「XINPUT1_3.dllが見つかりません」で古いPCゲームが起動しない原因|DirectX 12でも旧ランタイムが必要な理由を確認
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DirectX 12でも旧ランタイムが必要な理由を確認
出典:Microsoft公式「XInput Versions」・Microsoft公式「DirectX End-User Runtime Web Installer」・Microsoft公式「DirectX Installation for Game Developers」・カプコン公式サポートFAQにもとづきます。記事内の情報は2026年8月9日時点のものです。
Windows 11で古いPCゲームを起動したときに、「XINPUT1_3.dllが見つからないため、コードの実行を続行できません」「コンピューターにXINPUT1_3.dllがないため、プログラムを開始できません」と表示され、ゲームがまったく起動しないことがあります。Windows検索からdxdiagを開いて確認すると「DirectX 12」と表示されるため、「最新のDirectXが入っているのになぜDLLが足りないのか」と疑問に感じるかもしれません。
結論からいうと、これはWindows 11のDirectXが古いという意味ではありません。Microsoft公式のドキュメントによると、Windows 10・Windows 11にはOSで利用できる最新のDirectXがすでに含まれ、更新はWindows Updateを通じてのみ行われます。一方で、古いPCゲームが要求するXINPUT1_3.dllは、現在のWindows標準DirectXとは別に配布されている「Legacy DirectX SDK」由来のコンポーネントです。Microsoftは現在も「DirectX End-User Runtime」を公式配布しており、これをインストールすればXInput 1.3を含む旧世代のランタイムを追加できます。
同じ「PCゲームが起動しない」系のエラーでも、原因はメッセージによって異なります。「VCRUNTIME140.dllが見つかりません」「MSVCP140.dllが見つかりません」の場合はMicrosoft Visual C++ Redistributableが原因になるケースが多く、こちらは別記事で解説しています。Steamで「Failed to load steamui.dll」と表示される場合はSteamクライアント本体側のファイル破損が原因で、こちらも別記事にまとめました。この記事では、XINPUT1_3.dllというメッセージに特有の内容——XInput 1.3と1.4の違い、dxdiagの表示と矛盾しない理由、Microsoft公式ランタイムでの直し方、DLL単体ダウンロードを避けるべき理由——に絞って整理します。
目次
エラー表示起動時に出てくるメッセージ
代表的なのは次のようなメッセージです。表現は多少異なりますが、内容はどれも同じ系統のエラーです。
XINPUT1_3.dllが見つからないため、コードの実行を続行できません
コンピューターにXINPUT1_3.dllがないため、プログラムを開始できません
プログラムを開始できません。XINPUT1_3.dllが見つからないことが原因ですXInputは、WindowsゲームからXbox系コントローラーなどの入力を扱うためにMicrosoftが提供しているAPIです。Windows上ではDLLの形で提供されており、ゲームが要求するバージョンが手元の環境に見当たらないと、ゲーム画面が表示される前にこのエラーで止まってしまいます。次のセクションで、要求されている「1.3」というバージョンが何を意味するのかを確認します。
仕組みXInput 1.3とXInput 1.4は何が違うのか
Microsoft公式の「XInput Versions」ドキュメントによると、XInput DLLにはいくつかのバージョンがあり、それぞれ提供のされ方が異なります。XInput 1.3は「レガシーDirectX SDKで提供された最後のバージョンで、2010年6月リリースで配布された」と説明されており、Windows Vista・7・8向けの再配布コンポーネントという位置づけです。一方のXInput 1.4は、「Windows 8にシステムコンポーネントとしてXINPUT1_4.DLLの形で標準搭載され、インストール不要(inboxで利用可能)」と説明されています。
| 項目 | XInput 1.3 | XInput 1.4 |
|---|---|---|
| 提供のされ方 | 旧DirectX SDKの再配布コンポーネント | Windows 8以降にOS標準搭載 |
| 最後の配布 | 2010年6月のLegacy DirectX SDK | Windows 10・11にも同梱が継続 |
| 追加インストール | 必要(DirectX End-User Runtime等) | 不要 |
| ファイル名 | XINPUT1_3.dll | XINPUT1_4.dll |
つまり、Windows 11にXInput 1.4が標準で入っていても、それは「XInput 1.3が自動的に用意される」ことを意味しません。ゲームが開発された時点でXInput 1.3を前提に作られていると、実行時にXINPUT1_3.dllという具体的なファイル名を探しにいくため、新しいXInput 1.4がシステムに存在していてもこのエラーになります。
誤解注意dxdiagでDirectX 12と出ても矛盾しない理由
Windows検索からdxdiagを起動すると、DirectX診断ツールのシステムタブでDirectXバージョンを確認できます。Microsoft公式サポートも、DirectXバージョンの確認方法としてこの手順を案内しています。Windows 10・Windows 11では通常「DirectX 12」と表示され、公式サポートは「DirectX 11.3および12はこれらのWindowsバージョンに含まれており、更新はWindows Updateを通じて提供される。これらのバージョン向けの単体パッケージは存在しない」と説明しています。
