近年のUE5タイトルで 初回起動時に5〜10分の「シェーダーコンパイル中」画面が出るのは、ゲームプレイ中のスタッターを排除するための設計判断です。「ロードが遅い」と感じても 本編プレイ中のフリーズより比較にならず安心感があるため、コーヒーを淹れる時間と割り切るのが2026年の流儀。なお、再ロード時のロードはキャッシュ済みなので一瞬で終わります。

ドライバ・OS設定で潰すスタッター|DDU クリーンインストールから HAGS まで

シェーダーキャッシュの設定だけでなく、ドライバ環境とOS設定もスタッターに大きく影響します。本章では効果が大きい順に6項目を整理しました。

01 DDU
DDU クリーンインストール

古いドライバの残骸が原因のスタッターを根絶する最も確実な方法。手順は
①新ドライバを先にDL
②ネット切断(Windows Update自動更新防止)
③セーフモード起動
④DDU で「Clean and restart」
⑤新ドライバインストール
軽症対応なら 「Clean Shader Cache (Only)」機能で10秒・セーフモード不要。

02 HAGS
ハードウェアアクセラレーションGPUスケジューリング

Windows設定 → ディスプレイ → グラフィック → 既定のグラフィック設定 → 「ハードウェアアクセラレーションGPUスケジューリング」をON。RTX 30/40/50 / RX 7000以降では Frame Generation 機能の前提条件で、フレームペーシングが大幅改善します。一部古いタイトルでは逆効果のため、症状が悪化したら戻す。

03 GAME MODE
Windows ゲームモード

Windows設定 → ゲーム → ゲームモード → ON。バックグラウンドプロセスを抑制し、ゲームへリソースを優先配分。Win11 24H2以降で最適化が進み、特にCPUが多コア(12コア以上)の環境で効果が大きい。

04 MPO OFF
Multi-Plane Overlay 無効化

特定の組み合わせで「ブラウザを開きながらゲームをすると突発的にカクつく」現象の正体がMPO。レジストリで無効化することで解消。NVIDIAは推奨案内、AMDも同様。設定は自己責任ですが効果は明確。

05 DISCORD
Discord Overlay 無効化

Discordのゲーム内オーバーレイは DX12タイトルでスタッターを増やす既知の症状あり。Discord設定 → ゲームオーバーレイ → OFF、もしくはタイトルごとに個別OFF。Steam Overlay も重いタイトルでは無効化推奨。

06 POLLING
マウス・キーボードのポーリングレート

8000Hz級の高ポーリングレートマウスは CPUに継続負荷をかけ、競技FPSで1% Lowを揺らすケースがあります。配信中・収録中など 余裕がない場面では1000Hzに下げると1% Lowが安定。Razer / Logicool / SteelSeries 各社のソフトウェアで個別設定可能。

ゲーム内設定での緩和|DLSS・Lumen・Texture Pool

ゲーム本体の設定でもスタッターを大きく緩和できます。中でも DLSS 4.5・Lumen Quality・Texture Streaming Poolの3つは効果が大きく、本章ではEngine.iniの編集サンプルも掲載します。

DLSS 4.5 Frame Generation の使いこなし

2026年3月31日リリースの DLSS 4.5は、Dynamic Multi Frame Generation(最大6X)を RTX 50シリーズ専用で提供します。ただし注意点として、DLSS 4.5 は計算量が大幅に増えたためVRAM消費が 増加するトレードオフがあり(DLSS 3比で RTX 40/50 は40〜53%増、RTX 20/30 は87〜103%増)、Warhammer 40K Darktide 4Kでは約400MB増加が確認されています。一方でRTX 50 は FP8 Tensorコアにより2〜3%の性能低下のみに抑えられているため、画質向上の恩恵が大きい構成です。

50
RTX 50Dynamic MFG 6X モードが使える

RTX 5090 / 5080 / 5070 Ti / 5070 / 5060 Ti / 5060 で Dynamic Multi Frame Generation(最大6X)が利用可能。Flip Metering によって 4× MFG が 2× より frame time が安定する逆転現象もあり、RTX 50 ユーザーは積極的に有効化推奨。FP8 Tensorコア対応のため 性能低下は2〜3%程度に抑制され、VRAMには余裕がある構成(VRAM 12GB以上)なら恩恵が大きい。

