GTX 1650は2026年でも現役か|補助電源不要とVRAM 4GBの限界
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補助電源不要という強み ・ VRAM 4GBの限界 ・ 無印とSUPERで別物のNVENC世代
GTX 1650は2019年4月に発売されたNVIDIA Turing世代のエントリーGPUです。同年11月には上位版のGTX 1650 SUPERも登場し、さらに翌2020年にはメモリをGDDR6に変更したバリエーションも追加されました。TDP 75Wの無印モデルは補助電源コネクタが不要という扱いやすさから、省スペースPCやオフィスPCの延命用として今も現役で使われています。
結論を先に言うと、1080pのeスポーツ・軽量タイトル中心なら今も実用範囲です。ただしVRAM 4GBという容量は、同じGTX 16シリーズのGTX 1660(6GB)よりさらに一段厳しく、2025〜2026年発売タイトルの多くで公式最低要件そのものを下回る場面が増えています。
この記事では、無印とSUPERでエンコーダの世代が異なるという意外と知られていない注意点、補助電源不要という実務上の強み、そしてVRAM 4GBが2025〜2026年タイトルでどこまで足切りラインに触れているかを中心に解説します。
目次
スペックGTX 1650とGTX 1650 SUPERの基本スペック
| 項目 | GTX 1650(無印) | GTX 1650 SUPER |
|---|---|---|
| 発売 | 2019年4月23日(GDDR5版) | 2019年11月22日 |
| ダイ | TU117 | TU116 |
| VRAM/バス幅 | 4GB GDDR5・128bit(128GB/s) | 4GB GDDR6・128bit(192GB/s) |
| CUDAコア | 896基 | 1,280基 |
| TDP | 75W | 100W |
| 補助電源 | 不要 | 必要(6ピン) |
| 発売時MSRP | $149 | $159 |
※MSRPは発売当時の海外希望小売価格です。無印には2020年以降にメモリをGDDR6へ変更した派生モデルも存在し、帯域は192GB/sまで向上しますが、TDP・補助電源の要否はメーカーやモデルによって異なる場合があります。まれに流通する「GDDR6版」の中には、無印と同じTU117ダイの製品と、SUPERに近いTU116ダイをコアダウンさせた製品が混在しているため、詳細は次の章で解説します。
エンコーダ無印とSUPERで世代が違うNVENC|配信・エンコード用途は要注意
GTX 1650は同じTuring世代のGPUでありながら、無印(TU117)とSUPER(TU116)で搭載しているNVENC(動画エンコーダ)の世代が異なります。購入時のパッケージ表記だけでは気づきにくく、配信・エンコード用途では実務上の影響が大きいポイントです。
TuringダイのTU117を搭載していますが、コスト面の都合からエンコーダ部分は1世代前のVolta世代のNVENCが採用されています。HEVC(H.265)のBフレームに非対応など機能が制限されており、同じエンコード効率でもTuring世代のNVENC比で約15%効率が劣るとされています。
TU116ダイを搭載するSUPERは、RTX 20シリーズと同じTuring世代のNVENCを搭載しています。HEVCのBフレームにも対応しており、無印よりエンコード効率・画質の両面で有利です。
無印GTX 1650には、2020年以降にメモリをGDDR6へ変更した派生モデルが存在しますが、この「GDDR6版」という名前の中にはTU117ダイのままメモリだけ変更した製品と、TU116ダイをコアダウンさせた別物の製品が混在しています。後者はSUPERに近い設計のためTuring世代のNVENCを搭載している可能性がありますが、パッケージ表記だけでは判別できず、製品ページのダイ型番(TU117かTU116か)まで確認しないと見分けられません。配信・録画用途を重視するなら、型番表記の紛らわしさを避けるためにもSUPERを選ぶのが確実です。
補助電源無印だけが持つ「補助電源不要」という強み
アップスケーラーDLSSは非搭載、FSRで代替
GTX 16シリーズはRTX 20シリーズと同じTuring世代ながら、RT・Tensorコアを省いた廉価版という設計です。この制約はGTX 1660と共通で、GTX 1650の無印・SUPERともに変わりません。
