『The Hive』日本の記事でSteamウィッシュリスト1000件増|「2週間消えた常連ファン」がきっかけ、10年前発売のRTS再注目
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発端は「2週間姿を消した常連ファン」、10年前発売のインディーRTSが再注目
出典:Skydome Entertainment公式Devlog、Reddit「r/IndieDev」開発者投稿、Steam公式ストアページ「The Hive」にもとづきます。本記事の情報は2026年8月18日時点のものです。
2016年に正式リリースされたインディーゲーム『The Hive』が、2026年8月に日本から突然大きな注目を集めました。きっかけになったのは、開発元Skydome Entertainmentの代表Sauli Saarimaa氏がRedditで語った、長年ほぼ全ての投稿にコメントを続けていたファンが突然2週間姿を消し、本気で安否を心配したという小さなエピソードです。
このエピソードを国内ゲームメディアが記事として紹介すると、Skydome EntertainmentはSteamで日本からのウィッシュリスト登録が急増し、公式Devlogで約1,000件の新規ウィッシュリストにつながったと明らかにしています。『The Hive』はまもなく正式リリースから10年を迎える作品です。
この記事では、Reddit投稿の経緯から、日本の記事を経由してSteamウィッシュリストへ流入した一連の流れ、『The Hive』がどんなゲームか、2026年に入ってからの新DLCや日本語対応の状況、発売済みゲームにとってウィッシュリスト増加が持つ意味まで、公式Devlogと一次情報にもとづいて整理します。
Skydome Entertainmentの代表がRedditで語った「10年近く追い続けてくれた常連ファンが2週間だけ姿を消し、本気で心配した」というエピソードを国内ゲームメディアが記事化したところ、開発元によると『The Hive』のSteamウィッシュリストが日本から急増し、約1,000件の新規登録につながりました。当のファン本人は、自分の休暇が日本の記事になったことをまだ知らないようです。『The Hive』は2016年発売のRTS×RPGで、Steamでの累計販売本数は約11万3,000本。2026年5月に有料DLC「Survival Mode」、7月には日本語を含む大型アップデートを配信しており、10年経った今も開発が続いています。Steam価格は本編2,300円、日本語インターフェイス・字幕に対応済みです。
目次
要点まず押さえておきたい4つのポイント
発端「常連ファンが2週間消えた」というきっかけ
今回の流れの発端となったのは、ゲームそのものを宣伝する投稿ではありませんでした。Saarimaa氏はReddit「r/IndieDev」に、「どのインディー開発者にも、投稿のほぼ全てに反応してくれる伝説的な常連がいる」という趣旨のスレッドへコメントを寄せています。その中で同氏は、『The Hive』を約10年前から追い続けている人たちが今も残っており、作品の今後を気にかけてくれていることが、長期間開発を続けてこられた理由の一つだと説明しました。ゲーム世界について独自の考察をしたり、開発側が想定していなかった細部に気づいたりするプレイヤーを見るのも嬉しいそうです。
そこへ別のインディー開発者が、以前手掛けていたゲームの開発ログ全てにコメントしてくれるユーザーがいたものの、その作品自体を開発中止にしてしまい申し訳なく感じているという体験を書き込みました。Saarimaa氏はその返信として、自分たちにもほぼ全ての投稿へコメントしてくれるユーザーがいると紹介します。ところが、その人物からの反応が突然約2週間途絶えました。普段なら毎回コメントしていた人物だけに、Saarimaa氏は本当に「何かあったのではないか」と心配し始めたそうです。
幸い、そのファンは単に休暇に出ていただけでした。戻ってきた後には、自分が留守にしていた間に公開された投稿まで遡って確認し、以前と同じように「いいね」やコメントを残したといいます。10年近く同じ作品を追い続けているからこそ、ユーザー名を見ただけで「いつもの人」だと分かり、姿を見せなくなれば開発者側が気づくほどの関係が生まれていたことになります。
反響日本の記事でSteamウィッシュリストが約1000件増加
Skydome Entertainmentは2026年8月15日、公式Devlogに「Japanese article gained us 1,000 wishlists(日本の記事のおかげでウィッシュリストが1,000件増えた)」と題した投稿を公開しました。Saarimaa氏によると、Steamのウィッシュリストを確認したところ日本からの登録が突然急増しており、当初は原因が分からなかったとのことです。調べていく中で、国内ゲームメディアAUTOMATONが、このRedditでのやり取りをもとに『The Hive』の開発history、直近のアップデート、前月に追加した日本語翻訳まで含めた記事を掲載していたことが判明しました。