20/30
注意RTX 20/30 では DLSS 4.5 を使うと逆効果のケース

RTX 20/30 シリーズはFP8 Tensorコア非対応のため、DLSS 4.5 を有効にすると VRAM消費87〜103%増・性能低下は平均20%・最大24%のケースが報告されています。世代差が大きく、無理に最新版を当てると逆にスタッターが増えるため、これらのGPUは DLSS 4 までで止めるのが安全。RTX 40 は中間ですが、ゲームによって挙動が変わるため要検証。

Lumen Quality の調整

UE5の Lumen(動的グローバルイルミネーション)は美しい反面、Traversal Stutterの主犯級。「Lumen Quality」を High → Mediumに下げるだけで、シーン遷移時のスタッターが体感半減することが多々あります。スクリーンスペースGI で代替する設定もあり、画質と引き換えに安定性を取る判断は十分アリ。

Engine.ini で Texture Streaming Pool を拡張する

UE4 / UE5 タイトルに共通する Engine.ini 編集でテクスチャプールを拡張し、Streaming Stutterを抑える定番テクニックです。場所は通常 %localappdata%\<ゲーム名>\Saved\Config\WindowsNoEditor\Engine.ini(UE4・初期UE5)または %localappdata%\<ゲーム名>\Saved\Config\Windows\Engine.ini(UE5.5以降)。タイトルにより異なるためフォルダを開いて確認してください。

Engine.ini テクスチャプール拡張サンプル
[SystemSettings]
r.Streaming.PoolSize=2800
r.Streaming.LimitPoolSizeToVRAM=1
r.TextureStreaming=1
r.Streaming.FullyLoadUsedTextures=1

r.Streaming.PoolSizeテクスチャに割り当てるVRAM量(MB単位)。推奨範囲は 1000MB以上、VRAMの半分以下。VRAM 8GB環境なら 2800〜3500、VRAM 12GB環境なら 4500〜6000、VRAM 16GB以上なら 8000〜10000 程度。VRAM 6GB未満なら 2048 が無難。r.Streaming.LimitPoolSizeToVRAM=1 はVRAM超過を防ぐセーフティで、必ず併用してください。

WARNING
Engine.ini 編集はバックアップ必須

Engine.ini を編集する前に 必ずバックアップを取ってください。値の指定ミスで起動しなくなる、別のセクションを上書きしてしまう、オンラインタイトルでチート判定される、といった事故があります。一部マルチプレイタイトルではEngine.ini編集自体がEAC(Easy Anti-Cheat)でBAN対象になるため、シングルプレイでのみ実施するのが安全。読み取り専用属性を付けてゲーム側からの上書き防止も忘れずに。

主要タイトル別|症状と対処の早見表

2024〜2026年に話題になった重量級タイトル5本について、発生する症状と具体的な対処手順をまとめました。当サイトの該当ゲーム別記事への内部リンクも貼ってあるので、深堀りはそちらを参照してください。

UE5 黒神話:悟空
症状 traversal stutter、ボス戦突入時のフリーズ、カメラ高速回転でのカクつき
対処
  1. NVIDIA Shader Cache を Unlimited に設定
  2. DLSS Frame Generation を ON
  3. Engine.ini に Ultimate Engine Tweaks(コミュニティMOD)を適用
  4. テクスチャ品質を Medium に下げる(VRAM 8GB環境)
  5. 設定で改善しなければCPUを Ryzen 7 7800X3D / 9800X3D 級にアップグレード
独自エンジン Path of Exile 2
症状 シェーダーコンパイル+ネットワーク起因のラグスパイク、戦闘時長フリーズ
対処
  1. NVIDIA Control Panel で Shader Cache を 100GB or Unlimited(GGG公式推奨)
  2. ゲーム本体とシェーダーキャッシュを 同一ドライブ(C:)に配置
  3. ゲーム内オプション → ゲームプレイ → Networking Mode を Lockstep に変更(ネットワーク起因のラグスパイクが多い場合)
  4. Steam の自動シェーダーキャッシュ事前ダウンロードを ON
UE4 ホグワーツ・レガシー
症状 Hogsmeade 突入時の長時間スパイク、屋外移動時のテクスチャストリーミング失敗
対処
  1. Engine.ini に r.Streaming.PoolSize=2800 r.Streaming.LimitPoolSizeToVRAM=1 を追記
  2. コミュニティの Ultimate Engine Tweaks(2026-01最終更新)を適用
  3. DLSS Frame Generation を ON、RT は Off に
  4. 事前のシェーダーコンパイル画面を最後まで完走させる
RE Engine ドラゴンズドグマ 2
症状 Vernworth 等の都市部でCPU飽和、NPC描画起因の30fps低下
対処
  1. タスクマネージャでゲームプロセスの優先度を 「高」に設定
  2. RTX 40 ユーザーは Frame Generation Mod(コミュニティ製)を導入
  3. レイトレ全Off・色収差Off・テクスチャを Medium へ
  4. Capcom 公式パッチで継続改善中なので最新版に更新
UE5 クレア・オブスキュア
症状 30fps固定カットシーン、ゲームプレイ中のframe time spike、シェーダーコンパイル不足
対処
  1. コミュニティ製 ClairObscurFix(ASIプラグイン)を導入
  2. Optimized Tweaks COE33 / OptimaxのEngine.iniを適用
  3. NVIDIA Frame Rate Limit で UE5 内蔵リミッターを回避
  4. 初回起動後はタイトル画面で1〜2時間放置プリコンパイル

