nv-uefi-unlockerとは?WindowsでRTX 20・30・40のTensor制限を解除する条件・戻し方・リスク【2026年10月】
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
WindowsでRTX 20・30・40のTensor制限を外す条件と戻し方
nv-uefi-unlockerは、GeForce RTX 20・30・40シリーズのTensor演算の制限を、Windowsが起動する前のUEFI段階で外す非公式ツールです。LinuxのカーネルモジュールとしてのGPU制限解除と違い、Windowsを入れたPCのUSBメモリから実行できます。
公開されている利用者の測定では、FP32累積のFP16・BF16行列演算がRTX 3080で約1.6〜1.8倍、RTX 4080で約1.6〜1.9倍になりました。ComfyUIのSDXL画像生成はRTX 3080で25ステップ9.04秒から7.02秒へ短縮しています。一方、公開されている報告にゲームのfpsを測ったものはなく、FP32だけを使う計算は変わりませんでした。
解除はUSBから起動するたびに実行する一時的なもので、電源を完全に切れば元の状態に戻ると作者は説明しています。ただしSecure Bootの設定変更などの前提があり、公開から1週間ほどの若いツールです。画像生成やLLMの前後比較ができる人が試す対象で、ゲーム目的なら見送る判断が妥当です。
目次
何が速くなるのか
作者は、GeForceのTensor演算が遅いのはクロックや電力の制限ではなく、NVIDIAがファームウェアの設定で演算器の一部を止めているためだと説明しています。解除するとFP16・BF16の入力をFP32で累積する行列演算が、止められていた分まで使えるようになります。
この性質上、効果が出るのは行列演算の比率が高い処理です。FP32だけで計算する処理は対象外で、RTX 4080の対照測定でも34.47から34.42 TFLOPSへ、ほぼ変わっていません。
| GPU・環境 | 通常から解除後の結果 | 測定条件 |
|---|---|---|
| RTX 2070 | FP32累積のGEMM 36→60〜63 TFLOPS(+67〜75%) | 作者の実機。v0.2.0、GSPモード有効 |
| RTX 3080 LHR | FP16 57.72→94.01〜96.87(+63〜68%)、BF16 57.69→100.07〜103.21(+74〜79%) | 8192³、cuBLAS・torch。B550、ドライバー617.42 |
| RTX 3080 LHR(画像生成) | SDXL 1024×1024、25ステップが9.04→7.02秒(it/sで+28.8%) | ComfyUI、FP16重み、各3回の中央値 |
| RTX 4080 16GB | FP16 4096³が100.53→185.50/185.24(約1.85倍)、8192³は約1.57倍 | Windows 11 24H2、ドライバー621.01、v2.1.0。独立した2回のA/B |
| RTX 4060 Laptop | FP16 GEMM 29.89→49.33 TFLOPS(1.65倍) | 作者の実機 |
※いずれも各利用者・作者がGitHubへ報告した値で、第三者機関による再現ではありません。RTX 3080では範囲で示されており、平均か最大かは明記されていません。
画像生成の改善幅は行列演算の伸びより小さくなります。報告者の分解では、RTX 3080のSDXL 1ステップのうち行列演算が占める割合は約55%で、INT8量子化のQwen-Imageでは26.07秒から23.08秒(+13.0%)にとどまりました。読み込みやメモリ転送が含まれる処理は、行列演算の倍率どおりには速くなりません。
ゲームのfpsは、公開されている報告に測定値がありません。ゲームの描画はTensor演算以外の処理が大半を占めるため、行列演算の倍率をfpsへ当てはめることはできません。DLSSなどのAI処理が重い場面で差が出るかも、確かめた報告は見つかっていません(2026年10月31日時点)。

UEFIで何をするのか、BIOSの書き換えとの違い
制限はGPUの保護されたレジスターで管理されており、WindowsのドライバーからはNVIDIAの署名済みファームウェア以外は書き換えられません。nv-uefi-unlockerは、ドライバーが読み込まれる前のUEFIの段階で、ドライバーと同じ手順でGPUのファームウェアを起動し、その途中で解除用の書き込みを差し込みます。完了するとWindowsのブートマネージャーへ処理を引き渡します。
作者は、解除内容をGPUのVBIOSへ書き込まず、起動構成も変更せず、電源を切れば消える一時的な変更だと説明しています。VBIOSの書き換えとは別物ですが、これは作者の説明であり、第三者によるコード監査の結果ではありません。解除の最中はドライバーとGOPをGPUから外すため、画面が一時的に消え、失敗するとGPUのリセットが走ります。
Linux向けの解除手順はRTX 4090の制限解除ガイドにまとめています。Linux版はOSの起動設定にモジュールを組み込む方式で、このツールはOSを問わずUSBから実行する方式です。