ここで重要なのは、この「DirectXバージョン」という数字が何を指しているかです。Microsoft公式の開発者向けドキュメントは、「DirectXのバージョン番号は、Direct3DやDirectInputといったコア機能のバージョンのみを指しており、DirectX SDKの更新で配布されるD3DX・XACT・XInputなどのオプションコンポーネントのバージョンは含まない」と明記しています。同ドキュメントはさらに「この番号は、正しいDirectXランタイムがすでにインストールされているかどうかの確認に使うべきではない。オプションコンポーネントを考慮していないためだ」とも述べています。
XINPUT1_3.dllはまさにこの「オプションコンポーネント」側に属するファイルです。したがって、dxdiagで「DirectX 12」と表示されていても、Legacy DirectX SDK由来のXINPUT1_3.dllまで存在するとは判断できません。このエラーが出たときに「DirectXは最新なのだから別の原因のはずだ」と考えて確認をやめてしまうと、遠回りになる可能性があります。
切り分け古いゲームだけ起動しない場合に疑う場所
いきなり対処に入る前に、どんな状況で発生しているかを確認すると、優先して確認すべき場所を絞り込めます。
| 状況 | 疑いやすい原因 |
|---|---|
| 新しいゲームは動くのに古いゲームだけ起動しない | 旧DirectX SDKコンポーネント(XInput 1.3等)の不足 |
| Windows再インストール直後から発生 | Legacy DirectXランタイム未導入 |
| 複数の古いゲームで同じエラーが出る | DirectX End-User Runtime全体の未導入 |
| 1本のゲームだけで発生する | そのゲームのファイル・付属セットアップ |
| D3DX9_43.dllなど別のDLLも見つからないと言われる | 同じくLegacy DirectX SDKコンポーネントの不足 |
| VCRUNTIME140.dll・MSVCP140.dllが見つからないと言われる | Visual C++ Redistributable側の問題 |
複数の古いゲームで同じエラーが出るならDirectX側の確認を優先し、1本だけなら先にそのゲームのファイルを確認すると効率的です。
公式の案内カプコンが公開する専用FAQの内容
カプコンの公式サポートは、「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」「デッドライジング」「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」など、複数の旧PCタイトルについて「XINPUT1_3.dllが見つかりません」という同名のFAQページを個別に公開しています。原因については「ご利用のPCにインストールされているDirectXのバージョンが古い、もしくはDirectXのファイルが完全にインストールされていない場合に発生するエラーです」と説明されており、対処としては最新のDirectXのインストール・アップデートで解決する場合があるとしたうえで、実施はPCメーカーへの相談を踏まえたユーザー自身の判断で行うよう案内しています。
Microsoft公式のQ&Aコミュニティにも「Missing xinput1_3.dll for Windows 11」という質問が投稿されており、Windows 10からWindows 11へアップグレードした後にゲームが起動しなくなったケースが報告されています。この質問には多くのユーザーから支持を集めた回答が寄せられており、その中でDirectX End-User Runtime Web Installerの導入が有効な対処として挙げられています。カプコンの特定タイトルに限らず、幅広い環境で同種の問題が起きていることがうかがえます。
対処手順Microsoft公式のDirectX End-User Runtimeを入れる
Microsoft公式は、DirectX End-User Runtimeについて「このパッケージは、Windows OSにインストールされているDirectX Runtimeを一切変更しない」と明記しています。つまりWindows 11のDirectX 12をDirectX 9や11へ置き換えるものではなく、現在のDirectX環境はそのまま残した状態で、古いゲームが必要とするXInput 1.3などの追加コンポーネントだけをインストールします。
Microsoft公式ダウンロードセンターでは、Webインストーラーとは別に「DirectX End-User Runtimes(June 2010)」というオフラインパッケージも現在提供されています。中身はWebインストーラーと同じくD3DX9・D3DX10・D3DX11・XAudio 2.7・XInput 1.3・XACTなどのLegacy DirectX SDKコンポーネントで、Windows側のDirectX Runtime自体は変更しません。通常はWebインストーラーで十分ですが、オフライン環境や複数PCへ同じランタイムを導入する場合はこちらを使う方法もあります。
注意DLL単体ダウンロードとSystem32への手動コピーを避ける理由
「XINPUT1_3.dll ダウンロード」で検索すると、このファイルだけを単体で配布しているサイトが見つかることがあります。利用はおすすめしません。
Microsoft公式のDirectX SDK関連ドキュメントでは、XInput 1.3を含む旧DirectX SDKコンポーネントはアプリケーション側が「DirectSetup」(dxsetup.exe)を通じて配布する仕組みとして説明されています。つまりXINPUT1_3.dllは本来、Microsoft公式のセットアップ機構を経由して正しいバージョン・アーキテクチャ(32bit・64bit)のものが配置される想定のファイルです。出所の分からないサイトから単体で入手したDLLが、ゲームの要求するバージョンやアーキテクチャと一致している保証はなく、安全性も確認できません。