ハードウェア起因の見極め|CPU・GPU・SSD・メモリ

設定を詰めてもスタッターが消えない場合、ハードウェア構成自体に原因がある可能性が高くなります。本章ではCPU・GPU・SSD・メモリの4要素で、UE5世代に必要な水準を整理しました。

CPU X3Dの優位性

シェーダーコンパイル時は 全コア100%が30分〜2時間継続します。X3Dの優位は 平均で約8%、最大20%(DD2では16.2%・111fps→129fps)。コンパイル速度自体はX3Dであまり改善しませんが、1% Low(フレームタイム安定)で頭ひとつ抜けます。
Ryzen 7 9800X3D / 7800X3D が事実上のスタンダード。16コアの並列処理が必要なら Ryzen 9 9950X3D2 も選択肢。

GPU VRAM 80% の壁

VRAM使用率 80%超でスタッター激増・90%超で確定発生。VRAM 8GBクラス(RTX 4060 / 5060)で4Kテクスチャや高設定は確実に詰まる領域。UE5世代を快適にやるなら VRAM 12GB以上(RTX 4070 / 5060 Ti 16GB / 5070 / RX 7800 XT 以上)が下限ライン。RTX 5070 Ti 16GB / RX 9070 XT 16GB が現実的な選択肢。

SSD DirectStorage対応

2026年5月時点で DirectStorage 対応タイトルは Forza・Hellblade II・モンハンワイルズ・バイオハザード レクイエム・UE5系に拡大中。Gen3〜Gen4 NVMeが下限、Gen4 vs Gen5 の体感差は数秒以内で Gen4で十分。SATA SSD はStreaming Stutterの温床になるため、UE5世代では避けるべき。

RAM 32GB+デュアルチャネル必須

UE5世代は 32GB がほぼ必須・16GBはストレッチデュアルチャネル必須(シングルチャネル運用でUE5は20%減)、DDR5-6000 CL30 EXPO/XMPが定番のスイートスポット。「16GB×2 で揃える」が鉄則で、シングル32GBスティック1枚は必ず2枚に増やす。

EDITOR’S TIP
「設定で潰せないなら買い替えライン」の判断軸

本ガイドの設定を全部試しても改善しない場合、ハードが現代UE5の要求水準に届いていない可能性が高い。具体的には VRAM 8GB以下のGPU・SATA SSD・16GBメモリ・X3Dでない8コア未満のCPUのいずれかに該当する場合。「設定で粘る時間」と「ハードを更新する費用」を天秤にかけて、後者の方が結果的に幸せになることが多いのが正直なところ。次章のおすすめ機材を参考に、ボトルネックになっている1要素から優先的に交換するのが投資効率が高いです。

まとめ|2026年の「カクつかないPC」の作り方

本ガイドで整理してきた内容を、判断フローとして1枚にまとめます。「カクつきが気になり始めたら、上から順に試していく」という運用イメージで使ってください。

A
まず症状を5タイプに切り分ける

第2章の診断フローでタイプ判定。Shader Compilation か Traversal か Streaming か PSO か Path Tracing か——主犯を特定してから対処に進む。

B
無料でできる対策を全部やる

NVIDIA Auto Shader Compilation・最新ドライバ・シェーダーキャッシュ Unlimited・Steam事前キャッシュ・HAGS・ゲームモード・Discord Overlay Off・初回放置プリコンパイル。ここまでで7割は解決します。

C
ゲーム別の設定を詰める

Engine.ini 編集・Lumen Quality・DLSS 4.5・Texture Pool・該当タイトルのコミュニティ最適化MOD。ここまでで残り2割が消えます

