PCゲームの遅延を限界まで下げる方法【2026年版】|入力遅延とモニター設定の対策・回線遅延の切り分け方
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入力遅延・表示遅延・回線遅延の3層を、効果の大きい順に
「回線速度は速いのにキャラの動きが遅れる」「エイムを合わせたのに当たらない」。この現象の正体は回線ラグではなく、入力遅延(Input Lag)であることが多いです。入力遅延と表示遅延はPCの中で起き、回線の遅れはそれとは別にサーバーとの往復で起きます。回線だけ改善しても、PC側の遅れは残ります。
最初に触るべきはティアリング(画面の横ズレ)を許せるならVSyncをオフにすること、許せないならG-SYNC/FreeSyncと組み合わせることと、NVIDIA ReflexまたはAMD Anti-Lag 2をゲーム内で有効にすることの2つです。対応タイトルなら遅延が大きく縮むことがあります。電源設定と全画面/ボーダーレス表示は、名前だけで低遅延と判断せず、同じ条件で比較して選びます。ポーリングレートは1000Hzを基準に確認します。
注意したいのはAMDの機能名です。以前の定番だったAnti-Lag+は2023年10月のドライバで無効化されたままで、いまはゲーム側が組み込むAnti-Lag 2に置き換わっています。回線ラグ(Ping・ジッター)は、描画・入力の設定では下がらないため、オンラインゲームのラグ改善ガイドで切り分けてください。
目次
遅延の種類PCゲームの遅延は3種類ある
遅延対策を始める前に、「どこで遅れているのか」を把握します。PCゲームの遅延は大きく3層に分かれます。入力と表示はPCの中で起きる遅れ、ネットワークはサーバーとの往復の遅れです。自分の操作が画面に出るまではPC側の遅れで決まり、ほかのプレイヤーとの撃ち合いなど結果がサーバーで決まる場面では、予測処理やサーバー処理も加わって体感が変わります。pingを常に足し算するわけではありません。
| 種類 | 目安 | 左右するもの |
|---|---|---|
| 入力遅延(操作から処理まで) | 環境で大きく変わる | ポーリングレート・OSの処理・GPUのスケジューリング。設定で大きく削れる |
| 表示遅延(描画からモニター表示まで) | 環境で大きく変わる | VSync・リフレッシュレート・モニターの応答速度 |
| ネットワーク遅延(サーバーとの往復) | pingの値で確認 | 回線・ルーター・サーバーとの距離。描画・入力の設定では変わらない |
競技系タイトルで「勝てない」と感じるとき、Pingが低くても、入力遅延と表示遅延で反応が遅く感じることがあります。
入力遅延と表示遅延はPCの設定で削れますが、pingは主に回線経路とサーバーとの距離で決まります。夜だけ重い・pingが安定しないという場合は、有線接続への切り替えやIPv6 IPoE対応の回線への見直しが候補です。実測pingで選ぶならオンラインゲーム向け光回線おすすめ7選を参考にしてください。
以降の効果ランクは、S=大きく効く、A=効く場面がある、B=小さな上積み、の3段階です。複数を組み合わせると積み重なります。
WindowsWindows設定で入力遅延を削る
Windows設定は現在値を記録してから、必要な項目を1つずつ比較します。電源設定やHAGSの効果は構成で変わります。
電源モード・電源プランを記録し、必要な場合だけ比較する
比較候補(改善の有無は構成次第)
Windows 11の「設定」にある電源モードと、コントロールパネルの電源プランは別の設定です。メーカー独自の動作モードもあり、表示項目や連動の仕方は機種で異なります。カスタム電源プランの選択中は電源モードを変更できない場合があり、Microsoftは「バランス」プランへの切り替えを案内しています。
「究極のパフォーマンス」は、細かな電源管理に伴う微小な遅延を減らす目的で発表されたプランです。消費電力との交換条件があるため、ゲームの入力遅延対策として追加することを前提にせず、まず今の設定で困っているかを確かめてください。高パフォーマンスという名前だけでも、入力遅延が減るとは判断できません。
- 設定 → システム → 電源とバッテリーで、現在の電源モードとAC接続/バッテリー駆動の状態を記録します。Win + Rで
