Graveyard Keeper 2が発売2日で40万本突破|Steam同接5.5万人、前作無料配布から続いた異例の販売戦略
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Steam同接5.5万人、前作無料配布から続いた異例の販売戦略
『Graveyard Keeper 2』は2026年9月22日に発売されたばかりです。開発チームは9月24日、Steamの公式ニュースを通じて、すべての対応プラットフォームを合わせた販売本数が40万本を超えたと発表しました。発表時点のSteamユーザーレビューも84%が好評でした。
Steamでの勢いも強く、最大同時接続プレイヤー数は54,969人。発売初日の9月22日に約5万人へ到達したあと、翌23日にはさらにピークを更新しています。ただし発売前にはSteamだけで約19万本もの予約を集め、ウィッシュリストは100万件を突破していました。
40万本という結果以上に興味深いのは、tinyBuildが約半年かけて「前作無料配布→ウィッシュリスト→予約販売→体験版→製品版」という流れを作っていたことです。公式が公開した数字を時系列で追いながら、この販売戦略の中身と、実際に購入を検討する際に確認しておきたい点を整理します。
目次
要点まず何が起きたか
tinyBuildは2026年9月24日、9月22日発売の『Graveyard Keeper 2』が全対応プラットフォーム合計で40万本を突破したと公式発表しました。Steamの最大同時接続プレイヤー数は9月23日に54,969人を記録。この初動は発売後だけで作られたものではなく、発売前の時点でSteam単体の予約が約19万本、ウィッシュリストが100万件を超えていたことが分かっています。さらにさかのぼると、2026年4月に前作『Graveyard Keeper』を期間限定で無料配布したことがウィッシュリスト急増の起点でした。発表時点のSteamレビューは84%好評ですが、QoL面の不満や一部の不具合報告もあり、発売直後からアップデートが続いています。
初動発売2日で40万本、Steamでは同接5万4969人
『Graveyard Keeper 2』は、2018年に発売された『Graveyard Keeper』の続編です。墓地を管理しながら資源を集め、生産設備を構築していく前作の基本的なゲーム性を引き継ぎつつ、続編では街の復興、生産のさらなる自動化、ゾンビ軍団を率いる戦闘などへゲーム規模が拡大しています。開発元はLazy Bear Games、販売元はtinyBuildで、Steamでは2026年9月22日に正式リリースされました。
そのわずか2日後となる9月24日、公式は累計販売40万本突破を発表しました。ここで注意したいのは、40万本がSteam版だけの数字ではないことです。公式発表では「全対応プラットフォーム」とされており、PCだけでなくコンソール版を含めた数字です。そのため、Steamの所有者数を40万人と考えることはできません。
一方、Steam単体で確認できるプレイヤー数はかなり多くなっています。最大同時接続数は発売初日に約5万人へ到達し、その後9月23日には54,969人まで伸びました。発売初日に一気に遊ばれて終わるのではなく、翌日にピークが上昇した計算です。販売本数と同時接続数は別の指標なので単純比較はできませんが、40万本という販売発表だけでなく、実際にSteam上で5万人以上が同時にプレイしていることからも、かなり大きな初動になったことが分かります。
発売前実は発売前の時点で約19万本売れていた
40万本という数字を見るうえで、特に重要なのが予約販売です。tinyBuildのCEOであるAlex Nichiporchik氏は発売前日の9月21日、自身のX(旧Twitter)で『Graveyard Keeper 2』が100万件以上のSteamウィッシュリスト、19万件以上の予約、300万ドル以上の予約売上に到達したと明かしていました。なお、この予約本数にはコンソール版が含まれていないとされています。
この数字と40万本を単純比較すると興味深いことが分かります。Steamの予約だけで19万本なら、40万本の47.5%に相当します。もちろん40万本は全プラットフォーム合計であり、さらにコンソール側にも予約購入者が存在するため、「発売後2日間だけで40万本売れた」という意味ではありません。むしろ今回の初動は、発売日を迎える前にかなりの割合を予約販売で確保できていたと見る方が実態に近そうです。この点は「発売2日で40万本」というニュースだけを見ると見落としやすい部分です。
転換率100万ウィッシュリストは実際に売上へつながったのか
Steamではウィッシュリスト数が新作ゲームへの関心を測る数字としてよく使われます。しかし、ウィッシュリストに登録したユーザー全員が購入するわけではありません。『Graveyard Keeper 2』では、その途中経過についてもかなり具体的な数字が公開されています。
Nichiporchik氏が発売前週に公開した数字によると、Steamウィッシュリストが100万件を超えた段階で、そのうち10万9000件が予約購入へ転換。予約全体では14万7000件を超え、予約売上は250万ドル以上になっていました。100万ウィッシュリストに対して10万9000件ということは、この時点で約10.9%が発売前にすでに購入していた計算です。さらに14万7000件の予約全体に占める「ウィッシュリストから予約へ転換したユーザー」の割合を計算すると約74%になります。
