DDR5は1枚だけ買って後から増設しても大丈夫?1枚挿しと2枚挿しのゲーム性能差は平均8〜11%・最大17%で判明【2026年版】
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「とりあえず16GBだけ挿しておけばいい」は半分正解、半分不正解です
DDR5メモリの価格を少しでも抑えるために、最初は16GBまたは32GBを1枚だけ購入し、後から同じメモリを追加しようと考えている人は少なくないはずです。BTOゲーミングPCでも、価格を安く見せるために16GB×1枚や32GB×1枚という構成が採用されることがあり、スペック表の「16GB DDR5」という表記だけでは中身が1枚なのか2枚なのか分からないケースもあります。
結論から言えば、DDR5は1枚挿しでもWindowsやPCゲームを問題なく動かせます。ただし1枚挿しではCPUが持つ2つのメモリチャネルのうち一方しか使えないため、帯域が狭くなり、基本的には同容量のメモリを2枚組み合わせた方が高いゲーム性能を得られます。2026年7月に公開された13ゲームの検証では、2枚挿しから1枚挿しに減らすことで、通常のRyzenやIntel Coreでは平均8〜11%、Ryzen 7 9800X3Dでは平均2.8%性能が低下しました。
本記事では、この検証記事の数値を実際の記事本文と照合したうえで、CPU別・ゲーム別の性能差、DDR5の内部構造とありがちな誤解、1枚挿しがデュアルチャンネルDDR4を上回るケース、後から同じメモリを追加する際の注意点、BTOゲーミングPCで1枚挿し構成を選ぶ際の確認ポイントまで、購入判断に必要な情報を一冊にまとめました。
目次
結論1枚挿しでもゲームは動く、ただし新規購入なら2枚組が有利
DDR5メモリを1枚だけ取り付けたゲーミングPCでも、PCゲームは問題なく起動できます。一時的な予算不足や、将来的に64GBへ増設することを前提に32GBを1枚だけ購入する選択肢自体は成立します。しかし、最終的に32GBで使用する予定なら、32GB×1枚より16GB×2枚のメモリキットを選ぶ方がおすすめです。2枚挿しではCPUに搭載された2つのメモリチャネルを両方使えるため、1枚挿しより広い帯域を確保でき、CPUやメモリへの依存度が高いゲームでは平均fpsだけでなく最低fpsやフレームタイムにも差が出る可能性があります。
後から購入したメモリが既存のメモリと必ず安定して動くとは限りません。Corsairの公式サポートは、同じ型番であっても異なるキットのメモリを組み合わせると安定性の問題が発生する可能性があるとして、同じキットに含まれるメモリの使用を推奨しています。G.SKILLのFAQも、複数のメモリキットを混在させた場合の互換性は保証していません。
実測データCPU別に見る1枚挿しの性能低下率
2026年7月に公開された13ゲームの検証記事では、GeForce RTX 5090 Founders Editionを使用し、フルHDのHigh〜Ultra設定で13本のゲームが測定されています。GPU性能を高くしてGPU側のボトルネックを減らし、CPUとメモリ構成の差が表れやすい条件です。AMD環境ではDDR5-6000、Intel環境ではDDR5-7200が使用され、どちらもEXPOまたはXMPが有効化されています。単体構成は16GBのDIMM1枚、デュアル構成は同じ16GB DIMMを2枚使った合計32GBで比較されています。
2枚挿しから1枚挿しへ変更した際の13ゲーム平均性能低下率
| CPU | プラットフォーム | 平均性能低下率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Ryzen 5 7600X | AM5 / DDR5-6000 | -10.9% | 検証CPUの中で最も低下幅が大きい |
| Core Ultra 7 270K Plus | LGA1851 / DDR5-7200 | -8.7% | Arrow Lake Refresh世代 |
| Core i5-14600K | LGA1700 / DDR5-7200 | -8.3% | Raptor Lake世代 |