powercfg.cplを開き、選択中の電源プランとメーカーアプリの動作モードも控えます。表示されない項目を追加する必要はありません。 - 性能低下やカクつきが気になる場合だけ、表示されている電源モードの性能優先側などを1項目変更します。ノートPCはAC接続条件を揃え、メーカーアプリの設定が連動して変わっていないかも確認します。
- 同じゲーム・API・場面・解像度・Hz・FPS上限・VSync/VRR・Reflex/Anti-Lag 2・フレーム生成の条件で比較します。フレームタイムはカクつき、対応ツールのPCレイテンシはPC側の遅延として別々に記録し、温度と消費電力も確認します。
- 効果が分からない場合や温度・消費電力の増加が気になる場合は、記録した元の電源モード・プラン・メーカー設定へ戻します。次の項目を試す前にも元へ戻してください。
出典:Microsoft:電源モードの変更・Microsoft:究極のパフォーマンスの発表(2018年)
HAGSの設定を確認する
効果ランク:B
HAGS(Hardware-Accelerated GPU Scheduling)は、GPUのスケジューリングをCPUから専用ハードウェアに移す機能です。効果はGPUとドライバの組み合わせで変わり、改善する環境も悪化する環境もあります。設定項目が表示される環境では、オンとオフを同じ場面で比べて決めてください。
- 設定 → システム → ディスプレイ → グラフィックの設定 →「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」をオン/オフにします
- 変更後はPCを再起動します
- MSI Afterburnerなどでフレームタイムを計測し、スタッターが増えていないか確認します
設定項目が表示されないGPUやドライバでは、この調整はできません。項目があるときは、1つの場面で記録して比べてから決めます。
Windowsのゲームモードを有効にする
効果ランク:B
ゲームモードはゲームのプロセスを優先し、バックグラウンドのWindows Updateなどを抑えます。劇的な変化はありませんが、バックグラウンド処理によるフレームタイムのスパイクを減らします。
- 設定 → ゲーム → ゲームモード → オン
- 同じページの「Xbox Game Bar」が不要なら無効にしても構いません(オーバーレイ処理が減ります)
バックグラウンドアプリ・起動プログラムを整理する
効果ランク:B
Chrome・Discord・OneDrive・配信ソフトなどは、CPUやGPUアクセラレーションを断続的に使ってゲームのフレームタイムに干渉します。特にChromeはタブが多いほどGPUを使います。ゲーム前に不要なアプリを閉じるだけで、スパイクが減ることがあります。
- タスクマネージャー(Ctrl+Shift+Esc)→「スタートアップ アプリ」タブで、不要なものを右クリックして無効化します
- ゲーム直前にChromeとDiscordを閉じるだけでも違いが出ることがあります
GPU・ドライバGPU・ドライバ設定で遅延を削る
GPUドライバには遅延を専用で削る機能があります。NVIDIAとAMDでアプローチが違い、2026年時点ではAMD側の機能名が変わっている点に注意が必要です。
NVIDIA Reflexを有効にする
効果ランク:S
NVIDIA Reflexは、ゲームエンジンとレンダリングパイプラインを同期させてシステムレイテンシ(マウス操作から画面に反映されるまでの時間)を縮める機能です。NVIDIAは最大50%の削減をうたっていて、対応タイトルなら真っ先に有効にしたい設定です。通常の「オン」はCPUとGPUの間の待ち行列(レンダーキュー)を減らし、「オン+ブースト」はそれに加えてGPUのクロックを高く保ちます。効き方はタイトルと負荷で変わります。
- ゲーム内設定の「NVIDIA Reflex低遅延」または「低遅延モード」を「オン」か「オン+ブースト」にします(表記はタイトルで異なります)
- NVIDIAの対応タイトル一覧には、VALORANT、Apex Legends、Fortnite、Call of Duty、Escape from Tarkov、Counter-Strike 2、Marvel Rivals、Overwatch 2、Rainbow Six Siege、Rustなどが載っています