時点の異なる数字なので最終的なコンバージョン率とは言えませんが、少なくとも『Graveyard Keeper 2』では、ウィッシュリストが単なる注目度の数字だけではなく、実際の予約購入につながっていたことが確認できます。そして発売直前には予約数が約19万件まで増加しました。
起点始まりは前作の無料配布だった
では、そもそも100万件ものウィッシュリストをどう集めたのでしょうか。ここが今回もっとも面白い部分です。『Graveyard Keeper 2』は2026年4月、インディーゲームイベント「Triple-i Initiative」で発表されました。発表からわずか12時間でSteamウィッシュリストは12万件を突破しています。
それだけでもかなり強いスタートですが、tinyBuildは続編発表と同時期に、2018年発売の前作『Graveyard Keeper』を期間限定で無料配布しました。単なる「無料プレイ」ではありません。期間中に入手すれば、その後も所有できる無料配布です。SteamだけでなくPlayStationやXboxでも実施され、期限は2026年4月13日でした。
結果はかなり極端でした。前作Steam版の最大同時接続数は46,305人まで増加しています。これは2018年の発売時に記録した約1万7000人の約3倍で、2018年から今回の配布までの8年間、同接が1万人を超えたことは一度もありませんでした。そして続編のウィッシュリストも急増し、配布開始から1週間ほどで40万件、その後さらに増えて45万件に達し、Steamの「最もウィッシュリストされているゲーム」上位100本入りを果たしています。つまり、発表直後の12万件から短期間で数十万件規模まで増えたことになります。tinyBuildのマーケティング担当者は、前作について累計400万本以上を販売したIPと説明しており、長年積み上げてきた既存ユーザーに加えて、無料配布によって新しいユーザーを一気に呼び戻す戦略だったことが分かります。
副次効果「無料で配ったら売上が減る」とはならなかった
さらに興味深いのは、前作を無料にしても売上が完全になくならなかった点です。無料配布期間中、前作向けDLCだけでSteamから約25万ドルの売上が発生したとNichiporchik氏は明らかにしています。DLCには同時に80%オフのセールが実施されていました。
つまりtinyBuildは、「8年前のゲームを無料にすると、そのゲームの売上を失う」という考え方ではなく、「前作をユーザー獲得の入口として使い、DLCと続編へつなげる」という判断をしたことになります。結果として前作側でも追加収益を生みながら、続編には大量のウィッシュリストが蓄積されました。今回の40万本という初動を見る限り、かなり大胆だった無料配布は、少なくとも続編への関心を作るという目的では機能したと考えられます。
仕上げ無料配布だけではなく、発売直前には体験版も投入
さらにtinyBuildは、前作を無料配布して終わりにはしませんでした。発売日を発表して予約販売を開始し、Steamでは通常24.99ドルの商品を20%オフの19.99ドルで予約でき、日本向けSteam価格も定価2,800円に対して予約期間中は割引価格となっていました。
そして発売直前には『Graveyard Keeper 2』そのものの無料体験版を公開しています。この体験版で重要なのは、セーブデータを製品版へ引き継げたことです。公式も、体験版のセーブデータをそのまま製品版で利用できると案内しています。発売数日前には体験版だけでも約2万2000人規模の同時接続を記録したと報告されていました。
ここまでを時系列で見ると、施策の役割がそれぞれ異なります。前作無料配布では「Graveyard Keeperを知らない人、忘れていた人」を呼び戻し、ウィッシュリストを獲得する。予約開始では割引を用意し、関心の強いユーザーを発売前に購入へ転換する。発売直前の体験版では、「続編が本当に面白いのか」をユーザー自身が確認できるようにし、しかもセーブデータを引き継げるため、体験版を遊ぶことによるやり直しの負担を減らす。ひとつのキャンペーンで100万ウィッシュリストを集めたのではなく、ユーザーが購入を決めるまでの障壁を段階的に下げていたのが『Graveyard Keeper 2』の特徴です。
比較有料の続編が、無料配布された前作の同接を上回った
もうひとつ、今回の数字で注目したいポイントがあります。前作『Graveyard Keeper』は無料配布によってSteam最大同時接続46,305人を記録しました。対して、有料で発売された『Graveyard Keeper 2』は最大54,969人です。単純比較では、続編のピークは前作無料配布時を約19%上回っています。
無料なら所有して試してみる人が大量に増えるのは不思議ではありません。しかし半年後、その無料施策で集めたユーザーの受け皿となる有料続編が、無料配布時の前作を超える同時接続数を記録しました。これを見ると、4月の無料配布で一時的にプレイヤー数を増やしただけではなく、その後も続編への関心を維持できたことがうかがえます。もちろん同時接続数だけから「無料配布したユーザーがそのまま購入した」と判断することはできません。それでも、40万本の販売、100万ウィッシュリスト、約19万件のSteam予約、最大同接54,969人という複数の数字が同時に出ていることを考えると、単純な無料配布ブーストだけでは説明しにくい規模まで成長しています。