入手したDLLをC:\Windows\System32やC:\Windows\SysWOW64へ手動でコピーする方法も避けてください。この2つのフォルダーは64bit用・32bit用のDLLが区別されており、誤ったアーキテクチャのDLLをシステムフォルダーへ置くと、最初は1本のゲームだけだった問題がほかのアプリにも広がる可能性があります。
また、XInput以外の旧DirectXコンポーネントも不足している場合、XINPUT1_3.dllだけを個別に追加しても、次はD3DX9_43.dllのような別のファイルが見つからないというエラーに変わることがあります。Microsoft公式のDirectX End-User Runtimeはこれら複数のLegacy DirectXコンポーネントをまとめて追加するため、DLLを1つずつ探すよりも合理的です。
よくある誤解Visual C++・DirectX 9を疑う前に
XINPUT1_3.dllが見つかりませんというエラーだけが出ている場合、Visual C++ Redistributableを最初に修復する優先度は高くありません。XINPUT1_3.dllはMicrosoftがLegacy DirectX SDKのXInput 1.3コンポーネントとして提供しているファイルで、Visual C++とは別の仕組みだからです。Visual C++を疑いやすいのは、VCRUNTIME140.dllやMSVCP140.dllのようにVisual C++ Runtime関連のファイル名が表示されている場合で、こちらの原因と直し方は別記事で詳しく解説しています。
「XINPUT1_3.dllは古いDirectX 9世代のファイルだから、DirectX 9そのものを入れ直す必要がある」と考える必要もありません。前述の通り、Microsoft公式のDirectX End-User Runtimeは現在のWindows DirectX Runtimeを変更しないため、Windows 11のDirectX 12を削除・ダウングレードすることにはなりません。必要なのは「DirectXを古いバージョンに戻す」ことではなく、「古いゲームが必要とする追加コンポーネントをMicrosoft公式から入れる」ことです。
起こりやすいタイミングWindows再インストール後に古いゲームだけ動かなくなった場合
Windowsを再インストールする前は正常に起動していた古いSteamゲームが、Windows 11をクリーンインストールした後だけXINPUT1_3.dllエラーになることがあります。このケースでは、以前のWindows環境ではLegacy DirectX Runtimeが導入済みだったものの、新しいWindows環境にはまだ入っていない可能性があります。
Windows 11には最新のDirectXが含まれていますが、Microsoftが提供しているのはXInput 1.3などの旧DirectX SDKコンポーネントを別パッケージとして追加する仕組みです。ゲームのインストールフォルダーを別ドライブからそのまま引き継いでも、Windows側にインストールされていたランタイムまで自動的に引き継がれるわけではありません。この場合はゲームを大容量のまま再ダウンロードする前に、Microsoft公式のDirectX End-User Runtimeを先に確認してください。
それでも直らない場合ゲームの再インストールは最後でよい
Microsoft公式のDirectX End-User Runtime自体がインストールできない場合は、先にWindows Updateを確認してください。保留中の更新が残っている状態では、インストーラーが正しく動作しないことがあります。更新を適用してWindowsを再起動したあと、DirectX End-User Runtimeをもう一度実行します。
XINPUT1_3.dllがWindows側に不足しているのであれば、ゲーム本体を何度アンインストール・再インストールしても改善しない可能性があります。ゲーム本体とDirectXランタイムは別の仕組みだからです。まずゲームファイルの整合性を確認し、次にMicrosoft公式のDirectX End-User Runtimeをインストールし、それでも特定の1本だけ起動しない場合に、そのゲーム本体の再インストールを検討してください。
FAQよくある質問
XINPUT1_3.dllエラーになります。「XINPUT1_3.dllが見つかりません」というエラーは、Windows 11のDirectXが古いことを意味しません。Microsoft公式によるとWindows 10・Windows 11には最新のDirectXがすでに含まれていますが、DirectXのバージョン番号はコア機能のみを指し、XInput 1.3のようなオプションコンポーネントの有無までは示していません。
XInput 1.3は2010年6月のLegacy DirectX SDKで最後に配布された再配布コンポーネントで、Windows 8以降にOS標準搭載されているXInput 1.4とは別物です。対処するときは、まずPCを再起動し、Steamならゲームファイルの整合性を確認したうえで、Microsoft公式のDirectX End-User Runtimeをインストールしてください。非公式サイトからXINPUT1_3.dllだけをダウンロードし、System32やSysWOW64へ手動でコピーする方法は避けてください。
このパッケージを入れてもWindows 11のDirectX 12が古いバージョンへ戻ることはありません。D3DX9_43.dllなど別の旧DirectX DLLも同時に見つからない場合があるため、Microsoft公式ランタイムで必要なコンポーネントをまとめて追加するのが確実です。
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