ZALMAN「Z20 DS」発表、15.6型液晶を取り外してサブモニター化|Z10 DSからの変更点とGPUクリアランス縮小に注意
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15.6型液晶を取り外してサブモニター化、GPUクリアランスはZ10 DSより縮小
出典:ZALMAN公式 Z20 DS製品ページ / 株式会社アスク公式 Z10 DS製品ページ / 価格.com Z10 DS製品ページ(いずれも2026年9月2日確認)にもとづきます。
液晶ディスプレイをフロントパネルに内蔵したPCケースは、電源を入れたまま推し画像や配信レイアウトを表示できる一方、グラフィックボードやCPUクーラーとの干渉がどこまで許容されるのか分かりにくいジャンルです。ZALMANの「Z10 DS」はすでに国内で流通していますが、後継モデルが出るとなると、単純に「新しい方が良い」で済ませてよいのか、外形寸法が変わればクリアランスにも影響が出るのではないかという点が気になります。
ZALMAN(韓国本社)は現地時間2026年9月1日、この着脱式液晶ケースの新モデル「Z20 DS」を発表しました。一部の海外メディアでは「フルタワー」と紹介されていますが、ZALMAN公式サイトの製品ページには”ATX Mid-Tower Computer Case”と明記されており、パンくずリストの分類も「MID TOWER」です。実際はZ10 DSと同じATXミドルタワーで、液晶の応答速度短縮、フロントファンの140mm化、六角形の通気孔を持つ交換用フロントパネルの追加など、ケースとしての基本仕様は大きく現代化されています。
この記事では、ZALMAN公式とアスク公式それぞれの製品ページに掲載された数値を突き合わせ、Z10 DSからの変更点をディスプレイ・冷却/拡張性・パーツクリアランスの3軸で整理します。特にグラフィックボードの有効クリアランスは395mmから375mmへ、CPUクーラーの全高上限も173mmから165mmへと、ケース本体のサイズは大きくなっているにもかかわらず内部の余裕はむしろ縮小している点は見落とされがちです。国内発売日・価格が本記事執筆時点でまだ未発表という現状と、値下がりして買いやすくなっている現行Z10 DSを今から選ぶ余地があるかどうかも合わせて解説します。
目次
要点Z20 DSはどんなPCケースか
Z20 DSは、フロントパネルに15.6型フルHD液晶(パネル型番ZM-MF156)を内蔵したATXミドルタワーケースです。外形寸法は幅235×奥行475×高さ492mm、重量9.7kg。対応フォームファクタはATX・MicroATX・Mini-ITXで、ドライブベイは3.5/2.5インチ共用ベイ×2と2.5インチ専用ベイ×1、拡張スロットは7段(うち3段は垂直設置にも対応)です。電源ユニットは最大200mmまで対応します。I/Oポートはヘッドセット・マイク兼用のHDオーディオ端子、USB 3.0×2、そして20Gbps対応(USB 3.2 Gen 2×2)のUSB Type-C×1を備え、ASUS BTFやGIGABYTE Project STEALTHといった背面コネクター(リバースコネクター)マザーボードに正式対応します。
ZALMANはこれまでも「Z9 Iceberg」など前面ガラスを多用したケースを展開してきましたが、Z20 DSで前面に出しているのは、着脱式液晶という個性的な機能をどこまで実用の水準に引き上げたかという点です。次のセクションから、Z10 DSとの具体的な違いを見ていきます。
表示ディスプレイの応答速度が30msから12msへ短縮
フロントパネルの液晶は、視野角170°・輝度250cd/m²・コントラスト比1,000:1・リフレッシュレート60Hz・色域NTSC45%/sRGB62%と、実はZ10 DSの付属ディスプレイとまったく同じ数値です。ケーブルもHDMI-miniHDMI(映像用)とUSB Type-A to Type-C(給電用)の組み合わせで変わりません。唯一異なるのが応答速度で、Z10 DSの30msからZ20 DSでは12msへと半分以下に短縮されています。
興味深いのは、両社の公式スペック表を見比べると、この液晶パネルの型番自体が「ZM-MF156」でZ10 DSと共通している点です。解像度・輝度・視野角・コントラスト比・色域が一致していることも踏まえると、パネルそのものが世代交代したというより、同じ型番のパネルの中でも応答速度に優れた個体・仕様へ更新された可能性が高いといえます。とはいえ、12msという数値はあくまでケース内蔵ディスプレイとしての実用上の目安です。240Hz対応や1ms未満の応答速度をうたうゲーミングモニターと同列に考えるものではなく、壁紙やDiscord、モニタリングツールの表示用と捉えるのが妥当です。
拡張冷却・拡張性はどう進化したか
