Apex LegendsがEA Javelinへ移行|9月29日もSecure Bootは不要、起動を止める常駐ソフトと対処【2026年9月】
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Battlefield 6と違いBIOS変更は不要、起動を止めうるのはHWiNFOやRGBツールの旧版
Electronic Arts(EA)は2026年9月24日、PC版『Apex Legends』のアンチチートを9月29日からEpic Gamesの「Easy Anti-Cheat(EAC)」から自社の「EA Javelin Anticheat(以下Javelin)」へ切り替えると発表しました。Javelinは『Battlefield 6』でも使われているPC向けの不正対策ソフトで、BF6ではSecure Bootを有効にしないと起動できません。
Apexはこの点が違います。EAは「現時点でApexにSecure Bootは不要」と明言しており、ゲームを更新して起動するだけで移行が終わります。一方で、Javelinは互換性のないドライバーを見つけると起動を止める仕組みを持ち、その対象にはHWiNFOやCPU-Z、ASUS Aura Syncといったゲーミング環境でよく常駐しているソフトの古い版が含まれています。
以下では、9月29日に何が変わって何が変わらないのかを整理したうえで、BF6と要件が分かれる理由、起動しなかったときのエラー番号別の対処、そしてEACでも不正率が下がっていたのにEAが乗り換える理由まで、EAの公式資料をもとに順に確認します。
変更点9月29日に変わること・変わらないこと
切り替えの手順はシンプルです。9月29日にPC版のゲームアップデートが配信され、更新後にApexを起動するとJavelinへ自動で移行します。EACを手動でアンインストールしたり、Javelinのインストーラーを別に入手したりする必要はありません。
なお、9月29日は米国側の日付で、配信時刻は発表されていません。Apexの大型アップデートは太平洋時間の午前に配信されることが多く、その場合は日本時間で9月30日の未明になります。
変わるのはPC版の中核にあたるクライアント側のアンチチートだけです。PlayStation・Xbox・Nintendo Switch 2のコンソール版は対象外で、EAはコンソール向けには専用のデータモデルとサーバー側の検出を引き続き強化すると説明しています。
| 項目 | 9月28日まで | 9月29日から |
|---|---|---|
| アンチチート | Easy Anti-Cheat | EA Javelin Anticheat |
| 開発・運用 | Epic Games | EA |
| 動作する権限 | カーネルレベル | カーネルレベル |
| Secure Boot | 不要 | 不要(現時点) |
| 導入方法 | ゲームに同梱 | 更新後の初回起動で自動移行 |
| Windowsの条件 | 64bit版Windows 10以降 | Windows 10 20H1(10.0.19041)以降 |
表の中で実際に影響が出うるのは最後の行です。JavelinはWindows 10 20H1(2020年5月配信)以降を必須にしており、それより古いビルドのWindows 10では起動できません。Windows 10は2025年10月にサポートが終了しているため該当するPCは多くありませんが、長く更新を止めているPCはWindowsキー+Rで「winver」と入力し、OSビルドが19041以上かを確認しておくと安心です。
もう1つ注意したいのが、表には載せていない拒否リストです。Javelinはセキュリティ上の理由で特定のドライバーやソフトを拒否リストに載せており、それらが動いているとゲームを起動させません。詳しくは後半の止まりやすい常駐ソフトで扱います。
要件Secure Bootは不要、Battlefield 6と分かれる理由
EAは発表の中で、他のEAタイトルでJavelinを使ったときにBIOSからSecure Bootを有効にした経験があるプレイヤーに向けて、Apexでは現時点でその必要はなく、ダウンロードして起動するだけでよいと説明しています。
同じJavelinでも要件が違うのは、Javelinがタイトルごとに設定を変えられる作りになっているためです。EAはBF6のSecure Boot告知で、Javelinを「カスタマイズ可能で、BattlefieldやほかのEA製FPS向けに独自の手法を取れるシステム」と説明しています。
BF6がSecure Bootを必須にした目的は、Windowsの起動途中に入り込むチートへの対抗です。EAはSecure BootとTPMを使うことで、カーネルレベルのチートやルートキット、メモリ改ざん、ハードウェアIDの偽装、仮想マシンを使った回避、アンチチート自体の改ざんに対抗しやすくなると挙げています。
EAはSecure Bootの要求をタイトル単位で切り替えられる仕組みを『Battlefield 2042』から導入しており、BF6ではさらにTPM 2.0も必須にしました。Apexはこの仕組みの上に載るものの、要求するかどうかのスイッチがオフのまま移行する形です。
注意したいのは、EAの表現が「at this time(現時点では)」になっている点です。将来も不要だと約束しているわけではありません。Legacy BIOSのまま、あるいはMBR形式のディスクにWindowsを入れているPCは、Secure Bootを有効にするだけでWindowsが起動しなくなることがあるため、慌てて設定を変えるのは避けてください。要件が変わったときに備えて手順を知っておきたい場合は、Secure Bootを有効にしたらWindowsが起動しない原因と直し方で、CSMとMBRの確認から順に解説しています。