対応GPUと検証の段階
作者の対応表は、世代ごとに「実機で全工程を確認」「上流の別実装で確認済み」「経路はあるが未検証」を分けています。型番が表にあっても、すべてが同じ確度とは限りません。
| 世代 | 確認の状況 | 前提・注意 |
|---|---|---|
| RTX 20 | RTX 2070(1f07)で全工程を確認。RTX 2060 Super(1f06)は利用者が確認 | Windows側でGSPファームウェアモードを有効にして再起動してから実行する |
| RTX 30 | RTX 3060 Ti LHR(2489)、RTX 3080 LHR(2216)で確認。RTX 3070 Laptop、RTX 3080 Ti Laptopの報告もある | GSPモードの設定は不要。Thunderbolt接続のeGPUは対象外に近い |
| RTX 40 | RTX 4060 Laptop、RTX 4060 Ti、RTX 4070、RTX 4080などで確認。RTX 4090は同系統の上流確認の扱い | ノートPCはdGPU直結(MUX)が推奨。ハイブリッドは「再起動」からの実行を推奨 |
| GTX 16 | 理論上は対応。実機の確認待ち | 試す場合は報告側に回ることになる |
| RTX 50 | 対象外(Blackwell) | RTX 5060 Tiとの2枚挿しでは、RTX 5060 Tiを飛ばしてRTX 4060 Tiだけを処理した報告がある |
※作者の対応表(2026年10月30日公開のv2.1.6時点)。解除を維持できるかはPC構成で変わります。
導入前に、デバイスマネージャーの詳細タブで「ハードウェアID」を開き、DEV_に続く4桁が自分のカードの型番に当たります。この値で対応表と照合してください。各GPUの効果や相場の動きは、RTX 30・40のgpu-unlock対応GPUでも整理しています。
導入前に確認する条件
USBメモリからの起動、Secure Boot設定の変更、ドライバーの切り離しを伴います。重要なデータのバックアップと、元の状態へ戻す手順を先に確認してください。
- Secure Boot:作者の手順では、BIOSでSecure Bootを無効にします。作者は、自署名の証明書をdbに登録する方法のほうが望ましいとしています。Secure Bootを必須とするオンラインゲームは、無効のあいだ起動できなくなる場合があるため、遊ぶタイトルの要件を先に確認してください。
- BitLocker:Secure Bootの変更や起動経路の変更で、回復キーの入力を求められることがあります。回復キーを手元に控え、Microsoftが案内する保護の一時中断の手順を確認してから進めてください。
- 表示経路:デスクトップは、解除対象のカードに映像を出している構成が確実です。ノートPCはdGPU直結が推奨で、ハイブリッド構成は「再起動」からの実行が確実です。iGPUだけで終了した直後は拒否されます。休止状態からの復帰直後は、機種によって拒否されたり、成功しても解除が維持されなかったりするため、「再起動」からの実行が確実です。
- Thunderbolt接続のeGPU:RTX 3070(デバイスID 2484)の報告では、UEFIの段階は解除状態で引き渡されましたが、Windowsで確認すると再びロックされていました。Windowsに入る過程のどこで状態が失われたかは特定されておらず、作者はトンネルの再接続などを要因の候補として挙げています。
- RTX 20のみ:WindowsのドライバーがGSPモードでしか解除状態を受け付けないため、先に専用スクリプトの実行と再起動が必要です。省くとTDRの連発やコード43が起きるとされています。
Windowsでの導入手順
手順と使用するファイルは版ごとに変わります。ここでは2026年10月30日公開のv2.1.6時点の流れを示すので、実際には使うリリースのREADMEを読んで合わせてください。
- GPUのデバイスIDを確認する。前述のとおり、対応表と照合して自分のカードが対象か確かめます。
- リリースの配布ファイルを入手する。GitHubのReleasesから使う版を決め、その版のファイルだけで作業します。NVIDIAのファームウェアは同梱されず、固定されたハッシュの公開入力から手元で生成されます。
- RTX 20だけ、GSPモードを有効にして再起動する。管理者のPowerShellで専用スクリプトを実行します。休止状態からの復帰では反映されないため、必ず「再起動」を選びます。
- FAT32のUSBメモリを用意する。世代に合わせたオプションで作成スクリプトを実行し、
\EFI\BOOT\BOOTX64.EFIとその世代用のファイルをUSBのルートに置きます。 - Secure Boot無効などを済ませ、Windowsの再起動からUSBで起動する。バナーが出たらSpaceまたはEnterで実行を確認します。何も押さなければ30秒でWindowsへ戻ります。
- 結果を確認する。処理はWindowsへ自動で引き渡され、ログはUSB直下の
loader.logに残ります。Windows側では付属の診断ツールで、解除が有効かを確認できます。
# 世代に合わせてUSBのルートを作る(例)
.\make-usbroot.ps1 -Family ga102 # RTX 30