| Ryzen 7 9800X3D | AM5 / DDR5-6000 | -2.8% | 3D V-Cache搭載で影響が最小 |
出典:海外の検証記事(2026年7月公開)。RTX 5090・フルHD High〜Ultra・16GB×1と16GB×2(合計32GB)の比較・EXPO/XMP有効時の13ゲーム平均値。
通常のRyzenやIntel Coreでは、1枚挿しによって平均8〜11%程度のゲーム性能を失う可能性があると考えられます。一方でRyzen 7 9800X3Dは、平均性能の低下が2.8%にとどまりました。ただし9800X3Dなら必ず差が3%未満に収まるわけではなく、後述するようにタイトルによっては6%を超える差が出ているため、X3D系CPUでも基本的には2枚挿しが推奨されます。
ゲーム別差タイトルによっては最大17%以上性能が変わる
DDR5の1枚挿しによる影響は、ゲームごとに大きく異なります。メモリへのアクセスが多いゲームや、CPUが大量のデータを処理するゲームほど1枚挿しの影響を受けやすく、反対にGPU負荷が高いゲームやCPU内のキャッシュにデータが収まりやすいゲームでは差が小さくなる傾向があります。
| ゲームタイトル | CPU | 1枚挿し時の性能低下率 |
|---|---|---|
| DOOM: The Dark Ages | Ryzen 5 7600X | -17.3% |
| DOOM: The Dark Ages | Core Ultra 7 270K Plus | -14.0% |
| DOOM: The Dark Ages | Ryzen 7 9800X3D | -4.2% |
| Starfield | Core i5-14600K | -10.6% |
| Starfield | Ryzen 7 9800X3D | -1.6% |
| Counter-Strike 2 | Core i5-14600K | -5.9% |
| 007 First Light | Core Ultra 7 270K Plus | -8.9% |
| 007 First Light | Core i5-14600K | -7.9% |
| 007 First Light | Ryzen 7 9800X3D | -6.5% |
DOOM: The Dark Agesでは、1枚挿しにすることでRyzen 5 7600Xの平均性能が17.3%、Core Ultra 7 270K Plusが14.0%低下しました。同じゲームでもRyzen 7 9800X3Dの低下は4.2%に抑えられています。Starfieldでは、Core i5-14600Kの平均性能が10.6%低下した一方、Ryzen 7 9800X3Dでは1.6%の低下にとどまりました。反対にCounter-Strike 2では、600fpsを超えるような測定条件でも差は比較的小さく、最も影響を受けたCore i5-14600Kで5.9%の低下となっています。
キャッシュ効果Ryzen X3Dで影響が小さくなる理由
高価なX3D系CPUの性能を最大限に引き出したい場合は、DDR5メモリも2枚挿しで使用するのが基本です。せっかく3D V-Cache搭載CPUを選んでも、メモリ構成を妥協すると本来の性能を出し切れないゲームが一定数存在します。
アーキテクチャDDR5に内蔵された2つのサブチャネルとは
DDR5は、1枚のメモリモジュールが2つの独立した32ビットサブチャネルに分割されています。DDR4の一般的なメモリモジュールは1本の64ビットチャネルとしてデータを扱っていましたが、DDR5では64ビットのデータ幅を32ビットずつに分け、それぞれが独立して処理できるようにしています。Kingstonの公式解説も、DDR5がモジュールを2つの独立した32ビットサブチャネルへ分割することで、メモリコントローラーのデータアクセス効率を高めていると説明しています。
世代間比較1枚挿しDDR5がデュアルチャンネルDDR4を上回るケースもある
同じ検証記事では、DDR5を1枚だけ使用したCore i5-14600Kが、DDR4をデュアルチャンネルで使用した同CPUを複数のゲームで上回りました。
