WHEA-Loggerのログがあると、BTOメーカーの保証・RMAで不利になるか|申告すべきタイミングと事前準備【2026年版】
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保証規定が対象外とするのは分解・改造・指示外のBIOSアップデートといった「行為」で、ログという記録そのものではありません
イベントビューアーにWHEA-Loggerの記録を見つけて、保証期間内のサポート相談をためらっていませんか。公開されている保証規定を確認すると、対象外の条件はいずれも分解・改造・基幹部品の構成変更といった具体的な行為で、ログの有無そのものではありません。申告すべきタイミングと、相談前に準備しておく情報まで整理します。
出典:サイコム公式「BTOパソコン 保証・免責事項」、マウスコンピューター公式「標準製品保証規定」、Microsoft公式「Introduction to the Windows Hardware Error Architecture」にもとづきます。
PCゲームをプレイしていて、イベントビューアーのシステムログにWHEA-Loggerの記録を見つけた。保証期間内のBTOパソコンやメーカー製PCなら、サポートへ相談して修理・交換(RMA)を依頼したいところですが、ふと不安がよぎります。この記録が残っていることで、自作PCいじり(パーツ交換・オーバークロックなど)を疑われ、保証を断られてしまうのではないか。相談する際、このログのことは話すべきか、それとも黙っておいたほうが無難なのか。
この記事では、BTOパソコンショップのサイコムとマウスコンピューターが公式に公開している保証規定・免責事項を確認したうえで、実際に保証の対象外となる条件が何を指しているかを整理します。結論を先に言うと、両社の規定が対象外とするのは「分解・改造」「サポート指示によらないBIOSアップデートやオーバークロック」「基幹部品の構成変更」といった、ユーザー側の具体的な行為です。WHEA-Loggerというシステムログが記録されていること自体を保証判定の基準にしていると明記した規定は、確認できる範囲では見当たりませんでした。
WHEA-Loggerのイベント自体が何を意味するかはWHEA-Logger 17・18・19の原因と直し方の記事で、Corrected・Uncorrectedの危険度の判断基準はWHEA-Loggerのエラーは無視しても大丈夫かの記事で扱っています。本記事はその2つを前提に、「保証・RMAへの影響」と「サポートへどう申告すべきか」という一点に絞って整理します。
目次
行為BTOメーカーの保証規定が「対象外」とする条件を確認します
BTOパソコンショップの多くは、公式サイトに保証・免責事項のページを公開しています。ここでは実際に条文を確認できた2社、サイコムとマウスコンピューターの公開情報を見てみます。あらかじめ断っておくと、この2社が「WHEAログがあると保証を断る」と定めているわけではありません。確認したいのは、保証が対象外になる条件として実際に何が挙げられているかという点です。
サイコム公式の「BTOパソコン 保証・免責事項」ページでは、標準保証の期間を初期不良30日・保証期間1年間(延長保証加入時は3年間)としたうえで、保証対象外の事項として次のように明記しています。「クロックアップや仕様を逸脱した改造による故障につきましては有償の修理となります」。また周辺機器の扱いについても「お客様自身で取り付けられた周辺機器、パーツなどの動作につきましては弊社では基本的にサポートや動作保証はできません」としています。
マウスコンピューター公式の「標準製品保証規定」は、PC本体の保証期間を3年間としたうえで、「6.保証の適用除外事項」として14項目を列挙しています。次のような事項です。「お客様又は第三者の故意、過失又は不適切な行為(分解・改造等)に起因して生じた故障又は損傷」「増設部品の接触不良、設定の誤り、改造、弊社サポートスタッフの指示によらないBIOSアップデート、オーバークロック等の動作を行ったことによる故障又は損傷」「製品の基幹構成部品(マザーボード、CPU、ケース、電源及びACアダプター等)が、工場出荷時もしくは販売店でのご購入時の構成と異なる場合」。同規定は続けて、「保証適用外の事由によって生じた製品の修理に関しては、理由の如何にかかわらず有償となります」とも定めています。
2社の条文に共通しているのは、除外の対象がいずれも「分解」「改造」「指示外のBIOSアップデートやオーバークロック」「基幹部品の構成変更」という、ユーザー側の具体的な行為として書かれている点です。少なくともこの2社が公開している条文を読む限り、WHEA-Loggerというシステムログが記録されていること自体を、保証判定の基準として名指しした記述は見当たりません。
構造WHEA-Loggerの記録自体は、なぜ保証除外の理由にならないのか
WHEA(Windows Hardware Error Architecture)は、CPUやメモリ、PCI Expressデバイスなどが検出したハードウェアエラーを、Windowsが自動的にシステムイベントログへ記録する仕組みです。Microsoft公式のドキュメントが示すとおり、この記録はOSやハードウェアが異常を検知した際に自動生成されるものであり、ユーザーが何らかの操作をした証拠として設計されたものではありません。
実際、WHEA-LoggerのイベントID17・18・19が記録される原因は、工場出荷時からの初期不良、電源ユニットの出力不足、冷却不足によるサーマルスロットリング、チップセットドライバーの不具合など多岐にわたります。これらはいずれもユーザーの行為とは無関係に発生しうるものです。ログの記録自体を除外の根拠にしてしまうと、ユーザーに何の落ち度もない純粋な初期不良のケースまで一律に弾いてしまうことになり、保証制度の趣旨と整合しません。両社の条文が「行為」を基準に据えているのは、この整合性を保つための当然の設計だと考えられます。
