Razer Blade 18がUbuntu認証へ|RTX 5090でLinuxゲームは実用的?Synapse非対応も解説【2026年8月】
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RTX 5090でLinuxゲームは実用的?Synapse非対応も解説【2026年8月】
高性能なゲーミングノートPCでLinuxを使いたいと考えても、Wi-Fiが認識しない、スリープから復帰しない、音が出ないといった製品固有の不具合が心配で踏み切れない人は少なくありません。今回Razerが進めているUbuntuハードウェア認証は、そうした不安に直接関わる動きです。
対象は、Core Ultra 9 290HX Plusとノート向けGeForce RTX 5090を搭載できる2026年モデル「RZ09-0582」です。Linux専門メディアPhoronixの実機検証では、Ubuntu 26.04 LTS上でCPU・GPU・電源プロファイルなどが問題なく動作し、Windows 11に近い性能を発揮しました。一方で、Razer SynapseのLinux版は存在せず、RGBやファン制御などの独自機能には制限が残ります。
本記事では、Ubuntu認証の意味、Windows 11やCachyOSとの性能差、Protonを使ったゲーム互換性、Razer Synapse非対応が実際にどこまで影響するか、購入時の注意点までを一次情報をもとに整理します。
目次
現状Razer Blade 18がUbuntuハードウェア認証を申請
Razerは、2026年モデルのRazer Blade 18について、Canonicalが提供するUbuntuハードウェア認証プログラムへの申請を進めています。対象となっているのは、型番「RZ09-0582」のBlade 18です。認証が完了すれば、Razerにとって初めてUbuntuのハードウェア認証を取得するノートPCになる見込みです。
2026年7月にRazerから実機の提供を受けたPhoronixによると、Razerは今後Linuxプラットフォームのサポートを重要視していく方針を示しています。ただし、2026年8月3日時点でUbuntu認証はまだ完了しておらず、認証プロセスは進行中です。正式な認証完了日や、Ubuntuをプリインストールしたモデルの発売予定は発表されていません。
Razerの公式製品情報でも、Blade 18のプリインストールOSはWindows 11 Homeと記載されています。現時点で購入時にUbuntuを選べるわけではなく、Windowsを残してデュアルブートにするか、利用者自身でUbuntuへ入れ替える必要があります。
定義Ubuntu認証とは何を確認する制度か
Canonicalは認証対象の実機に対して、OSとハードウェアの互換性を確認する500項目以上のテストを実施します。CPUやメモリだけでなく、オーディオ、Wi-Fi、有線LAN、Bluetooth、USB、TPM、ファームウェア、電源管理、カードリーダーなども検証対象です。認証取得後も、Ubuntuのアップデートによって不具合が発生しないか、実機を使用した継続的なテストが行われます。
これまでLinuxをゲーミングノートへ導入すると、Wi-Fiが認識しない、スリープから復帰できない、音が出ない、画面の明るさを調整できないといった製品固有の問題が発生することがありました。Blade 18が正式にUbuntu認証を取得すれば、こうした基本機能について、CanonicalとRazerによる一定の検証を受けた状態になると考えられます。
ただし、Ubuntu認証はSteamで販売されているすべてのゲームやRazer製ソフトウェアの動作を保証するものではありません。OSとハードウェアの互換性と、ゲームやアプリの互換性は分けて考える必要があります。
実機検証Ubuntu 26.04 LTSでBlade 18は問題なく動作
Phoronixは、Razer Blade 18にUbuntu 26.04 LTSを導入し、Linux環境における互換性と性能を検証しています。検証機にはCore Ultra 9 290HX Plus、ノート向けGeForce RTX 5090、32GBのDDR5-6400メモリ、2TB NVMe SSD、3,840×2,400ドットのディスプレイが搭載されていました。
Ubuntu 26.04 LTSは、2026年4月に公開された長期サポート版です。標準カーネルとしてLinux 7.0を採用しており、新しいIntel CPUやNVIDIA GPUへ対応できる比較的新しいソフトウェア構成になっています。
実機検証では、Intel Arrow Lake世代のCPUとノート向けGeForce RTX 5090が正常に認識されました。GPUにはNVIDIAの公式Linuxドライバーが使用されており、ACPIのプラットフォームプロファイルを含む電源管理機能も動作しています。少なくともUbuntuのインストール、デスクトップの利用、GPUを使用する計算処理、Linuxネイティブのグラフィックス処理については、大きな問題なく利用できたと報告されています。
