AMD Radeonドライバートラブル診断 / atikmdag・amdkmdag・amdwddmg 2026年9月更新
atikmdag.sys(AMD Radeon)が応答を停止する原因と直し方amdkmdag・amdwddmgという現行ドライバーでの表記違いも解説
Radeon使用中にゲーム画面が一瞬暗転し、「ディスプレイドライバー atikmdag.sys が応答を停止したため、正常に動作するよう回復されました」という通知が出ることがあります。ただし検索でこのエラーメッセージにたどり着いた人のうち、実際に自分の画面へ表示されているのは atikmdag ではなく別の名前だった、というケースが少なくありません。
現行ドライバーでの表記違いを解説 AMD公式ツールの使い分け 原因を優先順位順に切り分け
Radeon使用中にゲーム画面が一瞬暗転し、「ディスプレイドライバー atikmdag.sys が応答を停止したため、正常に動作するよう回復されました」という通知が表示されることがあります。ただし検索でこのエラーメッセージにたどり着いた人の中には、実際に自分の画面に表示されているのが atikmdag ではなく、別の名前だったというケースが少なくありません。
この通知の正体は、WindowsのTDR(Timeout Detection and Recovery)という保護機能がGPUの応答遅延を検知し、ドライバーをリセットして画面を復旧させた記録です。仕組み自体はGPUベンダーを問わず共通ですが、AMD Radeon環境では、特定バージョンの既知不具合、OC・Tuning設定の不安定化、AMD公式が用意しているCleanup UtilityやFactory Resetといった対処ツールの使い分けなど、AMD特有の切り分けポイントがあります。
この記事では、まず現行のAdrenalin Editionでドライバー名の表記がどう変わるのかを整理したうえで、AMD環境で疑うべき原因を優先順位順に並べ、AMD公式ツールの違いを踏まえた対処法をまとめます。今すぐ対処法だけ知りたい場合は「対処法を優先順位で試す」 まで読み進めてください。
! 「atikmdag.sys」と表示されない場合も、この記事の対象です 「atikmdag.sys」は検索で見かける機会が多い表記ですが、これはATI Technologies買収時代の名残で、GCNアーキテクチャ以前を含む古い世代のRadeonで長く使われてきた内部名です。当サイトで確認した範囲では、現行のRDNA2/3/4世代(RX 6000/7000/9000シリーズ)向けAMD Software Adrenalin Editionでは、イベントビューアーの表示がamdkmdagまたはamdwddmgになっているケースが多く見られます。読み進める前に、まずご自身のイベントビューアーに実際に表示されている名前(atikmdag・amdkmdag・amdwddmgのいずれか)を確認してください。どの表記であっても、この記事で扱う切り分けの考え方は共通です。
表記の違い atikmdag・amdkmdag・amdwddmgの見分け方
「ディスプレイドライバーが応答を停止したため、正常に動作するよう回復されました」という通知は、Windows本体のグラフィックスカーネルが発行する共通のTDR復旧メッセージで、文中のドライバー名の部分だけがGPUベンダーや世代によって変わります。AMD Radeon環境では、この部分にatikmdag・amdkmdag・amdwddmgのいずれかが入っているケースが確認できます。
atikmdagは古い世代のRadeonで見られる表記 「atikmdag」はATI Technologies買収時代からの名称です。実際に検索で見つかるatikmdag関連のトラブル報告は、Radeon HD 6000番台など2010年代前半のフォーラム投稿に集中しており、GCNアーキテクチャ以前を含む古い世代の環境で使われてきた表記だとみられます。
amdkmdag・amdwddmgは現行のAdrenalin環境で報告例が多い Microsoft Q&Aやcommunity.amd.comなど、比較的新しい投稿では「amdwddmg stopped responding」「amdkmdag stopped responding」という表記のスレッドが目立ちます。当サイトのイベントID 4101の解説記事 でも、AMD環境のTDR復旧通知は主にamdwddmg、環境によってはamdkmdagという名前で記録されることを確認しています。
3つが同一ファイルの新旧名称か、世代ごとの別ファイルかは断定できない AMD公式のドキュメントで、atikmdag・amdkmdag・amdwddmgの関係を明確に説明した一次資料は見つかっていません。ATIブランドからAMD Radeonブランドへの移行にともなって内部名が変わったとみられる状況証拠はありますが、この記事ではその関係を断定せず、まず自分の環境で実際に表示されている名前を確認したうえで先に進むことをおすすめします。
出典:Microsoft Q&A「Bug Report: Display driver amdwddmg stopped responding」 、Microsoft Q&A「Display driver amdkmdag stopped responding」 、Tom’s Hardware Forum「BSOD – atikmdag.sys – Can’t identify solution」 。
