ゲームの起動・ロード時間を短縮する方法【2026年版】|DirectStorage・SSD設定・シェーダーキャッシュまで完全解説
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効くのはHDD・SATAからのNVMe移行。NVMe同士の世代差は小さい
「SSDに替えたのにロードが長い」「ロードを縮めるならGen5 SSDを買うべきか」と迷う場面が増えています。ロードの待ち時間には、ストレージ以外の原因も混ざっています。
答えは、ロード時間が大きく変わるのはHDD→SATA→NVMeの乗り換えまでです。NVMe SSDの中ではGen3でもGen4・Gen5でも、ほとんどのゲームで差は数%以内、大きく出たタイトルでも10〜15%(数秒)でした。Gen5を買ってもロードはほぼ縮みません。
ゲームがHDDかSATA SSDに入っているなら、NVMeへの移行が最大の対策です。すでにNVMe SSDなら、ストレージ側にやることはほぼありません。待ち時間の正体が「初回起動のシェーダーコンパイル」なのか、「特定のゲームだけ急に遅くなった」のか、「ゲームを置いたドライブの種類」なのかを切り分けてください。
目次
診断どのロードが遅いのかを先に切り分ける
同じ待ち時間でも、効く対策は場面ごとに違います。ストレージを替えても直らないのは、原因が別の場所にあるためです。
ストレージHDD・SATA・NVMeで変わるロード時間
ゲーム15本を、HDD・SATA SSD・NVMe(PCIe 3.0〜5.0)に入れて測った結果では、差が出る場所ははっきりしていました。PCIe 3.0のSSDからPCIe 5.0のSSDに替えても、起動時間の短縮は『Black Myth: Wukong』で約10%、『Kingdom Come: Deliverance II』で約15%(約5秒)です。『F1 25』は世代を問わず同じ時間、『Starfield』は1秒未満の差でした。
| ストレージ | ロード時間の傾向 | 判断 |
|---|---|---|
| HDD | SSDより最大3.8倍長い(『Cyberpunk 2077』のセーブ読み込み)。『Kingdom Come: Deliverance II』の起動は4分を超え、アセットの欠落や表示の遅れが出たタイトルもありました | ゲームの保存先にしない |
| SATA SSD | 多くのタイトルでNVMeより数%〜7割程度長い。DirectStorage採用の『Ratchet & Clank: Rift Apart』は約5倍、『Marvel’s Spider-Man 2』は最大で約4倍 | 旧作中心なら現役。新作を遊ぶならNVMeへ |
| NVMe Gen3・Gen4 | ほとんどのタイトルで差は数%以内。Gen3でも『Ratchet & Clank』のポータル移動はGen5とほぼ同じでした | ロード目的ならGen3で十分 |
| NVMe Gen5 | Gen3比で最大でも約10〜15%。DirectStorage採用ゲームで一桁%の差が出た例が少しあるだけ | ロード目的では選ぶ理由が薄い |
NVMe同士で差が縮むのは、ストレージがデータを渡す速さより、ゲームエンジンとCPUが展開・配置する速さが律速になるためです。セーブデータの読み直しは起動時より差が小さく、SSDであればHDD以外ほぼ同じ時間になるタイトルもありました。
SATA SSDからの移動は、PCIe SSDどうしの移動より5倍以上かかりました。Steamの整合性確認もSATAは38%以上長くなります。123GBのゲームのコピーでは、書き込みキャッシュの大きいSSDが38%短縮しました。ゲームを頻繁に入れ替えるなら、TLC NANDで書き込みキャッシュが大きいモデルが向きます。
ゲームがどのドライブにあるかを確認して移す
- PowerShellで
Get-PhysicalDisk | Select-Object FriendlyName, MediaType, BusTypeを実行し、BusTypeがNVMeかSATAか確認する。HDDは MediaType がHDDと出る - ゲームが入っているドライブ文字を、エクスプローラーで確認する。複数ドライブなら、各ドライブがどの物理ディスクかは「ディスクの管理」で照らす
- HDD・SATAにあるなら、Steamでは「ライブラリ → 対象ゲームを右クリック → プロパティ → インストール済みファイル → インストールフォルダの移動」でNVMeのライブラリフォルダへ移す。移動後にロードが縮まなければ、別の原因に進む
NVMe SSDの選び方や容量の考え方は、ゲーミングPC向けSSDの選び方にまとめています。
DS対応DirectStorageは「対応ゲーム×NVMe」のときだけ効く
DirectStorageは、ゲーム開発者が組み込むストレージAPIです。Windowsにオン・オフの設定はなく、対応していないゲームには何も起きません。条件は、ゲームが対応していること、保存先がNVMe SSDであること(Gen3でも対象)、DirectX 12とShader Model 6.0対応のGPUです。圧縮データの展開は、対応ゲームならGPUで処理できます。
DirectStorageを採用しているタイトルほど、SATAとNVMeの差は大きく出ます。『Assassin’s Creed Shadows』はSATAのSSDがエントリーNVMeの2倍以上、『The Last of Us Part II』は60%以上長くなりました。一方で、NVMeどうしではPCIeの世代に意味のある差は出ていません。