D
それでもダメならハード更新

VRAM 8GB → 12〜16GB/SATA → NVMe Gen4/X3D非搭載 → 9800X3D/16GB → 32GB DDR5-6000。1要素ずつボトルネックを解消するのが投資効率が高い。

FINAL VERDICT
2026年の最適解

UE5世代のスタッタリングは 「ゲームが悪い」「ハードが弱い」「設定が下手」のどれかではなく、5タイプそれぞれに正しい対処を割り当てる作業の総体です。本ガイドの診断フローでタイプを特定し、無料対策→設定→ハード更新の順で潰していけば、ほぼすべてのカクつきは解消できる時代になりました。

2026年は OSレベルの新機能(Intel Arc SDS・NVIDIA Auto Shader Compilation・DirectX ASD・DirectStorage 1.4・DXR 2.0)が出揃った地殻変動の年で、設定するだけで体感が変わる新世代のアプローチが現実になっています。「最新ドライバを当ててNVIDIA AppのBeta機能を有効化する」だけで結果が変わる人も多いはず。本記事を読み終わったら、まずはそこから始めてみてください。

ハード更新が必要と判断した方は、次章の 「カクつきにくいPCを作るおすすめ機材」から、ボトルネックになっている1要素を選んでアップグレードを検討してください。VRAM 12GB以上のGPU・X3D CPU・Gen4 NVMe・32GB DDR5——この4点が揃えば、UE5世代を最後まで戦える構成になります。

よくある質問(FAQ)

DLSS 4 と DLSS 4.5 の違いは何ですか?
DLSS 4 は Multi Frame Generation(MFG 4X Mode)を初めて導入したメジャーアップデートで、DLSS 4.5 は Dynamic Multi Frame Generation(最大6X Mode)を追加した改良版です。両者ともマルチフレーム生成は RTX 50シリーズ専用。ゲームのローンチ対応バージョンは作品ごとに異なるため、「最新版のDLSSが入っているかどうか」をNVIDIA App / DLSS Swapper で確認してから判断してください。
RTX 5060 でUE5世代は快適に動きますか?
RTX 5060(無印)は VRAM 8GBのため、UE5世代の高設定では Streaming Stutterが頻発します。1080p中設定で快適、1080p高設定〜1440pでは設定を詰めても限界が見えやすい構成。UE5世代を本格的にやるなら RTX 5060 Ti 16GB / RTX 5070 / RX 9070 XT 16GB以上が現実的なライン。詳細はRTX 5060 レビューを参照。
Ryzen 7 9800X3D と Core Ultra 7 265K のどちらがスタッター対策に向いていますか?
UE5世代のゲーミングなら 9800X3Dが有利です。3D V-Cache のおかげで 1% Low(フレームタイム安定)で頭ひとつ抜けており、DD2のような高負荷UE5タイトルで 16.2%(111fps→129fps)の性能差が確認されています。Core Ultra 7 265K は生産性タスクで強みが出る構成で、ゲーミング特化なら9800X3Dが順当。
シェーダーキャッシュを「無制限」にしたら何GB使いますか?
プレイするタイトル数によりますが、大体30〜100GB程度が現実的なラインです。Path of Exile 2 だけで30GB近く溜まるケースもあります。SSDの空き容量に余裕があれば「無制限」推奨、空き容量がタイトな場合は 100GB上限に設定しておくと安全。古くなったゲームのキャッシュは手動で削除してOKです。
「Engine.ini を編集するとBANされる」って本当ですか?
一部のオンライン対戦タイトルでは EAC(Easy Anti-Cheat)/ BattlEyeがEngine.ini編集をチート判定するケースがあります。シングルプレイ専用タイトル(黒神話:悟空・ホグワーツ・レガシー・ドラゴンズドグマ 2 など)は問題ありませんが、Apex / VALORANT / Fortnite等のオンラインタイトルでは絶対に編集しないでください。判定基準はゲームによって違うため、迷ったらシングル専用に限定するのが安全。
DirectStorage 1.4 は今すぐ使えますか?
2026年3月にパブリックプレビューが公開されましたが、ゲーム側が対応する必要があります。Forza・Hellblade II・モンハンワイルズ・バイオハザード レクイエム・UE5系で順次対応予定で、本格普及は2026年後半〜2027年。準備としては Gen3以上のNVMe SSDに移行しておくこと。詳細はDirectStorage 1.4記事を参照。

