Alphacool Apex 2登場|GPUホットスポット改善をうたう17.3W/mKグリス、買う前の注意点
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公称値の大きさだけで「必ず冷える」とは判断できません。GPUダイの接触状態、サーマルパッド、保証、そして長期の温度推移を先に確認する、現実的な判断順を整理します。
出典:Alphacool公式製品ページ「Apex 2 Thermal Grease」/Alphacool公式Reddit投稿。価格・在庫・仕様は変動するため、2026年8月16日時点の確認内容です。
PC水冷パーツメーカーのAlphacoolが、サーマルグリスの新モデル「Apex 2 Thermal Grease」を発売しました。2g入りで公式価格は9.98ユーロ。公称熱伝導率は17.3W/mKで、メーカーは従来のApexよりCPU・GPUともに性能が向上し、とくにGPUホットスポットで改善が明確だと説明しています。

ただし、GPU温度が正常なのにホットスポットだけ高い場合でも、グリスだけが原因とは限りません。新品GPUを分解して交換する前に、温度差の経時変化、保証、クーラーの接触状態を確認することが重要です。この記事では、公式に確認できる仕様と、GPU用途での判断基準を分けて解説します。





目次
先に結論Apex 2は「GPUを分解する理由」がある人向け
| いまの状況 | Apex 2を急いで買う必要 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 新品GPUで温度・温度差が安定 | 低い | ホットスポットが高くないなら、分解による保証・再組立リスクの方が大きくなります。 |
| 保証期間中に温度差が急拡大 | 低い | 温度ログと症状を保存し、まず販売店・メーカーへ相談します。 |
| 保証外で、接触不良・グリス劣化を切り分ける | 候補になる | パッド/パテの位置・厚み、ネジの締結順、再組立後の温度差まで含めて確認します。 |
メーカー公称値は測定条件が統一されていません。Apex 2固有の長期GPU実機比較や、GPU別の温度低下幅は、記事執筆時点で公式ページに掲載されていません。
基本情報Apex 2で公式に確認できる仕様
Apex 2は初代Apexの次世代モデルとして販売されています。AlphacoolはHalnziyeとの共同開発、CPU・GPUの双方での改善、GPUホットスポットでの明確な改善を訴求していますが、特定GPU・条件・温度差を示すベンチマークは公開していません。
| 項目 | 公式仕様・内容 | 実用上の見方 |
|---|---|---|
| 容量・価格 | 2g、9.98ユーロ | 個人のCPU/GPUメンテナンスでは扱いやすい容量です。送料・国内流通価格は別途確認します。 |
| 熱伝導率 | 17.3W/mK(公称) | 他社の公称値と単純比較せず、同条件の温度・熱抵抗テストを優先します。 |
| 粘度 | 20℃で130~140Pa・s | 硬めに感じる場合は、公式案内どおり使用前にシリンジを手で少し温めます。 |
| 電気特性 | 電気的に非導電性 | 液体金属より扱いやすい一方、GPU分解そのもののリスクは残ります。 |
| 付属品 | Putty Tool、塗布カード、アルコールワイプ | GPUダイへ薄く均一に塗る作業をしやすくする構成です。 |
ホットスポットグリス交換の前に見るべき3つの要因
GPUのホットスポットは、ダイ内部で最も温度が高い箇所です。一般的なGPU温度との差が以前より大きくなったかを、まず同じゲーム・同じ設定・同じ室温に近い条件で確認してください。単発の最高温度だけで判断すると、負荷の違いを原因と誤認しやすくなります。
購入時や数カ月前と比べて、GPU温度は近いのにホットスポットだけ上がったかを確認します。変化がなければ、元からの個体傾向の可能性もあります。
VRAM・VRM用のパッドやパテが厚すぎると、GPUダイとクーラーの密着を妨げます。グリスだけ替えても改善しない代表的な要因です。
メーカーや地域、製品の購入条件によって保証への影響は異なります。保証期間中の異常な温度上昇は、先にサポート窓口へ相談します。
温度差の読み方や、分解せずに行える確認順はGPU温度は正常なのにホットスポット温度だけ高い原因で詳しく解説しています。GPU温度そのものが高い場合は、GPUの適正温度ガイドもあわせて確認してください。
公称値17.3W/mKは実際の温度低下幅を示さない
サーマルグリスのW/mKは、材料の熱伝導特性を表す一つの指標です。しかし、GPUで実際に効くのは、グリス層の厚さ、ダイとクーラーの平面性、取付圧、周囲のパッド/パテとの高さ関係を含めた界面全体の熱抵抗です。
そのため、17.3W/mKのグリスが10W/mK表記の製品より「約1.7倍冷える」とは言えません。メーカー間で測定法・圧力・試料厚が揃っていないためです。比較時は、同じテスト環境でのCPU/GPU温度、または熱抵抗のデータを優先してください。
AlphacoolはHalnziyeとの共同開発を明らかにしています。一方、Apex 2完成品を対象にした材料分析・長期GPU試験として確認できる公開資料は限られます。既存の別製品・別ロットのデータを、そのままApex 2の実測値として扱わないことが重要です。
塗り替えGPUに使うなら「グリス以外」を変えない
保証外のGPUをメンテナンスする場合でも、最初の作業でパッドの厚さや材質を推測で変えない方が安全です。GPUダイへ高性能グリスを塗っても、周辺のパッド/パテを厚くしすぎればクーラーが浮き、ホットスポットが悪化することがあります。
- 分解前に温度、消費電力、ファン回転数、GPU温度とホットスポット温度を記録する。
- 分解前にパッド/パテの位置と状態を写真で記録し、必要以上に変更しない。
- 古いグリスを除去し、ダイ全体へ薄く均一に塗布する。Apex 2の付属カードもこの用途向けです。
- クーラーは対角線順に少しずつ固定し、同じゲームで再測定する。
交換直後の温度だけで成功と判断せず、数日~数週間後にも同条件でログを取り、温度差が戻っていないか確認します。短期間で再悪化するなら、グリスの銘柄より接触圧・パッド/パテ・クーラー側の問題を優先して見直します。
価格と流通国内価格が出てから比較したい製品
公式ストアでは2g・9.98ユーロで在庫があります。初代Apexの4gモデルは同じ公式ストアで4.28ユーロとなっており、Apex 2は容量単価で見ると明確に高価です。国内での実売価格、送料、定番グリスとの価格差が分かってから購入判断をするのが妥当です。
GPUの分解メンテナンスが目的なら、単体の公称W/mKよりも、入手性、塗布しやすさ、長期のホットスポット温度推移、必要なら保証外で作業するリスクまで含めて比較してください。
よくある質問Apex 2に関する疑問
まとめApex 2は実機の長期評価を待ちながら判断したい
Alphacool Apex 2 Thermal Greaseは、2g・9.98ユーロ、公称17.3W/mKの高性能グリスです。AlphacoolはCPU・GPU両方、特にGPUホットスポットでの改善をうたっています。
一方で、公式ページにはGPU別の温度低下幅や長期使用時の比較はありません。GPUのホットスポットが高い場合は、グリスだけでなく、接触圧、パッド/パテ、保証、温度差の経時変化を確認してください。国内価格と独立した実機比較がそろってから、定番グリスとの優劣を判断するのが確実です。