権限カーネルレベル化ではなく運営元の交代
Javelinはカーネルレベルで動くアンチチートです。ただ、Apexが9月29日から新たにカーネルレベルの保護を入れるわけではありません。EAは2024年8月のApexのアンチチート報告で、EACを「カーネルレベルのアンチチートサービス」と説明しており、Apexは以前からカーネルレベルの保護の上で動いていました。
変わるのは、その層を誰が作って運用するかです。これまではEpic Gamesが提供するEACを使い、Respawnが独自の検出を重ねる形でした。9月29日からは、EAが自社で開発・運用するJavelinが中核になります。
常駐の仕方についても、EAは具体的に説明しています。Javelinは保護対象のゲームを起動している間だけ動き、ゲームを終了するとアンチチート関連のプロセスもすべて終了します。Javelinを使うEAのゲームをすべてアンインストールすると、Javelin自体もPCから自動的に削除されます。
EAがカーネルレベルで動かす理由として挙げているのは、ゲームの外から動く外部チートを検出するにはその権限が必要だという点です。カーネルレベルのアンチチートがPC上で何をしているのか、Vanguardなど他社製品との違いも含めて知りたい場合は、カーネルレベル・アンチチート完全ガイドで整理しています。
原因Javelinで起動が止まりやすい常駐ソフト
「EA Javelin Anticheat has detected an incompatible driver. Please update or disable [ドライバー名] and restart. Error #119」と出た場合、表示されたドライバーを使うソフトがJavelinの拒否リストに入っています。EAは、多くのソフトは最新版に更新すれば互換性が戻ると案内しています。
EAのヘルプには、拒否リストに入っているソフトの例が約30件載っています。ゲーミングPCでよく常駐しているものを種類別に分けると、次のとおりです。
EAはこの一覧がすべてではないとも明記しています。エラーに表示されたドライバー名が一覧にない場合は、ファイル名で検索してどのソフトのものかを突き止め、そのソフトを更新するのが近道です。更新しても直らない場合は、ソフト自体が拒否対象なので、Apexを遊ぶ間は無効化する必要があります。
なお、エラー#119とは別に「incompatible software(互換性のないソフト)」と表示されることもあります。こちらもソフトの更新が先、直らなければ無効化という順番は同じです。
手順9月29日以降に起動しないときの対処
起動しないときに最初にSecure Bootを疑う必要はありません。Apexでは要件になっていないため、BIOSを触る前に次の順で確認してください。
- ゲームとPCを再起動する。EAはJavelinのエラーの多くがファイル破損やバックグラウンドソフトの競合で起きると説明しており、まず再起動で直るかを見ます。
- エラー番号を控える。#119や「incompatible software」なら、表示されたソフトを最新版に更新し、直らなければ無効化します。
- Javelinを入れ直す。エクスプローラーでC:\Program Files\EA\ACを開き、EAAntiCheat.Installer.exeからApexを選んでUninstall、続けてInstallを実行します。インストーラーはEAのヘルプからも入手できます。
- エラー#701が出たら、管理者権限のコマンドプロンプトでfsutil resource setautoreset true C:\を実行して再起動します(Windowsを入れたドライブがC以外なら置き換えます)。Windowsのファイルシステムのトランザクションログをリセットする操作です。
- Windows Insider Previewを使っていてエラー#41が出たら、Windows Updateで最新のInsiderビルドに更新します。証明書が更新されていないビルドでは起動できません。
- 起動はするのにプレイ中に落ちる場合は、CPUのマイクロコードを更新し、BIOSの電力設定をメーカー推奨値に戻します。EAはJavelinが古いマイクロコードを検出すると警告を出すと説明しています。
6番目は特にCore i9-13900K・14900Kなど第13・14世代Coreを使っている人に関係します。EAはIntelが2024年6月に出した電力設定の推奨値を案内しており、BIOSに「Intel Default」「Baseline」といった既定の電力プロファイルがあれば、それを選ぶのが手早い方法です。マイクロコードの更新経緯と確認方法はCore i9-13900K・14900Kの不安定化問題とWHEA-Loggerにまとめています。
Javelin以外の原因、たとえばゲームファイルの破損やGPUドライバーの問題で起動しない場合の切り分けは、Apex Legendsが起動しない・クラッシュする原因まとめが使えます。EACのエラーを前提にした項目は、9月29日以降はJavelin側の手順に読み替えてください。
性能fpsや起動時間への影響は実装後に判断
9月27日時点で、ApexのEAC版とJavelin版を同じPCで比べた測定データはまだありません。平均fpsやCPU使用率が上がるのか下がるのかは、9月29日の実装後に確かめるしかありません。
EAはJavelin全体の改善として、この1年でゲームの起動時間を60%短縮し、改ざん対策部分の処理を20%高速化、使用するリソースを10%削減したと公表しています。ただしこれはJavelin全体の数値で、EACからJavelinに変えるとApexの起動が60%速くなるという意味ではありません。
