WHEA-Loggerのエラーは無視しても大丈夫か|Corrected・Uncorrectedで変わる危険度早見表【2026年版】
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危険なのはUncorrected・Fatalが記録された場合と、頻度が増えている場合です
WHEA-Loggerの警告やエラーが記録されていても、PCが普段どおり動いているなら、それだけで部品の故障とは限りません。鍵になるのは、エラーがCorrected(訂正済み)かUncorrected(未訂正)かという区別です。Microsoft公式の重大度定義とIntelのMachine Check Architecture仕様にもとづき、放置していい範囲を線引きします。
出典:Microsoft Hardware Errors and Error Sources・Microsoft Bug Check 0x124・Microsoft WHEA概要・Microsoft Interpreting a WHEA error for a MCA fault・Intel 64 and IA-32 Architectures SDM Volume 3B
イベントビューアーを開いたら、システムログに「WHEA-Logger」という警告やエラーが記録されていた。それでもPCは普段どおり起動し、ゲームも普通にプレイできている。そんなとき、このログをそのまま放置していいのか、それとも今すぐ何かを確認すべきなのか、判断に迷うことがあります。
WHEAが記録するハードウェアエラーには、ハードウェア自身が自己修復できたCorrected(訂正済み)と、修復できなかったUncorrected(未訂正)という明確な区分があり、Uncorrectedはさらに回復を試みられるNonfatalと、回復不能なFatalに分かれます。この記事では、Microsoft公式ドキュメントとIntelのMachine Check Architecture仕様にもとづいて、この3つの違いと、放置していい度合いがどう変わるのかを整理します。
既存の記事では、イベントID 17・18・19それぞれが何を示し、原因をCPU・メモリ・PCIe・GPUのどこに求めるかを扱っています。本記事はその内容を前提に、「結局、放置していいのか」という危険度の判断だけに焦点を絞り、様子見でいいケースと今すぐ確認すべきケースを早見表で対比します。
目次
定義Corrected・Uncorrected・Fatalは何が違うのか
WHEA(Windows Hardware Error Architecture)は、CPUやメモリ、PCI Expressデバイスなどが検出したハードウェアエラーを、Windowsのシステムイベントログへ記録する仕組みです。Microsoft公式のドキュメントでは、このハードウェアエラーを大きくCorrected(訂正済み)とUncorrected(未訂正)の2つに分類し、UncorrectedをさらにFatal(致命的)とNonfatal(非致命的)に分けています。
Correctedは、OSがエラーの存在を通知される時点で、すでにハードウェアやファームウェアが訂正を終えているエラーです。Uncorrected(Nonfatal)は、訂正できなかったものの、OSが回復を試みる余地があるエラーで、回復に失敗した場合はOSが停止処理(バグチェック)を発生させます。Fatalは、ハードウェアが回復不可能と判断した未訂正のエラーで、発生した時点でOSはただちに停止処理を生成します。
| 分類 | 意味 | 発生時の挙動 |
|---|---|---|
| Corrected | 通知される前にハードウェア・ファームウェアが訂正済み | ログに記録されるのみで、動作は継続する |
| Uncorrected (Nonfatal) | 訂正できなかったが、OSが回復を試みられる | 回復に失敗するとブルースクリーンが発生する |
| Fatal | ハードウェアが回復不可能と判断した未訂正のエラー | ただちにブルースクリーン(0x124など)が発生する |
CPU側の実装を見ても、Intelの仕様書(Machine-Check Architecture)には、エラーが訂正されたかどうかを示すビットと、処理を継続できない状態かどうかを示すビットが個別に用意されており、この2段階の判定でOSへ回復可能かどうかを伝える設計になっています。Machine Check ArchitectureはIntel・AMD双方のx86プロセッサに実装されている仕組みで、AMD製CPUも同じ枠組みにもとづいてエラーを報告するため、CorrectedかUncorrected(Fatal含む)かという分類の考え方自体は、CPUメーカーを問わず共通しています。
イベントビューアーの表示は要約された文言ですが、WHEAが内部で生成するエラーレコードには、Severityという項目でFatalなどの重大度がそのまま記録されます。WinDbgの!errrecコマンドで生のエラーレコードを確認すると、この値を直接見ることができます。
対応イベントID 17・18・19はどの分類に入るか
WHEA-Loggerで頻繁に見かけるイベントID 17・18・19は、いずれもこのCorrected・Uncorrected・Fatalという分類にそのまま対応しています。
| イベントID | 分類 | 内容 |
|---|---|---|
| 17 | Corrected | PCI Express(Advanced Error Reporting)が検出し訂正したエラー |
| 18 | Fatal | CPUのMachine Check Exceptionが未訂正・回復不能と判断されたエラー |
| 19 | Corrected | CPUのMachine Checkが訂正されたエラー |