- NVIDIA FrameViewやNVIDIAオーバーレイで、PCレイテンシ(PC側の処理にかかる時間)の表示に対応したゲームなら、効いているかを数値で確認できます。モニターの表示までを含む総遅延は、これでは測れません
削減量はタイトルとGPUで違うため、FrameViewで前後を比べてください。競技系タイトルでは最優先で確認してください。対応GPUはGeForce GTX 900シリーズ以降が基本ですが、タイトルごとに条件が違います(例:Rainbow Six SiegeはGTX 10シリーズ以降)。NVIDIAの対応製品一覧で遊ぶタイトルを確認してください。
2025年1月に発表されたReflex 2(Frame Warp)は、描画済みのフレームを最新のマウス入力に合わせてずらすことで、NVIDIAによれば遅延を最大75%削る技術です。ただしNVIDIAのReflex対応製品一覧には、2026年10月17日に確認した時点で、Reflex 2やFrame Warpの記載がありません。この一覧にあるのは従来のReflexで、本節の設定もそれが対象です。
AMD Anti-Lag 2をゲーム内で有効にする
効果ランク:S
AMDは「Anti-Lag+」で入力遅延を削っていましたが、一部のゲームでアンチチートによるBAN報告が出たため、Adrenalin 23.10.2でAnti-Lag+をすべての対応ゲームで無効化しました。その後継がAnti-Lag 2で、ドライバ側ではなくゲーム側がSDKを組み込み、入力を読む直前でCPUとGPUのタイミングを合わせる仕組みです。ゲームが公式に対応しているので、Anti-Lag+のようなアンチチートとの衝突は起きにくい設計です。
対象はRadeon RX 5000シリーズ以降で、Adrenalin 24.6.1以降(DirectX 11)、24.7.1以降(DirectX 12)が必要です。最初の対応タイトルはCounter-Strike 2(24.6.1)で、Dota 2が続きました。AMDはCS2で最大40%の遅延低下(4K・RX 7900 GRE)という自社測定を示しています。
- Adrenalin Editionを最新版に更新します
- ゲーム内のビデオ設定にあるAnti-Lag 2の項目をオンにします(CS2では「詳細ビデオ」設定にあります)
- Anti-Lag 2を組み込んでいないゲームでは、この設定自体が出ません。AdrenalinのAnti-Lag項目が使える場合は、そちらをオンにします
古い記事や動画で見かける「Anti-Lag+をオンにする」は、現在のドライバでは使えない手順です。対応ゲームかどうかは、タイトルごとのゲーム内設定を開いて確かめてください。
NVIDIAコントロールパネルの低遅延モードを使う
効果ランク:A
NVIDIAコントロールパネルの「低遅延モード」は、プリレンダーするフレーム数(レンダリングキューの深さ)を制御します。Reflex非対応のタイトル向けの代替手段です。
- デスクトップを右クリックして「NVIDIAコントロールパネル」を開きます
- 「3D設定の管理」で「グローバル設定」か対象ゲームの「プログラム設定」を選びます
- 「低遅延モード」を「ウルトラ」にします
Reflexが使えるタイトルでは、ウルトラよりもゲーム内のReflexをオンにするほうが効果的です。ウルトラはReflex非対応タイトルで使います。
フレーム生成は遅延を縮めない
効果ランク:A
DLSSやFSRのフレーム生成は、画面に出るfpsを増やしても操作への反応は元のフレームレートが基準のままです。生成フレームを挟む分、遅延はむしろ増える方向に動きます。競技系タイトルで遅延を最優先するなら、フレーム生成はオフにして、ReflexかAnti-Lag 2でフレームの待ち行列を短くするのが基本です。実測の見方はフレーム生成の遅延を検証した記事で整理しています。
表示モニター・VSync設定で表示遅延を削る
入力遅延を削っても、VSyncの設定が悪いと表示の段階で数十ms増えます。見落としやすい遅延の温床です。
- Windowsの「ディスプレイの詳細設定」で、モニターの最大リフレッシュレートが選ばれているか確かめる
- モニターのOSD(本体メニュー)に低遅延系の項目があれば有効にする
- オーバードライブ(応答速度)は最強にせず、逆残像が出ない段階にする