正体 TDRが働いた結果であり、GPU故障の証拠ではない
ドライバー名の表記に関わらず、この通知自体はWindowsに標準搭載されたTDR(Timeout Detection and Recovery)という保護機能が働いた結果です。GPUへの処理がデフォルトで2秒以内に完了しないと、Windowsが応答停止と判断してドライバーを再初期化し、画面を復旧させます。1分間に5回以上発生すると、6回目でブルースクリーンに発展する仕様になっています。
TDRの仕組み自体はGPUベンダーを問わず共通のため、この記事では改めて詳しく解説しません。既定のタイムアウト値やレジストリキーの扱いまで知りたい場合は「ディスプレイドライバーが応答を停止」の原因と直し方 を、イベントビューアーに残るイベントID 4101の一般的な見方はイベントID 4101の解説記事 を参照してください。この記事では、AMD環境に固有の原因と、AMD公式が用意している対処ツールに絞って解説します。
原因 AMD環境で疑うべき原因を優先順位で切り分ける
TDRの発動そのものは症状であって原因ではありません。AMD Radeon環境で確認しやすい順に、疑うべき候補を並べます。
特定ドライバーバージョンの既知不具合 AMD Software Adrenalin Editionでは、特定のバージョンと特定のゲームタイトルの組み合わせでクラッシュが起きることがあります。直近では2026年8月公開のAdrenalin 26.8.1で、Radeon RX 9000シリーズの『Starfield』がAMD公式の既知の問題として、Radeon RX 9070 XTの『Apex Legends』が運営調査中の不具合としてそれぞれ報告され、どちらも26.7.1への一時的なロールバックが案内されました。経緯と対処法はAdrenalin 26.8.1の既知の問題まとめ で詳しく解説しています。自分の環境が対象かどうかを確かめる最も確実な方法は、AMD公式サイトで使用中のドライバーバージョンのリリースノートを開き、「Known Issues」の項目を使用しているゲームタイトルで検索することです。
GPUのオーバークロック・アンダーボルトの不安定化 AMD Software Adrenalin Editionの「Tuning」タブ(旧Wattman)でクロックや電圧を調整している場合、負荷の高い場面でだけ不安定になっていることがあります。自動OC機能を含め、まず定格設定に戻して再現するかを確認するのが最初の切り分けです。
VRAM(メモリクロック)のオーバークロック コアクロックだけでなくメモリクロックを上げている場合も、TDRの引き金になることがあるとされています。GPU本体のOCと切り離して、まずメモリクロックだけを定格へ戻して比較すると原因を絞り込みやすくなります。
電源ユニットの容量不足・補助電源コネクタの接触不良 GPUへの電力供給が瞬間的に不足すると処理が不安定になり、ハングにつながることがあります。補助電源コネクタを一度抜き差しし、電源ユニットの容量がGPUの要求に対して余裕があるかも確認してください。
GPU温度とサーマルスロットリング 冷却が著しく不足すると処理が遅延し、タイムアウトの一因になり得ます。適正温度の目安と下げる方法はGPU温度ガイド で詳しく解説しています。
VRAM容量そのものの不足 高解像度テクスチャやレイトレーシングを使う場面に限って発生し、設定を下げると改善する場合は、VRAM容量が足りていない可能性があります。エラーの文言別に整理したVRAM不足の診断チャート から該当する症状を確認してください。
対処法 対処法を優先順位で試す
原因の見当がつかない場合は、実行のハードルが低く元に戻しやすい順に試すのが効率的です。
OC・アンダーボルト設定を工場出荷時へ戻す AMD Software Adrenalin Editionの「Tuning」タブでクロックや電圧を調整している場合は、まずすべて初期値に戻します。個別に戻すのが手間な場合は、後述のFactory Reset機能を使うと設定全体を一括で初期化できます。
AMD公式インストーラーで通常の再インストール・更新を試す 常駐アプリを終了したうえで、AMD公式サイトから最新のドライバーを入手し、通常のインストールまたは上書き更新を行います。更新直後から発生し始めた場合は、この時点で最新版が原因かどうかの見当がつきます。
直前のドライバーバージョンへロールバックする 特定バージョンの既知不具合が疑われる場合は、この手順を優先してください。デバイスマネージャーでRadeonアダプターのプロパティを開き「ドライバーを元に戻す」を選ぶ方法か、AMD公式サイトから旧バージョンのインストーラーを手動でダウンロードする方法があります。旧バージョンへ戻す際は、次で説明するAMD Cleanup UtilityをAMD公式が推奨しています。
AMD Cleanup UtilityまたはDDUでクリーンインストールする 通常の再インストールで改善しない場合や、ロールバック後も設定の競合が疑われる場合は、AMD公式のAMD Cleanup Utilityでドライバー一式を完全に削除してから入れ直します。より踏み込んだ削除が必要な場合はDDUも選択肢です。詳しい手順はGPUドライバーのクリーンインストール手順 を参照してください。