過去のRazer Bladeでは、スリープ、オーディオ、ファン制御などでLinux固有の不具合が報告されることがありました。2026年モデルでUbuntu認証が進められていることは、Linuxを導入した直後から基本機能を使える可能性が高まるという意味で大きな変化です。
出典:Phoronix「Razer Certifying Their First Laptop For Linux: Razer Blade 18 RZ09-0582 Review」。
構成Razer Blade 18のスペックはデスクトップPC級
2026年モデルのRazer Blade 18は、一般的なモバイルノートではなく、据え置き利用を重視した大型ゲーミングノートです。上位構成では、24コアのCore Ultra 9 290HX Plusと、24GBのGDDR7メモリを搭載するノート向けGeForce RTX 5090を選択できます。RTX 5090モデルのGPU電力は最大175Wで、Dynamic Boostによってさらに25Wが追加されます。
| 項目 | 上位構成の内容 |
|---|---|
| CPU | Core Ultra 9 290HX Plus(24コア) |
| GPU | ノート向けGeForce RTX 5090(GDDR7 24GB・最大175W+Dynamic Boost 25W) |
| ディスプレイ | UHD+ 3,840×2,400・240Hzと、FHD+ 1,920×1,200・440Hzを切り替えられるデュアルモード |
| メモリ | 最大128GB |
| ストレージ | PCIe 4.0 SSD最大8TB、PCIe 5.0 SSD最大4TB |
| 接続 | Thunderbolt 5・Thunderbolt 4・HDMI 2.1・2.5GbE・Wi-Fi 7 |
ゲームだけでなく、CUDAを使ったAI処理、動画編集、3DCG、ソフトウェア開発、仮想マシンの実行などにも対応できる構成です。Ubuntu認証を進めている理由も、純粋なLinuxゲーマーだけを狙っているというより、AI開発やソフトウェア開発とゲームを1台で行いたいユーザーを想定している可能性があります。
比較データUbuntuとWindows 11の性能差は小さい
Phoronixは同じBlade 18を使用し、Windows 11、Ubuntu 26.04 LTS、CachyOSの性能も比較しています。Windows 11とUbuntuではNVIDIA R595系ドライバーが使用され、CachyOSではより新しいLinux 7.1カーネルとNVIDIA R610系ドライバーが使用されました。そのため、OS以外にもカーネルやドライバーの世代が異なる点には注意が必要です。
| OS | 99項目中の首位獲得割合 |
|---|---|
| CachyOS | 51% |
| Windows 11 | 38% |
| Ubuntu 26.04 LTS | 10% |
一方、全テストの幾何平均ではWindows 11がUbuntu 26.04 LTSをわずかに上回り、CachyOSが僅差で最速でした。OSによって大きな性能差が出たというより、アプリや処理内容によって得意不得意が分かれる結果です。
このテストにはゲーム以外のCPU処理、レンダリング、AI、開発系ワークロードも多数含まれています。そのため、「CachyOSならWindowsよりすべてのゲームが速い」「UbuntuはWindowsより遅い」と単純に判断することはできません。それでも、同じBlade 18において、UbuntuがWindows 11に近い総合性能を発揮したことは確認できます。Linuxを選んだからといって、RTX 5090やCore Ultra 9の性能が大幅に失われるわけではありません。
互換性LinuxゲームはProtonで動かす、アンチチートには注意
Linuxに対応したPCゲームは増えていますが、Steamで販売されている作品の多くはWindows向けです。Linuxでは、Valveが開発する互換レイヤー「Proton」を利用することで、Windows専用ゲームを動かせます。ProtonはWineを基盤としており、SteamクライアントからWindows向けゲームを起動すると、必要な変換処理を自動的に行います。
そのため、Ubuntuを導入したBlade 18でも、SteamとNVIDIAドライバーをインストールすれば、多くのWindows向けゲームをプレイできます。ノート向けRTX 5090は非常に高性能なので、Protonによる多少の処理負荷が加わったとしても、フルHDやWQHDでは十分なフレームレートを狙えると考えられます。ただし、実際の性能や安定性はゲームごとに異なります。Windowsでは正常に動くランチャーがLinuxでは起動しない、アップデート後に映像が乱れる、動画コーデックの違いでムービーが再生されないといった問題が発生する可能性があります。
オンラインゲームのアンチチートは開発元の対応次第