.\make-usbroot.ps1 -Family ad102 # RTX 40
.\make-usbroot.ps1 -Family tu10x # RTX 20(先にGSPモードを有効にして再起動)
解除は冷間起動ごとに1回実行する前提です。電源を完全に切ると消えるため、使うたびにUSBから起動し直します。解除の書き込み用ファイルを置かないと診断モードで動きますが、この場合もドライバーの切り離しとGPUのリセットは行われます。
確認の指標は、ログの文言ではなく読み戻しの結果です。作者の方針でも、ステータスコードの成功は成功の証拠に数えません。効果の有無は、使うアプリで解除前後の処理時間を同じ条件で測って判断してください。
戻し方と起動しないときの対応
起動構成やESPのファイルは書き換えない設計のため、USBを外せば通常のWindows起動に戻ります。症状ごとの作者の説明は次のとおりです。
| 症状 | 対応 |
|---|---|
| 画面が出ない・起動に失敗した | 強制再起動してUSBを外し、元の起動項目からWindowsを起動します。UEFI側の設定やESPのファイルには触れていません。 |
| 処理の途中で止まった・エラーが出た | 同じ起動のまま再試行しません。完全に電源を切り、ノートPCはメーカー手順でバッテリーまわりの放電をします。USBを外してWindowsを起動し、デバイスマネージャーとイベントログでドライバーの状態を確認します。 |
| 解除後にドライバーが不調 | 解除は電源断で消える一時的な変更です。一度完全に電源を切って冷間起動すれば元の状態に戻ります。続く場合はもう一度電源を切り、最後の手段としてDDUでドライバーを入れ直します。 |
| 解除処理のあとで画面が固まる | GOPの再接続でファームウェアが固まるボードがあります。ログがRECONNECT: ConnectControllerで止まる場合は、一度電源を完全に切ります。v2.1.6で追加されたtx-reconnect-nonrecursive.txtかno-reconnect.txtをUSB直下に置いて再実行する案内がありますが、後者は一部の構成でWindows側のコード12が残る既知の問題があります。 |
電源断で消えるのは解除状態だけです。導入のために変えた設定は自動では戻りません。RTX 20では、管理者のPowerShellでenable-turing-unlock.ps1 -Removeを実行して再起動するとGSPモードの設定が元に戻ります。Secure Bootは元の状態へ戻し、BitLockerを一時中断した場合は保護を再開して状態を確かめてください。
作者は、解除状態が永続しないのでドライバーの不調はハンドオフのタイミングに起因し、永続的な損傷にはならないと説明しています。ただし、これは電源断で解除が消えることを指しており、過熱や過電力による物理的な故障までは含みません。
保証・発熱・互換性のリスク
- 保証:このツールの使用が各社の保証にどう影響するか、メーカーの公式な扱いは公表されていません。保証期間内のカードや業務用のPCでは、解除せずに使うほうが安全です。
- 消費電力と発熱:RTX 4060 Laptopの制御実験では、解除だけでクロックが2.52GHzから2.37GHzへ下がったのに、チップ消費電力は95〜105Wから130〜140Wへ上がりました。作業が増えた分だけ電力が増える構造です。電力・電圧の制限を外す別ツールとの併用では、ボード電力が200W超、ホットスポットが約105℃に達した測定もあり、作者自身が冷却・電源経路の確認を警告しています。
- 若いツール:リポジトリの公開は2026年10月26日で、v2.1.6までの数日間に起動まわりの修正が続いています。完成した製品ではなく、1台1台の構成で挙動が変わる実験です。
- ドライバーとの相性:報告はドライバー617.42や621.01など特定の版で測られています。更新後も動くかは報告がありません。
- オンラインゲーム:Secure Bootを無効にする手順で導入した場合、Secure Bootを要件とするタイトルは遊べなくなることがあります。アンチチートとの相性は報告がありません。
試すべき人と見送る人
- ComfyUIやPyTorchで、解除前後の処理時間を自分で測れる
- USB起動とBIOS設定を元に戻す操作に慣れている
- 保証期間が切れたカードで、故障の可能性を受け入れられる
- ゲームのfps向上が目的
- Secure Bootが要件のゲームを毎日遊ぶ
- 保証期間内のカードや、仕事で使うPC
- Thunderbolt接続のeGPUで使いたい
効果が出やすいかどうかは、使うアプリの行列演算の比率で決まります。LLMの推論で実際に速くなるかは、RTX 3060 12GBでの公開測定で処理によって差が出ています。詳しくはRTX 3060 12GBのgpu-unlockでComfyUIとOllamaが速くなるかを参照してください。
よくある質問
まとめ AI処理で前後比較できる人だけが試す
手元のカードが対応表にあり、画像生成やLLMの処理時間を前後で測れるなら、保証期間外のカードで試す価値があります。ゲーム目的や、保証期間内のカード、Secure Bootが必須のゲームを遊ぶPCは、見送るのが無難です。