「カクつきにくいPC」を作るおすすめ機材

本ガイドの内容を踏まえて、UE5世代のスタッターを根本から減らせる機材を4点選びました。VRAM・SSD・メモリ・CPU の4要素から、それぞれ投資対効果が高いモデルを掲載します。

Crucial T705 1TB Gen5 NVMe SSD
Gen5 NVMe / DirectStorage活用Crucial T705 1TB Gen5 NVMe SSDDirectStorage 1.4 を最大限活用したいゲーマー向けの本命格PCIe Gen5 接続でシーケンシャル読み込み 13,600MB/sと、UE5世代の World Partition アセットロードを最速で処理できる性能。Gen4 SSDからの体感差は大型タイトルのロード時間で数秒〜10秒程度と限定的ですが、Streaming Stutter対策・将来的なDirectStorage 1.4 Zstandard 圧縮対応で その差が拡大していく見込み。2026年以降のUE5タイトルを長く快適に遊びたい人にとって投資価値の高い1枚で、Gen5マザーボードを持っているなら最適解。発熱は大きいため放熱対策(マザーボードヒートシンク or 専用クーラー)併用必須¥21,000〜26,000Amazonで見る
WD Black SN850X 2TB Gen4 NVMe
Gen4 NVMe / コスパ枠WD Black SN850X 2TB Gen4 NVMeGen4 NVMe のコスパ最有力シーケンシャル読み込み 7,300MB/sでUE5世代を快適に動かすのに必要な水準を満たし、2TBで20,000円台と実勢価格が落ち着いてきた今が買い時のモデル。Gen4 vs Gen5 の体感差はゲームでは数秒以内のため、「Gen5まで投資せずGen4で揃える」判断は十分合理的。Game Mode 機能(プリディクティブロード)でゲームのロード時間も短縮し、Streaming Stutter対策にも効きます。UE5タイトルのインストール先として最適で、ゲーミングPCの2台目SSD or 増設用としてもおすすめ。Gen4マザーボード持ちならこちらで十分¥21,000〜26,000Amazonで見る
Corsair Vengeance DDR5-6000 32GB CL30 EXPO/XMP
DDR5-6000 CL30 / 32GB EXPO/XMPCorsair Vengeance DDR5-6000 32GB(16GB×2)UE5世代のスイートスポット構成DDR5-6000 CL30 / 16GB×2 のデュアルチャネル構成がUE5タイトルで最も安定する組み合わせで、Ryzen 7000/9000 X3D / Core Ultra 200 系のどちらでも本領を発揮します。Traversal Stutterの緩和に効くのはCPUとメモリ帯域の総合勝負だからで、シングルチャネル運用するとUE5は性能20%減。EXPO / XMP プロファイル両対応で、BIOSで一発適用できる手軽さも魅力。16GB環境からのアップグレード優先度はGPU並みに高く、UE5世代を本気でやるなら32GB化は最優先案件です。Corsairは故障率の低さでも実績あり¥18,000〜23,000Amazonで見る
AMD Ryzen 7 9800X3D
UE5最適 / 8コア16スレッド X3DAMD Ryzen 7 9800X3DUE5世代のスタッター対策で頭ひとつ抜けるCPU3D V-Cache の追加L3キャッシュが World Partition のアセット読込を大幅高速化し、Traversal Stutterの緩和に直接効きます。DD2では 16.2%(111fps→129fps)の性能差を見せ、黒神話:悟空・ホグワーツ・レガシー等のUE5重量級タイトルで 1% Low(フレームタイム安定)が頭ひとつ抜けるのが現代UE5世代のCPU選びの結論。「カクつきの少ないPCを組みたい」なら9800X3Dが最適解。Ryzen 9 9950X3D2 / 7800X3D も選択肢ですが、コスパとゲーミング特化のバランスでは9800X3Dが順当な1台。AM5プラットフォームなら長期運用も可能¥84,000〜98,000Amazonで見る
INFO
優先順位は「メモリ32GB化 → SSD更新 → CPU/X3D化」

予算が限られている場合の優先順位は 「メモリ32GB化(最優先)→ Gen4 NVMe更新 → 9800X3Dへ切替 → Gen5 NVMe」の順がおすすめです。メモリ16GB → 32GB はUE5世代では最も体感が変わるアップグレードで、コストも2万円前後と最も低い。次にSATA / Gen3 → Gen4 NVMeでStreaming Stutter緩和。CPU は最後で、AM5プラットフォーム移行が必要な場合はマザーボード代も含めて計画してください。Gen5 NVMeは現状贅沢枠で、Gen4で十分快適に動かせます。

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