Saarimaa氏自身、Reddit上で何気なく語ったエピソードが日本のゲームメディアに取り上げられるとは予想していなかったようです。公式Devlogでは「Random Reddit post → Japanese gaming article → Thousands Steam wishlists(何気ないRedditの投稿から日本のゲーム記事を経由して、Steamウィッシュリストが大きく伸びた)」とまとめ、「ゲームのマーケティングは時々おかしなことになる」とコメントしています。同氏は別のReddit投稿でも、日本の記事を読んだ多くのユーザーがSteamページへ移動したと説明しており、最終的に約1,000件の新規ウィッシュリストにつながったと報告しています。
新作ゲームでウィッシュリストが急増すること自体は珍しくありません。しかし『The Hive』の正式リリース日は2016年8月25日で、発売から約10年が経過した作品です。特定の国から短期間で約1,000件のウィッシュリストが加わった点は、10年選手のインディーゲームとしてはかなり珍しい事例といえます。
心境本人はまだ、自分がきっかけだと知らない
この話にはさらに続きがあります。日本からウィッシュリストが急増したことをSkydome EntertainmentがReddit「r/gamedev」で報告すると、あるユーザーが「その常連ファン本人には、自分がきっかけになったことを伝えたのか」と質問しました。Saarimaa氏は、その時点ではまだ伝えていないと回答し、「彼は、自分の2週間の休暇が日本のニュース記事になり、Steamページへ何百人ものユーザーを送る結果になったことを知らないと思う」と説明しています。
つまり今回の約1,000件のウィッシュリストは、広告キャンペーンから生まれた数字ではありません。長年ゲームを応援していた一人のファンについて開発者が語り、そのエピソードを日本のメディアが取り上げ、それを読んだユーザーがゲームそのものに興味を持った結果です。インディーゲームの認知がどこから広がるか予測しにくいことを象徴する出来事といえそうです。
概要『The Hive』とはどんなゲームか
『The Hive』は、フィンランドのインディースタジオSkydome Entertainmentが開発するRTSとRPGを組み合わせたストラテジーゲームです。プレイヤーは昆虫型生物の「ハイブマインド」となり、New Edenと呼ばれる世界の地下でコロニーを拡大していきます。敵を倒してDNAを回収し、新しいユニットや能力を解放しながら群れを進化させる仕組みが特徴です。基地建設や資源管理といったRTSらしい要素だけでなく、失われた文明の遺物からアイテムを入手してクリーチャーを強化したり、巨大生物と戦ったりするRPG的な成長要素も組み込まれています。
Steamでは2016年8月25日に正式リリースされ、2026年8月18日時点でのユーザーレビューは297件中71%が好評で、総合評価は「やや好評」です。無料デモも公開されています。

実績Steamで約11万3000本を販売、10年選手のインディーRTS
『The Hive』は大手パブリッシャーによるAAAタイトルではありませんが、10年間ほとんど知られなかったゲームというわけでもありません。Skydome Entertainmentは2025年12月に公開したDevlogで、自社初のインディーゲームがSteamで約11万3,000本を販売したと明らかにしています。同じ投稿では、itch.ioでの実績も公開されており、約1万7,000ページビューに対して販売本数は414本、売上は706.73ドルだったとのことです。開発元はこの差から、Steamは十分な露出を得られれば販売規模を大きく伸ばせる一方、itch.ioでは外部からユーザーを連れてくることが特に重要だと分析しています。約11万3,000本という実績がありながら、発売から約10年後も新しいユーザーを獲得できている点は『The Hive』の特徴です。
更新2026年5月にDLC、7月には日本語対応の大型アップデート
注目したいのは、『The Hive』が過去作品として保守されているだけではないことです。2026年5月25日には、有料DLC「The Hive: Survival Mode」(905円)が発売されました。通常キャンペーンではミッションごとに区切られていた進行を、Survival Modeでは一つの連続したランとして扱い、ユニットのステータス・撃破数・レベル・アイテム・アップグレード・資源などを次のミッションへ引き継ぐ仕組みです。一度失った強力なユニットや無駄に消費した資源が後のステージにも影響するため、キャンペーン全体を見据えて群れを維持する長期的な戦略性を追加するDLCといえます。
さらに2026年7月7日には、Ver.1.6.1の大型アップデートが配信されました。Mac版・Linux版の追加、日本語を含む多数の言語のローカライズ強化、実績名や説明文のローカライズ、言語変更を再起動なしで反映できる改善のほか、カメラ移動がフレームレートに依存しないよう変更されるなど、10年前のゲームを現在の環境でも遊びやすくする改善が加えられています。Survival Modeで一定数以上のユニット部隊を編成すると進行不能になる可能性があった不具合も、このアップデートで修正されました。正式リリースから約10年後に、これだけの規模のアップデートと新モードを投入していることからも、現在も開発が続いていることがうかがえます。
経験2025年末にはSNS発の「10日で1万ウィッシュリスト」も