Radeonユーザーが気にしやすいAMD Anti-Lagについては、2025年10月に互換性の修正を配信し、起動できなくなっていた4万5,000人の問題を48時間以内に解消したとEAは説明しています。NVIDIA Smooth MotionやDLSSのドライバー経由の更新もJavelinと併用できるよう修正済みです。
自分の環境で違いを見たい場合は、9月28日までにEAC版で射撃訓練場など条件をそろえやすい場所の平均fpsと1% Lowを記録しておくと、移行後にそのまま比べられます。Apexは高いフレームレートで遊ぶ人が多いゲームなので、平均fpsより1% Lowやフレームタイムの乱れに変化が出ていないかを見る方が実感に近い比較になります。
背景EACでも不正率は下がっていた、それでも乗り換える理由
今回の移行は、EACでチーターを止められなかったから替えるという話ではありません。Apexの不正対策チームは2026年4月、ランクマッチの不正遭遇率(Match Infection Rate)が4.1%まで下がり、計測を始めてから最も低くなったと報告しています。2025年12月時点の5.8%から、EACを使ったままさらに改善していました。
この数値は「14日以内に3回以上通報され、チートでBANされたプレイヤーが1人でもいた試合」の割合です。Apexのバトルロイヤルは1試合60人なので、1人でもチーターがいればその試合は数に入ります。
それでもEAが自社製へ移す理由として挙げているのは、新しい脅威への可視性と、検出を開発・改善するときの自由度です。コンソール向けの説明でも、アンチチートの開発・テレメトリ・データを社内に集めることで、対応の速さと見える範囲が広がるとしています。
こうして並べると、Javelinへの移行はApexの不正対策の中で外部製品に頼っていた最後の層をEA側へ寄せる動きといえます。Javelinに替わった翌日にチーターが激減するとは考えにくく、見るべきはEAが今後公表する不正遭遇率やBANまでの速さが数か月単位でどう動くかです。
対象外Steam Deck・Linux・Arm版Windowsはどうなるか
Steam DeckやLinuxでの扱いは、今回の移行で変わりません。RespawnはLinuxがチートの抜け道になっているとして、2024年10月31日にLinuxからのアクセスを遮断すると発表しており、標準のSteamOSではすでにApexを起動できない状態です。Javelinへの移行でLinux対応が復活するという発表もありません。
EAC・BattlEye・Vanguardの各ゲームがLinuxで遊べるかの一覧は、Linuxでアンチチートゲームは遊べるかで整理しています。
もう1つ動きがあるのがArm版Windowsです。EAはJavelinが近くArm64にネイティブ対応すると発表しており、NVIDIAの「RTX Spark」の対応ゲームにはApexも名前を連ねています。ただし、Arm版WindowsでのApexのJavelin動作をEAが個別に確約したわけではありません。経緯はRTX SparkのApex対応とJavelinのArm64ネイティブ化で解説しています。
FAQよくある質問
まとめまとめ|BIOSより常駐ソフトの更新を先に
PC版Apex Legendsは2026年9月29日、Easy Anti-CheatからEA Javelin Anticheatへ切り替わります。更新して起動すれば自動で移行し、Battlefield 6と違ってSecure Bootは求められません。Apexは以前からカーネルレベルのアンチチートで動いており、変わるのは権限の深さではなく、開発・運用がEpic GamesからEAへ移ることです。
当日つまずきやすいのは、HWiNFOやCPU-Z、RGB制御ソフト、Razer Synapse、Voicemodといった常駐ソフトの古い版です。エラー#119が出たら表示されたソフトを更新し、直らなければ無効化し、それでもだめならJavelinを入れ直す順で対処してください。
9月29日の前にやっておきたいのは、Windows 10ならOSビルドが19041以上かの確認と、監視ツール・RGB制御・周辺機器ソフトの更新の2つです。BIOSのSecure Boot設定は触らなくて構いません。移行後に起動しなければエラー番号を控え、#119ならソフトの更新か無効化、それ以外は再起動とJavelinの再インストールから始めてください。
出典:EA「EA Javelin Anticheat is Coming to Apex Legends」(2026年9月24日)、EA「Raising the Bar: A Year of Progress for EA Javelin Anticheat」(2026年9月10日)、EAヘルプ「How to install and troubleshoot EA Javelin anticheat on PC」、EA「Battlefield 6 Secure Boot Information」(2025年8月4日)、EA「Apex Legends Anti-Cheat」(2024年8月)、EA「Apex Legends Anti-Cheat Update」(2025年9月2日)、EAフォーラム「An Update from the Anti-Cheat Team – 04/24/2026」、EA「Apex Legends Anti-Cheat Update」(2026年3月4日)、EA「Apex Legends: Marked Midseason Patch Notes」(2026年9月14日)、GamingOnLinux「EA / Respawn now block Apex Legends from running on Linux and Steam Deck」(2024年10月)





