RTX 5080が約38.5万円、世界500台限定|MANLI 30周年版はRTX 5090 D v2のMSRPより高い
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MANLI 30周年版はRTX 5090 D v2のMSRPより高い
出典:VideoCardz「MANLI launches GeForce RTX 5080 30th Anniversary Edition」、NVIDIA中国公式「RTX 50シリーズ発表」、IT之家「RTX 5090 D v2発売」、Manli公式サイト会社沿革にもとづきます。人民元建て価格の円換算は2026年9月17日時点のレート(1人民元=約23.2円)によります。

MANLIが、創業30周年を記念した「Manli 30th Anniversary Edition GeForce RTX 5080 OC」を発売しました。世界500台限定という希少モデルで、中国での販売価格は16,599人民元。2026年9月17日時点の為替水準では約38.5万円に相当します。
高価なOCモデルというだけなら珍しくありませんが、この価格はNVIDIAが中国で設定したRTX 5080の発売時希望小売価格8,299人民元のほぼ2倍です。さらに、中国市場向け上位モデルであるRTX 5090 D v2の希望小売価格16,499人民元も100人民元上回ります。
それでは約2倍の価格を払えば、通常のRTX 5080より大幅に高速になるのでしょうか。スペックを詳しく確認すると、今回のモデルは単純な「超高性能RTX 5080」というより、30周年記念の専用設計や500台という希少性、独自ギミックに大きな価値を置いたコレクター向けモデルと考えた方が実態に近そうです。
目次
発売MANLIが世界500台限定のRTX 5080を発売
MANLIの中国公式サイトには「万丽30周年限定 GeForce RTX 5080 OC 16G GDDR7」として、型番「M-N508AE/D716G-M3678」が掲載されています。公式の製品情報でも世界500セット限定で、MIE(Manli Intelligent Ecosystem)関連コンポーネント、鍛造カーボンファイバー製カバー、グラフィックボードの姿勢監視機能などを備えることが案内されています。
このモデル自体は突然登場したものではありません。MANLIは2026年6月のCOMPUTEX 2026ですでに30周年記念RTX 5080を展示していました。当時の展示でもGallardoシリーズをベースとしながら、カーボン素材、30周年専用デザイン、第2世代DRS、MIEへの対応などが紹介されています。約3か月を経て、今回は500台限定という生産数と16,599人民元という具体的な価格まで明らかになった形です。
価格16,599人民元はRTX 5080の中国MSRPのほぼ2倍
NVIDIAが2025年1月に発表したRTX 5080の中国向け希望小売価格は8,299人民元でした。NVIDIA中国公式サイトにも、RTX 5080は1月30日発売、希望小売価格8,299人民元と記載されています。
今回のMANLI 30周年モデルは16,599人民元です。8,299人民元を単純に2倍すると16,598人民元なので、厳密には「ちょうど2倍」ではなく、2倍より1人民元高い価格になります。実質的にはMSRPの約2倍と考えて問題ありませんが、かなり意図的な価格設定にも見えます。
ただし、これはあくまで2025年発売時にNVIDIAが設定したMSRPとの比較です。現在のRTX 5080が世界中で8,299人民元相当で購入できるという意味ではありません。
逆転RTX 5090 D v2の希望小売価格よりも高い
さらに興味深いのが、中国市場における上位GPUとの価格関係です。NVIDIAはRTX 50シリーズ登場時、中国市場向けフラッグシップのRTX 5090 Dを16,499人民元、RTX 5080を8,299人民元に設定していました。その後、中国市場ではRTX 5090 Dに代わって24GB GDDR7を搭載したRTX 5090 D v2が登場しましたが、こちらも希望小売価格は16,499人民元に据え置かれています。MANLI自身もRTX 5090 D v2をこの価格で販売しています。
MANLI 30周年RTX 5080は16,599人民元なので、RTX 5090 D v2の希望小売価格より100人民元高いことになります。もちろん「RTX 5090 D v2が現在16,499人民元で普通に購入できる」という意味ではなく、実売価格や供給状況を無視してMSRPだけでコストパフォーマンスを判断することはできません。それでもGPUのグレードだけを考えれば、「80クラスの限定モデルが90クラスの中国向けフラッグシップGPUの公式価格を超える」という価格設定は、この製品の特殊性をよく表しています。
スペック通常のMANLI RTX 5080から何が変わった?