標準搭載ファンは、フロントが2×120mm(非LED)から2×140mmへ大型化し、リアは2×120mm(ARGB)から2×120mm(ブラック、非LED)に変わっています。増設可能なファン構成は、トップが3×120mmまたは2×140mm、サイドが3×120mm、ボトムが3×120mmで、ZALMAN公式は「最大12基のファンに対応」と明記しています。Z10 DSの公式値である「最大11基」と比べると、トップの最大構成は同じ2×140mm/3×120mmですが、サイドとボトムがそれぞれ2基から3基へ1基ずつ増えており、この積み上げが総数の差になっています。
一方でフロントの最大搭載数は、Z10 DSの「140/120mm×3」からZ20 DSでは「120mm×2または140mm×2」へと、むしろ3基から2基に減っています。標準搭載ファンが2基のまま大型化された分、フロント面の増設余地そのものは狭くなっている点は見落とされがちです。
ドライブベイも、Z10 DSのコンボベイ×2+2.5インチ×2(合計4)から、Z20 DSではコンボベイ×2+2.5インチ×1(合計3)へと、2.5インチ専用ベイが1つ減っています。SSDやHDDを複数台搭載する予定がある人は、この点も確認しておくとよいでしょう。
前面には六角形の通気孔を備えた交換用フロントパネルが付属し、液晶を装着せずに使う場合はこちらへ差し替えることで、より高いエアフローを狙う構成にも切り替えられます(詳しくは後述します)。I/Oまわりでは、USB Type-Cが20Gbps(USB 3.2 Gen 2×2)対応の映像・データ用として実装され、給電専用だったZ10 DSのType-Cから性格が変わりました。加えて、ASUS BTFやGIGABYTE Project STEALTHのような背面コネクターマザーボードに正式対応し、マザーボードトレー背面から電源・データケーブルを取り回せる専用の配線口も備えています。拡張スロット数(7段、うち3段は垂直設置対応)や電源ユニットの最大長(200mm)はZ10 DSから変わっていません。
注意グラフィックボード・CPUクーラーのクリアランスは逆に縮小
外形寸法はZ10 DSの幅220×奥行474×高さ488mmから、Z20 DSでは幅235×奥行475×高さ492mmへと、幅で15mm・高さで4mm・奥行きで1mm大きくなり、重量も9.5kgから9.7kgへ増えています。それにもかかわらず、有効クリアランスはグラフィックボードが395mmから375mmへ20mm、CPUクーラーの全高上限が173mmから165mmへ8mm、それぞれ小さくなっています。背面コネクターマザーボード対応の配線スペースや140mmファン化による前面部品の厚みなどが影響している可能性はありますが、ZALMAN公式はクリアランス縮小の理由を明言していません。
375mmという数値自体は依然として大半のグラフィックボードに対応する余裕がありますが、RTX 5090・5080クラスの大型OCモデルの中には340mmを超えるカードも珍しくありません。同様に、165mmという全高上限は大型の空冷ツインタワークーラーにとって決して余裕のある数値ではなく、Z10 DSでは173mmまで収まっていた組み合わせが、Z20 DSでは収まらなくなる可能性があります。大型グラフィックボードや大型空冷クーラーを使う予定がある場合は、公式スペックを鵜呑みにせず、手元のパーツの実測値とZALMANが公開する数値を購入前に必ず突き合わせてください。
転用液晶を外して高エアフローケースとして使う
Z20 DSの液晶パネルは専用スタンドに立てることで、ケースから完全に切り離して単体のサブディスプレイとして使えます。ZALMAN公式も「付属のディスプレイスタンドにより、着脱式の15.6型フルHD液晶をケースから独立して使用でき、作業・エンターテインメント・システムモニタリングの用途で柔軟性が高まる」と説明しています。液晶パネル単体の寸法は幅220×高さ367×奥行26mm、重量1,170gで、取り外し・再装着もそれほど大がかりな作業にはなりません。
液晶を外した状態のフロントパネルは、六角形の通気孔を備えた交換用パネルに差し替えられます。ZALMAN公式はこのパネルについて「際立った六角形の通気パターンにより、優れたエアフローと洗練された外観を両立する」としており、液晶をサブモニターとして机の上に置きつつ、ケース側は高エアフロー構成の一般的なミドルタワーとして運用する、という使い方が可能になっています。フロントの見た目や機能を一つのケースで使い分けたい人にとっては、Z10 DS以上に実用性の高い設計です。
比較Z10 DSとのスペック比較
ZALMAN公式・アスク公式それぞれの数値をそのまま並べると、次のようになります。
| 項目 | Z20 DS | Z10 DS |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ATX Mid Tower | ATX Mid Tower |
| 国内発売時期 | 未発表(2026年9月2日時点) | 2024年11月1日 |
| 外形寸法(W×D×H) | 235×475×492mm | 220×474×488mm |
