SILENTPATCH 2026 UPDATE / 2026年7月31日公開
GTA三部作向けSilentPatch大型更新San Andreasの音声復元とWindows 11のSkimmer消失問題を解消
PC版『グランド・セフト・オートIII』『バイスシティ』『サンアンドレアス』(オリジナル世代)向けの非公式修正パッチ「SilentPatch」に、三部作合計で100件を超える新規修正 を加えた大型アップデート「2026 Update」が公開されました。GitHub上のマイルストーンでは113件のIssueがすべて解消され、開発者自身もSilentPatch史上最大のコンテンツアップデート と位置づけています。
2026年7月31日公開 三部作合計100件超の修正 San Andreasの音声を大量復元
出典:Silent氏公式ブログ「SilentPatch for Grand Theft Auto: 2026 Update」 、SilentPatch公式GitHubリポジトリ 、GitHub「2026 Update」マイルストーン 、Silent氏ブログ「GTA San Andreas Win11 24H2 bug」 、Microsoft公式ブログ「The Old New Thing」の関連記事 にもとづきます。情報は2026年8月10日時点です。
『グランド・セフト・オートIII』『バイスシティ』『サンアンドレアス』のオリジナルPC版は発売から20年以上が経ちますが、今のWindows環境で遊ぼうとすると、高解像度でUIの位置がずれる、特定のNPCの声が聞こえない、Windows 11の特定バージョンで特定の乗り物が出現しないといった、当時から残る細かな不具合に今でも遭遇します。
2026年7月31日、こうした不具合を直す非公式パッチ「SilentPatch」の開発者Silent氏(GitHub上ではCookiePLMonsterとして活動)が、過去最大規模となる「2026 Update」を公開しました。三部作合計で100件を超える新規修正が加わり、特に『サンアンドレアス』では、ゲームデータの中に眠ったまま長らく再生されていなかった音声が幅広く復元されています。
公開から日数が経ち、話題としては一段落した印象もありますが、開発者本人のブログとGitHubのマイルストーンを読み込むと、修正の量と技術的な掘り下げの深さはニュース記事1本で読み流すにはもったいない内容です。この記事では一次情報にもとづき、San Andreasの音声復元、Windows 11でSkimmerが消える問題、GTA IIIとVice Cityの主な修正まで、変更点を整理します。
要点 SilentPatch「2026 Update」とは
SilentPatchは、Mod開発者Silent氏(GitHub上ではCookiePLMonster)が2013年から手がけているPC版『グランド・セフト・オートIII』『バイスシティ』『サンアンドレアス』向けの非公式修正パッチです。ゲームプレイそのものを別物に変える類のMODではなく、オリジナル版に残るクラッシュ・互換性・表示・ゲームプレイ上の不具合を直すことを目的にしたプロジェクトで、GitHub上の説明でも「ゲーム本来の体験を変えない」ことが方針として明記されています。2024年後半にソースコードが公開されて以降は、コミュニティからの不具合報告をもとに開発が続けられてきました。
2026年7月31日、Silent氏は自身のブログで「SilentPatch for Grand Theft Auto: 2026 Update」を公開しました。GitHub上で管理されていた「2026 Update」マイルストーンでは、関連する113件のIssueがすべてクローズ済みで進捗は100%。開発者自身もブログの中で、今回をSilentPatchとして過去最大のコンテンツアップデート と位置づけています。
i 三部作合計で100件超の新規修正 開発者のブログによれば、三部作合計で100件を超える新しい修正が追加されました。その多くは、ゲームデータとしては収録されていたのに何らかの不具合で正常に動作していなかった要素を復元するものです。
対象 Definitive Editionではなくオリジナル世代PC版向けの更新
今回のアップデートが対象とするのは、RenderWareエンジンを使用したオリジナル世代のPC版です。SilentPatchの配布元であるGitHubリポジトリでも、「3D-era Grand Theft Auto games(3D世代のグランド・セフト・オート)」向けのパッチと明記されており、対応するRenderWareのバージョンはGTA IIIが3.3、バイスシティが3.4、サンアンドレアスが3.6です。
2021年に発売されたUnreal Engineベースのリマスター版『Grand Theft Auto: The Trilogy – The Definitive Edition』は対象に含まれません。Steam版・Rockstar Games Launcher版・ディスク版など、オリジナル世代のPC版を今のWindows環境で遊んでいる、あるいはこれから遊ぶユーザー向けのアップデートです。