- VSyncとG-SYNC/FreeSyncの組み合わせを、ティアリングを許せるかどうかで決める
モニターの設定だけで「遅延ゼロ」にはなりません。減らせるのは信号処理と画素応答の分で、マウスやゲームの処理の遅れは別に残ります。
自分の条件から、最初に試す設定を選ぶ
| あなたの条件 | 最初に試す設定 | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| ティアリングを許せる・競技系 | ゲーム内とドライバでVSyncをオフ。対応ゲームはReflexまたはAnti-Lag 2をオン | 同じ場面でPCレイテンシ(対応ゲーム)とフレームタイムを記録 |
| ティアリングは困る・G-SYNC対応 | G-SYNCをオンにし、VSyncオン+ReflexかウルトラでfpsをHz未満に自動で抑える | fpsがリフレッシュレートを超えていないか、オーバーレイで確認 |
| ティアリングは困る・FreeSyncなど | モニターの同期範囲を取扱説明書で確かめ、その範囲内にfpsを収める | OSDでHz表示を出し、同期が効いているかを見る |
| Reflex・Anti-Lag 2に非対応のゲーム | NVIDIAは低遅延モードのウルトラ。Radeonはドライバ側の設定を確認 | 1項目ずつ変えて、前後を同じ場面で比べる |
| GPUがいつも100%近くまで使われている | 解像度やグラフィック設定を下げ、GPUに余裕を作ってから上の設定を試す | GPU使用率とフレームタイムを記録 |
VSync(垂直同期)の扱い方
効果ランク:S
VSyncは表示遅延の大きな原因になりえます。NVIDIAは、ティアリングを許せるならVSyncをオフにすることを強く勧めています。オンだとモニターの更新待ちが処理全体に波及するためです。テアリングが気になってオンにしている場合は、条件によって選び方が変わります。
- ティアリングを許せる(遅延を最優先):ゲーム内とドライバの両方でVSyncをオフにし、対応タイトルではReflexをオンにします
- ティアリングを抑えたい(G-SYNC対応モニター):VSyncをオンのまま、ReflexかウルトラをオンにするとfpsがG-SYNCの範囲内に自動で抑えられ、ティアリングなしで遅延も小さくなります。Reflexをオンにしてfpsを無制限にした場合よりは、遅延がわずかに増えます。ドライバ側のVSyncオンは、フルスクリーンでしか効きません
- FreeSyncなどそのほかの可変リフレッシュレート:モニターが同期できる範囲は機種と入力端子で違います(例:ASUS VG279QMはHDMIで48〜240Hz、DisplayPortで48〜280Hz)。取扱説明書で範囲を確かめ、その中にfpsを収めます。上限の値は、この範囲の少し内側に収めます
ゲーム内のVSyncとNVIDIAコントロールパネルのVSyncが二重にオンになっているケースもあります。両方を確認して、必要なほうだけ設定してください。
全画面とボーダーレスは、表示経路と同条件の比較で選ぶ
比較候補(ゲーム・API・表示環境で変わる)
ウィンドウ表示でも、ゲームがflip modelを使い、画面を覆うウィンドウと画面寸法に一致する描画バッファなどの条件が揃えば、DirectFlip/Independent Flipでデスクトップの合成を経ずに画面へ送れます。拡大縮小やMPOを使う経路にはハードウェア依存の条件もあります。flip modelなら常時この経路になるわけではなく、他のウィンドウが重なると合成へ戻るなど経路が変わります。「全画面」「ボーダーレス」というラベルだけでは、どちらが低遅延かは決まりません。
Windows 11の「ウィンドウ ゲームの最適化」は、対応するDirectX 10/11ゲームのウィンドウ・ボーダーレス表示を、従来のblt modelからflip modelへ移行してフレーム遅延を減らす機能です。ゲーム側がflip modelを使う仕組みと、OSが対応ゲームの提示方式を変更する機能は区別してください。この設定の対象をDX12・Vulkan・OpenGLへ広げて考えることはできません。
- ゲームのAPI、表示モードとWindows側の設定を記録します。Windows 11では、設定 → システム → ディスプレイ → グラフィックの既定の設定から「ウィンドウ ゲームの最適化」を確認します。画面の配置はWindowsのバージョンで異なる場合があります。
