NordVPNはゲーム用途で使えるか|Meshnetならポート開放なしで自前サーバーが立つ理由を公式データで検証【2026年最新版】
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公開データで数え直した日本国内292台の実数と、Meshnetで自前サーバーを立てるまで
出典:サーバー台数はNordVPNが公開しているサーバー情報を2026年8月9日に取得して集計しました。同時接続台数やMeshnetの仕様は、NordVPN公式サポートセンターおよびMeshnet公式ドキュメントの記載に基づきます。ノーログ方針の第三者検証は監査法人が公表した保証業務の内容、ポスト量子暗号の展開時期は提供元の公式発表を参照しています。
NordVPNは、サイバーセキュリティ企業のNord Securityが提供しているVPNサービスです。VPN(Virtual Private Network)とは、通信を暗号化したうえで事業者のサーバーを経由させ、接続元のIPアドレスを見えなくする仕組みを指します。ゲーム用途では、公共のWi-Fiを使うときの盗み見対策、対戦相手にIPアドレスを知られたくない場面、それに国ごとに提供範囲が分かれているサービスへ接続したい場面などで使われます。
実際に調べてみると、ゲーマーにとっていちばん価値があるのは通信の暗号化そのものよりも、Meshnetという無料機能でポート開放なしに自前のゲームサーバーを立てられる点でした。日本の光回線では1つのIPv4アドレスを複数の契約者で分け合う方式が広がっており、ポート開放を自由に行えない環境が珍しくないためです。
この記事では、公開データから数え直した実際のサーバー分布、通信方式NordLynxの構造、Meshnetの設定手順と公式が用意しているタイトル別ガイド、ノーログ方針の検証状況、そして月580円からという料金体系までを順に見ていきます。
目次
全体像ゲーマーがNordVPNから得られる4つのもの
ゲーム目的でVPNを導入する動機は、大きく4つに分かれます。それぞれNordVPNのどの機能が対応しているかを整理すると、次のようになります。
2つ目の地域の話は、VPNを検討するきっかけとして挙がりやすい部分です。ただし接続する国を変える使い方はサービス側の規約と関わるため、次の点だけ先に押さえておいてください。
ゲームストアの多くは、居住している国と異なる地域の価格で購入する目的でのVPN利用を規約で認めていません。発覚した場合、購入の取り消しやアカウントの利用制限につながる可能性があります。地域をまたぐ使い方をする際は、対象のサービスがどこまでを許容しているかを事前に確認してください。
実数公開データから数え直したサーバー分布
VPNの紹介では「世界◯◯カ国に◯◯台以上」という表現が使われますが、この種の数字は宣伝用に丸められていたり、更新が止まっていたりします。そこでNordVPNが公開しているサーバー情報を直接取得し、2026年8月9日時点の台数を数え直しました。
| 項目 | 2026年8月9日時点の実数 |
|---|---|
| サーバー総数 | 8,841台 |
| 設置国・地域数 | 149か国・地域 |
| 日本国内の合計 | 292台 |
| 東京 | 256台 |
| 大阪 | 36台 |
日本向けに見るべきなのは総数よりも国内の配置です。292台が東京と大阪の2拠点に分かれており、そのうち約88%が東京に集中しています。関東圏から使う場合は物理的な距離が短い東京のサーバーを選べるため、遅延の増加を抑えやすい配置だといえます。
実際に使うときは、アプリで日本を選べば条件のよいサーバーが自動で割り当てられます。そのうえで遅延を詰めたい場合は、サーバー一覧から都市を指定してください。西日本にお住まいなら大阪、それ以外は東京を起点に試すと当たりを付けやすくなります。台数が多い東京のほうが混雑時に空いているサーバーへ逃げやすい、という違いもあります。
VPN事業者のサーバーは増設や入れ替えが常時行われているため、ここに挙げた数値は取得時点のものです。数か月後に同じ方法で数えれば違う台数になります。重要なのは絶対値そのものではなく、日本国内に東京・大阪という2つの選択肢があり、東京側に厚みがあるという配置の傾向のほうです。
通信方式NordLynxが速度と匿名性を両立させている構造
VPNの体感速度は、どの通信方式(プロトコル)を使うかでほぼ決まります。NordVPNが標準で使うNordLynxは、WireGuardという通信方式をベースにした独自方式です。
WireGuardは実装が軽く高速な一方で、設計上サーバー側が各利用者に固定のIPアドレスを割り当てる必要があり、そのままでは誰がどのアドレスを使っているかが残ってしまうという性質があります。NordLynxはこれを二重のアドレス変換(二重NAT)で解決しています。1段目では同じサーバーにつないだ利用者全員に同一の内部アドレスを割り当て、2段目で通信の振り分け用に一時的なアドレスを割り当てる構造です。結果として、WireGuardの速度を保ったまま、個人と通信の結び付きが残らない形になります。