※ハードウェアレイトレーシングが必須のタイトルは、そもそも起動できません(次章で実例を紹介します)。
動作要件2025〜2026年発売タイトルでの対応状況
2025〜2026年に発売された注目タイトルの公式最低・推奨要件をもとに、GTX 1650がどこまで通用するか整理します。VRAM 4GBという容量が、GTX 1660(6GB)よりさらに厳しい足切りラインになっている点に注目してください。
公式最低GPUにGTX 1650が名指しで明記されています(RX 6500 XT/Arc A380と並記)。1080p・Low設定・60fps想定のラインで、GTX 16シリーズの中でもGTX 1650が公式に生き残っている数少ないタイトルです。
Steam公式ページの最小動作環境にGTX 1650(4GB)が明記されています。軽量な2Dベースのタイトルのため、VRAM 4GBでも最小設定なら問題なく動作します。
Steam公式ページでは最小・推奨のGPU欄がどちらもGTX 1650表記で、差は想定フレームレートや画質設定のみです。最小要件としては現役ですが、快適さを求めるなら上位GPUが必要になります。
公式最低GPUは無印GTX 1660(6GB)クラスで、VRAM 4GBのGTX 1650は公式の最低要件を下回ります。動作自体は可能な場合がありますが、公式サポート外の設定での使用になります。
公式最低GPUは当初GTX 1660 SUPERとされていましたが、2025年2月の要件引き下げでGTX 1660(無印・6GB)になりました。それでもVRAM 4GBのGTX 1650は要件を満たしません。VRAM不足による画像の乱れも報告されています。
Ubisoft公式の最小動作環境はGTX 1070/RX 5700(いずれもVRAM 8GB)で、GTX 1650はVRAM容量・演算性能とも大きく届きません。
レイトレーシング必須のため起動そのものがブロックされます。公式最低GPUはRTX 2060 SUPER/RX 6600で、RTコアを持たないGTX 1650は対象外です。
ハードウェアレイトレーシングが必須でソフトウェアフォールバックが用意されておらず、RTコアを持たないGTX 1650では実質プレイ不可です。
※各数値・要件は複数の一次情報をもとにした参考値です。パッチやドライバの更新で変動する場合があります。
同じGTX 16シリーズのGTX 1660(6GB)が一部タイトルで公式最低ラインに残っているのに対し、GTX 1650(4GB)はさらに一段厳しい足切りラインに位置しています。Forza Horizon 6・レイマン・FFレゾナンスのような軽量〜中量級タイトルでは現役ですが、バイオハザード レクイエムやモンスターハンターワイルズのような重量級タイトルでは、公式最低要件そのものから外れる場面が増えています。
VRAM4GBはどこまで足りるか
実用面CPU相性・eスポーツでの評価
中古価格中古相場とマイニング酷使リスク
無印・SUPERともに、実店舗基準(じゃんぱら等)でおおむね1万円前後〜1.5万円台のレンジに収まっています。無印は搭載モデル(冷却設計)によって価格の幅が広く、簡素なモデルなら1万円を切ることもある一方、上位クーラー搭載モデルは2万円台になることもあります。SUPERはモデル間の価格差が比較的小さく、1.1万円〜1.5万円程度で推移しています。「SUPERの方が高機能なのに安い」という単純な逆転が常にあるわけではなく、個体・モデルごとの価格差の方が大きいため、購入時は型番単位で相場を確認してください。
マイニング制限機能「LHR」はRTX 30シリーズ以降の機能で、GTX 16シリーズには一切実装されていません。ただしGTX 1650は演算性能自体が低く、マイニング収益性の面ではGTX 1660 SUPERほど酷使された形跡は目立ちません(個人検証レベルの情報はあるものの、定量的な一次データは限定的です)。とはいえLHR非搭載という点は変わらないため、中古で購入する際は動作確認済み・保証付きの販売店を選ぶことが引き続き重要です。
※ドライバサポートの面では、GTX 16シリーズ(TU116/TU117)はTuringアーキテクチャに属するため、2025年10月に通常サポートが終了したMaxwell/Pascal/Volta世代には含まれません。RTX 20〜50シリーズと同じ扱いで、通常のGame Readyドライバ提供が継続しています。