- 対応DX10/11ゲームなら、必要に応じて最適化を有効にし、ゲームを再起動します。表示モードを比べるときは最適化の設定を固定し、同じAPI・場面・解像度・Hz・FPS上限・VSync/VRR・Reflex/Anti-Lag 2・フレーム生成の条件で、1項目だけ変えます。
- フレームタイムでカクつき、対応ツールのPCレイテンシでPC側の遅延を確認します。フレームタイムだけで、入力から表示までの総遅延を実測したことにはなりません。比較時は同じツールと測定範囲を使ってください。
- 不具合があればグラフィック設定で対象ゲームを選び、オプションから最適化を無効にして保存し、ゲームを再起動します。Auto HDRが有効だと最適化も自動で有効になるため、無効化するときは先にAuto HDRをオフにします。比較が終わったら、表示モードを含めて必要な設定を元へ戻します。
Alt+Tabでの切り替えのしやすさも含め、安定して動く表示モードを選んでください。表示経路を詳しく確かめたい場合は、PresentMonのPresentModeも判断材料になりますが、経路の表示自体は総遅延の測定値ではありません。
出典:Microsoft:ウィンドウゲーム最適化の対象と設定・Microsoft Learn:flip modelとDirectFlipの条件
Windowsのリフレッシュレートを最大にする
効果ランク:A
240Hzのモニターを買っても、Windows側が60Hzのままなら、表示の更新間隔は16.7msのままです。設定 → システム → ディスプレイ →「ディスプレイの詳細設定」で、現在のリフレッシュレートを確認してください。候補に出るHzはモニターが対応する範囲で決まります。HDMIで接続していて最大Hzが選べないときは、ケーブルの規格やモニター側の入力設定が原因のことがあります。モニターによってはDisplayPort接続でしか最大Hzが出ないものもあります。
Windows 11の「動的リフレッシュレート(DRR)」は、VRR対応で120Hz以上のディスプレイが対象です。ゲームのHzが上がり切らないときは、Microsoftの案内に沿ってDRRをオフにして試します。
モニターのOSDで低遅延系の項目を探す
効果ランク:A
モニターには、画像処理を省いて入力遅延を減らす項目を持つ機種があります。名前はメーカーごとに違うため、「ゲームモード」「Instant Mode」「低遅延」「FPSモード」といった名前で探してください。例えばBenQのXL2411Pでは、Picture → Instant Mode をOnにすると、画像処理が調整されて入力遅延が減ると取扱説明書に書かれています。同じ説明書には、インターレース映像ではOffにするよう書かれています。
注意したいのは、項目の名前が同じでも中身は機種で違う点です。効果は機種ごとに違うので、お使いの機種の取扱説明書で、その項目が入力遅延に関わるものかを確かめてください。設定を変えたあとは、色や輪郭の処理が変わっていないかも見ます。
機能同士の併用に制限があるモニターがあります。ASUSのVG279QMの説明書では、ELMB SYNCを有効にするとOverDriveが使えなくなり、HDR入力時にはELMB SYNCも使えません。Adaptive-Syncの動作範囲もHDMIで48〜240Hz、DisplayPortで48〜280Hzと入力端子で違います。項目が選べないときは、HDR、VRR、バックライト点滅系の機能のどれかがオンになっていないか確認してください。
モニターのオーバードライブを確認する
効果ランク:B
モニターの応答速度が遅いと、動きの速いシーンでゴーストが出ます。多くのゲーミングモニターには「オーバードライブ」「AMA」「応答速度」の設定があり、画素が色を切り替える時間を縮めます。BenQの説明書ではAMAは液晶の階調間の応答時間を改善する項目で、入力遅延を減らすInstant Modeとは別の項目です。応答速度の改善と入力遅延の短縮は別物なので、応答速度が1msでも、入力遅延が1msになるわけではありません。強すぎると逆ゴースト(オーバーシュート)が出るため、最強にせず、中〜高程度から試すのが一般的です。AOC G2460PFで、オーバードライブをOff〜Strongに変えて60Hz・120Hz・144Hzで動体を撮影した比較では、Offで残像、設定を上げると逆ゴーストが見え、その出方はリフレッシュレートでも変わりました。実際に遊ぶリフレッシュレートで、UFOテストなどの動体表示を見ながら決めてください。OLEDパネルは画素の応答が極めて速く、基本的に調整は不要です。