| 重量 | 9.7kg | 約9.5kg |
| GPUクリアランス(最大) | 375mm | 395mm |
| CPUクーラー全高(最大) | 165mm | 173mm |
| フロント標準ファン | 140mm×2 | 120mm×2(非LED) |
| フロント最大ファン数 | 120/140mm×2 | 120/140mm×3 |
| 対応ファン総数(公式値) | 最大12基 | 最大11基 |
| ディスプレイ応答速度 | 12ms | 30ms |
| 視野角/輝度/コントラスト/色域 | 170°/250cd/m²/1000:1/NTSC45%・sRGB62% | 同左(共通) |
| フロントUSB | Type-C×1(20Gbps)+USB3.0×2 | Type-C×1+USB3.0×2 |
数字だけを追うと「新しい方が全部上」に見えがちですが、フロントの最大ファン数(3→2)やドライブベイ(4→3)のようにZ20 DSで減っている項目もあり、単純な上位互換ではありません。ディスプレイの応答速度短縮、140mmファン化、USB Type-Cの20Gbps対応、背面コネクターマザーボード対応といった明確な進化点と、GPU・CPUクーラーのクリアランス縮小という明確なトレードオフが同居しているモデルと捉えるのが実態に近いといえます。
価格国内発売・価格はどうなるか
前モデルのZ10 DSは、株式会社アスク(東京都千代田区)が国内正規代理店として2024年11月1日に発売しました。Z20 DSについては、この記事を書いている2026年9月2日時点で、ZALMAN公式サイト・アスク公式サイトのいずれにも国内発売日・国内価格の発表は見当たりません。海外での発表からどの程度の時間差で国内発売に至るかはZ10 DSの前例だけでは判断できないため、現時点では「未発表」以上のことは言えない状況です。国内代理店から発表があり次第、本記事を更新します。
現行今Z10 DSを買うのはありか
Z10 DSは発売から2年近くが経ち、価格.comの最安価格は2026年9月2日時点で26,170円まで下がっています。Z20 DSの国内発売日・価格が未定であることを踏まえると、着脱式液晶ケースを今すぐ組みたい人にとって、Z10 DSは現実的な選択肢として残っています。
特に、大型のグラフィックボードや空冷CPUクーラーを使う予定がある場合は、GPUクリアランス395mm・CPUクーラー全高173mmというZ10 DSの数値の方が、Z20 DSの375mm/165mmより余裕があります。応答速度30msの液晶やUSB Type-Cの給電専用という仕様に不満がなければ、無理にZ20 DSの国内発売を待つ必要はありません。逆に、液晶の応答速度や140mmファン化、背面コネクターマザーボード対応といった進化を重視するなら、Z20 DSの国内発売・価格の発表を待つのが妥当です。
早見表気にしておきたい人・様子見すべき人
- 着脱式液晶をフロントの見た目だけでなく、サブモニターとしても活用したい人
- 応答速度12msへの短縮や140mmファン化など、Z10 DSからの進化を求める人
- ASUS BTF・GIGABYTE Project STEALTHなど背面コネクターマザーボードを使う予定がある人
- 六角形通気孔パネルへ差し替えて、高エアフロー運用にも切り替えたい人
- RTX 5090・5080クラスの大型OCグラフィックボードを使う予定で、375mmのクリアランスに不安がある人
- 全高165mmを超える大型空冷CPUクーラーをすでに持っている人
- 国内発売日・価格が判明してから購入を判断したい人
- 今すぐ着脱式液晶ケースが欲しく、価格が確定しているモデルを選びたい人(Z10 DSが選択肢になります)
Q&Aよくある質問
まとめ進化と引き換えにクリアランスが縮んだ後継モデル
ZALMANの新型PCケース「Z20 DS」は、現地時間2026年9月1日に発表されました。ATXミドルタワーというケースタイプはZ10 DSと変わらず、着脱式15.6型液晶の応答速度が30msから12msへ短縮され、フロントファンの140mm化、USB Type-Cの20Gbps対応、ASUS BTF・GIGABYTE Project STEALTHといった背面コネクターマザーボードへの正式対応など、ケースとしての基本仕様は着実に進化しています。
一方で、グラフィックボードのクリアランスは395mmから375mmへ、CPUクーラーの全高上限は173mmから165mmへと、いずれも縮小しています。ケース本体の外形寸法はむしろ大きくなっているだけに、大型パーツを検討している場合はこの点を見落とさないようにしてください。
国内発売日・国内価格は本記事執筆時点(2026年9月2日)でまだ発表されていません。着脱式液晶ケースを今すぐ組みたい場合は、価格.comで26,170円まで値下がりしている現行モデル「Z10 DS」も現実的な選択肢です。国内代理店からの発表があり次第、この記事を更新します。