NordVPNは2024年9月にLinux版で先行導入したあと、2025年5月にWindows・macOS・iOS・Android・Android TV・tvOSへポスト量子暗号の対応を広げました。米国国立標準技術研究所(NIST)が標準化したML-KEMという方式を採用しており、アプリの設定画面から接続項目のトグルで有効にできます。将来の量子計算機による解読を見据えた対応で、いま暗号化された通信を保存しておいて後で解読する手口への備えにあたります。なおこの暗号が適用されるのはNordLynxで接続しているときで、後述するMeshnetでの通信は対象外です。
ゲームだけVPNから外して遅延を避ける
プロトコルを選んでも、VPNを通す以上は経路が伸びます。そこで効いてくるのがスプリットトンネリングです。アプリ単位で「VPNを通すもの」と「通さないもの」を振り分けられる機能で、全部か無しかの二択から抜け出せます。
ゲーム用途では、目的によって設定が正反対になります。
Windowsでは、設定画面の歯車アイコンから「Split Tunneling」を開き、トグルをオンにして対象のアプリを追加します。利用できるのはWindows・Android・Android TVと、Linux(Allowlistという名称の同等機能)です。macOSとiOSでは提供されていないため、Macで使う予定の方はこの機能を前提にしないでください。
自前サーバーMeshnetならポート開放なしで友人と遊べる
ここがゲーマーにとって最も実利のある部分です。Meshnetは、離れた場所にある端末同士を暗号化された経路で直接つなぎ、同じLANにいるかのように扱える機能です。中継サーバーにデータを保存しない端末間の暗号化で通信します。
そして重要なのは、Meshnetは有料プランに加入しなくても使えるという点です。公式ドキュメントにも、参加にはNordVPNのアカウント登録が必要であるものの、サブスクリプションは不要だと明記されています。自分の端末に加えて、外部の端末を最大50台まで自分のネットワークに追加できます。
日本の回線事情と噛み合っている理由
自宅PCでゲームサーバーを立てて友人を招こうとすると、通常はルーターでポート開放という設定が必要になります。ところが近年の日本の光回線では、1つのIPv4アドレスを複数の契約者で分け合う方式が主流になっており、この環境では自由にポートを開けられません。
たとえばv6プラスの場合、契約者1人に割り当てられるポート番号は16個ずつ15ブロックの計240個です。この割り当て数は方式として決まっているわけではなく事業者側が決めるため、契約している接続方式によってさらに少ないこともあります。いずれにしてもゲームが標準で使うポート番号がこの範囲に入っている保証はないため、サーバーを立てても外から届かないという状況が起こります。マンションタイプの契約や、回線事業者側でIPアドレスを共有するCGNATと呼ばれる構成では、利用者にポートが割り当てられず開放そのものができません。
Meshnetはこの制約を回避する設計になっています。公式ドキュメントでも、CGNATの制限を迂回して端末間の直接接続を作ること、ファイアウォールの設定やポート開放を必要としないことが機能の利点として挙げられています。ポート開放ができないから諦めていた自宅サーバーが、設定なしで動かせるようになるというのが、この機能のいちばん分かりやすい効果です。
公式が手順を用意しているゲーム
Meshnetの公式ドキュメントには、ゲーム用途の解説がまとまった項目があり、タイトルごとの手順が個別に用意されています。汎用的な説明だけで終わらせず、実際のタイトル名で手順が書かれている点は珍しい部類です。
使い始めるまでの手順
実際に友人を招くまでの流れを、Windowsの場合で整理します。ルーターの設定画面を触る場面は一度も出てきません。
アプリの用意がまだであれば、まずゲーム向けVPNをダウンロードして、上の手順どおりに初期設定を済ませてください。通信の安全性を確保しながらオンラインゲームを楽しめます。
検証ノーログ方針は6回にわたり第三者が確認している
VPNは通信の中身が事業者のサーバーを通る仕組みである以上、「事業者が記録を残していないか」が信頼の中心になります。この点についてNordVPNは、接続履歴などを記録しないとする方針を掲げたうえで、外部の監査法人による検証を繰り返し受けています。
直近では2025年11月10日から12月12日にかけてデロイト トウシュ トーマツのリトアニア法人が検証を実施し、通常のVPNサーバーに加えてDouble VPNやOnion Over VPN、難読化サーバーの設定と運用手順が対象になりました。国際的な保証業務の基準であるISAE 3000(改訂版)に沿って行われたもので、この形式での確認は通算6回目にあたります。
第三者による確認は、事業者の主張が検証可能な形になっているかどうかを見るものです。利用者側から事業者のサーバー内部を確かめる手段はないため、外部の目が定期的に入っているかどうかが判断材料になります。1回きりではなく間隔を置いて繰り返されている点が、この分野では実質的な差になります。
