RTX 2080 Ti 22GB改造版の実測|4K+FSR 3.1FGでMSFS 2024が30→52fps、VRAMが足りなくなる条件
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4K+FSR 3.1フレーム生成でMSFS 2024が30→52fps。差が出るのは割り当てが12〜14GiBに達する条件
RTX 2080 Tiの11GBを22GBに載せ替えた改造カードは、VRAMを増やすだけで今のゲームがどこまで変わるのかを確かめる格好の素材です。GPUの演算能力も、352bitのメモリバスも、616GB/sの帯域も、標準の11GB版とまったく同じだからです。
ドイツの専門誌PC Games Hardware(PCGH)の実測では、4K(DLSS Performance+FSR 3.1フレーム生成)でFlight Simulator 2024が平均30.2fpsから52.5fps(約74%増)、Spider-Man 2が39.4fpsから64.0fps(約62%増)に伸びました。一方、1440p(DLSS Quality)では9本中7本が±3%以内で、差が出たのはこの2本だけです。
つまり、VRAMが効くのは「割り当てが12GiB前後以上になるゲームを4K級で遊ぶとき」が中心です。12GBカードは4Kで足りない場面が出始める境目で、16GBなら今回の9本はすべて収まる、というのが数字から読める目安です。Turing世代はDLSSのフレーム生成に対応しないため、この実測もAMDのFSR 3.1フレーム生成で行われています。
目次
改造の中身22GB改造版は標準の11GB版と何が違うのか
改造内容は、基板上の11個のGDDR6チップ(1GiB/8Gbit)を、2GiB(16Gbit)のSamsung製チップに載せ替えるものです。BIOSの書き換えは不要で、容量を示す抵抗(ストラップ)を変えるだけで22,528MiBを認識します。GPUコアとメモリバスはそのままなので、増えるのは容量だけです。
| 項目 | RTX 2080 Ti 22GB改造版 | RTX 2080 Ti 標準(11GB) |
|---|---|---|
| VRAM | 22,528MiB(22GiB) | 11,264MiB(11GiB) |
| メモリバス | 352bit | 352bit |
| メモリ帯域 | 616GB/s | 616GB/s |
| L2キャッシュ | 5.5MiB | 5.5MiB |
| ボード電力 | 250W(検証では280Wに引き上げ) | 260W(Founders Edition) |
出典:PC Games Hardware「Geforce RTX 2080 Ti 22GB: Nvidia-Kuriosität im Test」(2026年11月1日)。検証したカードはAlibabaで購入した個体で、PCGHの読者が提供したものです。
検証条件どんな設定で11GB版と比べたのか
比較は同じ設定の11GB版と22GB版で行われ、最高画質(レイトレーシングは対応タイトルで有効)の重いゲーム9本が選ばれています。難易度は2段階です。
| 難易度 | 解像度・設定 | 内部の描画解像度 |
|---|---|---|
| WQHD(1440p) | DLSS Quality | 1,706×960 |
| UHD(4K) | DLSS Performance+FSR 3.1フレーム生成(可能なら2倍) | フルHD |
DLSSのフレーム生成はRTX 40シリーズ以降の機能なので、Turingでは使えません。そのためフレーム生成にはFSR 3.1が使われました。Gears of War: E-DayとDragon Age: The Veilguardは、2倍のフレーム生成が使えない例外です。
カードは250Wの電力枠とブロワークーラーの制約が大きく、コア約1.9GHz・0.9V、メモリ15GT/s、ボード電力280Wに調整したうえで測定されています。同じ調整設定は11GB版にも適用されています。純正のFounders Editionはこれより高いクロックで動くため、11GB版単体の性能は表の数字より少し高くなる可能性があります。
出典:PC Games Hardware 同テスト 2ページ目「Spiele-Benchmarks: 11 vs. 22 GiB」
実測性能4Kでは最大74%差、1440pではほぼ差がない
4K(DLSS Performance+FSR 3.1フレーム生成)の平均fpsです。バーは80fpsを満点にした長さです。
| ゲーム(4K) | 11GB版 | 22GB版 | 差 |
|---|---|---|---|
| Flight Simulator 2024 | 30.2 | 52.5 | 約+74% |
| Spider-Man 2 | 39.4 | 64.0 | 約+62% |
| Dragon Age: The Veilguard | 16.5 | 27.3 | 約+65% |