マウスコンピューターの規定には、保証書のシリアルシールが貼付されていない場合や、製品のシリアル番号が不明な場合に保証対象外となりうるという注意事項もあります。分解・改造の有無を確認する材料になるのは、こうした物理的な痕跡や部品構成の相違であり、WHEA-Loggerという自動生成されたシステムログの有無ではありません。
経路オーバークロック・改造をしていた場合に何が起きるか、順序を整理します
ここまでの整理だけを読むと「ログさえ気にしなければいい」と受け取られかねないので、実際にオーバークロックや改造をしていた場合にどういう順序で保証の可否が決まるのかを整理しておきます。
- 出荷時の構成のまま、分解・パーツ増設をしていない
- サポート指示によらないBIOSアップデートやオーバークロック、電圧変更をしていない
- マザーボード・CPU・ケース・電源などの基幹部品が出荷時の構成と一致している
- WHEA-Loggerの記録が単発のCorrectedで、フリーズなどの症状も伴っていない
- 分解してパーツ増設・交換・グリスの塗り直しなどを行った
- サポート指示によらないBIOSアップデートやオーバークロック、電圧変更を行った
- マザーボード・CPU・ケース・電源など基幹部品が出荷時と異なる構成になっている
- これらの行為の直後からWHEA-Loggerの記録や不具合が始まっている
後者に当てはまる場合、実際に起きているのはこういう順序です。まずオーバークロックや改造によって電圧やクロックが不安定になり、その結果としてWHEA-LoggerのイベントID17・18・19の記録が増える。次にサポートへ相談し、診断の過程でBIOSの変更履歴や部品構成の相違が判明する。その「オーバークロック・改造という行為」自体が、マウスコンピューターの規定でいう除外事項(10)や(12)に該当するため、修理が有償になる。WHEA-Loggerの記録は、この一連の流れの中で異常が起きていることを示す一つの症状にすぎず、除外の直接の理由ではありません。判断の基準はあくまで、その行為が実際に故障を引き起こしたと認められるかどうかです。
申告サポートに相談する際、ログの存在を伝えるべきか
結論としては、正直に伝えることをおすすめします。WHEA-Loggerの記録を見つけたこと、いつからどのくらいの頻度で出ているか、どんな症状を伴っているかを、そのまま説明してください。隠す方向の判断にはメリットがありません。
理由は主に3つあります。1つ目は、診断の精度です。症状や経緯を伏せたまま相談すると、サポート側は限られた情報から原因を推測するしかなく、見当違いの対応や、修理・交換の往復が無駄に増えるおそれがあります。2つ目は、マウスコンピューターの規定にある「お客様の判断により、不具合があると申告された場合であっても、弊社サポートスタッフが製品仕様の範囲内であると判断した場合、その不具合に対する保証対応を行わない場合があります」という一文が示すとおり、判定は最終的にメーカー側の技術的な確認にもとづきます。正確な情報を伝えたほうが、公正な判定を受けやすくなります。3つ目は、仮に過去にオーバークロックや改造をしていて、その後に元の設定へ戻していたとしても、その経緯自体は伝えたほうがよいという点です。いつ、どんな変更をして、いつ元に戻したのかという時系列が分かれば、サポート側は現在の症状がその変更と関係があるのかどうかを、より正確に切り分けられます。
準備相談前に整理しておく情報
サポートへの相談をスムーズに進めるために、連絡する前に次の情報を整理しておくと、診断が早く進みます。
判断相談すべきタイミング
相談を急ぐべきかどうかの判断基準は、WHEA-Logger単体の話ではなく、Corrected・Uncorrectedの危険度早見表の記事で整理した基準がそのまま当てはまります。Uncorrected(Nonfatal)やFatalが記録された場合、Correctedでも発生頻度が明らかに増えている場合、フリーズやブラックアウト・突然の再起動を伴う場合は、経過観察のままにせず、保証期間内のうちにサポートへ相談してください。逆に、Correctedが1回だけ記録され、症状も伴っていないなら、急いで相談する必要はありません。
ただし、様子見をしている間に標準保証の期限が近づいている場合は注意が必要です。初期の不具合が保証期間ぎりぎりになって表面化すると、診断や修理のやり取りに要する時間との兼ね合いで、対応が窮屈になることがあります。BTOメーカー各社のRMAポリシーや対応スピードの違いはゲーミングPC初期不良・返品完全ガイドの記事で比較しています。標準保証の期間そのものを延ばしておきたい場合は、購入時や保証期間の途中で加入できる延長保証という選択肢もあり、各社のプラン内容はBTO 8社の保証延長プラン徹底比較の記事で整理しています。
Q&Aよくある質問
まとめログではなく行為が基準、隠さず経緯を伝えるのが近道です
サイコム・マウスコンピューターが公式に公開している保証規定を確認する限り、保証の対象外となる条件はいずれも「分解・改造」「指示外のBIOSアップデートやオーバークロック」「基幹部品の構成変更」といった、ユーザー側の具体的な行為です。WHEA-Loggerというシステムログが記録されていること自体を、保証判定の基準にしていると明記した規定は確認できませんでした。
ログはハードウェアの異常をOSが自動的に記録した結果にすぎず、その原因は初期不良から電源不足、冷却不足まで多岐にわたります。過去にオーバークロックや改造をしていた場合は、それが実際に故障の原因になっているかどうかが問われるのであって、ログの有無が問われるわけではありません。サポートへ相談する際は、症状と経緯を隠さず伝え、メーカーの診断に委ねてください。
相談すべきタイミングの基準はWHEA-Loggerのエラーは無視しても大丈夫かの記事、イベントIDごとの原因の切り分け方はWHEA-Logger 17・18・19の原因と直し方の記事にまとめています。