30周年モデルは、MANLIのGallardo系RTX 5080をベースに大幅なカスタマイズが施されています。MANLI公式で確認できる通常の「Gallardo GeForce RTX 5080 OC」は、CUDAコア10,752基、16GB GDDR7、256bit、メモリ速度30Gbps、メモリ帯域幅960GB/sで、ブーストクロックは2,670MHz、グラフィックボード電力は360Wです。
| 項目 | 通常Gallardo OC | 30周年モデル |
|---|---|---|
| CUDAコア | 10,752基 | 10,752基(変更なし) |
| VRAM | 16GB GDDR7 | 16GB GDDR7(変更なし) |
| ブーストクロック | 2,670MHz | 2,730MHz(+60MHz・約2.2%) |
| TGP | 360W | 400W(+40W・約11.1%) |
| 価格 | MSRP8,299人民元水準 | 16,599人民元 |
※スペックはMANLI公式サイトおよび冒頭に挙げた出典の製品情報にもとづきます。
つまり通常Gallardo OCとの差は、ブーストクロックが60MHz上昇し、TGPが40W増えたことになります。割合にするとブーストクロックは約2.2%増、TGPは約11.1%増です。30周年モデルは電力上限を約11%引き上げていますが、設定されているブーストクロックは約2%しか高くありません。
もちろんGPU Boostは実際の温度や電力、個体差によって動作クロックが変化するため、仕様表のクロック差だけで実ゲーム性能差を決めることはできません。しかし少なくとも、価格がほぼ2倍だからゲーム性能も大幅に上がるという製品ではなく、独立したベンチマークが出るまでは断定できませんが、純粋なFPS向上だけを目的として16,599人民元を払う製品ではないと考える方が自然でしょう。
クロック2,730MHzはRTX 5080として異常に高いクロックでもない
さらに調べてみると、2,730MHzというブーストクロック自体もRTX 5080市場では特別に高い数字ではありません。RTX 5080の標準ブーストクロックは2,617MHzで、MANLI 30周年モデルの2,730MHzは標準仕様から113MHz、約4.3%高い設定です。
一方、現在存在するRTX 5080各社モデルを見ると、GIGABYTE GeForce RTX 5080 GAMING OCやMSI GeForce RTX 5080 VANGUARD SOCなども同じ2,730MHzに設定されています。さらにAORUS MASTERなど2,805MHzに設定されたRTX 5080も確認できます。つまりMANLI 30周年モデルは高クロックOCモデルではあるものの、「RTX 5080で最速クラスのクロックを狙ったため16,599人民元になった」という説明は難しいでしょう。価格の中心にあるのはGPUクロックではなく、限定生産、独自クーラー、素材、電源設計、MIE関連機能といった付加価値です。
冷却400Wに耐えるため冷却・電源周りはかなり豪華
一方で、ハードウェア自体が単なる外装違いというわけではありません。30周年モデルでは18+3フェーズの電源回路を採用し、GPU冷却にはベイパーチャンバー、10本の8mmヒートパイプ、3基のリングブレードファンを使用します。GPUとの接触部にはHoneywell PTM7950が使われていると報じられています。
360Wから400Wへ電力上限を引き上げる以上、通常モデルと同じ冷却設計のままでは温度や騒音面で不利になります。そのため、価格差の一部は「クロックを60MHz高く設定するため」というより、400W級のRTX 5080を安定して動作させるための余裕ある電源・冷却設計に使われていると見ることができます。ただし、実際に400W設定が持続クロックやGPU温度、ファン回転数にどれほど効果を発揮するのかは、実機レビューを待つ必要があります。
デザイン鍛造カーボンやDRSなど、性能以外の部分が主役
30周年モデルで最も分かりやすく通常版と違うのは外観です。COMPUTEX 2026で展示された実機では、フロント部分にフォージドカーボンファイバーが使われ、MANLIのブランドカラーであるグリーンを組み合わせたレーシングカー風のデザインが採用されていました。