! Definitive Editionでは使えません Nintendo Switch・PlayStation・Xbox版はもちろん、PC版であっても2021年発売のDefinitive Editionにはインストールできません。手元のバージョンが分からない場合は、購入したストアのタイトル表記に「Definitive Edition」の記載があるかどうかで確認できます。
全体 三部作に共通する画面・操作まわりの修正
三部作すべてに関わる修正としては、主に高解像度表示とハードウェア操作まわりが挙げられます。
UI要素の位置・余白の高解像度対応をさらに改善 過去のSilentPatchでUI要素のサイズは解像度に応じて拡大されるようになっていましたが、一部のテキストの表示位置や右側の余白が解像度に連動していない問題が残っていました。GTA IIIのロード画面やブリーフィング画面を中心に、サンアンドレアスの一部画面もあわせて修正されています。
光源のフレアが解像度に応じて正しく拡大するように コロナ(光の玉)自体は解像度に合わせて拡大されていましたが、そこから伸びるフレアだけは拡大されていませんでした。緊急車両のランプや太陽の見え方に関わる修正で、4K環境では特に違いが分かりやすくなっています。
デスクトップと同じリフレッシュレートで動作させる設定を追加 従来は起動時や最小化時に60Hzへ切り替わり、表示モードの切り替えに時間がかかることがありました。三作品とも、デスクトップと同じリフレッシュレートで動かす設定が用意されています。
マルチモニター環境でのマウスカーソル制御を改善 マウスカーソルがゲームウィンドウの外へ抜けてしまう問題について、カーソルをウィンドウ内に留める新しい方式へ置き換えられました。
これらの修正は、Widescreen Fixが提供するHUD・レーダーのスケーリング設定とも問題なく組み合わせられるように調整されています。
ボイス San Andreas|大量に眠っていた未使用音声を復元
今回の目玉は、『サンアンドレアス』の音声(セリフ)まわりの修正です。開発者のブログでは、この章の見出しに「Fixing a hundred speech lines(百のセリフを直す)」という言葉が使われていますが、これは復元した音声の正確な件数を示す数字ではなく、大量の音声を扱ったことを表す見出しの表現です。開発者は、NPCの音声システムを研究しているKaizo M氏の調査とツール(Speech Context Debugger)をもとに、コード上のミスやコンテキストの設定ミスで再生されなくなっていた音声を幅広く洗い出したと説明しています。
CJの射撃セリフがキーボード・マウスでも再生されるように CJが銃を構えたときのセリフはゲームパッド・キーボードのどちらでも機能していましたが、実際に発砲したときのセリフはオートエイム使用時にしか再生されていませんでした。今回の修正でこの制限がなくなり、キーボード・マウス操作でも本来用意されていた発砲時のセリフを聞けるようになっています。
Ammu-Nation店員など、驚いたときのセリフを追加 食料品店や衣料品店の店員には、CJが銃を向けたときの専用セリフが存在していましたが、銃砲店Ammu-Nationの店員や理髪店のスタッフには同様の仕組みがありませんでした。音声データ自体は収録されており、誤ったコンテキストに割り当てられていたことが判明。特にAmmu-Nation店員には、この場面専用のセリフが15種類以上収録されていました。
ギャングの挑発ボイスを修正 Los Santos Vagos、Triads、San Fierro Rifa、Da Nang Boysそれぞれに向けた挑発セリフがゲームデータ内に存在していましたが、設定の不備で使われていませんでした。敵対ギャングがCJへ所属を尋ね、CJが「Grove!」あるいは「ギャングじゃない」と答えた際に続く未使用のセリフも新たに有効化されています。
地区制圧後の歓声が正しく再生されるように CJには特定の地区を制圧した際の専用ボイスが用意されていましたが、ゲーム側がこのセリフを本来のCJではなく、仲間として連れているGrove Street Familiesのメンバーへ再生しようとして失敗していました。今回の修正で、CJ自身のボイスとして正しく再生されるようになっています。
警察との銃撃戦でのセリフが増加 「囲まれている」「援護してくれ」といった状況別のセリフはギャング側でしか機能しておらず、警察官のセリフとして設定する処理に不具合がありました。修正後は、警察との銃撃戦でもこれらのセリフを聞けるようになっています。
天候の世間話・無音だったキャラクターの声も復元 歩行者がCJへ天気の話題を振る会話が正しく機能するようになったほか、コード内のタイプミスが原因で声が使われていなかったキャラクター(WMYSGRD・BMYPIMPなど)や、誤って設定されたコンテキストのせいで声が出なかったキャラクター(VBFYST2)、モデル名に声が割り当てられていなかったキャラクター(Maccer)の音声も復元されました。