デバイスマウス・キーボードのポーリングレートを上げる
ソフトウェアの設定と並んで、デバイス側のポーリングレートも入力遅延に直結します。
マウスのポーリングレートを1000Hz以上にする
効果ランク:A
ポーリングレートは、マウスがPCへ位置情報を送る頻度です。125Hzなら8ms間隔、1000Hzなら1ms間隔でレポートを送ります。ゲーミングマウスは1000Hzに対応しているものが大半で、付属ソフトから変更できます。
2000Hz・4000Hz・8000Hzに対応するマウスも出ています。8000Hzではレポート間隔が0.125msになり理論上は入力遅延が縮みますが、CPUの処理負荷も増えるため、システムに余裕があるときに試す価値があります。
- マウス付属のソフト(Razer Synapse、G HUB、SteelSeries GGなど)を起動します
- 「パフォーマンス」または「ポーリングレート」の設定を1000Hz(かそれ以上)にします
キーボードのポーリングレートとラピッドトリガーを確認する
効果ランク:B
ゲーミングキーボードも1000Hz対応が標準的になりました。近年広まったラピッドトリガーは、キーの押し込み量ではなく「どれだけ戻ったか」でリリースを検出するため、ストッピングや切り返しが速くなります。遅延というより操作の俊敏性に効く機能です。選び方はラピッドトリガーキーボードの選び方にまとめています。
ポーリングレートやゲーム設定ではなく、USB 3.x機器と2.4GHzドングルの干渉が原因のことがあります。外付けSSDとワイヤレスマウスの干渉を切り分ける手順で、SSD・ケーブル・レシーバーの配置を確認してください。
測定遅延を実際に測定する方法
設定変更の効果は、変更の前後で遅延を測って確かめるのが確実です。
| 方法 | ツール | 分かること |
|---|---|---|
| ソフトウェア計測 | NVIDIA FrameView/NVIDIAオーバーレイ | NVIDIA GPUで使えます。対応ゲームでPC側のレイテンシをms単位で表示し、Reflexの効果を数値で確認できます。モニターの表示までは含みません |
| ソフトウェア計測 | PresentMon/CapFrameX | フレームタイムを記録します。オープンソースで無料、詳細なログを残したい上級者向けです |
| ハードウェア計測 | NVIDIA LDAT(Latency and Display Analysis Tool) | クリックからモニターの輝度変化までを専用のハードウェアで実測します。機材は高価なので、自分で測るより、レビューの計測値を参考にするのが現実的です |
| 簡易確認 | MSI Afterburner+RTSS | フレームタイムのグラフでスパイクを見ます。遅延の絶対値は測れません。設定はFPS・GPU監視ガイドを参照してください |
比べ方は、解像度・リフレッシュレート・ゲームの場面を固定して、設定を1つだけ変えることです。結果を記録したら、その設定を元に戻してから次の項目を試すと、どれが効いたか分かります。残像が減ったことと、入力遅延が何ms減ったかは別の話なので、混同しないでください。
プラシーボ効果の影響が強い分野です。変更の前後でFrameViewなどの数値を記録しておくことをおすすめします。「速くなった気がする」だけでは、実際には悪化している可能性もゼロではありません。
一覧遅延対策の効果一覧
| 設定・対策 | 効果 | 対象 |
|---|---|---|
| VSyncオフ(またはG-SYNC+VSyncオン+Reflex)(表示設定) | S:VSync待ちを解消 | VSyncオフは全モニター。G-SYNC併用はVRR対応モニター |
| NVIDIA Reflex(GPU設定) | S:最大50%削減(NVIDIA) | NVIDIA GPU+対応タイトル |
| AMD Anti-Lag 2(GPU設定) | S:ゲーム内で有効化 | Radeon RX 5000以降+対応タイトル |