ただし、この結果だけで「DDR5なら1枚で十分」と判断するのは危険です。検証ではDDR5-7200とDDR4-3200が使用されており、DDR5の速度が低ければデュアルチャンネルDDR4との差は縮まると考えられます。同じ検証記事でも、低速なDDR5を使用した場合は両者の差が縮小すると説明されています。同じDDR5環境で比較すれば、基本的には2枚挿しの方が高速です。
データの前提今回の検証結果を読む際に注意したい点
今回の検証結果を見る際は、1枚挿しと2枚挿しで総容量も異なる点に注意が必要です。1枚挿しは16GB×1枚の合計16GB、2枚挿しは16GB×2枚の合計32GBで測定されているため、純粋にメモリチャネル数だけを比較したテストではありません。厳密にチャネル数の差だけを測るなら、32GB×1枚と16GB×2枚のように総容量を32GBへ揃える必要があります。
この検証では、使用したゲームにおいて16GBという容量自体が大きな制限にはならなかったとされています。ただし、ゲームと同時にブラウザ、Discord、録画ソフト、配信ソフトなどを起動した場合は、16GBの容量不足による影響が加わる可能性があります。つまり16GB×1枚と16GB×2枚の差には、メモリ帯域だけでなく総容量が16GBから32GBへ増えた効果も含まれている可能性があります。一方、32GB×1枚と16GB×2枚を比較した場合は、容量不足による影響がなくなるため、今回の結果より差が小さくなるゲームもあると考えられます。
利用環境内蔵GPUと4K解像度では差の出方が変わる
増設可否後から同じメモリを追加しても問題ないか
同じメーカー、同じ型番、同じ容量、同じ速度のメモリを追加すれば、正常に動作する可能性は高いといえます。しかし、必ずXMPやEXPOの設定どおりに動くとは限りません。メモリメーカーは同じ製品を長期間販売する間に、使用するDRAMチップや基板を変更することがあり、製品ラベル上の型番やDDR5-6000 CL30といった主要仕様が同じでも内部構成が異なる場合があります。Intelの公式サポートも、異なるDIMMを同じチャネルへ取り付けた場合、想定されたメモリ速度を保証できず、速度低下や起動失敗が発生する可能性があると案内しています。
スロット位置を間違えるとデュアルチャンネルが有効にならない
2つのメモリチャネルへ同容量のメモリを取り付け、マザーボードが正常に認識すれば基本的にはデュアルチャンネルで動作します。一般的な4スロットマザーボードでは、メモリを1枚だけ使用する場合はA2、2枚使用する場合はA2とB2へ取り付けます。MSIとASUSの公式サポートでも、メモリを1枚だけ取り付ける場合はDIMM_A2、2枚の場合はA2とB2を優先する構成が案内されています。CPUに近い順にA1、A2、B1、B2と並んでいるマザーボードでは、A2はCPUから2番目、B2は4番目のスロットにあたりますが、スロットの名称や推奨位置はマザーボードによって異なる可能性があるため、取り付け前に必ずマニュアルに記載された推奨構成を確認してください。間違ったスロットへ2枚を並べて挿すと、デュアルチャンネルが有効にならなかったり、高いメモリ速度で安定しなかったりする場合があります。
容量プラン16GB×1と32GB×1はどちらを選ぶべきか
予算の都合でDDR5を1枚だけ購入する場合でも、16GB×1枚と32GB×1枚では将来の増設計画が異なります。最終的に32GBで使用するなら、16GB×1枚を購入して後からもう1枚追加するより、最初から16GB×2枚のキットを購入する方が確実です。一方、最終的に64GBが必要になる予定なら、32GB×1枚で使い始め、後から32GBを追加する構成にも一定の合理性があります。ただし、増設時の互換性を重視するなら、予算を確保して最初から32GB×2枚のキットを購入した方が安全です。
| 目標容量 | おすすめの買い方 | 後から買い足す場合の注意 |
|---|---|---|
| 32GB | 最初から16GB×2枚 | 16GB×1枚→後日16GB追加は相性リスクあり |
| 64GB | 最初から32GB×2枚が理想 | 32GB×1枚→後日32GB追加は許容範囲だが要検証 |