数字が大きいほど深刻というわけではありません。18だけがFatal(回復不能)で、17と19はどちらもCorrected(訂正済み)です。この対応を取り違えると、本来は経過観察でよいイベントID19を過剰に心配したり、逆に対応が必要なイベントID18を様子見してしまったりします。それぞれのIDが具体的に何を意味し、原因をCPU・メモリ・PCIe・GPUのどこに求めるかは後述のリンク先で詳しく整理しています。
対比様子見でいいケースと今すぐ確認すべきケース
分類と頻度、症状の有無を踏まえると、次のように整理できます。
- Correctedが1回だけ記録された
- 記録後にフリーズ・ブラックアウト・突然の再起動が起きていない
- 直近でオーバークロックや電圧設定を変更していない
- 同じデバイス・同じコアで繰り返し発生していない
- Uncorrected(Fatal含む)が記録された
- Correctedでも発生件数が明らかに増えている
- フリーズ・ブラックアウト・突然の再起動を伴う
- WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR(0x124)でブルースクリーンが出た
判断軸回数の基準がない理由と、増えているかどうかの見きわめ方
「何回までなら様子見していいのか」は、多くの人が知りたいところですが、Microsoft・Intelいずれの公式資料にも、具体的な回数の基準は示されていません。WHEAの分類はCorrected・Uncorrected(Nonfatal)・Fatalという種類の違いであり、発生回数を基準にした重大度の定義ではないためです。
ただし、頻度の変化そのものを無視してよいわけではありません。Intelの仕様書(64 and IA-32 Architectures Software Developer’s Manual Volume 3B)には、CPUキャッシュで発生した訂正済みエラーの件数を内部でカウントし、一定のしきい値を超えると「Yellow」状態としてサービスのスケジュールを促す仕組みが定義されています。これはWindowsのイベントログの件数と直接連動する仕組みではありませんが、「訂正済みのエラーでも、頻度が増えること自体が点検のサインになる」というハードウェア側の考え方を示しています。
実務的には、次の3つを手がかりに判断してください。1つ目は、直近数日で発生件数が明らかに増えているかどうか。2つ目は、特定のゲームや高負荷時、スリープ復帰時など、条件が決まって発生しているかどうか。3つ目は、同じPrimary Device NameやAPIC IDで繰り返しているかどうかです。ランダムに月1回程度発生している場合と、同じ条件で毎日発生している場合とでは、対応の優先度が変わります。
チェック放置か対処か迷ったら確認する3つの項目
Get-WinEventで日付ごとの件数を集計できます。1週間に1回程度で増減がなければ経過観察でよく、直近数日で急に件数が増えている場合は要注意です。Get-WinEvent -FilterHashtable @{
LogName = 'System'
ProviderName = 'Microsoft-Windows-WHEA-Logger'
} | Group-Object { $_.TimeCreated.Date } | Select-Object Name, Count | Sort-Object Name
一覧状況別の危険度早見表
分類・頻度・症状の3軸を組み合わせると、次のように危険度と対応が変わります。
| 状況 | 危険度 | 対応 |
|---|---|---|
| Correctedが1回だけ記録され、症状もない | 低い | 経過観察でよい。発生日時だけ控えておく |
| Correctedが短期間に増えている、または同じ条件で繰り返す | 中程度 | オーバークロック・低電圧化・XMP/EXPOを解除して様子を見る |
| Correctedの記録と同時にフリーズ・ブラックアウト・デバイス切断が起きる | 中〜高い | 経過観察の対象から外し、PCIeデバイスの接続を確認する |
| Uncorrected(Nonfatal)が記録された | 高い | 回復に成功していても放置しない。頻度が増えていないか確認する |
| Fatalが記録された、またはWHEA_UNCORRECTABLE_ERROR(0x124)で再起動した | 最も高い | ただちにオーバークロックを解除し、冷却とメモリを確認する |
| 同じPrimary Device Name・同じAPIC IDで繰り返し記録される | 頻度で判断 | 対象のパーツ(GPU・SSD・特定のCPUコア)を優先して検証する |
Q&Aよくある質問
まとめ訂正済みの単発は経過観察、頻度と症状で判断する
WHEA-Loggerに記録されるエラーは、Corrected(訂正済み)とUncorrected(未訂正)に大別され、Uncorrectedはさらに回復を試みられるNonfatalと、回復不能なFatalに分かれます。Correctedが1回だけ記録され、フリーズやブラックアウトなどの症状がない場合は、ただちに部品を疑う必要はありません。
一方で、Uncorrected・Fatalが記録された場合や、Correctedでも発生頻度が明らかに増えている場合は、経過観察のままにしないでください。何回までなら様子見していいかという具体的な基準は公式資料にありませんが、頻度の変化と症状の有無という2つの軸で判断できます。
原因をCPU・メモリ・PCIe・GPUへ具体的に切り分ける手順は、WHEA-Logger 17・18・19の原因と直し方で解説しています。フリーズや再起動を伴う場合はゲーム中にPCが落ちる・固まる原因と直し方もあわせて確認してください。