長年の謎 San Andreas|Windows 11でSkimmerが消える問題とFort Carsonの爆発
音声以外にも、長くプレイヤーの間で話題になっていた不具合が今回のアップデートで解消されています。
Windows 11 24H2でSkimmerが出現しなくなる問題を修正 2025年、Windows 11の24H2アップデート環境でSkimmer(水上機)が通常の出現地点にもTrainerを使っても出現しなくなる問題が報告され、話題になりました。原因はWindows 11自体がSkimmerを削除しているわけではなく、ゲーム側の設定ファイルvehicles.ideに存在する不完全なデータ行を、San Andreasが適切に処理できていなかったことです。これまで偶然表面化していなかった不具合が、Windows環境側の変化によって表に出た形でした。今回のアップデートではvehicles.ideのパーサーに、不完全な定義行への合理的なフォールバック処理が追加され、データファイルを書き換えることなく問題を根本的に解消しています。
Fort Carsonで突然爆発するBeagleの謎を解決 Fort Carson付近の民家に配置された小型機Beagleが、出現直後に爆発するという有名な不具合の原因が判明しました。開発者の調査によると、出現座標自体は正しく設定されていたものの、割り当てられた車両IDが誤っていた可能性が高いとのことです。San AndreasにはID 509(Bike)とID 510(Mountain Bike)の自転車が存在し、この出現地点を設定した際に3種類目のBMXがID 511だと誤って想定した可能性がありますが、実際のID 511はBeagleでした。今回のアップデートでは、この出現地点のIDをBMXへ上書きする形で問題を解決しています。
ミッション「Ice Cold Killa」で鳥が出現しない不具合を修正 San Andreasにはスクリプトで鳥を出現させる仕組みがありますが、不具合によって正しく機能していませんでした。ミッション「Ice Cold Killa」のカットシーンでは本来鳥が出現する演出が用意されていたものの、実際には表示されておらず、テスト時にも見過ごされていたとみられます。2つの不具合を修正し、本来のカットシーン表現を復元しています。
「Good Citizen Bonus」を復活 犯罪者を追いかける警察官をCJが助けると報酬を得られる「Good Citizen Bonus」の仕組みが、SilentPatch側で実装されました。San Andreasのタスクシステムを使う形で組み込まれ、対象の犯罪者を殴ると一度だけ50ドルが支払われます(繰り返し殴っても加算されません)。このとき警察官が発する、これまで使われていなかった専用のセリフも再生されます。この機能を再現する非公式MODは以前から存在していましたが、今回の音声調査で新しい発見があったことをきっかけに、SilentPatch本体への実装が決まったと開発者は説明しています。
他の二作 GTA IIIとVice Cityの主な修正
『サンアンドレアス』ほどの規模ではないものの、GTA IIIとバイスシティにも見た目・挙動に関わる修正が複数加わっています。
GTA IIIの字幕位置をバイスシティ仕様に統一 GTA IIIには、通常プレイ中はレーダーを避けて字幕を表示し、カットシーンでは画面中央に表示する仕組みが用意されていましたが、実装が未完成のまま出荷され、常にレーダーと重なって表示されていました。バイスシティで完成していた処理を参考に機能を完成させ、通常プレイ時はレーダーを避け、カットシーンでは画面幅をより広く使う表示に改善されています。
NPCのスナイパーライフル・RPGの挙動を修正 GTA IIIではNPCがスナイパーライフルを正しく発射できず、そのタイミングでプレイヤーが一人称視点にすると、カメラの位置から弾が飛んでくるような不自然な挙動がありました。この問題はバイスシティ側で公式に修正されていたため、その処理をGTA IIIへ逆輸入。NPCが発射するRPGについても、弾がNPCの内部から発生して即座に爆発する不具合をGTA III・バイスシティ双方で修正しています。
バイスシティの「置き引き」を復活 GTA IIIおよびその前作にあたるGTA2では、街中の犯罪者が歩行者を襲う「置き引き」が発生していましたが、バイスシティでは歩行者の行動処理が追加された影響で機能しなくなっていました。要素自体は削除されておらず、原因となっていた処理を修正することで元の挙動が復活しています。
バイスシティのヒートヘイズを解像度に正しく対応 車両の排気まわりに表示される「Trails」有効時のヒートヘイズは、解像度への対応が二重にかかってしまい、4K環境では画面の半分近くを覆うほど誇張されていました。スケーリング処理を修正し、意図された控えめな見え方に改善。あわせて、水滴や血液などのエフェクトがHUDやレーダーの下へ正しく回り込まない問題も解消されています。