| 64GB超 | 32GB×2枚を推奨 | 2枚組キットを複数買い足すと4枚挿しになり速度低下 |
容量を増やすために2枚組キットを複数購入すると、4枚挿しになってメモリ速度が下がる場合があります。AMD Ryzen 9 9950Xの公式仕様でも、2枚構成ではDDR5-5600、4枚構成ではDDR5-3600が最大メモリ速度として示されています。将来的に64GBが必要になるなら、16GB×2枚を購入して後から同じキットを追加するより、32GB×2枚を選ぶ方が高いメモリ速度を維持しやすくなります。4枚挿し時の詳しい速度低下については、姉妹記事のDDR5 2枚刺し vs 4枚刺し ゲーミング実測完全ガイドでも実測データつきで解説しています。
購入前チェックBTOゲーミングPCの1枚挿し構成に注意する点
BTOゲーミングPCのスペック表に「16GB DDR5」とだけ記載されている場合は、16GB×1枚なのか8GB×2枚なのかを確認した方がよいでしょう。同様に32GBでも、32GB×1枚と16GB×2枚ではゲーム性能や将来の増設方法が異なります。外部GPUを搭載したPCなら、1枚挿しでもゲームが極端に遅くなるとは限らず、今回の検証でも通常のCPUで平均8〜11%前後、9800X3Dでは平均2.8%の低下にとどまりました。
価格が大幅に安い場合や、購入直後に自分でメモリを追加する予定がある場合は、1枚構成のBTOを選ぶ方法もあります。ただし増設を前提に購入する場合は、上記のポイントを事前に確認しておくことをおすすめします。
おすすめキット後悔しないための2枚組DDR5メモリ
ここまでの内容を踏まえると、新規にDDR5メモリを購入するなら、容量に関わらず最初から2枚組のキットを選ぶのが基本方針になります。用途別に検討しやすい2枚組キットを紹介します。
用途別 おすすめDDR5メモリキット


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よくある質問DDR5の1枚挿しと2枚挿しで気になるポイント
総評DDR5は1枚挿しで組むべきか、2枚挿しで組むべきか
DDR5メモリは1枚挿しでもWindowsやPCゲームを正常に動かせます。DDR5には1枚のモジュール内に2つの32ビットサブチャネルがあるため、DDR4の1枚挿しほど極端な性能低下は起きにくい設計です。それでも、CPU側の2つのメモリチャネルを利用するには物理的に2枚のDDR5が必要で、13ゲームの検証では1枚挿しにするとRyzen 5 7600Xで平均10.9%、Core Ultra 7 270K Plusで8.7%、Core i5-14600Kで8.3%性能が低下しました。Ryzen 7 9800X3Dは大容量L3キャッシュの効果により、平均2.8%の低下に抑えられています。
- 最終的に64GBへ増設する前提で、現在は32GB×1枚で予算を抑えたい
- 4Kなど高いGPU負荷が中心で、CPU側の性能差が出にくい環境
- Ryzen X3D系CPUを使っていて、当面は容量を優先したい
- とにかく安く動作環境を用意し、近いうちに買い足す計画が明確
- これから新規にDDR5メモリを購入する
- フルHDで高リフレッシュレートやCS2などの対戦ゲームを重視する
- 内蔵GPUでゲームをする、またはグラフィックボードを後日追加する予定
- 1% Lowやフレームタイムの安定性まで含めて性能を最大化したい
1枚挿しは、予算や将来の増設を優先するために性能を一部妥協する構成です。これから新規に購入するなら、容量に関わらず最初から2枚組のキットを選ぶのが最も後悔の少ない選び方です。最終的に32GBで使用する予定なら16GB×1枚を買い足すより最初から16GB×2枚を、64GBを見込むなら32GB×2枚を検討してください。
すでに1枚挿しで運用していて増設を検討している場合は、XMPやEXPOを無効にしたJEDEC標準速度での動作確認から始め、同じメーカー・型番でも必ず動作するとは限らないことを前提に、段階的に安定性を確認しながら進めてください。高リフレッシュレートで少しでも高いfpsを狙う場合や、CPU性能を最大限に引き出したい場合は、最初から2枚組キットを選ぶのが確実です。