電源・温度・PCIe接続を確認する 補助電源コネクタの抜き差し、GPU温度の確認、GPUの挿し直しといった基本的な確認です。TDR全般に共通する切り分け方はTDRの仕組みと直し方の解説 にまとめています。
AMDは、ドライバーそのものを削除するツールと、ソフトウェア側の設定だけを初期化する機能を別々に用意しています。どちらを使うべきかは、疑っている原因の場所によって変わります。
AMD Cleanup Utility ドライバー本体を削除する公式ツール インストール済みのAMDグラフィックス・オーディオドライバーと関連ソフトウェア、レジストリ、ドライバーストアを削除する単体の実行ファイルです。AMDチップセットドライバーは削除・変更しません。AMD公式は旧バージョンへダウングレードする際にこのツールの使用を推奨しており、より確実に削除するにはWindowsのセーフモードで実行することをすすめています。ドライバーのバージョンを入れ替える、あるいは通常の再インストールで改善しない場合に使います。
Factory Reset ドライバーはそのままソフト側の設定だけ初期化 AMD Software Adrenalin Edition内の機能で、Tuning(Wattman)・ディスプレイ・グローバル3D設定などアプリ側のユーザー設定を初期値に戻します。ドライバー自体の再インストールは不要です。OC・アンダーボルトの設定が積み重なって不安定になっている、あるいはどこを変更したか分からなくなった場合に有効です。実行前に現在の設定をSnap Settings機能でエクスポートしておくと、あとで見比べられます。
出典:AMD公式サポート記事「AMD Cleanup Utility」(GPU-601) 、AMD公式サポート記事「Snap Settings and Factory Reset」(DH3-003) 、AMD Software: Adrenalin Edition 26.8.1 Driver Release Notes 。
確認方法 イベントビューアーで実際の表記を確認する
Windowsキーを押して「イベントビューアー」と検索し、「Windowsログ」→「アプリケーション」を開きます。ソースを「Display」、イベントIDを「4101」で絞り込むと、説明欄に「Display driver ○○ stopped responding and has successfully recovered.」という一文が見つかります。○○の部分に入っているのが、実際に確認すべきドライバー名です。
あわせて、Windowsログの「システム」側にAMDドライバー自身が記録する個別のイベントが残っていないかも確認してください。NVIDIA環境のnvlddmkmほど広く知られたイベントID体系はAMD側には確認できていませんが、同時刻に別のエラーが記録されていれば切り分けの手掛かりになります。
FAQ よくある質問
atikmdag.sysと表示されないのですが、この記事の内容は当てはまりますか
はい。現行のRDNA2/3/4世代(RX 6000/7000/9000シリーズ)のAdrenalin Editionでは、amdkmdagやamdwddmgという表記で記録されることが多く確認されています。表記が違っても、この記事で扱う切り分けの考え方は共通です。
amdkmdagとamdwddmg、どちらが正しい表記ですか
どちらも現行のAMD環境で確認されている表記で、優劣や新旧の関係は明確になっていません。ご自身のイベントビューアーに実際に表示されている名前をそのまま使って問題ありません。
NVIDIA GPU使用中でnvlddmkmと表示されました
AMD Cleanup UtilityとDDU、どちらを先に試すべきですか
まずAMD公式のAMD Cleanup Utilityを試してください。それでも改善しない、あるいはより踏み込んだ削除が必要な場合にDDUを検討する順番がおすすめです。
まとめ 表記が違っても、まずOC設定の初期化から
まとめ
AMD Radeon環境で「ディスプレイドライバーが応答を停止した」という通知が出た場合、メッセージ内のドライバー名はatikmdag・amdkmdag・amdwddmgのいずれかになります。atikmdagは古い世代のRadeonで見られる表記で、現行のAdrenalin環境ではamdkmdagやamdwddmgという表記が多く確認されています。どの表記であっても、これはTDRが働いた結果であり、単体でGPU故障を示す診断コードではありません。
原因を探すときは、特定バージョンの既知不具合をAMD公式のリリースノートで確認したうえで、OC・アンダーボルト設定を工場出荷時へ戻し、電源・温度・PCIe接続を確認する順番が近道です。設定の初期化にはFactory Reset、ドライバー本体の入れ替えにはAMD Cleanup UtilityまたはDDUというように、AMD公式が用意しているツールを目的別に使い分けてください。
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