Linuxゲーミングで特に問題になりやすいのが、オンラインゲームのアンチチートです。ProtonはEasy Anti-CheatとBattlEyeに対応していますが、ゲーム開発元がLinuxまたはProton向けの設定を有効にする必要があります。アンチチート自体が対応していても、開発元が許可していなければLinuxから接続できません。
したがって、Blade 18にUbuntuを導入すれば、すべての競技系FPSやオンラインゲームが遊べるようになるわけではありません。普段遊んでいるゲームがLinuxで動作するか分からない場合は、Windowsを削除せずにデュアルブート環境を構築する方法が安全です。シングルプレイゲームやSteam Deckで動作確認されているゲームを中心に遊ぶなら、Linuxだけでも実用的な環境を作りやすくなります。一方、PC Game Passやメーカー独自ランチャー、カーネルレベルのアンチチートを使用するゲームを重視する場合は、Windows 11を残したほうが安心です。Ubuntu認証を取得しても、Proton経由で動かす個別ゲームの互換性までRazerやCanonicalが保証するわけではありません。
最大の制約Razer SynapseとOpenRazerはLinuxで使えない
Blade 18をUbuntuで使用する際の最大の課題は、Razer Synapseが利用できないことです。Razer Synapse 4の対応OSはWindows 10およびWindows 11であり、Linux版は提供されていません。RazerもPhoronixに対し、現段階ではSynapseをLinuxへ提供する発表はないと説明しています。
Windows版のBlade 18では、Synapseからパフォーマンス設定、キーボードの割り当て、RGBバックライト、ファン制御などを変更できます。Razerの公式仕様にも、Synapse 4による性能設定やファン制御への対応が明記されています。Ubuntuでは、この管理機能を同じようには利用できません。CPUやGPUそのものは動作しても、ゲームごとの性能モード切り替え、細かなファンカーブ、キーボードのマクロ、Razer Chromaのライティング同期などは制限される可能性があります。
コミュニティ製OpenRazerも2026年モデルは未対応
Linuxには、Razer製品を制御するためのコミュニティ製オープンソースドライバー「OpenRazer」があります。GUIアプリのPolychromaticと組み合わせることで、対応するRazer製マウス、キーボード、ノートPCのライティングなどをLinuxから設定できます。しかし、Phoronixが最新バージョンをUbuntuへ導入して確認した時点では、2026年モデルのBlade 18はOpenRazerに対応していませんでした。OpenRazerの対応機器一覧には旧世代のBlade 18は掲載されていますが、RZ09-0582は確認できません。
将来のアップデートで対応する可能性はあるものの、OpenRazerはRazer公式ソフトではありません。Ubuntu認証の取得とOpenRazerへの対応は別々に進むため、認証が完了した直後からRGBや独自機能をすべて操作できるとは限りません。高価なRazer製ノートPCを購入するユーザーにとって、ハードウェア性能だけでなく、メーカー独自機能をすべて利用できるかどうかは重要なポイントです。
代償高性能だが消費電力と騒音は大きい
Blade 18はLinuxでも非常に高い処理性能を発揮しましたが、その代わり消費電力は大きくなります。PhoronixのCPUベンチマークでは、Core Ultra 9 290HX Plusの平均消費電力が125W、ピークが221Wに達しました。これはCPU単体の測定であり、ノート向けRTX 5090やディスプレイなどの消費電力は含まれていません。高負荷時には冷却ファンの動作音も大きくなると報告されています。
Razer公式のACアダプターも400Wと大型で、バッテリー容量は99Whです。USB Power Deliveryによる最大100Wの充電にも対応していますが、100W給電ではCPUとGPUの最大性能を引き出せません。バッテリー駆動時の検証では、システム全体で平均101W、ピーク138Wを記録しています。RTX 5090はバッテリー駆動時に最大67W程度まで消費しており、ゲームや重い処理を長時間行う用途には向いていません。Blade 18は持ち運べるデスクトップPCに近い製品です。Linuxを使う場合も、基本的にはACアダプターへ接続し、机の上で使用することになります。
購入判断Linuxゲーム専用機として買うべきか
Razer Blade 18はLinuxでも高い性能を発揮しますが、Linuxゲームだけを目的に購入する製品としては割高です。Phoronixが検証したCore Ultra 9 290HX Plus、RTX 5090、メモリ32GB、SSD 2TB構成の価格は5,399ドルでした。メモリ128GBの最上位構成は6,999ドル(公式表記6,999.99ドル)に達します。