| Cyberpunk 2077 | 約42 | 約48 | 約+14% |
| Gears of War: E-Day | 約14 | 約17 | 約+21% |
| AC Black Flag Resynced | 約60 | 約62 | 約+3% |
| F1 25 | 約66 | 約68 | 約+3% |
| Pragmata | 約72 | 約73 | 約+1% |
Flight Simulator 2024・Spider-Man 2・Dragon Age: The Veilguardの3本は、11GB版が実用域に届かないほど落ち込みます。Indiana Jones and the Great Circleは、11GB版では設定によってデスクトップへクラッシュし、22GB版は約62fpsで最後まで動きました。
1440p(DLSS Quality)の平均fpsでは、差は一気に縮まります。
| ゲーム(1440p) | 11GB版 | 22GB版 |
|---|---|---|
| Flight Simulator 2024 | 約31fps | 約40fps(約+29%) |
| Spider-Man 2 | 約36fps | 約44fps(約+22%) |
| Cyberpunk 2077 | 約35fps | 約35fps(差なし) |
| Gears of War: E-Day | 約21fps | 約21fps(差なし) |
| Dragon Age: The Veilguard | 約31fps | 約32fps(約+3%) |
AC Black Flag Resynced・F1 25・Pragmata・Indiana Jones and the Great Circleの4本は、1440pでは差が+1〜3%に収まりました。
出典:PC Games Hardware 同テスト 2ページ目。Flight Simulator 2024・Spider-Man 2・Dragon Age: The Veilguardの4K平均fps(小数付き)は棒グラフの表示値です。「約」を付けた数値は、グラフを読み取ったWccftechの集計表の整数値で、差の割合は表の値から求めています。
見落としやすいのは、fpsの平均以上にフレームタイムの差が大きい点です。11GB版はメモリが溢れるたびにフレームタイムが大きく跳ね、検証ではカクつきとして体感できる水準でした。Flight Simulator 2024とSpider-Man 2はVRAMへの再読み込み(ページング)が目立ち、1440pでもfpsが約2割下がっています。Pragmataは11GB版の平均fpsこそ健全に見えますが、フレームタイムには明確なスパイクがあり、実際にはカクつきが出ていました。
境目VRAMが足りなくなる条件はどこか
22GB版で測ったVRAMの最大割り当て量を並べると、差が出たゲームと出なかったゲームの境目が見えます。割り当て量は「実際に必要な量」ではなく、容量に余裕があるカードでは多めに確保される面がある点には注意が必要です。
| ゲーム | 最大割り当て(WQHD/UHD+フレーム生成) | 11GB版での結果 |
|---|---|---|
| Spider-Man 2 | 11.5GiB/13.9GiB | 両条件でfps低下、4Kは約62%差 |
| Pragmata | 12.1GiB/13.2GiB | fpsは維持(描画の詳細を落として対処) |
| Flight Simulator 2024 | 12.3GiB/12.9GiB | 両条件でfps低下、4Kは約74%差 |
| Cyberpunk 2077 | 11.6GiB/12.3GiB | 1440pは差なし、4Kで約14%差 |
| Dragon Age: The Veilguard | 11.4GiB/12.2GiB | 1440pは差なし、4Kで約65%差 |
| Gears of War: E-Day | 11.1GiB/11.8GiB | 4Kで約21%差 |
| Indiana Jones | 10.3GiB/11.0GiB | 設定によりクラッシュ |
| F1 25 | 8.5GiB/10.2GiB | ほぼ差なし |
| AC Black Flag Resynced | 9.1GiB/9.5GiB | ほぼ差なし |
出典:PC Games Hardware 同テスト 2ページ目(VRAMの最大割り当て量の表)。表の「11GB版での結果」はfps表と本文の記述を、PCGHのテスト結果から整理したものです。
ここから読める条件は3つです。