判断基準買い替えるべきか、使い続けるべきか
乗り換え先買い替え先のGPU候補
GTX 1650(VRAM 4GB)からの買い替えでは、どの候補を選んでもVRAM容量が最低でも4倍以上に増えるため、容量面で失敗しにくいのが利点です。ただし補助電源不要という制約からは外れるため、電源ユニットに6ピン以上のコネクタがあるか事前に確認してください。
| 候補GPU | 実売の目安 | どんな乗り換えか |
|---|---|---|
| RX 9060 XT 16GB | 約5.2万円〜 | VRAMが4GBから16GBへ一気に拡大。予算を最も抑えたい人向けの本命候補 |
| RTX 5060 Ti 16GB | 約9万円〜 | NVIDIA環境を維持しつつDLSS 4.5・レイトレーシングにも対応。GTX 1650では使えなかった機能がすべて解禁される |
| RTX 5070 | 約9.9万円〜 | 1440p常用まで視野に入る一段上のクラス |
| RTX 5070 Ti | 約16万円〜 | 4K・レイトレーシング多用まで見据えるハイエンド候補 |
※実売の目安は2026年7月23日時点の価格比較サイト掲載価格をもとにした参考値です。メモリ価格の高騰でGPU価格は上昇局面にあり、変動が大きい点にご注意ください。最新は各リンク先で確認してください。
各候補の性能差を、GTX 1650を基準とした相対スコアで見てみます。
| GPU | 相対性能(RTX 5070 Ti=100%) |
|---|---|
| GTX 1650(無印)現在 | 24.3% |
| GTX 1650 SUPER | 31.5% |
| RX 9060 XT 16GB | 62.1% |
| RTX 5060 Ti 16GB | 69.9% |
| RTX 5070 | 88.6% |
| RTX 5070 Ti | 100% |
※PassMark G3D Mark(2026年7月時点)をもとにした相対値です。実ゲーム性能の差はタイトルやAPIによって変動します。
結論から言うと、予算を最優先するならRX 9060 XT 16GBをおすすめします。GTX 1650からの買い替えでは体感の差が非常に大きく、VRAM容量・演算性能ともに大幅な底上げになります。GTX 16シリーズはもともとDLSSが使えないため、FSR 4への切り替えによる実質的なデメリットはありません。
NVIDIA環境・DLSS対応を重視したい場合は、RTX 5060 Ti 16GBを軸に検討してください。補助電源不要という制約から外れる点だけは、電源ユニットの確認を忘れないようにしてください。
この中から、用途別に4枚挙げておきます。


FAQよくある質問
まとめ補助電源不要な扱いやすさは健在、VRAM 4GBは一段厳しい壁
GTX 1650は、発売から7年近く経過した今も1080pのeスポーツ・軽量タイトルでは実用的なGPUです。無印モデルの補助電源不要という特徴は、小型PC・省スペースPCにとって今も価値のある強みといえます。
一方で、VRAM 4GBという容量は、同じGTX 16シリーズのGTX 1660(6GB)よりさらに一段厳しい足切りラインとして表れています。バイオハザード レクイエムやモンスターハンターワイルズのような2025〜2026年の重量級タイトルでは公式最低要件そのものを下回り、DOOM: The Dark Agesのようなレイトレ必須タイトルではハードウェアの構造的な壁で起動すらできません。また配信・エンコードを重視するなら、無印(Volta世代NVENC)とSUPER(Turing世代NVENC)の違いを踏まえたモデル選びが欠かせません。買い替え先を選ぶ際は、予算重視ならRX 9060 XT 16GB、DLSS対応を維持したいならRTX 5060 Ti 16GBを軸に検討してください。
1080pのeスポーツ・軽量タイトル中心であれば、GTX 1650はまだ現役で戦えます。ただしVRAM 4GBはGTX 1660よりさらに一段厳しい壁になっており、2025〜2026年の重量級タイトルでは公式最低要件を下回る場面が増えています。配信・エンコード用途では無印とSUPERのNVENC世代の違いに注意し、買い替え先を選ぶ際は電源ユニットの補助電源コネクタの有無も忘れずに確認してください。