企業の視点tinyBuild自身も「Go-to-Market」の成功例として扱っている
この解釈は外部から数字を見ているだけではありません。tinyBuildが2026年9月24日に公表した上半期決算では、同社がゲーム発売に向けて「デモ、プレイテスト、革新的な戦略」を使いGo-to-Marketの手法を改善していると説明し、その具体例として『Graveyard Keeper 2』の発表を明確に挙げています。また、2026年前半には続編発表後の『Graveyard Keeper』がバックカタログ売上へ強く貢献したとも説明されています。
つまり今回の無料配布は、単なるユーザーサービスではなく、既存IPを再活性化して続編へつなげる商業戦略として意図的に設計されたものと見ることができます。2018年のゲームを無料で再び大量にプレイしてもらい、そこで続編を知ってもらう。続編をウィッシュリストへ登録してもらい、数か月後には予約販売を開始する。発売直前には体験版を出して、購入判断の最後の障壁を下げる。そして発売前に約19万本を売った状態でローンチする。40万本という販売本数だけを取り出すより、この流れまで見る方が『Graveyard Keeper 2』の初動の強さを理解しやすいでしょう。
評価40万本突破でもゲーム自体が完璧というわけではない
販売面では非常に強いスタートになった一方、プレイヤーからの評価には改善を求める声もあります。40万本突破を発表した時点でSteamレビューは84%が好評でした。十分高い水準ですが、圧倒的に好評というほどではありません。前作から改善されたクラフト、農業、ファストトラベル、ゾンビ関連システムなどを評価する声がある一方、建物を後から移動できない点や、一部生産設備で完成品を回収しないと次の生産が進まない点など、QoLや作業量を問題視する意見も確認できます。
開発側もすでに修正を進めています。9月24日に公開されたUpdate 1.005では、研究設備が資材投入後に操作不能になり研究を開始できなくなる不具合、火葬場に遺体が挟まって使用不能になる不具合、条件を満たしているのにゾンビを復活させられないケースなどを修正したほか、KilnとFurnaceのクラフト・燃料コストを再調整。錬金塔上部での大幅なFPS低下に対するパフォーマンス改善も行われました。つまり発売本数では成功と言えるスタートを切ったものの、この40万人規模のユーザーを今後どこまで維持できるかは、ゲームバランスやQoL、バグ修正を含む発売後のアップデートも重要になりそうです。
まとめまとめ|今『Graveyard Keeper 2』を買うべきか
『Graveyard Keeper 2』は2026年9月22日の発売から約2日で、全プラットフォーム累計40万本を突破しました。Steamでも最大同時接続54,969人を記録しており、数字だけ見ても好調なスタートです。しかし今回、個人的に40万本以上に興味深いのはそこへ至るまでの過程です。4月に続編を発表すると同時に前作を無料配布し、12時間で12万ウィッシュリスト、その後さらに増加。ウィッシュリストは100万件を超え、予約販売開始後には約19万本・300万ドル以上を発売前に積み上げました。そして直前にはセーブデータを引き継げる体験版まで投入しています。
「ウィッシュリスト100万」という数字だけなら、それがどれだけ販売につながるのかは分かりません。『Graveyard Keeper 2』の場合はその後の予約数と販売本数まで公開されたため、大規模なウィッシュリストを実際の購入へつなげた事例としても興味深い結果になりました。前作の墓場運営シムが好きだった人、あるいはStardew Valley系の運営シムを探している人にとっては、発売本数と同接数の両方が裏付ける初動の強さは、購入を後押しする材料になりそうです。一方でSteamレビューは84%好評にとどまり、QoL面の不満や発売直後の不具合もまだ残っています。じっくり遊びたい人は、Update 1.005以降の改善状況をもう少し見てから判断しても遅くはないでしょう。
前作を安く売って続編を宣伝するのではなく、一度本編そのものを無料にする。その代わりに大量の新規プレイヤーをIPへ取り込み、DLCで収益を得つつ、続編のウィッシュリストへ誘導する。約8年前に始まった中世墓地運営シムが発売2日で40万本を売るタイトルへ成長した背景には、前作の人気だけではなく、既存IPをもう一度大きく動かしたtinyBuildの販売戦略もかなり影響していそうです。PC版の必要スペックやQoLの詳細は、当サイトの別記事もあわせて参考にしてください。
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出典:Steam公式(Graveyard Keeper 2公式ニュース)・Steam公式(ストアページ)・Alex Nichiporchik氏(tinyBuild CEO)公式X投稿・tinyBuild公式(2026年上半期決算発表)・PC Gamer(前作無料配布のDLC売上)・TheGamer(前作の最大同時接続記録)・GamesRadar+(体験版の同時接続数)にもとづきます(2026年9月25日時点)。SteamDB調べの同時接続数データも参考にしています。