歩行者・Tommyの会話頻度をINIで調整可能に バイスシティのPC版は、歩行者やTommyがPS2版と比べて無口な状態でした。原因となっていた会話の遅延値がINIファイルから調整できるようになり、既定値は遅延なしに設定されています。にぎやかさを抑えたい場合は、設定側で従来に近い頻度へ戻すことも可能です。
共存 MODとの互換性改善
SilentPatch自体はMODではなく不具合修正パッチですが、他のMODと組み合わせて使われることが多いため、互換性まわりの修正も継続的に行われています。
Widescreen Fixとの整合性を確保 三部作すべてのUIスケーリング修正が、Widescreen FixのHUD・レーダースケーリング設定と衝突しないよう調整されています。
Open Limit Adjusterとの併用時のクラッシュを修正 GTA IIIで、Open Limit AdjusterをSilentPatchより先に読み込む構成において、ロード画面でクラッシュが発生する問題が解消されました。大型マップMOD「Upstate Liberty」を導入している場合に特に起きやすい問題でした。
バイスシティにバックフェースカリング設定を追加 特定のカスタムキャラクターモデルとSilentPatchの修正が競合する場合に備え、標準の描画方式へ戻せる設定項目[DontDrawBackfaces]が追加されました。
セットアップ 導入方法と注意点
GTA IIIとバイスシティは、それぞれのゲーム向けに配布されているファイル一式をゲームディレクトリへ展開する方式です。サンアンドレアスは、PC版1.0またはSteam版であればSilent氏が配布する専用のASI Loaderを利用でき、Rockstar Games Launcher版の場合はUltimate ASI Loaderを別途使用する必要があります。
SilentPatchはテクスチャをAIアップスケールしたり、キャラクターや車両の3Dモデルを現行世代品質へ作り替えたりする、いわゆる高画質化MODではありません。GitHub上の説明でも、ゲーム本来のプレイ体験を変えずに不具合・互換性問題を修正することが基本方針として明記されています。すでに多数のMODを導入している環境で更新する場合は、設定ファイルや各MODの互換性情報を事前に確認しておくと安全です。
FAQ SilentPatch「2026 Update」に関するよくある質問
Definitive Editionにもインストールできますか
いいえ。 対象はRenderWareを使用したオリジナル世代のPC版で、2021年発売のUnreal EngineベースのDefinitive Editionには対応していません。
San Andreasで復元された音声は何件くらいですか
開発者のブログでは復元件数の正確な数字は示されていません。CJの射撃セリフ、ギャングの挑発、地区制圧後の歓声、警察との銃撃戦、ショップNPCの反応など、幅広い場面のセリフがまとめて有効化されています。
グラフィックが大きく変わる高画質化MODですか
いいえ。 SilentPatchは不具合修正が目的のプロジェクトで、テクスチャや3Dモデルを作り替えるような高画質化MODではありません。
Windows 11でSkimmerが出ない場合、データファイルを自分で直す必要がありますか
不要です。 今回のアップデートでコード側にフォールバック処理が追加されたため、データファイルを書き換えなくても問題が解消します。すでにデータを修正済みの場合も、そのまま使用できます。
導入すると既存のMODが動かなくなりますか
今回のアップデートはMODとの互換性改善を含みますが、環境によっては影響が出る可能性もあります。多数のMODを導入済みの場合は、設定ファイルや各MODの対応状況を確認してから更新することをおすすめします。
総括 20年越しの不具合が次々と解消された大型アップデート
2026年7月31日に公開されたSilentPatch「2026 Update」は、GitHub上の関連マイルストーンで113件のIssueをすべて解消し、開発者自身が過去最大のコンテンツアップデートと位置づける規模のアップデートです。三部作合計で100件を超える新規修正が加わり、特にサンアンドレアスでは、CJの射撃セリフ、ギャングの挑発、地区制圧後の歓声、警察との銃撃戦、ショップNPCの反応など、幅広い場面の音声がまとめて復元されました。Windows 11 24H2でSkimmerが消える問題や、Fort Carsonで長年語られてきたBeagle爆発の謎など、プレイヤーの間で話題になっていた不具合の原因もあわせて明らかになっています。
今の判断 対象はDefinitive Editionではなく、RenderWareを使用したオリジナル世代のPC版です。すでに三部作をSteamやRockstar Games Launcherで所有していて、今のWindows環境で快適に遊びたい場合は、導入する価値の大きいアップデートといえます。多数のMODを併用している場合は、更新前に互換性情報を確認しておくと安心です。
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