ゲームだけを遊ぶなら、Windows 11を搭載したRTX 5080またはRTX 5090搭載ゲーミングノートのほうが、アンチチートやメーカー独自機能を含めて扱いやすいでしょう。同等クラスのデスクトップゲーミングPCを選べば、冷却性能や拡張性を確保しながら購入価格を抑えられる可能性もあります。一方、Linuxを使用したソフトウェア開発、CUDA、ローカルAI、機械学習、動画処理とPCゲームを1台にまとめたいユーザーには、Blade 18が選択肢になります。Linux対応の一般的なビジネスノートでは、ノート向けRTX 5090や240Hz・440Hzのデュアルモードディスプレイを選べません。デスクトップ級のGPU性能とLinux環境を持ち運びたいという、非常に限定された用途では価値があります。
- Linuxでのソフトウェア開発・CUDA・ローカルAIとゲームを1台にまとめたい人
- シングルプレイやSteam Deckで動作確認済みのゲームを中心に遊ぶ人
- デスクトップ級のGPU性能を持ち運びたい、非常に限定された用途を求める人
- PC Game Passやメーカー独自ランチャー、カーネルレベルのアンチチートを使うゲームが多い人
- Razer SynapseによるRGB・ファン制御・性能モード切り替えを日常的に使いたい人
- Linuxゲームだけを目的に、コストを抑えて購入したい人(Windows機のほうが割安)
Blade 18がUbuntu認証を取得したとしても、購入直後にWindowsを削除するのはおすすめしません。開発作業や普段使いはUbuntuで行い、Linuxで動作しないゲームやRazer Synapseを使用するときだけWindows 11へ切り替えるデュアルブート構成が現実的です。Blade 18はM.2 SSDを増設できるため、Windows用とUbuntu用で物理的にSSDを分ける構成も可能です。1台のSSDをパーティション分割するよりもOS同士の影響を抑えやすく、容量管理もしやすくなります。
ただし、SSDの増設やOSの再インストールを行う前には、BitLockerの回復キー、Razerのリカバリーイメージ、各種ドライバーを準備しておく必要があります。Linuxを初めて使用する人は、最初にUbuntuのライブUSBから起動し、Wi-Fi、Bluetooth、音声、タッチパッド、画面の明るさ、スリープ復帰、外部モニター出力が正常に動作するか確認してからインストールすると安全です。
今後RazerがLinux対応を本格化する可能性
RazerがBlade 18のUbuntu認証を進めることは、1製品の互換性改善にとどまらない可能性があります。RazerのMin-Liang Tan CEOは2017年にもBladeシリーズのLinux対応へ関心を示していましたが、その後は具体的な展開がほとんどありませんでした。2026年になって実際の認証プロセスが始まったことで、約9年越しにLinux対応が動き出したことになります。
今後、Blade 16などほかのモデルにもUbuntu認証が広がり、Synapseやファームウェア更新ツールのLinux対応まで進めば、Razer製品の評価は大きく変わります。現状では、ハードウェアの基本動作は良好である一方、独自ソフトウェアの対応が追いついていません。Ubuntu認証は重要な第一歩ですが、RazerがLinuxを正式なゲーミングプラットフォームとして扱うかどうかは、今後のソフトウェア対応次第です。
Q&Aよくある質問
総括まとめ|開発とゲームを両立したい人向けの選択肢
Razerは、2026年モデルのBlade 18「RZ09-0582」について、同社初となるUbuntu認証の取得を進めています。Ubuntu 26.04 LTSを使用した実機検証では、Core Ultra 9 290HX Plus、ノート向けGeForce RTX 5090、ACPI電源プロファイルなどが正常に動作しました。Windows 11やCachyOSとの比較でも総合性能の差は小さく、Linuxを導入してもBlade 18の高い処理能力を生かせます。
SteamではProtonを利用して多くのWindows向けゲームを動かせますが、アンチチートやランチャーによっては起動できない作品が残ります。Ubuntu認証は、すべてのPCゲームの動作を保証するものではありません。さらに、Razer SynapseのLinux版はなく、OpenRazerも2026年モデルのBlade 18には未対応です。RGB、ファン制御、性能モード、キー割り当てなど、Windowsでは利用できる機能の一部が制限されます。
そのため、Blade 18はLinuxゲーム専用機として積極的におすすめできる製品ではありません。ゲームを最優先するなら、Windows 11を使うほうが確実です。一方で、Ubuntuを使ったソフトウェア開発やAI処理と、RTX 5090によるハイエンドゲームを1台で行いたいユーザーにとっては、非常に強力なモバイルワークステーションになります。正式なUbuntu認証の完了に加え、SynapseやOpenRazerの対応が進めば、Blade 18はLinuxユーザーにとっても現実的なハイエンドゲーミングノートになるでしょう。