Windowsの高速な読み出し経路(BypassIO)は、Windows 11のNVMe SSD上のNTFSで使えます。管理者のターミナルで fsutil bypassIo state /v D:\ を実行すると、使えない場合に止めているドライバー名と理由が出ます。BitLockerを有効にしたドライブでは「一部のみ対応」と表示されます。
この結果は「ゲームがDirectStorageを使っている」証明にはなりません。見方と、非対応と出たときの対処は、DirectStorageは有効になっている?対応状況の確認方法とNVMe SSDの必要条件で解説しています。
シェーダー初回の長い待ちはシェーダーのコンパイル
ゲームを初めて起動したときやアップデート・ドライバー更新の後に、「シェーダーを最適化中」の画面で長く待たされるのは、シェーダーをPC上でコンパイルしているためです。待ち時間はCPUの性能で決まり、SSDを速くしても縮みません。コンパイル結果はキャッシュに保存され、次回からは再利用されます。
キャッシュを消すと、次の起動でコンパイルをやり直すため、かえって長く待たされます。消すのは、起動時にクラッシュする・描画が崩れるなど、破損が疑われるときだけです。NVIDIAのキャッシュ上限は既定の16GBで、多くのゲームを入れているなら小さくしないでください。
対策は2つあります。1つは、Steamの「シェーダープリキャッシュ」です。Vulkan・OpenGLのゲーム向けで、DirectXのゲームが中心のWindowsでは効果は限られます。2つ目が、MicrosoftのAdvanced Shader Deliveryです。コンパイル済みのシェーダーをゲームのダウンロード時に配る仕組みで、Windows 11 24H2以降とXbox PCアプリが前提です。『Gears of War: E-Day』では、数分かかる初回のコンパイルが数秒になりました。2026年10月時点でAMDとQualcommのGPUが対応済みで、IntelとNVIDIA(RTXの全世代)は10月後半に対応予定です。対応ゲームの一覧と有効化の条件は、Advanced Shader Delivery(ASD)とは?対応GPU・対応ゲームと有効化の方法で確認できます。
キャッシュを削除する手順(NVIDIAは削除前に設定をオフにして再起動する、など)と、起動後のカクつきの対処は、シェーダーキャッシュは削除しても大丈夫?NVIDIA・AMD・Steam別の消し方と注意点と、シェーダーコンパイル・スタッタリング対処完全ガイドで扱っています。
手順効果の大きい順に試す
- ゲームの保存先を確認する。HDD・SATA SSDならNVMeへ移す。ロード短縮の最大要因
- 急に遅くなったゲームだけ、Steamの整合性確認を行う。「ライブラリ → 対象ゲーム → プロパティ → インストール済みファイル → ゲームファイルの整合性を確認」。ファイル破損の切り分けになる
- 初回起動だけ長いなら、コンパイル完了まで待つ。2回目以降も毎回長いなら、ドライバーを最新にし、ゲーム側の更新を確認する
- Xbox PCアプリ版のゲームは、ASD対応GPUとWindows 11 24H2以降にそろえる。対応ゲームでは設定なしで効く。Steam版は基本的に対象外
- Windows 11では
fsutil bypassIo state /vでBypassIOの状態を見る。BitLockerや、BypassIOに非対応のフィルタードライバーで止まることがある - キャッシュの削除は最後に回す。破損が疑われるときだけ行う
おすすめゲーム保存先に選ぶNVMe SSD
NVMeなら世代は問わないため、選ぶ基準は価格と容量です。PCIe 5.0は価格が高く、ロード目的の利点がありません。Gen4の2枚から選べば十分です。
FAQロード時間短縮のよくある質問
まとめまとめ|ロード短縮はNVMeへの移行まで。あとはキャッシュを壊さない
ロード時間を大きく変えられるのは、ゲームの保存先をHDD・SATAからNVMeに移すことです。NVMeに入っているなら、Gen3・Gen4・Gen5のどれでもロードはほぼ同じです。初回の長い待ちはシェーダーのコンパイルで、SSDでは縮まりません。Advanced Shader Deliveryの対応が広がれば、この待ちも減っていきます。
ゲームがHDD・SATAにあるならNVMeへ移す。NVMeならGen5を買わず、保存先・シェーダー・ファイル破損の順に切り分ける。シェーダーキャッシュは、壊れたと疑うまで消さない。
出典:TechSpot「Best SSD for Gaming: PCIe 5.0 vs 4.0 vs 3.0 vs SATA vs HDD Comparison」(2025年8月、Ryzen 7 9800X3D・RTX 5090・DDR5-6000 32GBで測定)、Microsoft「BypassIO for Filter Drivers」、Microsoft DirectX Developer Blog「DirectStorage 1.1 Now Available」、Microsoft DirectX Developer Blog「Advanced Shader Delivery Coming Soon across Windows 11 and Available for Gears of War: E-Day Today」(2026年10月1日)、Corsair「The State of Microsoft DirectStorage」。ロード時間の数値は上記の検証による測定で、環境により変わります。