台数1契約で同時に使える端末とルーター設定の扱い
1つのアカウントで同時に接続できる端末は10台です。ゲーミングPCとスマートフォン、携帯ゲーム機、家族の端末までまとめて面倒を見られる台数といえます。
加えて、ルーター自体にVPNを設定した場合の扱いが実用面で効いてきます。公式サポートの説明では、ルーターは10台のうち1台分としてだけ数えられ、そのルーターにつながっている機器はすべて保護対象になります。VPNアプリを入れられない据え置き型のゲーム機やスマートテレビを含めたい場合は、この方法が現実的です。
費用料金体系と30日間の返金保証をどう見るか
NordVPNの料金は、機能の範囲が異なる3つのプランと、1か月・1年・2年という3つの契約期間の組み合わせで決まります。まずプランの違いから整理します。
ゲーム目的に限れば、判断材料になるのはベーシックで足りるかどうかだけです。この記事で紹介した機能はすべてベーシックの範囲に収まっているため、セキュリティソフトやクラウドストレージを別途契約していない人が上位プランを検討する、という順序で問題ありません。
2年プランの金額(執筆時点)
金額に効いてくるのは、プランよりも契約期間です。最も割引率が大きい2年プランについて、2026年8月9日時点で公式サイトに表示されていた金額を挙げます。いずれも3か月分の延長が付き、合計27か月分の契約になります。
| プラン | 月あたり | 初回27か月の総額 |
|---|---|---|
| ベーシック68%割引 | 580円 | 15,660円 |
| コンプリート76%割引・一番人気 | 680円 | 18,360円 |
| エリート66%割引 | 980円 | 26,460円 |
ゲーム目的ならベーシックで足りるという前提に立つと、月580円で27か月分、合計15,660円が入り口の金額になります。コンプリートとの差は月100円で、この差でマルウェア対策やパスワード管理、1TBのクラウドストレージまで付くため、セキュリティソフトを別に契約していない人ならコンプリートを選ぶ判断も現実的です。
上の金額は初回27か月分に適用されるもので、公式サイトにはその後の更新価格もあわせて記載されています。執筆時点ではベーシックが年21,960円、コンプリートとエリートが年34,680円という表示でした。契約時にここまで確認しておくと、更新のタイミングで想定と違う請求になる事態を避けられます。なお割引率とキャンペーンの内容は時期によって入れ替わるため、実際の金額は申し込み前に公式サイトで確認してください。
1か月プランと1年プランも選べますが、割引率は2年プランより小さくなります。長期契約ほど月あたりの負担が下がる価格設計です。
判断を助ける仕組みとして、全プラン共通で30日間の返金保証が用意されています。実際に自分の回線とプレイしているタイトルで試してから継続を決められるという意味で、机上の比較よりも確度の高い判断ができます。なお返金保証は最初の購入に対するもので、自動更新された分は対象外という扱いです。
向きどんな人が導入して満足しやすいか
ここまでの内容を踏まえて、導入して満足しやすい条件と、申し込む前に理解しておきたい前提を整理します。
- ポート開放ができず、友人を招く自宅サーバーを諦めていた
- 『Minecraft』『パルワールド』などを固定メンバーで長く遊んでいる
- 外出先や宿泊先のWi-Fiでゲームやアカウント操作をする機会が多い
- 対戦タイトルでIPアドレスを知られることに不安がある
- 自宅の高性能PCへ外出先から接続して遊びたい
- VPNは通信を1か所経由させる仕組みのため、遅延はゼロにはならない
- Meshnetは招く側と招かれる側の双方にアプリの導入が必要になる
- プレイするタイトルの利用規約でVPNの扱いを確認しておく
- 回線そのものが遅い場合は、まず回線側の見直しが先になる
FAQよくある質問
結論まとめ|暗号化より「自前サーバーが立つ」ことが効く
NordVPNをゲーム用途で見ていくと、評価の軸は速度やサーバー台数ではないところに移ります。公開データを数え直した結果は世界8,841台・149か国、日本国内は東京256台と大阪36台の計292台で、国内に選択肢が2拠点ある構成でした。通信方式のNordLynxはWireGuardの速度を保ちながら二重のアドレス変換で個人と通信の結び付きを断つ設計で、ポスト量子暗号への対応も主要な環境で完了しています。
そのうえで、日本のゲーマーにとっていちばん効くのはMeshnetです。ポート開放ができない回線が広がっている状況で、追加費用なしに自前のゲームサーバーを立てて友人を招ける手段が用意されている意味は小さくありません。しかも『Minecraft』『パルワールド』『Factorio』といったタイトル別の手順まで公式に揃っています。
暗号化や匿名性を目当てに検討していた人ほど、Meshnetのほうを先に試す価値があります。まずは30日間の返金保証がある期間内に、実際に友人とサーバーを立てるところまでやってみて、自分の回線とプレイスタイルに噛み合うかを確かめるのが確実です。