第2世代DRSシステムも特徴です。MANLIのGallardoシリーズでは、GPU温度などに応じてエアフロー用の開口部を変化させるDRS構造を採用しており、30周年モデルではその発展版が搭載されています。さらに姿勢センサーを内蔵し、重量級GPUで気になるカードの傾きを監視する機能も用意されています。MIEにも対応し、ソフトウェアや照明、PC操作などをMANLIのスマートコントロール環境と連携できます。一般的なRTX 5080には必要のない機能も多いですが、この「必要かどうかではなく、他にはないものを全部入れる」という方向性こそ30周年モデルらしい部分でしょう。
沿革「30周年」の起点は1996年、Manliブランド自体は2001年から
30周年という表現についても少し補足が必要です。MANLI公式の会社沿革によると、Manli Technology Groupは1996年に香港で設立されています。一方で「Manli」という自社ブランドのグラフィックボードが登場したのは2001年とされています。したがって2026年の30周年は、自社ブランドとしてのグラフィックボード販売開始から30年というより、MANLIの母体となる企業が1996年に設立されてから30年という意味合いです。
MANLIは長年GPUメーカーのOEM・ODMにも携わってきた企業で、現在はPC Partnerグループに属しています。その節目として、RTX 5080を使った今回の限定モデルを投入したと考えると、単なる「派手なRTX 5080」以上の位置付けが見えてきます。
日本日本のRTX 5080実売価格と比べても約1.5倍
中国MSRPとの比較では約2倍ですが、日本の現在価格と比べると見え方は少し変わります。通販サイトの実勢価格では2026年9月10日時点で、PNY製RTX 5080の一部モデルが24万9,980円で推移していました。GAINWARDやPalitなどでは26万円台後半のモデルも確認できます。
MANLI 30周年モデルの16,599人民元を2026年9月17日の為替水準で換算すると約38.5万円です。24万9,980円と比較すれば約1.54倍となります。つまり日本の現在のRTX 5080実売価格を基準にすると「約2倍」とまではいきません。それでも10万円以上高くなる計算なので、ゲーム性能を価格で割ったコストパフォーマンスでは一般的なRTX 5080が圧倒的に有利です。
なお、2026年9月17日時点で今回の30周年モデルについて日本向けの正式な販売価格や販売店情報は、今回確認したMANLI公式情報および関連報道からは確認できませんでした。世界500台という生産数を考えても、日本で通常のRTX 5080のように広く流通する可能性は低そうです。
FAQよくある質問
総括約38万円の価値はFPSでは測れない
MANLI 30周年RTX 5080を普通のグラフィックボードとして評価すると、かなり割高です。通常のGallardo OCからブーストクロックは2,670MHzから2,730MHzへ約2.2%しか上がっておらず、TGPは360Wから400Wへ約11%増えています。2,730MHzというクロック自体も、RTX 5080全体を見れば他社OCモデルですでに採用されている水準です。そのため「最速のRTX 5080が欲しい」という理由だけで選ぶ合理性はあまりありません。
しかし世界500台限定、MANLI創業30周年、フォージドカーボン、専用冷却、18+3フェーズ電源、第2世代DRS、姿勢センサー、MIEといった要素を含めると評価軸が変わります。これは性能単価を競うRTX 5080ではなく、MANLIが30年間グラフィックボードを作ってきたことを象徴する限定モデルとして企画された製品です。ゲームを高FPSで遊ぶためのRTX 5080を探しているなら、通常モデルを選んだ方が現実的です。一方でPCケース内部まで含めて一台の作品として組み上げたいユーザーや、希少なGPUを収集するコレクターにとっては、「RTX 5080なのにRTX 5090 D v2のMSRPより高い」という異例の価格そのものまで含めて、このモデルの価値になりそうです。