- 4K+フレーム生成で割り当てが12〜14GiB台に達すると、11GB版はfpsが落ちるか、描画の詳細を落とすか、クラッシュします(Indiana Jones and the Great Circleは11.0GiBでもクラッシュしました)。Spider-Man 2とFlight Simulator 2024は1440pでも差が出ました。一方、Cyberpunk 2077(11.6GiB)とDragon Age: The Veilguard(11.4GiB)は1440pで差がなく、割り当てが11GiB台でも必ず足りなくなるわけではありません。F1 25とAC Black Flag Resyncedは10GiB前後で、どちらの条件でもほぼ差がありません。
- 4Kにフレーム生成を足すと、割り当ては1440pより0.4〜2.4GiB増えます。1440pで11〜12GiB台だったゲームが、4Kでは12〜14GiB台に上がります。
- 9本の最大は13.9GiB(Spider-Man 2の4K)です。16GBなら今回のどのゲームも収まります。12GBは4K条件のうち5本(Spider-Man 2・Pragmata・Flight Simulator 2024・Cyberpunk 2077・Dragon Age: The Veilguard)で割り当てが12GiBを上回ります。
なお、Gears of War: E-Dayの17fpsや、Dragon Age: The Veilguardの27.3fpsのように、22GB版でも実用域に届かない数字もあります。VRAMを増やしても、GPUの演算能力が足りない分は埋まりません。
比較22GB改造版と現行の16GBカードの違い
VRAMだけを求めるなら、保証のある16GBの現行カードという選択肢もあります。Stable Diffusionの画像生成でも、PCGHは最新の16GB(FP8対応)カードのほうが速く、メモリも効率よく使えるとして、22GB版は「容量だけが必要で新しいデータ形式を使わない用途」に限られるとの見方でした。
| モデル | VRAM・フレーム生成 | 注意点 |
|---|---|---|
| RTX 2080 Ti 22GB改造版 | 22GiB。DLSSは非対応(FSR 3.1は可) | メーカー保証なし。約8年前の基板で、ブロワーは高負荷で約9.8sone |
| RTX 5060 Ti 16GB | 16GB。DLSSフレーム生成に対応 | 今回の9本は16GBに収まる |
| RX 9060 XT 16GB | 16GB。FSRのフレーム生成に対応 | 今回の9本は16GBに収まる |
注意点改造版を買う前に知っておきたい点
PCGHは、通常は非公式の改造カードを購入しないよう勧めています。ただしこのカードについては、事情が単純ではないとして判断を読者に委ねています。
- 価格はおよそ500ユーロで、業者によってはそれより安い個体もあります。
- ハンダ付けの作業による不具合は、数週間たってから出ることもあります。購入前に販売者の評判と、30日の返品権とは別に、それ以降の保証を出しているかを確認する必要があります。
- 約8年前の基板は、グリスやパッドが水分を失い、温度変化でハンダ部の負担が増える点も危険要因です。
- ブロワークーラーは数分の高負荷でファンが約4,000rpm・9.8soneに達し、PCGHが測ったなかでも問題の大きい部類とされています。
出典:PC Games Hardware 同テスト 4ページ目「RTX 2080 Ti 22GB: Fazit」。国内業者の改造サービスと価格は、後述の関連記事にまとめています。
結論22GB改造版の向き・不向き
- VRAM容量そのものが必要な用途(4Kの重量級タイトル、大容量のモデルを載せる用途)に絞って使う人
- ブロワーの騒音と保証なしのリスクを理解し、返品条件を確認できる人
- 1440p中心で、遊ぶゲームが11GB以内に収まる人(fpsはほぼ変わりません)
- DLSSのフレーム生成や保証、静音性を重視する人
おすすめVRAM重視で選ぶなら16GBの現行カード
今回の9本はすべて16GBに収まり、フレーム生成も使えます。保証つきで選べるなら、改造版より16GBの現行カードのほうが手堅い選択です。
FAQよくある質問
まとめまとめ|VRAMが効くのは4Kの重い設定、境目は12GiB前後
22GB改造版の実測が示したのは、VRAMを倍にしても効くのは、割り当てが12GiB前後以上になる重い設定に偏る、ということです。4K(DLSS Performance+FSR 3.1フレーム生成)ではFlight Simulator 2024が30.2fpsから52.5fps、Spider-Man 2が39.4fpsから64.0fpsに上がり、1440pでは大半のゲームで差が出ませんでした。
カードを選ぶときは、遊ぶ解像度と設定でVRAMの割り当てが11〜12GiBを超えるかを先に考えてください。4Kの重量級タイトルを遊ぶなら16GBの現行カード、1440pが中心なら12GBでも足りる場面が多いというのが、この9本から読み取れる目安です。
改造版は「VRAM容量だけが必要な用途」には筋が通る選択肢ですが、保証なし・高騒音・8年前の基板というリスクが残ります。ゲーム用なら、16GBの現行カードのほうが安全に同じ目的を満たせます。