『The Hive』にとって、ウィッシュリストが短期間で大きく増えるのは今回が初めてではありません。Skydome Entertainmentは2025年12月21日、約10日間でSteamのウィッシュリストが1万件以上増加したことを報告しています。このとき開発元が行っていたのは、TikTok、YouTube Shorts、Instagram、Facebook、Bluesky、X、Imgurへ短いゲームプレイ映像やスクリーンショットを継続的に投稿することでした。巨大な既存フォロワーを持っていたわけではなく、一部のSNSアカウントはフォロワーがほぼ0の状態だったといいます。それでも「地下世界で昆虫の群れを指揮する」「クリーチャーを進化させる」といったゲームの特徴を短い動画で伝え、反応の良かった切り口を繰り返すことで露出が伸びたと開発元は分析しています。同じ時期にアップデートも配信しており、それがユーザーに再訪する理由を与えた可能性もあると振り返っています。
2025年末は短いゲーム映像から1万件、2026年8月は一人の常連ファンを巡るエピソードから約1,000件。入口はまったく異なりますが、共通しているのは発売後も更新を止めず、ストアページに来た人が「今も動いているゲーム」だと分かる状態を作っていたことです。

効果発売済みゲームにとってウィッシュリストが持つ意味
『The Hive』はすでに発売済みなので、「今さらウィッシュリストが1,000件増えて何の意味があるのか」と感じるかもしれません。Steamworksの公式ドキュメントによると、ウィッシュリストへ登録したユーザーには、対象ゲームが一定条件を満たすセールを実施した際に通知が送られます。現在の仕組みでは20%以上の割引が主な通知条件の一つとされています。そのため、発売済みタイトルであってもウィッシュリストは将来の購入候補者を蓄積する意味を持ちます。
一方で誤解しない方がよい点もあります。ValveはSteamでの表示順位について、ウィッシュリスト数は一部の例外を除いてアルゴリズム上の主要な表示要因ではないと公式ドキュメントで説明しています。つまり今回1,000件増えたからといって、それだけでSteamのトップページへ自動的に大きく露出するわけではありません。それでも、今後のセールなどで直接通知できる潜在ユーザーが短期間で約1,000人増えたと考えれば、10年前に発売されたインディーゲームにとって小さくない成果です。
注意ウィッシュリスト増加と販売本数はイコールではない
もう一つ注意したいのが、ウィッシュリストと販売本数を混同しないことです。Skydome Entertainmentが報告しているのは、あくまでSteamのウィッシュリスト追加数であり、約1,000本売れたという発表ではありません。Steamworksにはウィッシュリストからの購入数や削除数を確認できるレポート機能がありますが、今回の投稿では、この約1,000件が最終的に何本の販売へ転換したのかまでは公開されていません。ただし、発売から約10年後のゲームに対して日本だけでこれだけの新規購入候補者が集まったこと自体が、今回のニュースのポイントです。
動作環境価格2300円、推奨GTX1050/RX560の軽量設計
2026年8月18日時点のSteamでは、『The Hive』は日本語インターフェイスと日本語字幕に対応しています。本編の日本向けSteam価格は2,300円で、Survival Mode DLCは905円、無料デモも公開されています。価格やセール状況は今後変更される可能性があります。
推奨環境も比較的軽く、SteamではWindows 10/11、Core i5または同等のRyzen、メモリ8GB、GeForce GTX 1050またはRadeon RX 560以上が案内されています。ストレージ容量は4GBです。最新のAAAゲーム向けに高性能なゲーミングPCを要求するタイプではないため、RTSや基地建設、クリーチャー育成が好きなら、まず無料デモから試しやすい作品です。
FAQよくある質問
まとめまとめ|10年間の積み重ねが呼び込んだ新規ウィッシュリスト
『The Hive』を巡って起きた今回の出来事は、10年続くインディーゲームならではの珍しいニュースです。長年ほぼ全ての投稿へ反応していたファンが2週間姿を消し、開発者が本気で心配する。そのファンは単に休暇中だった。何気なくRedditで語られたその話を国内ゲームメディアが記事にし、日本からSteamへユーザーが流入し、最終的にSkydome Entertainmentは約1,000件のウィッシュリストにつながったと報告しました。話の中心となった常連ファン本人は、開発元がRedditで回答した時点では、自分の休暇が日本の記事になり多数のユーザーを『The Hive』へ導いたことをまだ知らないようです。
そして『The Hive』は現在も開発終了していません。2026年5月には「Survival Mode」DLC、7月には日本語対応を含む大型アップデートを配信しており、2025年末にはSNS発信だけで10日間に1万件以上のウィッシュリストを獲得した実績もあります。長期間のアップデート、それを追い続ける少数の熱心なファン、再びゲームを動かす新DLC、ローカライズ、そして偶然生まれたニュース。それぞれが別々に存在するのではなく、10年間積み重なった結果として今回の日本からの流入につながったと考えた方が近そうです。
10年間応援を続けた一人のファンの存在が、巡り巡って新たな1,000人近い購入候補者を呼び込みました。ゲームのマーケティングは、必ずしも広告費や発売直後の勢いだけで決まるものではないことを、『The Hive』はかなり変わった形で示したといえそうです。Steamでは日本語対応済みで価格は2,300円、無料デモも公開されているため、RTS×RPGが好きな人はまず試してみる価値があります。