| 電源モード・プランの比較(OS設定) | 構成次第:現在値から1項目ずつ比較し、温度・消費電力も確認 | 性能低下やカクつきが気になる人 |
| 全画面/ボーダーレスの比較(表示設定) | 条件次第:表示名だけで優劣を決めず、同条件で比較 | 表示モードを選びたい人(OSの最適化は対応DX10/11ゲーム) |
| 低遅延モード「ウルトラ」(GPU設定) | A:Reflex非対応タイトル向け | NVIDIA GPU+Reflex非対応タイトル |
| HAGS(OS設定) | B:環境により差。比較して決める | 設定項目が表示されるGPU |
| マウス1000Hz以上(デバイス) | A:レポート間隔1ms以下 | 125/500Hz設定のマウス |
| ゲームモード・バックグラウンド整理(OS設定) | B:スパイクの低減 | 全環境 |
| GPU世代 | 遅延対策の組み合わせ | HAGS |
|---|---|---|
| RTX 40/50 | Reflex対応タイトルはReflexオン、非対応タイトルは低遅延モードのウルトラ | オン・オフを比較して決める |
| RTX 30 | Reflex対応タイトルはReflexオン、非対応タイトルは低遅延モードのウルトラ | オン・オフを比較して決める |
| GTX 16/10 | Reflex対応タイトルはReflexオン(GTX 900シリーズ以降で対応)、非対応タイトルは低遅延モードのウルトラ | オン・オフを比較して決める |
| Radeon RX 7000以降 | 対応タイトルでAnti-Lag 2をオン | オン・オフを比較して決める |
| Radeon RX 5000/6000 | 対応タイトルでAnti-Lag 2をオン | オン・オフを比較して決める |
おすすめ設定をやり切った先のステップはモニター
ここまでの設定を全部やり切ったあとに体感を変えたいなら、最後に残るのがモニター側の改善です。G-Sync Pulsar対応の高リフレッシュレートIPSは、モーションクラリティと低応答速度を両立します。VSyncオフ+G-Sync+fps上限の構成とも相性がよく、仕組みと対応モニターはG-Sync Pulsarの解説記事にまとめています。
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
Q&Aよくある質問
まとめまとめ|VSyncとReflex/Anti-Lag 2から手を付ける
遅延は1か所だけ直しても限界があります。入力・表示・回線の3層を分けて、設定を1つずつ試してください。各項目の効果は環境で違い、単純に足し算はできません。最初に確認するのは、VSync(ティアリングを許せるならオフ、許せないならG-SYNC/FreeSyncと組み合わせる)と、Reflex(NVIDIA)かAnti-Lag 2(AMD)をゲーム内でオンにすることの2つです。そのあと電源設定と全画面/ボーダーレスを同条件で比較し、必要な設定を選んでください。電源は温度・消費電力も見て、効果がなければ元へ戻します。ポーリングレートは1000Hzを基準に確認してください。pingの高さが原因なら、描画・入力の設定では回線経路やサーバーとの距離による遅れは変わりません。有線接続や回線の見直しなど、別に切り分けてください。
まずVSyncの設定とReflexかAnti-Lag 2のゲーム内オン。AMDのAnti-Lag+は無効化済みで、Reflex 2はNVIDIAの対応製品一覧に、2026年10月17日時点で載っていません。
出典:AMD Adrenalin 23.10.2 リリースノート・AMD Adrenalin 24.6.1 リリースノート・AMD Anti-Lag 2 SDK(GPUOpen)・NVIDIA Reflex 2 発表・NVIDIA Reflex 対応製品一覧・Hardware Busters(Reflex 2の提供状況・2026年7月28日)・Microsoft DirectX Blog(ウィンドウ ゲームの最適化)・Microsoft DirectX Blog(フルスクリーン最適化)・Microsoft(リフレッシュレートの変更とDRR)・BenQ XL2411P 取扱説明書・ASUS VG279QM 取扱説明書・NVIDIA システムレイテンシ最適化ガイド・PC Monitors(AOC G2460PFのレビュー)






